22 - 衆 - 法務委員会 - 23号 昭和30年06月18日


関連項目 国会議事録からの事実確認   歴史の真相   男女共同参画予算は反日組織への補助金


○世耕委員長 これより法務委員会を開会いたします。
まず、出入国管理令の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。まず私より質問いたします。
登録者のかれこれ一割に相当する無登録の入国者が日本に在留している
という説明が過般の委員会においてあったようでありますが、その無登録者の日本の国内における活動状況並びにそれに対する対策、取締り等に関して、どういう方法を講じておるか、特にこれらによって発生する犯罪の内容等に関してこの際資料があれば御提出を願いたい。並びにこれに関する政府側の御説明が願いたい、こう思います。
○内田政府委員 
 先般も申し上げたことでございますが、
約一割くらいあるであろうということはごくラフな推定でございまして、その基礎になっております一つの数字は、われわれが密入国者の情報――たとえて申し上げますならば、二十人で来たということがつかまった者の口からわかっておりながら十人しかつかまっておらない。こういうような確認されていてもぐっております数字が、先般申し上げましたように
一万二千五百ほどございまして、
それを一応の基礎にいたしながら従来の登録の実績等を考えましてわれわれとして推定をいたしておるわけでございますが、これにつきましては果してそれだけあるものやら、あるいはそれよりもう少し多いかどうかということについて的確に申し上げかねる次第でございます。それからそれを捕捉することにつきましては、入管ももちろん協力はいたしておりますが、われわれの方の人数はごく限られたものでございまするし、その捕捉につきましては警察当局の力に待たなければならない次第でございますが、間接な方法といたしましては、先般も申し上げましたように、たとえて申しますならば、
登録証を持っておりませんと学校に入れない、あるいは配給がもらえない、それから生活扶助、その他失業手帳というようなものも登録証を基礎にしてやっておりますので、そういうものがもらえないというような不便がございます。
それでこういった間接統制の結果いろいろ生活上の困難などを来たしまして自首して参る者の数が相当にございます。
それから登録の切りかえを機会といたしまして――もっともこれは常に警察官が登録証を携行しておるかいなか常時やっておりますが、特に切りかえなどのときに相当全国にそういうことをいたしております。
それによりまして相当な密入国者が発見されておるというのが過去の実情でございます。
今後こういう者の捕捉になお努力いたさねばならぬと存じますが、ただいま申し上げましたように、主として警察の方の力を借りなければなりませんので、今後十分その方面とも連絡いたしたいと存じます。
○神近委員 
出入国の関係の問題は、前国会からもしばしば問題になっているのでございます。
今六十万の朝鮮の方々がいる。
そしてその方々が日本の失業状態のあおりを食って、なかなか仕事が得られない。仕事が得られないために犯罪をたくさん犯す。これは私憎みたくないけれども、いろいろの新聞その他に出ております
犯罪にとても朝鮮の人が多い。
それから私どもが視察して参りました基地の周辺におけるあってほしくないいろいろの事柄にも全部あの人たちが出ていて、ちょっと私どもが近寄るのが危険なくらいに感ぜられる。一体そういう状態にほうっておいていいか。
私ども日本人としても困るし、あの方々も、自分の民族の間に帰ればあれだけ思い切った犯罪はないと私は信じております。というのは自分たちの婦人と自分たちの子供には非常に親切で、そして絶対に手をつけない。異民族である日本人にこれが襲いかかっているという傾向が明らかなのです。ですから私は非常に素朴な考え方かもしれませんが、帰りたい人を早く帰して、そうしてどうしても日本に来なければ父親とか両親とかに会えない。そして夫に会えない、扶養者に会えないという人たちには緩和していただきたいというのが私の根本的な考えでございます。それでいろいろお尋ねするのでございますが、一応北鮮の問題を後まわしにして南鮮との話し合いを進めたいというのが当局のお考え方であったのでございます。今日そういう動きに対して、幾らかでも進展する情勢があるのでしょうか。あるいはこれは絶望的なものでしょうか。大臣でなくてちょっとお気の毒ですけれども、あなたが御存じの程度で伺わせていただきたいと思います。

小泉政府委員

韓国人が、日本に生活をしたい、また戦争中疎開いたしまして、子供が日本に在留しておられる両親のもとで生活をしたいと申して、
その手段方法を選ばず日本に入ってくる
というようなことは、ただいま神近先生がおっしゃいましたように、人道的な問題といたしましては、夫婦を一緒に生活させ、親子を一緒に生活をさせたいということは、管理局の取り扱われる方々も常にその苦衷を訴えておられるのでございます。私どもも最初、両親が日本にいて子供が日本に入ってくる、かわいそうじゃないかというような考えを持っておったのでございますが、いろいろと実態に触れて研究をして参りますと、人道的、人情的には非常に忍びないものがございますけれども、それがあまりにも数が多い。
最近においては、子供だけ三十人くらいの団体を連れて密航をして、大人だけは完全に逃げてしまっている、がんぜない子供だけがつかまっておるというような事実もありまして、この取扱いには非常に係の者も苦慮いたしておるようでございます。
神近先生がおっしゃいましたように、日本に住まいたい者を住まわせて、韓国に帰りたい者は返す、こういうふうに参りますと事は最も簡単で、いろいろの難問題が漸次解決をするのでありますが、問題はそう簡単でなく、極端かもしれませんけれども、
六十万と推計をせられる朝鮮人のうち、日本から母国に帰りたいという者は一人もいないといっても大した言い過ぎではない。
一方向うからは、入れれば、それこそ手段方法を選ばず、命がけでも密航をして、方法さえつけば怒濤のごとくどんどん入ってくる
そしてこちらから強制送還をしようといたしましても、韓国の政府がこれを容易に受け付けない
というところに、人道問題だけでは解決しない大きな国と国との外交問題と申しますか、もう入国管理局だけでは手に負えない大きな外交問題となってここに横たわっておるのは、私が申し上げるまでもなく、御理解をいただいておると思うのであります。
ですから、要するに、こちらは国際的ないわゆる紳士としての態度をもって韓国に接しましても、韓国の方は、紳士的でないとは申しませんが、御承知の通り李承晩ライン、その他漁船の拿捕の問題、
こちらから、密航した者を密航したという確証をあげて韓国に申し入れましても、その送還を容易に受け付けない
こちらは向うから出てきた者を受け入れっぱなし、
不法入国であろうが何であろうが、返すことができないで、
大村収容所にはますます人員がふえていく、
それをみな国費で、国民の血税で養ってやらなければならない、
その取扱いについても、きわめて懇切丁寧にしなければ、人権じゅうりんというような問題まで起きてくる。
これを大まかに考えますと、一体日本のためにやらなければならないのか、日本国民の血税の犠牲において、韓国人をまず第一義として大事にしてあげなければならないかというようなところまで、考え方によっては行く問題であると私は思うのであります。
最近において法務大臣も申し上げました通り、何とかこの問題を根本的に解決しなければならないと思います。私が政務次官に就任をいたしましてからも、一、二の有力な韓国人の団体の長の方で、私に、密入国者を送還するとかしないとかは問題ではなくて、六十万人という朝鮮人が日本に在留して現存しているというこの現実に立って、在留朝鮮人の問題やこれから入ってくる人々の問題について、出入国管理令というようなこまかい規則を越えた根本的な対策を政府は立てる必要があるではないかというようなことで、非常に傾聴すべき御意見を言ってこられた人もございます。近くは、私に、一つ法務省の政務次官として、外務省、入管の当事者とわれわれ朝鮮人の団体の長という首脳部との懇談の機会を作ってくれないかというような申し出まで最近ありまして、どういうふうにそのことを進めようかと私は考えておるのでございますが、要するに最後の決着は、日本と韓国との外交関係を正常な軌道に乗せるということがなければ、根本的な解決はできないのではないかと思います。最近におきまする韓国人の強制送還等の事務折衝の経過にかんがみますると、なかなか正常化というものは容易ではなく、日本に対する韓国側の態度はますます悪化するのではないかと憂えしめる情報がむしろ多くて、
向うの密入国に対する取締り、こちらからの送還をスムーズに受け付けていただくというような話し合いが、円満に好転をするという見通しがきわめて少い
のを私は遺憾としておるのでございます。的確かどうかわかりませんが、最近の情報によりますれば、今の金公使が、韓国のいわゆる代表部と申しますか、そういうものを場合によっては引き揚げるのではないかというような憂うべき情報すら私個人は最近耳にいたしておるのでございまして、何とかこれは、鳩山内閣の手によって日本と韓国との間を外交的に大きく打開をしていただき、その線に乗って入国管理局としての仕事をより以上合理化すと申しますか、今仰せられましたように、できるだけ人道的な取扱いができ得るような軌道に乗せることを熱願いたしておる次第でございます。
○神近委員 
その御努力をなさるうちに月がたって年がたつというのが今までの状態で、八年も九年も問題は解決していないのです。
ですからほんとうに一つのアイデアをお持ちであるならば、もう少し張り切ってそれを推し進めていただきたい。
それからさっき一人も韓国に帰りたい希望者がないというようなことをおっしゃった。それは韓国に帰る希望者はないかもしれません。しかし北鮮に故郷を持っている人たちの中で帰りたいという要望は、この三、四年強く出てきておる。
私は大村に千三百人もかかえて国費を年間一億何千万も使っておるということがもったいないくてしようがない。
それでその人たちが仕合せであるかどうかというと、これはまことに悲惨な状態にある。そういうことを三年も四年も五年も見過ごしにできないというのが国民一般の考え方だろうと思うのです。それで一人も帰りたい人のいない韓国のことは一応暫定的に国交の再開を待つといたしましても、少くとも三千人余りの学生とそれから技術者だけでも帰してもらいたいということは要望がきておるはずであります。北鮮から四十何人とかごく少数でございましたけれども、これは受け取らなければならないはずであって、それを受け取る場合に、自分たちの受け取ることだけ考えないで向うに返すということも同時的に考えることはできないかということでございます。これは国際的な問題ですから韓国の感情というようなことも考慮すべきではございましょう。ですけれども、
どうしても韓国が話に乗らないと申しますか、ほとんど今日のように頑強にこれを否定している
とすれば、どういう方法か考えて、個人的に帰国を許すとかなんとかいうような方法で帰す方法はないかということを、私は非常に素朴でございますから、この問題はもっと素朴に考えてもいいと思うのです。国連憲章やあるいはその他のことを考えれば、国内的なごく一部の人たちが問題を押えておいて、そうしてそれを広く客観的に考える余裕を失っておるという状態は非常に困ると考えます。この間アジア平和会議に行った人たちが北鮮に行ったが、向うでは学生や技術者――これは要望が行き届いていたかどうかと思いますけれども、ともかく受け入れる、いつでも帰ってきてもらいたい、学生はただで教育してやろうというようなことがやはり新聞に出ておりましたけれども、そういうことを考えれば、これはどちらも国交がないということでは同じですから、どちらを選ぶということの意思表示は要らない。ともかく人道的な問題からだけでも帰りたい人たちを送ってやるということは、こちらで受け取ると同時に考えていいのではないかと考えるのであります。その点はどういうふうにお感じになっていらっしゃるか、あるいは今後の努力をその方面にお向けいただけることができるかどうか、それも何か大きな障害があってできないのか、それを承わりたいと思います。

小泉政府委員

先ほど韓国人でこちらにおる者で韓国の方へ帰りたいという者は一人もないと申しましたのは、一人もないといっていいくらいにほとんどない、こういう意味を申し上げたのでありまして、確実に全然一人もないということでなくて、
一人もないといっていいくらいにほとんどが向うに帰りたがらないのだ
ということを申し上げたわけでございますから、この点は特に念のために申し添えておきます。
 また北鮮の問題につきまして、技術者その他一部の者が帰りたいということである、そういう者はできるだけ本人の希望に沿うように帰してやり、また向うから入ってきたい者は入れてやるというようなお考え方は、私どももそういうふうにできることを最も望ましいこととして希望しているのでございます。
 ただ今も北鮮の一部の者が帰りたいということはまだ全然具体化しておりませんで、
在日北鮮の団体の一部の人々がそういうことを最近希望的に言い出しておるという程度
でございまして、これがまだ北鮮の政府とこちらの方とも具体的には進展をしておらないのでございます。また向うの方も、新聞等の情報では、帰ってくるならば受け入れるというような記事もあったかに記憶いたしまするが、これも具体的に日本の外務省と北鮮の正式機関との間に、日本から帰すものをば受け入れるというようなところまで具体的に話が進んでおりませんので、こういう点をもっと推進をして具体化していきたいと考えておるのでございますが、これは御承知の通り、外務関係をば含むところのきわめて重大な問題でもございますので、十分慎重に取り扱っていかなければならないと考えておるのでございます。要は先ほど来申します通り、こちらから帰すものをば向うが気持よく受け取ってくれる、こういう関係ができ上らないところにこの問題の難点がございまして、まさか荷物か何かみたいに勝手に向うの波打ちぎわに置いてくるというようなことはとうていできないのでありまして、やはり向うとすっかり話がつきましてこちらからは帰す、向うはちゃんとそれを受け入れるというようなことが文字通り確実に話がまとまらなければ行動に出られない点をば御了承をいただきたいと思います。今神近先生が仰せられますることは当然そうあるべきことである、当局としてもぜひそういうふうにあらしめたいということを熱願をいたしておって、具体的にそうあらしめるべく双方の間の関係を今後とも十分熱意を持って推進をいたしたいと考えます。

内田政府委員

 ただいまの御質問にお答えいたしますためには、われわれ入国管理局といたしまして、密入国の問題をどういうふうに扱っておるかという全般的な角度からお答えいたしませんと、十分に御納得がいかないと存じますが、実は先般こちらの委員会におきまして、相当広いろいろな角度からその問題についてお答えいたしましたのですが、ごく簡単にかいつまんで申し上げます。
 われわれといたしましては、これは国際的な一般の原則でもございますし、大体日本に入国する者は、旅券と査証を持ってきておらなければ困るということを当然の原則といたしておるわけでございます。しかしながら、こちらでも再三問題になっておりますように、従来、この間まで日本国民であった人々、しかも偶然に敗戦という機会によりまして、家族が別れ別れになってしまったというような者につきまして、何らかの人道的な考慮が払われなければならないということは、私ども自身も十分考えておるところでございます。実際一般的な原則の問題と、人道的あるいは人情との問題をいかにして調和していくかということは、われわれの業務の一番苦慮しておる点であると申し上げても過言ではないのでございます。ただその際に、これは今の原則とからむ問題でございますが、われわれといたしましては、現行犯でつかまった者はやはり原則として帰すということにいたしておるわけでございます。これも国際慣行が第一の理由でございますが、そのほか実質的に申しましても、現行犯でつかまった者をさらに区別いたしまして、その中で許可する者をえり分けるということはなかなか困難でございますし、またそれをやりますことによりまして、かえってわれわれのやっておることが公正でないのではないか、何か特殊の連絡があるとか運動したとかいうことによって、左右されておるのではないか、こういう印象を与えますことは、はなはだわれわれとして心苦しいことでございますのみならず、対外的信用の観点からいたしましても、おもしろくないことだと思っておるわけでございます。
 それからもう一つ、少し話が飛びますのですが、密入国というものは御承知のように、非常にポテンシャルな危険性をはらんでおる問題でございますので、密入国の阻止ということは、遺憾ながら今まで不十分でございますが、この上とも努力しなければならないことでありますのみならず、現在におきましても、海上保安庁等が非常に少い施設、人員におきまして、一生懸命努力しておられるわけでございます。また警察も警察で陸に上った直後等につきましては、いろいろ報奨金などを出しながら現行犯をつかまえるのに苦労しておられる。そういう状態におきまして、
中央の法務省に問題を持ってくるとどんどん許可されてしまうということになりましたのでは、現場においていろいろ苦労をせられておる方々の努力を全く無にしてしまうということになり、ひいてはこういう密入国の問題が非常にルーズになっていくおそれが多分にあるわけでございます。
 それからもう一つ、
集団密航の場合には、大体今現行犯でつかまる場合にはそうなのでありますが、
ほとんど例外なしにブローカーが介在しております。
それでこのブローカーたちは、もちろんその手数料というようなものは初め取っておるのでありましょうが、成功報酬のような形になっておる例が多いようでありまして、結局われわれが現行犯でつかまえた者までも許可していくということになりますと、そういうブローカーたちを喜ばせるというような結果にもなるわけであります。われわれができるだけ密入国というものを阻止したいという根本の方針と矛盾するような結果にもなるわけであります。そういうような関係によりまして、現行犯でつかまった者については、その場合たまたまその方が女であるとか子供であるとか、あるいはおとなの場合もありましょうが、とにかくそういうことの区別をいたしませんで、原則として退去という線を出しておるのはそういう理由からでございます。それで
おとなが逃げてしまって子供だけが残ったというのは、実は最近たまたま起った一つの極端な例
なのでありまして、普通の場合は、大体おとなも子供も一緒につかまっておるのでありますが、ある一つの例は、まさに先ほど次官からもおっしゃいましたように、おとなたちは逃げてしまって子供だけ三十人ほど残されておるのがつかまったというような事態が起ったわけであります。これは人道的に考えますと、御説のようにいろいろ気の毒なこともあろうかと思っておりますが、しかし、ただいま申しましたような、こういう入国管理をいたします基本的な建前から申しまして、現行犯でつかまった者についてそう寛大な処置はとり得ないのではないかとわれわれとしては考えておる次第でございます。
○志賀(義)委員 
ただいまの神近委員の質問に関連しまして、今度の出入国管理令の一部を改正する法律案の仮放免の際に、保証書をもって保証金にかえることができるということになっておりますが、この仮放免の者を収容する保護団体、これは東京では一例をあげればどの団体になりますか。仮放免の際の今までの例がありますか。

内田政府委員

 現在までのところ、これはまだ法律になっておりませんが、こういうことを頭に考えながらやりました場合を御説明いたしますと、日韓親和会という、これは日本人だけでできておりまして日韓親和を目標とした団体でありますが、その団体が保証人という形で仮放免いたしましたら、その
実際上の世話は善隣厚生会
――日韓親和会は保護団体ではございませんで、実際の保護に当るものは善隣厚生会という団体でございます。
○志賀(義)委員 
その善隣厚生会というのは新宿にありますね。
○内田政府委員 
角筈だと思います。
○椎名(隆)委員 
 最近ヒロポンの問題が、非常に国民の保健衛生の問題に関係しますので、麻薬と同様に取り扱って罪を重くしなければならぬ、こういうことになっております。その
ヒロポンの製造販売が大体朝鮮人が主になっている。
覚せい剤取締法違反で検挙せられた件数のうち、朝鮮人の処罰せられたパーセンテージは一体どのくらいになっておりますか。
○内田政府委員 
 その点は刑事局に資料があるそうでございますが、私まだ承知しておりません。問い合せましてお答えいたしますが、われわれの方の関係で申し上げますと、麻薬は特に二十四条の各号にあがっておるのでありますが、ヒロポンはあがっておりません。しかしながら一般の条項といたしまして、リ号という規定がございまして、「この政令施行後に無期又は一年をこえる懲役若しくは禁こに処せられた者。」とございますので、その刑が一年以上であります場合にはこの条項によって処置し得るわけでございます。
○椎名(隆)委員 
 そうすると、酒の方もおそらくわからないだろうと思いますが、酒は減税するとともに三級酒を作って財源に充てたいということになっておりますが、この
酒の密造も大体は非常に朝鮮人が多いのです。
これら朝鮮人が罪を犯して、たとえば実刑を課せられて、その後釈放せられた場合、これは釈放せられっぱなしで、本国に送還するというようなことは考えておりませんか。

内田政府委員

われわれといたしましては、そういう悪質の外国人を国外に帰したいという希望でおります。
ただ朝鮮の場合特に問題なのでございますが、先ほど来政務次官からも御答弁申し上げましたように、韓国政府は戦前から日本におります朝鮮人につきましては、日本政府はこれのめんどうを見る義務があるのだという建前で参っておりまして、従来
われわれが非常に悪質だと考えまして退去にいたしましたものも、その引き取りを拒否しております。
それでこの問題は実際非常に厄介な問題でございまして、先ほど申し上げましたように一度大村に入れましたものを相当釈放いたしましたのも、実は主としてそういう人々に関してなのでございます。この問題はわれわれも努力いたしておりますが、根本的には日韓間の外交問題の重要な問題でございますので、大きな解決が得られません限り、われわれのレベルのところでやり得るものとしては限界があるのではないかと考えております。しかし決して絶望しておるとか、それで努力をやめてしまっておるというわけではございません。
○椎名(隆)委員 
どうも朝鮮の連中は、おいらの方は戦勝国だ日本は戦敗国だというので、向うはだいぶいばっているのです。李ラインを越すといい船だったらみんなふんだくって返してよこさない。ただし人間だけは辛うじて帰してよこすというような状態になっておるのですけれども、今向うに抑留せられておる日本人は一体何人ぐらいいるかおわかりになりますか。
○内田政府委員 
 私ども責任を回避するわけじゃございませんが、この問題は主として外務省の方でやっておりますので、そこから聞いておりますところでは、現在のところたしか百三十くらいではなかったかと思います。
○椎名(隆)委員 
 人のふり見てわがふり直せで、向うさんの待遇と同じ程度の待遇を韓国人にやってやったらどんなものでしょうか。そんなことはお考えになりませんか。

内田政府委員

 これは一つの御意見かと存じますが、しかしわれわれそう偉ぶるわけでもございませんが、ともかく日本の名誉とか信用に関するようなことは、人がやっておるからといってやりたくないと思っておりますし、また実際収容の場合に、機会あるごとにわれわれとして特に注意いたしておりますことは、その取扱いが人道的に問題のないものであるように、またその個人の自由などを不当に制限するものでないようにということを絶えず申しておりまして、われわれとしてはただいまのところ
韓国が悪い扱いをするからわれわれも韓国人を悪く扱うということはやりたくないというつもりでやっております。
○椎名(隆)委員 
 人道的の点からいくなればおそらくそうでなければならないと思うのですが、ところが相手方はそうじゃないのです。戦勝国といっていばりにいばり抜いておる。私たちの町にも漁業家が相当あるが、向うへ行くたびにびくびくして出漁しなければならないという状態です。漁業においても締められておる。いわんや
朝鮮人の悪質な連中はヒロポンを製造、販売し、国民の保健を非常に傷つけておる、あるいはこっちに来て酒をどんどん作っておる。しかも国家の酒造税の収入を妨げておる。
悪いことばかりしている連中が多い。
これはこっちがあまり待遇をよくするから、朝鮮人の連中は、向うで食うに困ったならば日本に行った方がいい、日本に行きさえすれば待遇がいい、日本に行きさえすれば生活ができるというようなところからどんどん入ってくるのじゃないかと思う。
向うさんがそうであれば、こっちもある程度人道上の問題も考えずに、日本に行ってもむずかしいのだという観念を与えた方がいいのじゃないかと思うのですが、どんなものでしょうか。
○内田政府委員 
 一つの御意見かと存じますけれども、政府といたしましてはそういうことをやりたくないと思います。

最終更新:2013年04月25日 03:16