世銀とIMF


http://electronic-journal.seesaa.net/article/103541735.html
「世銀とIMFは財務官僚の巣である」(EJ第2375号)
財務官僚たちにとってワシントンは「世界最後の桃源郷」である――古森義久氏
 世銀の日本人専門職員百数十人のうち、副総裁、理事、理事代理、専務理事特別顧問、局長、局次長、多国間投資保証機関(MIGA)長官
こういった枢要の地位のほとんどは財務官僚によって占められているのです。
 IMFでは日本人専門職員43人のうちの14人が財務官僚で日本人全体の3分の1を占めており、しかも、
副専務理事、理事理事代理などの要職を独占
しているのです。
 一般的に考えた場合、財務省や外務省の官僚でワシントン勤務になる人といえば、英語が堪能なことは当然として、国際政治・金融経済、外交問題などについて、欧米の大学の修士号や博士号のレベルが要求されると普通は考えます。一般の日本人が世銀やIMFに職を求める場合、こういうことが要求されるからです。
しかし、財務官僚の場合は、この種の条件は満たさなくても、日本政府の出資金の特権を背景に一定のポストに優先的に就くことができるのです。
なかには英語ですら十分に話せなくてもワシントン勤務になる財務官僚も多くいるのです。
 既出の古森義久氏によると、ワシントン勤務になる官僚の派遣人事には次の2つのパターンがあります。
1.若手や中堅の官僚に経験を積ませる目的の派遣
2.財務省内のベテランの最後のポストとして派遣
 上記2に関しては、形を変えた天下りそのものであり、論外です。古森氏は2に関して次のようにいっています。
日本で問題を起こしたので、米国に逃がすというパターンがあるのです。
 この第2のパターンとしては、
1997年に旧大蔵省の金融検査をめぐる汚職事件で、戒告処分を受けた元金融検査部管理課長の日下部元雄氏がその後すぐ世銀の専務理事顧問に任命され
99年には財務省のバックアップで副総裁になった。
このときは日本人の正規採用職員の間で怒りの声が起きた。
――古森義人著、『国連幻想』
 世銀やIMFでの財務省による人事中枢独占の慣行に対し、日本人正規職員から次のような抗議が出ているのです。こういうことは新聞やテレビはほとんど伝えないのです。
http://megalodon.jp/2013-0804-2159-03/electronic-journal.seesaa.net/article/103541735.html

古森義久氏 産経新聞2003年12月25日付朝刊記事
http://cuttingedge.blog18.fc2.com/blog-entry-134.html
 日本が世界銀行やIMF(国際通貨基金)の資金面で果たす役割は、これまでも報告してきたように、巨大である。 拠出も出資もすべて米国に次ぐ第二位の額を担ってきた。
世銀グループに出す資金のほぼすべてとIMFに出す多くの資金は、日本政府の予算ではODA(政府開発援助)として扱われる。

ODA予算全体の中で世銀・IMF関連に投じられる分は23%くらいから30%近くにも達する。

絶対額では近年は年間二千八百億円とか三千億円となってきた。

つまり日本のODA全体の四分の一ぐらいが世銀関連に充てられるわけだ。

 ところがいま日本国内で盛り上がったODA論議では、中国やミャンマーなど二国間援助の功罪は熱心に論じられても、世銀などに供される多国間援助、つまり国際機関向け拠出・出資のODAについては全く話題にはならない。
 とくに世銀に対しては日本政府は毎年の定期の資金供与に加えて、一九八〇年代末以来、特別の拠出を大口で続けてきた。 八七年から三年にわたり総額三百億円の特別拠出金を贈与としてまず提供したのだ。 九〇年からの三年間には日本からの特別拠出はさらに拡大され、総額四百八十億円が寄贈された。 この特別基金は正式には「開発政策・人材育成基金」(PHRD)と呼ばれるようになった。
現実には日本からの贈与援助だから「日本基金」とか「日本信託基金」と呼ばれることも多かった。
 この日本基金の大まかな使途としては「開発途上国への技術支援」「世銀大学院奨学金プログラム下での奨学金供与」「世銀への日本人コンサルタントの派遣」などの五つがあげられた。 これらの基金は大部分が調達先を日本関連に限定する「拘束(ひもつき)」ではなく、日本以外の各国の企業などもプロジェクトに参入する機会を与えられる自由な非拘束だった。
だがこの資金の実際の運営は世銀に出向する大蔵(現財務)官僚にゆだねられ、使途などの実態がベールに包まれたままだという批判が各方面から起きるようになった。
日本国内でODAに関わる民間側からは「情報公開を拒むジャパン・ファンド(日本基金)」(国際開発ジャーナル誌の特集記事)とか「税金を使った大蔵省の交際費」(同)などと酷評さえされた。
 こうした批判を裏書きするかのように、

九八年七月には世銀の日本人職員二人が日本基金を不正に流用していた事実が判明し、大蔵省の管理責任が改めて問われた。

この二人は同九月に世銀を解雇された。 ほぼこの時期に日本基金の中の奨学金が本来は開発途上国からの留学生用に供されるはずなのに、実は日本の大蔵官僚の米国留学などに使われていた、という不正もあばかれた。
このころ日本基金を管理する職務担当の世銀副総裁には大蔵官僚の福井博夫氏が就いていたが、不正事件の発覚後すぐに予定された任期を縮める形であたふたと離任した。

そのあとの副総裁に任命されたのが大蔵省の接待汚職で二度、処分された官僚の日下部元雄氏だった。

この人事に対しては世銀の日本人正規職員たちの間から激しい反発が起きた。
 「今回、日下部氏が就いたポストは世銀内で日本基金を扱う最高責任の職である。 二人の日本人職員と複数の日本企業を巻き込んだ汚職事件発覚後に突如、世銀を辞めて帰国した福井前副総裁の後任となるが、こういう場合だからこそ自他共に認める倫理観と正義感の強い潔癖な人を任用すべきなのに、まったく逆になってしまった。 そもそもこのポストに大蔵官僚を就けることは日本基金の審査をすべて大蔵省にゆだねることになり、チェック機能をマヒさせる」
 日本基金の運用はその後、再編され、監査のシステムも改善されたが、なお財務省の手中にあり、詳しいことはわかりにくい、という批判が絶えない。 日本基金の監査の結果をまとめた報告書も二〇〇一年ごろから出されているが、なぜかその本体四十ページほどの英文の報告書は日本語に翻訳されていない。
 日本は世銀の運営にさらに大きな役割を果たす。 世銀は日本市場で巨額の資金を調達しているのだ。 世銀が発行する世銀債を日本の公的機関や証券会社が大量に買い受け、日本政府が世銀に拠出する額の何十倍もの資金を提供することになる。 だがその資金がどう使われるか、については日本側は官も民もまったく無縁のような立場なのである。
http://megalodon.jp/2013-0804-2212-18/cuttingedge.blog18.fc2.com/blog-entry-134.html

吉村幸雄氏がシティバンク在日支店ガバメント・アフェアーズ担当のマネージング・ディレクターに就任
http://megalodon.jp/2013-0804-2242-44/www.citigroup.jp/japanese/press_release/2007/20070201_Yoshimura_J.pdf
吉村氏は1970年に大蔵省(現財務省)に入省し、国際機構課長、金融業務課長など国際金融局の主要ポストを歴任後、同局審議官を経てワシントンに移り、
国際通貨基金(IMF)理事、世界銀行総裁上級顧問を務めた。
2002年7月には世界銀行副総裁兼駐日特別代表に就任し、4年半にわたり世界銀行と日本の関係強化に尽力した。
シティバンク在日支店は本年7月をめどに現地法人化を目指しており、日本市場に対する更なるコミットメントと事業の拡充を図ると共にガバメント・アフェアーズを推進する態勢を構築する。




                       産経新聞社刊
最終更新:2013年08月04日 22:47