この問題の争点

1、実況プレイ動画によって得た知名度を利用し、収入を得ることが許される行為であるか


・反対派の意見
無断でゲームの映像をネット上にアップロードすることは著作権法で禁じられている。
親告罪のため、ゲーム動画をアップロードすることを黙認しているゲーム会社も多いが、本来は社会的に褒められる行為ではない。
それにもかかわらず、そのような行為で得た知名度を利用し、金を稼ぐというのはあまりに非道徳的な行為ではないだろうか?というのが批判側の意見である。

DVDを販売し大金を得た、ということだけに関しては、何の問題もないだろう。
ただ、その売上が、実況プレイヤーとしての塩の知名度に依存したものであることが問題なのである。
賛成派の中には「何で得た知名度だろうが物を売ってお金を稼ぐことには何の問題もない」という意見もある。
ただ、それはあくまで「法律上」の問題であり、批判側が主張しているのは「モラル」の問題である。
「法律的に正しいか正しくないか」ではなく、「人間として正しいか正しくないか」ということを、しっかり考えるべきではないだろうか。

・これに対する賛成派の意見
コミケ等の同人の世界において、"他者の著作物による知名度"を利用することは珍しくない。
"版権キャラの知名度"を利用する同人誌などがその最たる例で、同人誌出身の商業漫画家も数知れず存在しているが、批判側がこれらに触れることは無い。

今回、販売された物自体は、他社の著作に一切頼っていないオリジナルである。
"他者の著作を土台にする完全二次創作"と、"著作物を利用して得た知名度を武器に売るオリジナル作品"。どちらがモラルに欠けるのかは考えるべき点である。
また、モラルを語る上で「中傷動画」が存在する現状は憂慮するべき事態である。モラルとはなんなのか、考えていただきたい。

・これに対する反対派の意見
珍しくないからといって社会的に認められているという訳ではない。
著作権侵害という点で同人も同じ。同人だけは叩かれないという思い込みはやめましょう。

"他者の著作を土台にする完全二次創作"と、"著作物を利用して得た知名度を武器に売るオリジナル作品"
どちらもモラルに欠けている。モラルの大小ではない。こっちのほうが悪質だからという反論は説得力が無い。

中傷動画が何を指しているか不明だが、まとめ動画のことを中傷と思うのはあくまで個人的な主観である。自分の主観ではモラルの問題提議している動画だと感じた。

2、塩氏がこの騒動に関するコメントを一切していないことについて

塩氏は未だに騒動に対するコメントを発表していない。これが、スレや動画内で当人が大きく批判をされる原因のひとつとなっている。

・反対派の意見
「これだけスレや動画が荒れているのだから、何らかの説明はすべきではないのか」
「自分の都合の悪い批判・意見に対してのみ無視を続け黙り込んでいるということは自分の正当性が正確に主張できないからではないか?」
「騒動についてコメントすることによって動画が荒れることを塩自身が恐れている」 他

また、ファン側からも疑問の声があがっている。
「金儲けをしたのは悪いことだとは思わないけど、何らかの説明をするべきだと思う」
「塩さんのことは好きだったけど、批判に対しては一切耳を貸さないという態度は残念だと思う」

どちらにしても、これだけの批判がされているにも関わらず、主張も謝罪もないということに多くの疑問が上がっている。
その疑問の中にはこのような考えもあがっている。
「正しいと主張すれば更なる反論を浴びることになる。逆に間違っていたと謝罪すればその時点で再販は中止せざるを得ない。
動画が荒れることも再販中止もどちらからも免れようとしたため、この件には一切触れないという措置をとったのだろう。」
この考えが仮に真実であるとすると、塩のDVD販売に対するモチベーションはかなり高いといえる。
しかしコメントが発表されていない現在、動画内は議論や擁護、中傷などのコメントで荒れているため、
完全スルーという処置は寧ろ逆効果だといえる

・これに対する賛成派の意見
炎上騒動に対する対抗策は「沈黙」だけである。攻撃者は言葉の端々からいわゆる"言葉狩り"を行い、あらゆる手段でアラを拾い上げて叩き台に乗せようとする。
荒れるままになっているのは残念なことだが、仮にレスポンスを返していたらもっと悲惨な状況に陥っていた可能性もあっただろう事を付け加えておく。

もともと、実況というジャンル自体かなり危うい存在であるが、今回の事態はあくまでニコニコ動画の外の事。
「権利が絡まないDVDを販売した」というたった一つの事実のみであって、それがゲームプレイ動画に与える影響は皆無である。
メーカーが動くなどという風説に流され、よからぬ行動に走らないように注意喚起が必要だろう。

・これに対する反対派の意見
過去の炎上例から謝罪やきちんとした対応をしてなお炎上が続いてるという例を私はあまり知らない。
完全に鎮火はしなくても状況が落ち着いた可能性の方が高いと思うが。

今回の騒動がゲームプレイ動画に与える影響が皆無と言い切れる根拠はどこにもない。こういう商法がもてはやされ、
ゲーム実況というものがアンダーグラウンドでなくなったとき、違法行為の目に触れる規模が拡大するにつれ、
メーカーも動かざる得ない状況になるのではないか。(世論によるメーカー側の信用問題にも関わる)
塩氏の知名度、影響力からいってその足がかりをつくってしまったことも否定できないのである。

3、考えられる二次的問題


・反対派の意見
塩氏がこのように一切この事件について触れていない点から、賛成派と批判派で意見が一人歩きし
派閥の暴走による第2第3の塩の模倣犯が現れるのではと言う声も上がっている。
無視を決め込めば動画を上げ続け、ファンをひっぱり、お金を稼ぐことが可能だという
前例ができてしまったため、それに便乗する他の実況者も出てくるのではないかと疑われている。

さらにその風潮が固定化し、実況をお金儲け目的で始める実況者も現れるのではとまで言われている。
塩氏は今回法律的には白な新しいマーケティングを世に知らしめたためその市場の可能性は無限大だろう。

そうなってくると今までグレーな実況動画に目をつぶっているメーカー側の対応が変化するのではないか?
メーカー側はどう対応するか未知の領域であるが、もしもメーカー側が動いてしまうと
実況動画というジャンル自体がなくなってしまうのではないか?と懸念の声も上がっている。
こうした問題は推測の域だが、その小さな足がかりを作ってしまった塩氏には何か反応を求めたいところである。

・これに対する賛成派の意見
実況プレイヤーによる自らの名前(知名度)を使用した商業活動は今回が初めてのケースではないため
今回の事例が「権利者の利権を直接損ねる行為」としては当てはまらない可能性が高く、ゲーム動画全体の大規模な削除に到るとは考えにくい。
投稿された動画の違法・許容の判断は権利者側に委ねられているため、侵害の疑いのある動画があれば、
動画サイト運営者への通報がユーザーの対処として適切であろう。

実況プレイヤーの名前を使用しての商業活動は、各個人の判断によるものであるため、特に控える謂れはない。
しかし、同人活動だけにとどまらず、今回の騒動を見ても分かる通り、実況者はそれを行うことにより得られるネームバリュー拡大・コストメリットと、
それによって新たに買ってしまう反感・嫌儲感情、信用失墜というリスク、二者の効用を天秤にかけた上で、
この上なく慎重に判断したほうが良い。同人活動の域を越えた商業活動であるならば、なおさらである。
最終更新:2012年01月24日 05:03
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