『番長Gの日常』
この物語は物語とは到底言えない、いたって普通な日常のお昼休みのお話である。
「ハニーちゃん遅いよー!」
とむくれているのはリトルウィッチ☆アリサ。
「はぅー。アリサちゃんが早すぎるんだってばー」
と肩で息を切らせ、豊満な胸を揺らしながらかけてきたのは
一 ハニーであった。
日本中から様々な理由で集められた
決して平和とは言い難いダンゲロスにも平和な時がある。
それは昼休みの中庭。噴水広場である。
番長Gに所属する者たちはここで、この時間に昼食をとるのが
習わしであり、これが学園内の平和に一躍買っていると
本人たちの小さな誇りである。
「アリサちゃん壁を抜けてくるのはずるいよー
これでも一生懸命走ってきたんだからね」
「せっかくのお昼休みなんだから早いほうがお得じゃん!」
と決して立派とは言い難い胸張ってアリサはそう言い放った。
その瞬間不意に後ろからその胸を揉みしだく手が現れた。
「おっはよー!今日もいい壁だねぇ!」
と手が先か言葉が先か、挨拶をするのは日下部 碧子。
「ちょ、ちょっと!もう!やめてよ!」
アリサはそう言うと体をひねらせてその拘束から逃れる。
「あっはっはー、ほら、やっぱり素晴らしいものはこの手で
つかみたいじゃないか」
まったく悪びれることなく、まるでスナックに現れるスケベオヤジの
ごとく手をわきわきとさせ顔にはいやらしいな笑みを浮かべている。
「あ、碧子ちゃんおっはよー!」
「お、ハニーもいたかー。おはようさん。ハニーもなぁ・・・
もっとこうキュっとしていれば素晴らしいんだけどなぁ・・・」
「キュ?なんのこと?もしかしてお腹のこと?!言わないでよー!
気にしてるんだからぁ!」
あはははは、と明るい声がこだまする。
このやりとりはほぼ毎日繰り返される。
それが平和の証だと言わんばかりのように。
最終更新:2013年06月16日 17:46