キャスターの転移魔術により陽介・こなたの二人は柳洞寺の地下大空洞へと移動した。
あたりを見渡し敵影がないのを確認すると緊張を解く。

「ルルーシュ君大丈夫かな、それに鉄之介くんも…」
「きっと大丈夫だよ、名無のやつは馬鹿だが強えやつだ。俺なんかよりもずっとな。ルルーシュもきっと無事に帰ってくる」


暗い顔で心配するこなたを慰めるように陽介は明るく振舞う。
けれど内心では陽介も二人の心配はしているし何より先の士郎の死が大きく後を引いていた。

あの状況では自分にできることはなかった。しかし何も感じなかったわけではない。
寧ろ大切な仲間を失う辛さを陽介は誰よりも知っている。


(落ち込むのは…後悔するのは全部終わってからだ)


暗くなりそうな思考を振り払い集中する。今この場に戦えるのは自分しかいないのだ。
アレックスたちが戻るまでこなたを守らなければと自分を奮い立たせる。

「陽介くん。映司さんたちもうすぐ到着するっていま連絡があったよ」
「ありがとう泉さん。後は名無とキャスターが戻るのを待つだけだな。戻ったらアレックスを回復してもらわないと…」


先ほどの戦いでアレックスはアサシンの放った毒によりかなり危険な状態に陥った。
幸い毒は克服できたようだが消耗が激しく戦うことが困難な状態だ。
急ぎキャスターに体力と魔力を回復してもらおうと考えていたそのとき、突如洞窟に巨大なスクリーンが投影された。

「なんだ!?」
「何かのスクリーン画面?……あ、あそこに映司さんたちが映ってる!」
「てことはこれ町の中を撮影してんのか?誰がこんなものを…」


これはリインフォースが予め用意していた魔術………ではない。
彼女にそんなことをする余裕も理由もなかった。では誰がこんなものを用意したか?
この場に訪れた参加者でこんなことが可能な人物が一人だけいる。

キャスターのサーヴァント―――蘇妲己である。
彼女は此処に神殿を作ったときから町中を監視しており戦闘をリアルタイムで観賞していた。
もっともすべてのエリアを監視できたわけではなくあくまで深山町一帯だけであったが、逆にいえばキャスターはガウェインが令呪で操られ襲い掛かる事件が起こるまで全ての情報を持っていたことになる。

キャスターが死んだ今でも残っているのはこれが魔術ではなく道具製作スキルにより生み出されたからか。
はたまた特に害がないものと判断されムーンセルの除去を免れたからか判らないが。

そんなことを知る由も無い陽介たちは、ある一点に釘付けになった。


それは先ほど別れたルルーシュがその親友スザクと戦っている画面。
ルルーシュが手に持っている武器は、陽介にとって見覚えのあり過ぎるものだった。


銘を槍王イルバーン
13騎士のひとつにして、仲間である名無鉄之介が持っていた能力
それをルルーシュが手にしているということは………

「まさか…鉄之介くんまで………!?」
「そんな……嘘だろ名無……」


口から零れた否定の言葉。
けれど理性では分かっていた。
キャスターは間に合わなかった。
名無かキャスターのどちらかが致命傷を負い、最後の力で槍王をルルーシュに送り届けたのだろう。
誰よりも友達思いだったあいつは、死ぬ間際でも仲間のために行動したのだと。





「マスター。無事か!」
「こなたちゃん!」


その時パスを辿って合流したアレックスとライダーが地上から降りてきた。
二人が無事な事にほっと安心すると、この場にいない人物に疑問を抱いた。

「マスター。キャスターたちはまだ戻ってないのか?」

その言葉に俯く二人、そしてその背後に映された映像で全てを察した。

「まさか、キャスターさんたちが…!?」
「……すまないマスター、俺が作戦を失敗したせいだな」


初期から行動を共にし、チームのメンタルをフォローをしていた名無は、ルルーシュや士郎とは違う意味でチームの中心的人物だった。
何しろ彼が起こした行動が陽介を励まし、チームを結束させる一因を作ったのだから。
鳴上悠を除けば一番に仲のよかった名無の死。ひょっとしたら立ち直れなくなると心配するアレックスだったが。



「アレックス、ライダー。落ち込むのは後だ。今はやるべきことをするぞ、すぐに回復する」
「陽介くん…悲しくないの?一番仲良しだったんでしょ!?」

どこか非難する視線を送るこなたの眼を真っ直ぐ見返す。
それは、強い決意を固めた瞳だった。


「悲しいさ。名無に…鉄之介に会えたおかげで俺は今まで戦うことができたんだからな。あいつと出会わなけりゃ俺はきっととっくに死んじまってた」

もしもあの時教会で出会わなければ、もしかしたら殺し合いに乗っていたかもしれない。
そう思えるほどにあの時の陽介は精神的に追い詰められていた。


「衛宮は最後まで自分に出来る事をやった。鉄之介はルルーシュの力になった。ルルーシュたちはまだ戦ってる。俺たちが絶望したら、あいつらの想いが全て無駄になる。そんなことは絶対出来ねえ!」
「マスター……」
「ごめん陽介くん。私酷いこと…」
「気にすんなよ。それより二人とも、すぐ回復するから」


ペルソナを発動し、ライダーとランサーに回復魔法をかける。
傷と疲労は回復したが極限まで消費した魔力は回復にかなりの時間を要する。
この先ライダーだけでは三人を守りながら戦うのは不可能であり、またこちらに来なくてもルルーシュを狙われたら終わりである。
しかし陽介は令呪を使い切っており即座の回復はできず、打開策を考えていると…

「映司さん…あの…」
「俺のことは気にしなくていいから、こなたちゃんの好きにしていいよ」
「ありがとう…陽介くん、私の令呪を使ってランサーさんを回復してあげて。私もう一画残してあるからさ」

そういって陽介の手を握り令呪を一画渡す。

「ワリィ泉、助かるぜ。令呪をもって命じる、回復しろアレックス!」


瞬間、膨大な魔力がランサーの体中を駆け巡り許容量限界まで回復する。


「感謝する泉、ライダー」
「気にしないでランサーさん」
「ランサーさん二人を頼みます。俺はアーチャーの所に…っ!しまった、尾行されてたか」

ライダーの視線の先には地下の入り口に向かってくるアーチャーと衛宮切嗣の姿。
おそらくアサシンにランサーたちが尾行され、それの案内で向かってきているのだろう。


「なんで衛宮切嗣が生きてんだよ。だってライダーはセイバーが捨て身で倒したのにっ…!?」
「おそらく消去される前にアーチャーのマスターを殺害して再契約を交わしたのだろう。アーチャーもマスターがいなければ消えてしまうから承認したに違いあるまい」
「ランサーさん、こなたちゃんたちを頼みます。アーチャーは俺が相手をします。バーサーカーと敵のキャスターはいないなら向かってきてるのはアーチャーとアサシンだけです。此処で向かい討ちます」
「悔しいがそれがよさそうだな。今の俺ではまだアーチャーに対抗できない。まかせるぞライダー」

令呪による時間停止の耐性も未だ効果を発揮しない。
今アーチャーに対抗できるのはディケイドによって新たな力に目覚めたオーズのスーパータトバコンボしかいない。


「アレックス、アサシンを頼む。俺はライダーの援護と衛宮切嗣の相手をする」
「危ないよ陽介くん!あの衛宮切嗣って人と陽介くんは相性が悪いんでしょ。お願いだから考え直して!?」
「大丈夫だ。対策は考えてるし此処なら狙撃の心配がない。正面対決なら俺にも勝ち目はある。それに…」
「それはっ・・・!」
「切り札もあるしな。だから信じてくれ、絶対に死んだりしないって約束する」

懐から取り出したものを見て三人は驚きの声を上げる。
安心させるように笑う陽介を見て暫し迷い、最後には力強くうなづいた。




切嗣は短期決戦の道を選んだ。
朝日という明確な弱点がある以上、少しでも敵の数を減らし後の危険を減らすメリットをとった。
無論そこに至るまでのリスクも視野には入れていたが、単純戦闘なら無敵の強さを誇るアーチャーならば陽が上りきる前に敵を倒せると踏んだ。


柳洞寺へと向かう衛宮切嗣とアーチャーはお互い一言も口を利かず境内へと侵入した。
そのままあたりを見回すと近くの地面に目印らしきものが置かれているのを発見する。
罠がないか慎重に警戒すると目印にそって移動を開始した。先ほどからこれの繰り返しで進んでいる。

ランサーとライダーを尾行し居場所を突き止めたアサシンはこうして姿は決して見せずにアーチャーの誘導を行っていた。
無論そんなことは二人にも分かっていたが自分たちでは転移した敵を捕らえられず、また時間的余裕も無かったためこうして誘導にしたがっていた。
(無論アサシンの警戒は続けていたが)


「いつまでそんな態度でいるのだマスターよ」
「……別に普通だが」
「普通と言うならこの距離感は何なのだ」
「何だと言われるような仲ではないはずだが?」

隠しきれていない苛立ちや不快感にアーチャーはいい加減煩わしく思う。
だがそんなことは知ったことではない切嗣は素っ気無く返信した。

「アーチャー、はっきり言っておこう。僕は君が気に食わない。ライダーも僕を苛立たせたが君はそれ以上だ」
「ほう、言うではないかマスターよ。生前私に此処まで言う男は宿敵ぐらいしかいなかったぞ」

憎たらしげに言う切嗣をどこか面白そうに見るアーチャー。

「だがわかっているのだろう?勝ち抜くには私の力が必要不可欠だ。
敵のサーヴァントはお前に協力などしないし他のやつらはアサシンにキャスターにバーサーカー。制御するには困難なやつらだ。序盤ならいざ知らず、手の内を全て知られている今では到底勝ち抜けぬと」

どれほど憎らしく思えど絶対に自分を切ることは出来ない。
そう確信が持てるからこそアーチャーはここまで自信が持てる。令呪があればまだ違っただろうがマスターに余分な令呪はない。

(他のマスターから令呪を奪って聖杯を手に入れたら即行で自害させてやる)
(聖杯を手に入れたら令呪を使う間もなく時間止めて切り捨ててくれるわ)

決して信頼関係など結べるはず無く二人は進む。
やがて洞窟の前まで来ると地下に降りる抜け道を見つけた。



「ほう、このような場所があったとは。地下なら日の出を気にせず戦えるな」
「この場所は…」
「どうしたマスター?」
「なんでもない。先に進むぞアーチャー」

(この場所…知らないはずなのにこの感覚はなんだ?まるで何かを忘れているような…)

―――ザザッ

(…っ!?なんだ今のノイズは。何か大切な事を忘れているようなこの感じはっ!?)


自分の中の違和感に戸惑いながらも歩みを止めない切嗣。
やがて二人は最深部に到達した。
そこには案の定ランサーとライダーの主従が待ち構えていた。アサシンの姿は見えないが何処かで隠れているのだろう。

「追い詰めたぞランサーにライダーよ。ここが貴様らの墓場だ」
「アーチャー、無駄話はせず速やかにしとめるぞ。ここは拠点にも使えるからな。昼間はこの場所は使える」
「ふん、分かっておるわ。先ほどのキャスター達のようにし止めてくれる」

そういって“世界”を発動させ突進するアーチャー。

「吼えろ!スサノオ、ガルダイン!!」

瞬間、風刃を纏った嵐がアーチャーを包み込む。
進化し極限までブーストされた風がアーチャーに襲い掛かる。
その威力は魔術師どころかサーヴァントであっても無視することは出来ないだろう。


「ほう、それがお前のペルソナか。サーヴァントに手傷を負わせるとはな、だがこの程度ではダメージを与えられても私を倒せん」

だがアーチャーは余裕の表情で耐えて見せた。全身に切り傷を負っているがすぐに回復する。
それを離れた場所で見ていた切嗣は、ライダーが強い神秘を放つメダルを手に変身しようとする姿に強い警鐘をならした。

「アーチャー!ライダーを仕留めろ。なにか解らんがマズイ!」

警告を受け真っ直ぐにライダーに向かうアーチャー。この距離では時間停止を使っても届かない、近づこうと走るアーチャーだが。

「消し飛べぇ!」

ランサーから放たれたブリューナグの槍の回避に時間停止を使ってしまう。

「チィッ小賢しい!」

この距離では届かない。再び宝具を使うには数呼吸分のタイムラグが発生する。
苦し紛れのナイフの投擲はランサーによって阻まれてしまった。

「いくよ、ディケイド」

そしてオーズドライバーにメダルを装着した瞬間、激しい光と奇妙な歌が響いた。



スーパー!スーパー!スーパー!

スーパータカ!
スーパートラ!
スーパーバッタ!

ス・ー・パー! タトバ タ・ト・バ!



それはディケイドと築いた絆の力


時空を超えたコアメダルを用いたコンボ形態


仮面ライダーオーズ・スーパータトバコンボ!







「気をつけろアーチャー、かなりのステータスだ!」
「ふん、いくら強化したところで無駄な事…我が“世界”は誰にも倒せん。大人しく散るがいい!」


そしてライダーに向かって飛び掛るアーチャー。
ライダーもそれに合わせ迎え撃つ。

「いくぞアーチャー!」
「無駄無駄無駄。しょせん貴様はモンキーなんだよ。ライダアアァ!」


お互いの距離はおよそ四歩分。そしてアーチャーは時を止めるべくスタンド“世界”に魔力を流す。

「“世界”!時よ止まれ!頂点はこのDIOただ一人だ!例外なく!」

そして飛んだ勢いのままライダーに拳を振り下ろし―――



「セイヤァーーーー!!」



ライダーのカウンターパンチをもろに喰らい大きく体勢を崩す。
そのままライダーはアッパー、フック、蹴りを流れるように繰り出し、

「ハア!!」
「うげぇええ!!」

渾身のストレートを顔面に喰らい大きく吹き飛ばされた。

「ば、馬鹿な…こいつ・・・!?」
「時間停止を破ったというのか…?いったいどうやって…」

切り札である時間停止を破られ大きく動揺する切嗣。

「認めんぞ…こうまで容易く時の止まった世界に入門するなど…。どんなトリックを使ったが知らんが何度も通じると思うなよライダー!」

再び“世界”に魔力を流し込むアーチャー。

「見破ってくれるわ!“世界”、時よ止まれ!」

しかし、何も起きない。
流れる時は止められない。
真名開放の隙をライダーは見逃さずトラクローソリッドを振りアーチャーの胸板を深く切り裂いていく。

「セイッ!ハッ!うりゃあ!」
「グハッ…ガッ…GIYAAAAAAAAAAAッ!」
「吹き飛べっ!」

強烈な回し蹴りを胴体に打ち込み再び大きく吹き飛ばされるアーチャー。


「血…血だと…。この俺に………許さんぞ貴様ら…便所のタンカスの分際でぇ!」
「まてアーチャー!時間停止が通用しないのでは分が悪い、ここは引くぞ!」

だが激昂したアーチャーは切嗣の静止を無視しライダー達に飛び掛る。




「ふんっ!どんなトリックを使ったかは知らんが…それならそれでやり様はあるぞライダー!」

そしてライダーの背後にスタンド“世界”を発現させ、自身は正面から両手の指の間にナイフを握り前後からラッシュを仕掛ける。

「いくら貴様でもこれは対応出来まい!死ねいっ!」

だがその目論見は崩れ去る。
忘れてはならないのは敵が1人では無いこと。
そして決して無視してもよい相手ではないことをこのときのアーチャーは失念していた。

「それをさせないための…」
「俺たちだ!」

“世界”の背後に出現したスサノオが手に持ったアロンダイトで背中を袈裟切りにする。
痛みに一瞬動きを止めたアーチャーにメダジャリバーで横一文字に切りつけライダーが右に跳ぶ。
その隙に距離を取ったスサノオが再び風を起こし“世界”もろともアーチャーを包み込む。
そうして僅かに動きを封じられたアーチャーに向けて放たれたブリューナグの槍がアーチャーのわき腹を掠めた。

「グ…ッ貴様ら…ッ!」


スキニングチャージ!

『欲望より生まれし銀貨』を装填したメダジャリバーをスキャンする。


「ハァァアアアアっ!」



『王による時空の列断(オーズバッシュ)』


空間もろとも相手を両断するこの技は並大抵のサーヴァントでは致命傷たりえる。
だが相手の実力は並みのサーヴァントに納まらない。
とっさに放ったアーチャーのナイフがオーズの腕に突き刺さり軌道を僅かだが逸らされる。
そして限界まで身を反らし致命傷をギリギリのところで避けきった。
全身に受けたダメージを魔力を流すことで急いで再生させる。

「くそ…っ貴様らぁ!」

怒りに染まった眼で睨み付けるが今度は迂闊に飛び込むような真似はしない。
悔しいが何の策も無く勝てる相手ではないと把握したからだ。
こちらも策と戦力が必要だ。少なくともライダーとランサー達を引き離さなければ一方的に敗北に喫する。

(気に食わんが、働いてもらうぞマスター)

そしてこちらに向かってくるライダーを迎撃すべく、アーチャーもまた地を蹴った。







「まずいな。アーチャーの能力が通じないとは…」

アーチャー達の戦場から離れた場所にある岩陰に、切嗣は身を潜めていた。
そこからアーチャー達の戦いを観察していたが、如何せん数の暴力に晒されていた。
オーズが前衛を務め後方からランサーの荷電粒子砲とマスターのペルソナが援護を担当する。
この作戦は思いのほか有効に発揮していた。
さらに彼らはアーチャーのスタンドの射程距離に決して入らない。

常に10メートル以上の距離から離れて行動しているため、ナイフなどの飛び道具しか持たないアーチャーでは彼らを先に排除出来ずにいた。
駄目押しのようにランサーの主従はアーチャーに対し有効な戦闘スタイルと武器を持っているため、高ステータスと再生能力を持つアーチャーといえど無視することは出来ない。
その結果アーチャーは防戦一方の戦いとなっていた。
隙をみてライダーに傷を負わせても…

「スサノオ、ディアラマ!続けてマハスカクジャ!おまけのガルダイン!」

ランサーのマスターの持つペルソナですぐさま回復させられてしまう。あのマスターの能力は集団戦では怨敵だった鳴上悠や衛宮士郎以上の脅威だった。
またアサシンを警戒してかランサーが常にマスターたちの側を離れない。

(だからといってこのままにも出来ない)

撤退も視野には入れていたがそれは本当に最後の手段だ。
何しろ追い詰められているのは敵も同じ。

相手のキャスターを排除した以上空間転移の撤退も魔術による搦め手も使えない。
この好機を逃せばこちらは夜になるまで動くことは出来ず、その間にルルーシュ達と合流されたら各個撃破されてしまう。
今このタイミングが唯一の好機。だがこのままでは…

「迷っている暇は無いか…。このタイミングでアサシンが現れないのは気がかりだが、僕1人でやるしかない」

狙撃銃を構え標的に狙いを定める。
狙うはライダーのマスターの少女。これで仕留められるとは思わないが動揺はさせられるかもしれない。
うまくいけばその隙にアーチャーがライダーかランサーのマスターを排除させられればこちらにも勝ち目が見えてくる。

(アーチャー、敵のマスターを狙撃する。タイミングを合わせろ)
(仕方あるまい。今は従おうマスターよ)
(カウントは10だ。しくじるなよアーチャー)

慎重に狙いを定める。まだ相手はこちらに気がついた様子は無い。
ゆっくり引き金を引こうとして…



ブブブブブブブブブ………


不意に奇妙な音が近くから聞こえ始めた。
ふと見上げた先にあったものは……

「…タコ?」

まるでおもちゃのタコのようなソレに一瞬呆けてしまう。

「…ッ!?」

そしてタコ…タコカンドロイドは威嚇用の墨を切嗣の顔面に吹きかけ視界を封じる。
その隙に上空に待機していたタカカンドロイドの落としたゴリラカンドロイドが地面に着地と同時に動き出し、狙撃銃を遠くに放り投げた。
狙撃銃の落下地点にあらかじめ置かれていたトリケラカンドロイドが、狙撃銃をランサーたちの所まで弾き飛ばす。

「な…っ!?ライダーの使い魔か…!」

とっさにその場から飛びのいた切嗣。先ほどまでいた場所にクジャクカンドロイドが通り過ぎていった。
少しでもタイミングが遅れていたら切り裂かれていただろう。
とっさにキャレコを掃射するが宝具である『獣と化す缶』には効果が無い。

なおも接近するカンドロイドから逃れるため固有時制御の二倍速で急いでその場から逃れる。
そして一旦距離をとったアーチャーの隣まで移動した。
カンドロイド達はそれ以上は近づかずに回りを囲むように待機していた。

「読まれていたと…いうわけか…」
「ええ。切嗣さんなら必ず近づかず狙撃で援護するって解っていたからね、予め準備させてもらいました」

掴み所の無いライダーの口調に思わず歯軋りをする。
ただの緩そうな外見とは裏腹にかなりしたたかな性格をしているようだ。




なぜ切嗣たちはカンドロイドの存在を予測できなかったか。
これには枢木スザクが学園で調べた情報に起因する。
スザクが学園で敵のサーヴァントを調べた時、真名がわかっていたアルトリアとガウェイン、そしてアレックスの三人だけ。
オーズはクラスとある程度のスキルに仮面ライダーだという事、リインフォースにいたっては真名どころかスキルすら碌に解らない始末だった。
またオーズについても解ったのはベルトとメダルを使い変身することとある程度の経歴だけ。
オーズの切り札ともいえるコンボについても詳細な情報は得られなかった。ましてやスザクどころか情報を渡した衛宮切嗣ですら知らなかったカンドロイドなど知る由も無い。

だがこれについてはスザク・切嗣両方に非はない。
見ていたのなら兎も角、存在すら知らなかった宝具などどうやっても調べようが無い。
つまるところ彼らはオーズの凡庸性を見余ったのだ。


(アーチャー、一旦引くぞ。これでは戦いようが無い…。枢木達と合流して体勢を立て直すぞ)
(それが出来ると思うのかマスターよ。奴らは私たちを逃がすつもりは無いぞ…)

ライダーもランサーも油断無くこちらを見据えている。
背中を見せた瞬間瞬く間にやられるだろう。

(だがこのままではジリ貧だ。隙を見て逃げなければこちらがやられるぞ)
(まてマスター、私に考えがある。勝率は高いとは言えないがこのままよりはマシだ)

そういって念話で作戦を伝える。
伝えられた内容に頭を悩ましたが、どの道このままでも倒されるだけだと腹をくくった。



「ふふふ、やるではないかライダー、それにランサーにそのマスターよ。私をここまで追い詰めたのは生前2人しかいなかったぞ」

芝居じみた動作で大げさに手を叩くアーチャー。その様子に警戒のレベルを上げる一同に懐から無数のナイフを取り出す。

「いまさらそんな物が通じると思っているのかアーチャーよ」
「ふん、黙っておれランサー。このナイフはキャスターのお手製でな。威力は貴様もが体験済みだろう。とはいえお前たち相手には少々火力が足りない…ではこのナイフ、どうすると思う?」
「……?…ハッ!?ライダー、それを撃たせるな!」
「もう遅い!“世界”URYYYYY!!!」

爆発の魔力が込められた無数のナイフが次々と天井に突き刺さり連続爆発を起こし天井を崩落させる。

「岩盤だっ!押しつぶれろ!」
「まずいっ、ランサーさん!」

落下してくる岩盤に向けてブリューナグの槍を放つランサー。マスターが近くにいるために避けるという選択肢は無い。
しかし巨大な落盤は一撃では粉砕されず無数の落石となって降り注ぐ。
とっさに放ったガルダインが落石をさらに削るが人を押しつぶすには十分な大きさがまだ残っている。

「伏せろ二人とも、俺の下に潜り込め!」

全身をARM化させマスター達を抱えるように庇うアレックス。
その体に容赦無く落石が降り注ぎ動きを封じていく。

「こなたちゃん!ランサーさん!陽介くん!」
「余所見をしている余裕があるのかライダー!」

3人がいたところに視線が移った隙を見逃さずスタンドと共にラッシュをかけるアーチャー。
対応するライダーだがその動きは明らかに精彩を欠いていた。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!無駄ァ!」
「ガハッ!」

ついに耐切れずに吹き飛ばされるライダー。
同時に落石からマスターを守りきったランサーが這い出てくる。


「ライダーっ!」
「残念だがお前の相手は私だランサーよ」

岩と岩の隙間から現れると同時にマスター達に向け拳銃を発砲するアサシン。
とっさに庇ったため僅かに生まれた隙に、未だ埋まったままのランサーの足だけを平行世界に移動させ動きを封じた。

「アレックス!?この…行けスサノオ!」

アロンダイトを持ったスサノオにあっさりと袈裟切りにされ消滅するアサシン。
あまりの呆気なさに眼を丸くすると、背後から現れた別のアサシンがD4Cを発現させスサノオに拳のラッシュを浴びせる。
不意を突く形で受けたダメージにスサノオが解除され吹き飛ばされる陽介。

「グッ…しまった。あいつ囮か」

正確には消滅と同時にもう1人のアサシンにD4Cを移行させたのだが、そんなことを知らない陽介の側に現れる人影。
視線を移すとそこには拳銃を構える衛宮切嗣の姿。

「マズ…ッ!」


乾いた銃声が洞窟に響いた。

















「あれ?どこだ此処…?」

見覚えの無い場所に陽介は立っていた。
自分は確か衛宮切嗣に撃たれて…

「死んだのかな俺…つーことは此処死後の世界?なんか想像したのと違うけど…」

青を基調といた部屋。いや、よく見たら部屋ではなくテレビで見るようなリムジンの中だった。
サイドにはアルコール類のような飲み物とグラスが置かれ、中央にはテーブルがある。
そのテーブルの先に視線を移すと…

「ようこそ我がベルベットルームへ。私はこの部屋の主イゴールと申します」
「うわあ!?目デカっ!鼻長っ!」

明らかに人間でない生物が座っていた。
大きく見開かれ血走った瞳にこれまた長い鷲鼻の老人。
白い手袋をつけた両手を鼻の下に組んでこちらを見据えていた。

「なに、ここ何処!あんた誰!?」
「ここは物質と精神の狭間の世界。私はこの部屋の主イゴールと申します。わけあって貴方様をここにお呼びしました」
「…いや意味が解らない。ていうかここ死後の世界?やっぱおれ死んで―――」
「ご安心ください。貴方様はまだ生きておられます。ここは外の世界とは時間が切り離されておりますので、此処でいくら過ごそうと外の世界に影響はございません」
「生きてる…よかった。えっとイゴールさん?なんで俺を呼んだんっすか?心当たり全くないんすけど」
「貴方をお呼びしたのは、あるお客様の『お願い』を果たすためでございます。ここは本来『契約』を交わした方のみが訪れられる場所。本来なら契約をなさってない貴方はここの来ることが出来ないのですが…」

そういってイゴールはゆっくりと陽介のポケットを指差す。
指されたポケットに手を突っ込むと、いつ手にしたかわからない鍵が握られていた。


「それは本来のお客様の持ち物。けれどそのお客様は貴方に託されたようだ。ゆえに、このベルベットルームに入ることが出来た」
「その…本来のお客さまってもしかして…」
「左様、鳴上悠様でございます。彼がここに来て、私たちにお願いと言伝を頼まれて行きました。あなたの力になって欲しいというお願いをね…」
「悠…あいつ…」
「あなたが彼に渡された力は『ワイルド』。他者との絆を育むことによってより大きな力となる特別な力。もっとも、あなたは本来の使い手ではないので制限はございますが…あなた様の旅の助けになるでしょう。
おお…そうだ、紹介を忘れておりました。こちらはマーガレット。私の手伝いをするものです」
「マーガレットと申します。あなた宛に鳴上悠様からの伝言をお伝えします」
「悠からの伝言…」
「では申し上げます。

『陽介、これが俺に出来る最後のことだ。必ず生きて帰れ。それから…負けるなよ、相棒』―――

                                    以上となります」

「ふふふ素晴らしい。彼は確かな絆を築いたのですな。いやはや、死して尚残る絆。大変素晴らしい」

くそ…反則だこんなの。
俺は最後まであいつに助けられて…

「さあ、お目覚めなさい。あなたの旅はまだ続くのだから」



不意に意識が引っ張られる感覚。
もう眼が覚めるらしい。

「あの、イゴールさんにマーガレットさん。本当にありがとうございました!」
「あなたの旅路が、素晴らしい結末を迎えんことを…」











衛宮切嗣は目を見開いていた。
アーチャーと交わした作戦はうまくいっていた。
天井を爆破させ落石を起こしランサーとマスターの動きを封じる。その隙にアーチャーがライダーとランサーを、僕がマスターの方を始末する。
実際は策とも呼べない穴だらけの作戦だった。
アーチャーがライダーの動揺を突けるかの時点ですでにギャンブルじみていたし、仮にそれがうまくいってもランサーのほうは爆弾ナイフでは本当に足止めが出来るかわからなかった。
また僕のほうもマスター殺しは成功するとは思わなかったので、最悪ペルソナだけでも破壊すると起源弾を撃つつもりだった。

ところが実際はライダーは大きく吹き飛ばされうまくランサーたちと離すことが出来た。
またアサシンもなんの打ち合わせをしていなかったのにもかかわらず、最良のタイミングでランサーの動きを封じそのマスターをランサーたちから引き離してくれた。
ペルソナが解除された今、一発限りの起源弾ではなく連射の利くワルサーが有効だと判断しランサーのマスターにむけ発射した。


完璧なタイミングだったはずだ。
しかし回避不能な一撃を防いだものに、思わず思考停止に陥った。





それは巨大な黒い影だった。
いや、よく見ると影だと思っていたのは黒いコートのようなもので、どこか応援団長を彷彿させた。
手には矛が握られておりその矛でワルサーの銃撃を防いだと思われた。
その姿はよく知っている。
そのペルソナは切嗣にとって忘れられない物だった。


「なん…だと…」


あれはすでに死んだはずの鳴上悠のペルソナ。
それがなぜここに現れる…!

「悠……ありがとう。お前の力、使わせてもらうぜ!」


大きく振りかざした矛に半ば反射的に固有時制御を発動させ回避する。
なおも追撃をかけるイザナギに向けて起源弾を発射するが、最低限の動きで回避された。
だがもともとかわさせるために放った一撃だ。
その隙に再び固有時制御を使い大きく離れた。

「馬鹿な!心象風景の具現化は1人1人違うはずだ…っ!なぜ鳴上悠のペルソナをお前が使える!?」
「はんっ!友情パワーだよ。あんたにはわかんねえだろうけどよぉ!イザナギ!」

イザナギに抱えられた陽介はアレックス達の元まで後退する。
その勢いのままアサシンに向けてアマノヌボコを振り下ろすが間一髪で回避され並行世界に逃げられた。

「陽介くん大丈夫!?」
「マスター、それはいったい…?」
「話は後だアレックス。動けるか?」
「少し時間をくれれば動けるようにする。それまでは…」
「俺が守ればいんだな。ライダーは?」
「無事だ。何とかアーチャーを押さえ込んでいる」

見ればライダーはアーチャーと“世界”の二面がけに防戦だが凌いでいた。

「ならまずは…イザナギ、マハラクカジャ!続いてマハタルカジャ!」

ペルソナの補助魔法をかけライダーの援護をする。筋力、耐久、魔力が上昇し目に見えてアーチャーの猛攻を捌いていった。

「チェンジ……スサノオ、マハスカクジャ!ディアラマ!」
「二つだとっ!」

カードを入れ替えるようにペルソナをスサノオにチェンジした陽介は、さらに敏捷値をあげ傷を癒す。
幸運を除く全てのステータスを上げ回復したたライダーは、反撃に打って出た。

「これでライダーの方は―――」
「マスター、来るぞ!」

また新たに分身を生み出し終えたアサシンが三体こちらに襲い掛かってきた。
衛宮切嗣も反対方面から銃を構え掃射する。
暴風を敵ではなく自分たちの周りに生み出し即席の結界を作った陽介。
銃弾は全て弾き飛ばされアサシンは荒れ狂う暴風にたたらを踏む。


「これで少しは持つ…」
「上出来だマスター。後は…」

腕をARM化させ固定された足を切飛ばすアレックス。即座に再生が発動し元の状態に戻った。

「どうするマスター。このままではライダーの援護が出来んぞ」
「ライダーを信じるしかない。俺たちはアサシンと衛宮切嗣をどうにかするぞ」
「それしかないか…泉、俺の側を離れるな。必ず守り抜く」
「アレックスさん…ううん、私も出来ることをやるよ」

そういってカンドロイドを取り出すこなた。
あらかじめ用意しておけばマスターでも使うことが出来るのがカンドロイドの強みだ。

「無茶はするなよ…マスターいつでも行ける」
「私も大丈夫っ!」
「んじゃまぁ…行きますか!」

竜巻を解除しアサシンの分身体にスサノオを突進させる。
そのまま切り飛ばされ消滅するアサシン。だがその隙に別の分身体アサシン2体と切嗣がマスターへ、D4C持ちの本体はスサノオに殴りかかった。
ガードし反撃するが一瞬早く平行世界に逃げられる。

「ハァ!」

ARM化させた腕が銃弾を弾き飛ばしアサシンを吹き飛ばす。
動き出したクジャクカンドロイド、タコカンドロイドが切嗣に纏わりつくが、消滅したアサシンから拾った拳銃を発射し次々と打ち抜いて行く。

ペルソナを戻した陽介は手にしたスパナで切嗣に殴りかかる。
それをかわした切嗣はお返しとばかりに銃弾をばら撒くが、敏捷値を底上げされた陽介は全てかわしきる。
そのまま勢いよく切嗣に向かって走る陽介に再び銃弾を発射する。
空中へ勢いよく飛び上がった陽介に追撃をかけるべく銃弾を放つが、空中でペルソナを発動。それを足場に大きく跳躍し背後に回りこんだ。
そして手に持ったスパナを勢いよく振り下ろす。

「グッ!この……」

咄嗟に鉈でスパナを防ぐが、如何せん身体能力を底上げした陽介に追い詰められて行く。
アサシン達もランサーの足止めに精一杯でこちらの援護は期待できない。
絶対絶命かと思われたその時。

「いとも容易く行われるえげつない行為(D4C)」

平行世界へ逃げたアサシンが陽介の服の間から出現し、背中を袈裟切りにする。
痛みで動きが止まった陽介のスパナを切嗣が蹴り上げた。

そのまま後ろからアサシンが、正面から切嗣がそれぞれ攻撃する。
スサノオで鉈を防ぐが背後から来るアサシンには手が回らない。
この距離ではかわすことは不可能と勝利を確信したが…




「まだだっ!」

陽介は腰に手を伸ばし取り出した武器を使い迫り来るD4Cを弾き返す。
そのままスサノオと同時に回るようにアサシンと切嗣を切りつけ吹き飛ばした。

「なにっ!?」

ばかな…アサシンに傷を負わせただと…。まだ宝具を隠し持ってたというのか。
回復魔術を自分にかけながら敵を見る切嗣の目が、再度驚きに見開かれることになる。


「それはっ!セイバーのマスターの剣!」


陽介の両手に握られているもの。
それは白と黒の夫婦剣だった。
銘は干将・莫邪。
自分が死ぬ間際、衛宮士郎が最後の力を振り絞り投影したとっておきの切り札。
後は任せたと散った友の思いに報いるために、なんとしても勝つ!

イザナギにペルソナを切り替えアサシンに、自身は切嗣に向かう。
ペルソナの同時操作は骨が折れる作業だ。けれど泣き言など言わない。例え倒すことは不可能でも全身全霊をかけてアサシンを押さえ込む。


干将・莫邪は驚くほど使いやすい武器だった。
普通に振るう分には勿論の事、互いに引き寄せあう特性はスピードとトリッキーな動きが武器の陽介とは最高に相性が良い。
無論切嗣も鉈を振るい銃を掃射して反撃を試みるが、そもそもの身体能力が違う。
狙撃ならば話は違っただろうが接近戦は切嗣の得意とするところではない。
ならば固有時制御で距離をとろうとしても…

「Time alter――double accel!」
「デカジャ!」

普段の倍速で動けるこの魔術も、陽介には通じない。
巻き戻しの現象こそ起こらないが無駄に魔力を消耗するだけに終わる。
無論アサシンもその隙をついて攻撃するが、如何せん即座にガードされ、さらには耐久値が底上げされているイザナギを瞬時に倒せるほどの能力をアサシンは持ち合わせていない。

「終わりだっ。衛宮切嗣っ!」

そのまま干将・莫邪を振り下ろそうとし―――







突然の閃光に視界を封じられた。


「―――!!?眼が…っ!」
「切り札は最後まで温存しておくものだ」

至近距離で放たれた閃光弾を間近で浴び動きの止まる陽介。
その隙を見逃す二人ではない。D4Cの拳がラッシュを浴びせイザナギを吹き飛ばし、切嗣の手にした鉈で陽介の身体をが袈裟切りに引き裂いた。
そのまま頭を潰れたスイカのようにカチ割ろうと鉈を振り上げ――――咄嗟にその場を飛び退いた。
アサシンを片付けたランサーの放ったブリューナグの槍が、先ほどまで切嗣のいた場所を通過した。

「そこから離れろ!」

再度放たれるブリューナグの槍。アサシンは平行世界に逃げ込み、切嗣は固有時制御を使い回避する。
その隙にランサーたちは合流した。

「無事かマスターっ!?」
「しっかりしてっ!」
「だいじょーぶだいじょーぶ。スサノオ、ディアラマ」

すぐに傷を塞ぐが失った血液までは戻せないため若干血の気が引いているが、まだその眼は闘志を燃やしている。

「しっかし手強いな…。こっちのが有利なのになかなか決定打が撃てない」
「相手はかなりの修羅場を潜っているからな。経験なら向こうがはるかに上を行く」
「なるほどな。けど負けるわけには…」
「いかないなマスターよ」
「なんか男の友情って感じだね。ちょっとうらやましいかなっ」

お互いに笑いあい、そしてランサーはアサシンへ。陽介は切嗣へと向かった。
こなたは再びカンドロイドを発動させ自分の周りに護衛役を数体、陽介の援護に数体送り込んだ。


因縁の戦いはまだ終わらない。





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