見付天神

今日ご紹介するのは、静岡県磐田市にある矢奈比賣神社(やなひめじんじゃ)ですっ!こちらの神社は見付天神とも呼ばれていまして、不思議な犬の伝説が伝えられています!先週は猫の話だったので今週は犬の話をしていこうと思います!



かつて、この見付の地には泣き祭りという人身御供の儀式があったそうです。人身御供とは、つまり生け贄のことです。毎年8月になると町のどこかの家の若い娘が選ばれて、生きたまま棺に入れられて見付天神にお供えされることになっていたのです。そして天神に現れる妖怪に食べられてしまうのです。

ある時、雲水という旅の僧が見付の町を訪れこの泣き祭りの話を聞き、なんとかしてやろうと修行をしたり調査をしたりすると、この妖怪は信濃の国の悉平太郎という人物を恐れていることがわかりました。そこで雲水は悉平太郎を探しに信濃に出たのでした。しかし、そんな人物は見つからないのでした。

諦めずに探していると、信州の光前寺というお寺の逞しい犬の名前が悉平太郎(しっぺいたろう)と言う名前だということがわかり、お寺の僧に頼み込み、悉平太郎を借り受け、見付の町に戻ったのでした。次の年の8月、生け贄の娘の代わりに悉平太郎を棺に入れて見付天神に運びました。

やがて妖怪が現れ棺を開けようとすると悉平太郎は飛び出し、妖怪に噛み付きます。戦いの声が町まで響き渡りました。翌日村人が天神に来てみると、悉平太郎は激しい戦いの中でケガをしながらも見事妖怪を倒していたのでした。町の人は感謝して光前寺まで悉平太郎を送り届けたそうです。

以上が悉平太郎の伝説です。場所によっては疾風太郎とも呼ばれているそうです。こちらの神社には11月4日になると磐田市のゆるキャラ「しっぺい」が現れるそうです。多分、この伝説から取ってるんだと思います。

また、こちらの神社では旧暦の8月の上旬から8日間の間、裸祭りと言われる大きな祭りを行っています。服を脱いで体を清めることで神と交渉し、五穀豊穣や大魚祈願をする神事です。その中でも特に鬼踊りと呼ばれる、夜に本殿に飛び込む部分が有名です。

ちょっと犬の話がメインになりましたが、こちらの神社は天神ということで菅原道真公を祀り、また安産の神様である矢奈比賣命(やなひめのみこと)も祀っています。裸祭りは国の重要無形民俗文化財にも指定されていますので!ぜひ機会があれば立ち寄ってみてください!今週の紹介は以上です!






 

最終更新:2013年10月20日 21:25