2013-03-17

 

先日、新たなローマ教皇が選出されたことと、皆さんがイタリアで大活躍中ということで、今日はイタリアの傍のヴァチカン市国で行われる「コンクラーヴェ」のお話をしようと思いますっ!コンクラーヴェとはローマ教皇を選出する選挙のことで、ヴァチカン市国のシスティーナ礼拝堂で行われます!

コンクラーヴェとはラテン語で「鍵がかかった」という意味で、キリスト教という広い集団があらゆる集団や国家に影響されずに新たな教皇を選出できるよう、長い時間を掛けて作り上げられたシステムです。キリスト教がキリスト教のまま、政治的な影響を受けないためのシステムなんですね。

さて、当然選挙ですから投票をする人たちがいます。その投票権を持つのは枢機卿(すうききょう:カーディナル)という集団です。枢機卿は画像のような赤い聖職者の服をきます。2005年の段階で枢機卿は183人います。

枢機卿を決めるのは実は教皇です。教皇を決める投票をする権利を持つ枢機卿を決めるのが教皇なので、(ややこしいですね)おかしいと思う人もいるかもしれませんが、現在の教皇が次の教皇候補を決める人たちを決めている、と考えるといいかもしれません。(やっぱりややこしいかな?)

さて、投票をする人たちは枢機卿ですが、教皇に選ばれるのは誰なのでしょうか。実は、全てのキリスト教の信徒であれば教皇に選ばれる可能性があります。実際には「司教」と呼ばれる、特定の範囲内でのキリスト教の監督者から選ばれています。また、これまで教皇は全て男性から選ばれています。

そして枢機卿が実際にどのように教皇を決めるかというと、枢機卿が集まって、みんなで名前を同時に言います。みんなが同じ名前を言ったらその人が教皇になるのですが、そんなことはなかなかありません。実際には意見が割れるので、枢機卿から選挙委員会を選び、匿名の投票を繰り返して教皇を決めます。

そして、この選挙はシスティーナ礼拝堂で行われるのですが、かつては枢機卿たちはシスティーナ礼拝堂に長期間缶詰にされるという問題がありました。しかし2005年のコンクラーヴェから他の宿舎が用意され、投票の時のみシスティーナ礼拝堂に赴くというシステムになりました。

投票は最長で3日間行われ、まず1日目の午後に投票が行われ、これで決まらなければ2日目以降は午前中に2回、午後に2回の4回が行われます。投票が行われると投票用紙が焼却されるのですが、この時に特殊な薬品を混ぜ、教皇が決まれば白い煙が出て、決まらなければ黒い煙が出るようにします。

この煙の話は有名ですよね。逆に言うと、コンクラーヴェ中、この煙以外は枢機卿の人たちと一切連絡が取れません。公平な選挙にするため、一切上方を漏らさないようにするためです。だから世界中のマスメディアの人がシスティーナ礼拝堂があるサン・ピエトロ寺院の煙突から登る煙を見守り続けるのです。

そしてめでたく教皇が決まると、教皇専用の白衣を身につけ、枢機卿から「漁夫の指輪」を受け取り、サン・ピエトロ大聖堂のバルコニーに出て、世界に祝福を与えるのです。こうしてコンクラーヴェは終わります。

さて、先日行われたコンクラーヴェにて教皇に選出されたフランチェスコ1世ですが、正式な即位は3月19日、明後日です。世界中の人々が注目する瞬間になりそうです。そういったことを知ってテレビや新聞、ツイッターを見ると、少し面白くなるかもしれませんね。今日の紹介は以上です!

CD第5弾、家の神社でコンクラーヴェすれば

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最終更新:2013年05月06日 18:11