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学園に向かう四人が『それ』に気づくのはそう時間がかからなかった。
サーヴァント二体は即座に顕現し、臨戦態勢をとる。
次いで、名無、花村も槍王、ジライヤを発動させて身構える。

一秒。花村が唾をゴクリと飲む。
二秒。アレックスがブリューナクの槍をいつでも発動できるよう腕を前に突き出す。
三秒。名無がそういえば、エロ本まだ読んでないなぁと心中でため息をつく。
四秒目。衝撃波が四人へと迫る——!

「うひゃあああああ!! 何だよ、これえええええええ!」
「いいから黙ってろ!」

軽口もそこそこにして四人は衝撃波の及ばない範囲まで跳躍、そして着地。
四人がいる場所は人の気配なき農村地。
相手側もここでなら思いのままに戦闘できると思ったのか、積極的に仕掛けてきた。
そして、四人が衝撃波の飛んできた方向へと視線を向けると、そこには。

「……四人か。この開けた戦場では奇襲など無意味、真っ向から当たってみたが。ククク……戯れ程度の一撃では消えてくれんか」
「…………」

この世の全ての殺意を束ねたかのような、塊。
対峙するだけでも重くのしかかる圧力に花村は顔を青ざめる。
即座にリインフォースがレジスト魔法を展開。
花村の恐慌状態を解除する。

「無ーーーーーーー理ぃぃぃぃいいいいいいいいい!! ちょっと、バランスおかしい! こんなの聞いてなーーーい!
 というか、死んじゃう! 俺ワンパンで死んじゃうよ、これ!? 嫌だ、嫌だよー……まだ、エロ本読んでないんだよ!
 はい、そこのお二人さん! 逃げちゃ駄目ですか! 出来れば、このイケメン美少年、名無君は逃がして欲しいなっ!」
「それを許すとでも貴様は思うか?」
「思いません! イエーーイ! やっぱり、俺、死んだぁぁあああああ!
 こんなイケメンを殺すのはやめるべきだぞ! 今なら土下座でもしてやるぜ!」

一方の名無はわたわたと手を振って、ムンクの叫びのような顔をしながら身体をブルブルと震えさせていた。
花村と同じく、震えてるのにどこか余裕がある風なのは気のせいだろうか。
狂神アギトとの闘いでも平常心を保っていた名無だ。

恐慌状態? めっちゃ怖いっすけどエロを考えれば余裕!

ある意味、この聖杯戦争で一番の度胸がある馬鹿である。
それはアシュナード達の前でも変わることはない。
でも、やっぱり怖かったりとか思っているのだ。

「マスターの方は任せた」

伝える言葉は短く。されど、ハッキリとした物言いで。
アレックスはアシュナードを花村達から離れた場所へと誘導する。

「私は……」

だが、リインはすぐには動けなかった。
自分が獲るべく、たったひとつの冴えたやり方に対して、なぜか拒否反応が起こったからだ。

(私の主ははやてだ。はやて以外とユニゾンするのは……いいのか?)

名無とユニゾンして戦うのが一番効率がいいとわかっているけれども。
どうしても、はやてと比べてしまう。
自分に名前をくれたはやてと、何も考えていない名無。
その二人を同一の主とするのが、認められなかった。

「行きなよ、リインちゃん」
「お前……」
「ここは、俺と花村がやるから。な?」

だからこそ、名無の提案は僥倖だった。
自分で決めることもなく、動くことができる。
弱い心だと認識しながらも、その提案を受け入れてしまう自分がいた。
リインフォースは無言でアレックスの援護に向かった。
そして、残ったのは三人。
理想の追求者、ゼフィール。
迷いながらも進む、花村陽介。
槍王、イルバーンを宿す名無鉄之介。

「花村、サポート任せたぜ」
「わかった……名無、本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫な訳な……ぎゃーーーー!」

軽口を交わす暇もなく、ゼフィールは剣を持ち切り込んでくる。
名無は手に持った槍で剣閃を受け止め、そのまま後退する。
返す刃で横薙ぎに槍を振るうが、空を切った。

「ちょ、あぶなっ! 待ってー! まだ、俺の準備出来てなーーーい!!!!!」

蹂躙が始まった。多種多様、右往左往に振りかざされる刃に名無は泣きながら逃げすさる。
槍王の恩恵により、格段に戦闘能力が上がった名無ではあるが、残念なことに相手が悪い。
幾多もの血生臭い戦場を駆け抜けてきたゼフィールが相手では防戦になるしかないのだ。

「おい、おっさん! ここは平和的に解決しよう! お近づきの印にエロ本あげるんで!
 エロ本パラダイスを築こうぜっ! なっ、エロは万国共通、仲良くなれると思うんだよな!」
「……」
「嫌あああああああ! 何の反応もねぇええええええええ!!! エロ本あるのに、何で!?」

名無は懐からエロ本を差し出すが、ゼフィールは当然の如く無視。一刀において、切り捨てられる。
お気に入りのエロ本がーーーー! と名無は泣き叫ぶが、仕方ない。

Qゼフィールにエロ本を出したらどうなりますか?

Aどうにもなりません。むしろ、どうなると思っていたんでしょうか。

「はい、すいませんでしたーーーーー! 謝るから許してください! 何でもしませんけど……ぎゃあああああああ!
 ちょっと、頬に血がーーーー!?  ノオオオオオオオオオウウウウ!」
「煩わしい羽虫だ……」

このままだと耐え切れないと判断したのか、名無は一旦後ろへと跳躍し、距離を取る。
ゼフィールもすぐに追おうと地面を蹴り上げようとするが。

「させねー! ガルダイン!」
「……厄介だ」

間髪入れずに、ジライヤが疾風の刃を巻き起こす。
ゼフィールも無視できないと悟ったのか、追撃をやめて回避に移る。
その瞬間が、好機。
名無は、ゼフィールがジライヤに気を取られている隙に、一気に決める——!
槍をグルリと回し、衝撃波を放つも、ゼフィールは悠々と躱す。

「えっ。ちょ、まっ! そこは当たっておいてくれよ! おい、おっさあああん!?」

ジライヤによるサポートがある為に、何とか渡り合えているが、このままだと——。
名無が、天国に向かう為の辞世の句を考え始めたその時。

「なっ!?」
「大丈夫かよ、二人共……!」
「フン……わしが見ていないから好き放題か」

少し離れた場所で行われているサーヴァント同士の戦闘が佳境になった合図と言わんばかりの爆発音が響いた。



##############



ランサー・キャスター対ライダー。
数という面ではランサー達が圧倒的に優位。
加えて、前衛であるランサーと後衛であるキャスターのコンビは間違いなくこの聖杯戦争で上位に食い込むコンビであろう。
ただし、相手が普通、常道に収まるサーヴァントであるに限る。
戦況は、五分とも言える状況だった。

「そら、受けてみろ! この程度を乗りきれぬ弱者に生きる資格などないぞ!」
「……グッ」

アレックスとアシュナードが刹那の瞬間、数度の交錯を繰り返す。
互いに最強と言っても申し分ない戦力を持ったサーヴァント、交錯するだけで突風が吹き荒れる。
硬化したアレックスの腕とアシュナードの持つグルグラントが激突、そしてギチギチと金属音を鳴らす。

「ははははっ! よいぞ、今までの奴等より数段もいい! 闘争はこうでなくては!」
「ふん、勝手にほざいてろ」

言葉の交わし合いは不要、刃で全てを語れ。
二人は無言で刃を振るい、抉り、貫き通す。
デイン王国を支配した狂王と、戦いの神としてエグリゴリに君臨した元戦闘狂。
誰にも邪魔などさせはしない。そう言わんばかりに刃の応酬は激しさを増すばかりだ。

(これが……同じサーヴァントとでも言うのか?)

リインフォースは『化け物』二人を見て、背筋を凍らせる。
それは彼女の今までを顧みても異常としか言えない強さ。
ヴォルケンリッターとは比較にならない、威圧感。

(ここまで、恐ろしいとは……!)

そして、一旦間を取ることをお互いに選択したのか、刃を納める。
少し距離を離し、牽制。濃縮された闘気が場を飲み込んでいく。

「合格だ。貴様こそ、我が創る世界に相応しい。ククク、久方ぶりの愉悦よ……」
「願い下げだ。一人で王様を気取っていればいい」
「そうでなくて困る。威風堂々で良い。影でコソコソとしている輩がここでは多くてな……」

パチンとアシュナードは指を鳴らす。
瞬間、虚空から竜が這い出てくる。ファンタジーの世界でしかお目にかかれない怪物だ。

「貴様らに会う途中。こそこそとしている不届き者がいるのでな、喰わせておいた」

竜の口元には血塗れの男の細切れが、咀嚼されていた。
思わず、リインフォースはゴクリと喉を鳴らす。
何の関心もなしに、まるでゴミを捨てるかの如く。

「さてと、では再開しようか。今度は後ろの奴も交えてな」
「……後衛は任せた」

両者が跳んだのはほぼ同時だった。
アシュナードは獰猛な笑みを浮かべ、アレックスは以前と無表情のままに。
拳と刃の激突が再び始まった。
そして、合間を縫うようにリインフォースも援護の魔弾を生成、アシュナードに向けて解き放つ。

「ぬるい、ぬるいわ! 我を滅したいのなら! 那由多の数だけ持って来い!」

——狂ってる。

いくら魔弾を当てようとも、アシュナードは笑うだけ。
いくらアレックスの拳が首元の近くを通ろうとも、アシュナードは嘲笑うだけ。
断言できる。こいつは——サーヴァントなんて生易しいものではない。
それ以上の何かだ。
身体がビクンと震える。
同じサーヴァントなのに、ここまで違うものなのか。

「おっと、余所見する余裕があるとでも?」
「……——!」

思考が恐怖に塗り変わっていく瞬間、魔術の行使の一瞬の停止。
その隙をアシュナードは逃さなかった。
グルグラントを全力で振るう。
切っ先からは物々しい剣風が生み出され、リインフォースを削り取ろうと高速で迫る。

(しまっ)

剣を振るう。
ただ、それだけの動作であるのにもかかわらずだ。
その一撃は必殺。
急いでシールドを構築するも時は既に——。

「終わらせん!」

自分の前に立ちはだかる大きな影が一つ。
アレックスだ。リインフォースを守ろうと吹き荒れる暴風の前に身体を晒す。

「ぐっ……」

リインフォースを護れることは出来たが、自分の身体はそうはいかなかった。
風に巻かれ、遙か後方へと吹き飛んでいく。
そして。

「……失望した。貴様のような脆弱な者に生きる価値などありはしないわ!!!!!!」

アシュナードの振るうグルグランドの切っ先が、今度こそリインフォースを切り裂こうと——。





「ちょい待てよ、おっさん」

再び、立ちはだかる者が一人。
今度こそ、終わると思って目を閉じていたリインフォースにとって。
その奇跡は。アシュナードから自分を護ろうとする者は考えもつかない人物で。

「何、俺の女に手を出してんだ、ぶっ飛ばすぞ」

リインフォースが目を開けたその先には。
中指を立ててニヤリと笑う名無の姿があった。
変わらない、いつも通りのだらしない笑みを浮かべた少年が。
何の覚悟もなく、ただぬるま湯に浸かっていただけだと思っていた少年が。
自分を護る為に、立っている。
アシュナードに槍を向けて笑っている。

「お前、どうして……」
「はっ、美少女が涙見せてるんだぜ? それを拭いに来ないで何がパートナーだ。何が男だ。
 惚れてもいいんだぜ、うっひゃっひゃひゃ」
「馬鹿……よせ、私達が敵う相手じゃ」
「それを決めるのは、リインちゃんじゃねーよ。なぁ、おっさん!」
「はっ、そこの小娘よりは覇気がありそうだ。だが、圧倒的に足りんよ、力がな」

名無とアシュナードには絶対的な、深い深い溝がある。
最凶のサーヴァントと普通の参加者。
勝てる確率などほぼゼロに等しいはずだ。
それでも。それでもだ。
彼は笑うのだ。どうってことないと言わんばかりに。
少しでも彼女の恐怖を取り除いてやるかのように。

「まーな、あの時と……アギトとかいうキチガイ野郎と一人対峙した時と同じくらいにやべーな。
 でも、俺は言うぜ。退けよ、おっさん。ムリカナ☆」
「……力もなき者が我に乞うか? 舐められたものよ。それとも、何か我を倒す手段でもあると言ってみせるのか?」
「いんや。策はねーよ、真っ向勝負しかやれねーわ。マジで、ワンパンでオダブツ確定だな。
 だけどさ、女の影に隠れてコソコソやってる野郎が美少女のハーレム作れるかってんだ」

怖い。逃げたい。当たり前ではあるが、名無の頭の中に余裕なんてない。
一秒後にでも斬り捨てられて死んでしまうのではないか。
もしくは、今見ている光景は夢で既にこの世界から消えているのではないか。
そんな弱気な考えが充満しそうになるのを振り切って、彼は宣言する。

「美少女泣いてんのを無視出来る程よ、馬鹿じゃねーんだよ!!!」
「示してみろ、貴様の力を! どうだ、圧倒的不利の中でも貴様は——」
「知るか、んなもん! 後ろにへたり込んでる美少女がいるんだ、俺が動かなくて誰が動く!!!!」

単身、槍を両手に握りしめて、名無は地面を強く蹴り抜いた。
似合わないシリアス顔を浮かべて、全身全霊の力を込めて、アシュナードに突き立てようと——。

「足りんよ、力がな」

軽く、手を振るう。たったそれだけの動作で名無の槍は弾かれて、自身は血反吐を吐きながら吹き飛んだ。
恐ろしきはサーヴァントの能力。否、アシュナードの力か。
どちらにしろ、一撃で名無は瀕死の状態。もう一撃、加えたら死んでしまうのは確定である。
それでも。それでも。

「どうしたよ、おっさん……俺は、俺は! まだ、立てるぜ! 両足で! テメーに怯えずに!
 圧倒的なんとか? 知るかよ! 負けねぇ、負けられねぇ!」

血に濡れながらも、名無はしっかりと両足で立っている。
中指を突き立ててファックユー。
まだ、闘志は折れてないことを証明する。
その折れぬ姿を見てリインは思う。
どうして。どうしてだ。
何の覚悟もなく、特別な力も持っていないと思っていた名無が。
折れずに、諦めずに、立っているのだろう。

「つーかさ……何でおっさんは俺達襲う訳? まさか、聖杯手に入れる為にーとか言っちゃったり?」
「闘争だよ。我の願いは飽くなき闘争、強き者が跋扈する世界を創ること、聖杯など通過点にすぎん。
 しかし、通過点とはいえ、これもまた、闘争。我を愉しませてくれる可能性があるやもしれん」
「へっ、なら話は早い! 俺達がバカ面しながら戦ってるのを嗤って見てやがる神様がいるんだぜ?
 問うぜ、おっさん! そいつらぶん殴りてーって思わねーか!」
「……小僧。貴様のいうことは一理ある。確かに気に入らん。
 戦場に観客席など存在しない。もしこの闘争を操っている輩がいるとすれば……それが弱者なら尚更だ。
 其奴も我が殺す。闘争を舐めた弱者には罰が必要だろう?
 だが、今あるこの闘いを愉しむのも一興。故にこそ、貴様等よ。少しでも、愉しませてくれるよう踊ってもらわないとなぁ。
 貴様は我をここで引かせるだけの言葉を放つことができるか?」

アシュナードの語る世界に闘争と強き者以外は必要ない。
アレックスは合格した。リインフォースは不合格だった。
先程の連中は評価するに値しなかった。
さて、目の前にいる名無は?
評価の時よ、この狂王に怯えずに啖呵をキレる大馬鹿者は——大物か、小物か。



「それなら、俺が探す。こんな参加者同士で戦うよりも、もっとおもしれー戦いを!
 アンタが満足するが為の戦いを! 自由にその武器振り回していい奴を!」
「ほう……だが、その相手はどこにいる?」
「まだこの聖杯戦争は始まったばかりだ! 正直、断言はできねーけど!
 どっかにあるはずだ、手がかりが! 俺よりも頭がよくてラスボス見つけられる奴が!
 アンタの闘争をぶち破れる奴が!」

今、名無が口にしていることは全てでまかせである。
ラスボスがいるかどうかなんてわからない。
ひょっとしたらこの闘いは一人しか生き残れないかもしれない。
だが、諦めたらそこで終わりなのだ。
したくもない殺し合いをやらなくてはいけないのだ。
そんなの、ゴメンだ。
やりたいようにやる、いつだってゴーイングマイウェイを貫く名無にとって、それは受け入れがたいことだ。

「悪くはないんじゃねーか! いつでも俺達は殺せるんだぜ? 俺を動かしてみろよ、おっさん!
 聖杯を獲りたいって思うのは本気の本気、大マジだ。俺も欲しい!
 でも、それは独り占めじゃねぇ。全員でぶんどって、余裕ぶっこいてる神様を笑う方が気持ちいいだろ!」
「もしも、その相手がいない場合はどうする?」
「俺が、おっさんを倒す。今は無理でも、這い上がってやる。おっさんがいる場所まで!」

言いたいことは、でまかせは言い尽くした。
後は、相手が乗るか乗らないか。
成功したら一時的に生き延びることができる。
失敗したらそれまで。ハーレムの夢はおじゃんだ。
だが、名無の顔に不安はない。
ちびりそうな恐怖を必死に抑えて、彼は不敵に笑うのだ。
ハッタリと度胸で、この戦場を乗り切る為にも——!

「……貴様、名前は?」
「名無鉄之介、美少女ハーレムを作る予定のイケメンさ」
「ふは、ははっ! ははははははっ! いいぞ、精々あがいてみせろ。我を愉しませてみせろ! 
 いやはや、木偶が多いだけの戦場かと思えば面白い奴がいる。いいぞ、貴様の口車、乗ってみるとしよう。
 くくっ、貴様のような道化者をそばに置くのもまた愉快かもしれぬな」
「えっ、それはちょっと……やめっ」
「……次に会う時は我をもっと愉しませてくれることを期待しよう。戯れではあるが、ほんの少しは興味が湧いた。
 我が名はアシュナード。その頭に刻んでおけ」
(いやあああああああああああ! 刻まれたくなあああああああああああいい!!!!! 
 こんなおっさんに顔覚えられるのは嫌じゃあああああああああああああああああああ!!!!)

最後に不敵な笑みを残し、アシュナードは姿を消した。
荒れ果てた草原に残ったのはへたり込んでいるリインフォースと満身創痍の名無のみ。



「なぜ、お前は……」
「なぜって?」
「なぜだ! なお前は私を護った! 立っていられた! なぜ、折れなかった! なぜ!」

リインフォースは涙を流しながら問い続ける。
なぜ、と。なぜ、お前は私の前に立つことができたのだと。
出会った当初からまともな会話をしていない仮初の主に、彼女は初めて向かい合う。

「そんなん決まってるさ。泣いてる女の子をほっとけるわけねーじゃん?」

名無は最初に見せただらしない笑みを浮かべて、リインフォースの頭をぽんと軽く叩く。
彼にとって、女の子(特に美少女)は宝石のようなものであり愛でる対象だ。
その女の子が泣いていたらどうするかなんて決まってる。
涙を拭って、嫋やかな手を取ってやればいい。

「頼りねーと思うけど、俺がリインちゃんを護るから。だから、泣かないでくんね?
 やっぱさ、女の子に涙は似合わねーって。可愛く笑ってくれた方が嬉しいんだ」
「ま、また……お前は!」
「俺は見捨てないから、リインちゃんのこと。」

そして、彼女の手を取って名無は笑いかける。
怖いものなんてありはしないと言わんばかりに、止まらぬ涙を拭い捨てる。
ボンッとリインフォースはトマトのように顔を赤くして、身体を翻す。

「つーことで頑張ったご褒美に! 胸をもま……!」
「……………は?」
「いやあ、ね? ここは揉んどいた方が俺もハッピー、リインちゃんもますます俺に惚れてくれちゃったりなんて」
「こ、こここ、ここ、このアホーーーー!」

だが、残念。名無のシリアスタイムはもう終了してしまった。
ルパンよろしく、リインフォースの胸にダイブしようとする名無をリインフォースがはたき落とす。

「な、ナイスパンチ……」

遠くから駆け寄ってきた花村と、身体を再生させたアレックスが自分達の名前を呼ぶ中で。
名無はいい笑顔を浮かべながら地面に倒れ込む。
だが、不思議と彼の顔は笑っていて、晴れやかな表情をしている。

(馬鹿……本当に、馬鹿……!)

名無のいつも通りが普段よりも、嬉しく感じてしまったのは。
少しだけ彼のことを悪くないと思ってしまったのは、きっと気の迷いだろう。





##############



「……問おう。なぜ、逃した」

「生き餌よ。この殺し合いで、あのような者は目立つ。
 それに群がって、色々な者が接触してくるだろう。加えて、我と互角に戦える者もいる。そう簡単には腐らんよ」

「其奴等を餌に、人が集まった所を一網打尽にする、か」

「くはは、それもあるがな。興味が湧いた。あのような道化が我に真正面から啖呵を切ったのだ。
 これが笑わずにおれるか! 痛快よ。なればこそ、機会をくれてやった」

「……余計なことを」

「本当にそう思うか? 面白い説も聞いたぞ? もしも名無が言った通りだとしたら……我らは掌の上、踊らされている訳だ。
 その神様が我らに願いを掴ませるとでも思うか?」

「関係ない。わしが理想を叶えるまで、戦は止まぬ。今できる最善の策は生き残る。それだけよ」

「それでよい。だがな、ゼフィールよ。策は常に複数持つものよ。
 戦場は目まぐるしく変化していく。柔軟にされど激烈、そうやって我は勝ち抜いてきた」

「…………フン」

「何、闘争はまだ始まったばかりだ。焦ることなど、ない」



【アサシン(平行世界のファニー・ヴァレンタイン) 消滅】


【田園地帯/早朝】

【花村陽介@ペルソナ4】
[状態] :疲労(大)・残令呪使用回数:3
[持ち物]ミネラルウォーター@現実・カロリーメイト@現実・医薬品一式@現実・大学ノート@現実
     筆記用具一式@現実・電池式携帯充電器@現実・電池@現実
[基本行動方針]:聖杯を探しだして破壊する
[思考・行動]
1.学校に行き情報を集める
2.できたら途中で町で装備を整える
3.[答え]を見つける
[備考]
聖杯戦争のルールと仕組みを言峰神父から聞きました。
(意図的に隠された情報があるかもしれません。)
名無達と情報交換を行いました。

【ランサー(アレックス)@ARMS】
[状態] 魔力消費(小)、全身ダメージ(回復中)・ARMS の進化
(進行度小)
[基本行動方針]:聖杯を探しだして破壊する
[思考・行動]
1.情報を集める
2.アサシンを警戒する
3.陽介を(主に精神的に)鍛える

【名無鉄之介@私の救世主さま】
[状態]全身ダメージ(大)残令呪回数:3
[持ち物]:エロ本(大量)@現実
[基本行動方針]:リインちゃんとイチャコラしたい!
[思考・行動]
1.やりたいように行動する。
2.花村と一緒に学校にいく。
3.エロ本読みたい。
4.おっさんよりも美少女に名前を覚えられたい。
[備考]
聖杯戦争のルールと仕組みを言峰神父から聞きました。
(意図的にに隠されている情報があるかもしれません。)
花村達と情報交換を行い、アサシンの能力を聞きました。
アシュナードにほんの少し興味を持たれました。

【キャスター(リインフォース@魔法少女リリカルなのはA´s)】
[情報]健康
[基本行動方針]とりあえず鉄之介と行動を共にする。
[思想・行動]
1.鉄之介をどうにかまともな方向へ矯正したい。
2.学校へ行き情報を集める。
3.拠点を作りたい。
4.神父を警戒。
5.自分の弱さ、鉄之介に護られたことによる困惑。

【ゼフィール@ファイアーエムブレム 覇者の剣】
【状態】:健康、疲労(中) 魔力消費(大)(残令呪使用回数:2)
【装備】:エッケザックス@ファイアーエムブレム 覇者の剣
     封印の剣@ファイアーエムブレム 覇者の剣
     冬木市の地図
【備考】:自身もサーヴァントのスキル、『恐怖』をマスター相手に使用できると知りました
     ※参戦時期は、ファイアーエムブレム?覇者の剣 十巻のロイ率いるエトルリア軍がベルン城に攻め入る直前からです。
     ※冬木市ハイアットホテルの最上階を拠点としました。アシュナードはキャスターではないので、魔術工房の類は一切存在しません。
     ※ジョン・バックスには拠点の個室にこの世界で違和感のない衣装と自動車を贈るよう、
      あらかじめ要請してあります。それらがいつ頃到着するかは次の書き手にお任せます。
     ※優勝すれば、願いが相反するアシュナードを粛清するつもりでいます。
     ※もし可能性があれば、機会あらばサーヴァントの交代を考えています。
     ※令呪の詳細は以下の通りです。
【方針】:冬木教会へ向かい、言峰神父に助力を申請する

【ライダー(アシュナード)@ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡】
【状態】:疲労(中) 魔力消費(中)
【令呪】:ゼフィールがアシュナードに対する全ての質問に対して、拒絶、沈黙、遅延の一切なく。
     己が持つものと聖杯に与えられた全ての知識を用いて、詳細かつ速やかに答えよ。

【備考】:名無鉄之介の口車をほんの少し、戯れで信じてみる。
     彼のような道化者をそばに置くのもやぶさかではない。
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