市長の仕事は忙しい。
 それはたとえ電子世界の冬木市市長の肩書きを持つ氷室道雪でも例外
ではなく、朝早くから条例の制定・改廃の提案、税金の課税と徴収、
などといった行政、予算の決済などといった多岐にわたる。

 またそれだけではなく聖杯戦争のマスター、ジョン・バックスとして情報
収集も行わなくてはならない。
 警察や消防など様々な組織から報告される情報を整理し、有効な作戦を考える。

 それによる膨大な仕事量による結果。

それはすなわち・・・



 体力の限界・・・



 「市長、報告します。ショッピングモールで死者及び重傷者が多数と警察と病院から連絡が
ありました。」

 「さらにその現場で竜を見たと市民から通報が・・・」

 「田園地帯の方角でも竜を見たと通報がありました。おそらく同種のものかと・・・。」

 「早朝にハイアットホテル付近で自動車の爆発事故が多発しました。目撃情報は
ありません。」

 「深山町の名家の間桐邸で轟音と衝撃があったと通報がありました。調査中ですが詳しい
ことは分かってません。」

 「市長———————」

 「市長———————」

 次々流れ込んでくる報告にゆっくり休むこともできず各部署に次々指示を出さねばならず
ろくに体力の回復もできない。
 昼前になるころには息も絶え絶えな状態になっていた。



「くっ、ライダーめ・・・いくら情報操作ができるといっても限度があるのだぞ。」

 おそらくショッピングモールで暴れまわった参加者は同盟者のライダー達だろう。
出発の時間帯を計算にいれそう結論ずける。
 また特徴的すぎる格好が災いし、遠目に見ていたNPC達の目撃情報とも一致した。
 これらの情報を他の参加者に知れ渡らないよううまく情報を操作したが、
何しろあまりにも目立ち過ぎたためどこまで効果があるのかわからない。
 攻撃のタイミングは任せると予めお互い了承を得ていたが、まさかこんなにも早く
行動に移るとは予想外ではあった。
 おかげで魔力供給の疲労とは別に精神的な疲労が蓄積する。

 「味方に此処まで振り回されるとは、これで何の成果もなかったら恨むぞ。」

 もっとも口に出すことなぞできんがな。
 それに見ようによってはこの近くにいた参加者に殺害は不可能としてもダメージは
与えられたはずだ。
 そう考えて割り切ることにしよう。


 「市長、戻ったぞ。」

 部下が報告を終え退出したと同時にアサシンが現れる。
 突然現れたことに驚きつつもそれを表情に出さず向き直る。

 「早かったな。もう仕事が終わったのか?」

 「いや、直接本拠地を確認したわけではない。拠点にする予定の場所を
聞いただけだ。追跡するには魔力を消耗しすぎて危険だったからな。
予定を切り上げ戻ってきた。」

「そうか、3人分のステータスが送られてきたが詳しいことが聞きたいのだが。」

 アサシンは向かい側の椅子に座ると買い物袋をテーブルに置いた。
 その中身に嫌な予感がしつつも報告を聞く。

 「セイバーについては送ったステータス以上のことはわからん。 
 学園にきた参加者で確認できたのは二組だけだ。
 学生服を着た少年二人と軍服姿の男と銀髪の女。
 このうち銀髪の女がキャスターで姿を消せる上に探知能力にも引っかからなかった。
 軍服の男もサーヴァントだが、クラスは分からん。能力も手から電撃を撃った
くらいの事しか分からなかった。おそらく三騎士クラスかライダーだとは思うんだが・・・」

 確かなことは分からん・・・と首を振るアサシン。


 「それと市長、黒髪の方のマスターは単独でも戦闘が可能だ。
 さすがにサーヴァント相手に勝つことは不可能だろうが時間稼ぎくらいは出来るだろう。
 現に宝具なしなら私に勝つことも決して不可能ではないだろう。(もっとも次は負けんがね。)」

 「ふむ、マスターが戦えるというのはかなりのアドバンテージだな。
 特に君のようなアサシンとは相性が悪いのではないのかね?」

 「なに、手はあるさ。」

 そう言って不敵に笑うアサシン。
 その言葉に頼もしさを覚えると情報の続きを促す。

 「最後の情報はあまり有益なものではない。
 ここに来る途中にマスターとサーヴァントを発見したのだがな、消耗しすぎていたため
追跡を諦めた。銀髪に眼鏡の少年におそらくはバーサーカーのサーヴァント。
ひょっとしたらこの近くに拠点が在るのかもしれないな。」

 「確かにどの参加者もいい加減拠点の一つや二つ作っているだろうな。」

 探しておくべきかと頭の中に入れつつこちらで掴んだ情報をアサシンに伝える。

「間桐邸の件は間違いなくサーヴァント同士の激突によるものだろう。
そっちではなにか気づいたことはなかったのか?」

 「音は聞こえていたがわざわざ戦闘中のところになんぞ近づきたくなかったからな。
それに行ってみてもおそらく終わっていたからな。無駄足の可能性が高かった。」

 「なるほど、まあそういうことならかまいませんよ大統領。」

 「同盟者はどうなったのだ市長?。」

 「頼まれていた物はすでにホテルに運び込まれている。
おそらくいい加減戻ってきてもいいはずだからな、戻り次第判明してる参加者の
拠点を報告するつもりだ。」

 うまくいけば出向いてくれるやもしれんしな
 お互いの情報交換も終わった事だし今後どうするかを決めねばならん。
 疲れが残る頭で考えを纏めていると


 ———ジリリリリリリリリ!
 ———ジリリリリリリリリ!

 「私だ。なに?———ふむ。———分かった、報告ご苦労。」

 「どうした?」

 「桐柳寺の上空で巨大な閃光が発生したと通報があったそうだ。
もしかしたら何かあったのかもしれないな。」

 もしかしたらあのセイバーに何かあったのかもしれない。
 調べる価値は十分あるがいかんせんアサシンの魔力が心もとない。
 やはりライダー達が戻るのを待つべきか。

 「なるほど、では私が行って調べて来るとしよう。」

 そう言って立ち上がるアサシンだったが、戦える状態ではなかったはずだ。
偵察だけでも危険すぎると慌てて止めようと立ち上がり、



 そのまま床に崩れ落ちた

 また体中から力が抜き取られる感覚に襲われまともに立ち上がれなくなっていく。
 視界が霞み耳鳴りが収まらない。

 「だ、大統領?いったい何を・・・」

 「いや魔力を使いすぎたからな。補充させて貰っているぞ。
 心配するな市長。適当な所で切り上げるしドリンクも買っている。」

 そういって買い物袋を手渡され無我夢中で栄養ドリンクを飲み干す。
 僅かに楽になったがそれでも体調は最悪だ。

 「ふむ、あまり回復しないな。まあいざとなれば魂食いでもすればもんだいなかろう。」

 「初めからそうしてもらえれば助かったのだが・・・」

 「君からでもまだ十分取れるだろう?」

 悪びれなく言い放つパートナーに苛立ちを覚えるがそれ以上に身体が休息を求めていた。
 電話で秘書に少し休むから部屋に入らぬ事、客人が来たらすぐに知らせることを伝え
椅子に倒れこむ。

 「味方に殺されかけるなんて、ありえない・・・」

 そのまま机に突っ伏し

 「ほんとに、ありえない・・・」

 「ん?とりすぎたかな?」

 アサシンのそんな軽い言葉を最後に意識を失った。



 【新都・冬木センタービル内、冬木市庁舎市長室(最上階)/昼】
【ジョン・バックス@未来日記】
 [状態]:疲労(大)・気絶・冬木市市長・残令呪使用回数3回
 [装備]:「The watcher」
 [道具]:栄養ドリンク
 基本行動方針:最後の一人になり、ムーンセルを必ず手に入れる。
 1.ありえない・・・
 2.魔力の供給中、安静にして体力を回復する。
 3.アサシンから送信された映像を「The watcher」で確認。サーヴァントのステータスを読み取る。
 4.警察、消防署に配置したNPCからの情報を逐次チェックする。
 ※ムーンセルへのハッキング工作により、冬木市市長の役職を得ています。
 また、聖杯戦争に関するある程度詳細な情報を得ています。
 ※冬木市市長の名義は「氷室道雪」です。
 ※警察署、消防署に部下のNPCを配置。情報を入手できます。
 ※聖杯戦争の推測:このムーンセルは並行世界の情報処理システムとリンクしたグリッド・コンピューティングでは?
 そのシステムを構築するためにデウスと接触を図ったのでは?
 並行世界を移動できる何者かが黒幕にいる?
 ※ライダーに頼まれていた車、衣服などはハイアットホテルに運び込まれています。
 (いつ届いたかは後の書き手さんにお任せします。)

 【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](4人目)、魔力消費(小)
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話
 [思考・状況]
 基本行動方針:ムーンセルは誰にも渡さない。わたしが手に入れる。
 1.桐柳寺に行き様子を探る(戦闘は絶対にしない、可能ならマスター暗殺)
 2.できるなら銀髪のマスターの拠点を見つけたい(期待はしてない)

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