プラボディ(インジェクション成型)を塗装しよう!

インジェクションとは射出成型のこと(ポリカボディなどはブリスター成型)。
ボディを塗装したいけどやり方や注意点がよくわからない! って人のためのページです。

塗装したいボディを用意する

まずはこれがなくては始まりません。
今回の解説にはこのフレイムアスチュートのボディを使用します。
このような赤成型のボディの場合、他の成型色にはあまりない注意点があるのでついでに解説します。

普通に組み立てる

まずはどんなモノでもいったん説明書通り組み立てましょう。
いやしかしF1のデザインを取り入れたボディはかっこいいですねぇ。

基本工作

余計な合わせ目やパーティングラインはこの段階で消してしまいましょう。
地味なところですが、これをやるかやらないかで完成度が変わってきます。
番目の小さい順から段階的に紙やすりをかけ、最終的に1000番くらいまで磨けば塗装でキレイに隠れます。

塗装前に洗浄

塗装する前に、必ず部品を洗浄しましょう。
今回はクレンザーを使います。
洗い残しが出来ないように、できる限り分解して洗います。
ボディにどばぁっとクレンザーをかけ、歯ブラシにもつけておきます。
そしてひたすらゴシゴシ。
クレンザーはケチらないようにしましょう。
洗い流すときはぬるま湯を使いましょう。
クレンザーの洗剤成分は強力な分、表面に残留しやすいので冷水よりぬるま湯の方が確実です。
また、細かい隙間などに研磨剤が残りやすいので注意してください。
クレンザーをたっぷり使い、入念にブラッシングすればこのようにボディ全体が艶消しになります。
これでボディ全体が紙やすりをかけたのと同じ状態になり、塗装の食いつきがよくなる上、研磨剤でボディ表面が一皮削られるので離型剤などが確実に除去できます。


そして本番

洗浄が終われば、いよいよ塗装です。

塗料を用意する

ボディと同時に、これがないとお話になりません。
今回は全体を白、キャノピーなどの一部を黒で塗り分けます。
白で塗装するので、下地に使うサーフェイサー(一番左の大きい缶)も白を使います。
シルバーの用途は後程・・・

スプレーの吹き方

缶スプレーは吹き始めと吹き終わり、つまりボタンを動かしているときは霧が不安定になります。
不安定な霧、つまり粒の大きさがバラバラの塗料を塗装面に当てると、仕上がりが汚くなります(特に大きな粒が問題)。
なので、吹き始めと吹き終わりは空吹きするような感じでボディに当てないようにしましょう。
もったいないと思うかもしれませんが、塗装に失敗してやり直すことになればさらに余計な手間と費用が掛かることを考えれば、必要な無駄と言えるでしょう。

下地塗装

まずはサーフェイサーを吹きます。

サーフェイサーの意味は、まぁよく聞く話ですが下地の色を隠して(元より明るい色を塗る場合発色がよくなる)同時に紙やすりなどの細かい傷を隠します。
1000番以上の紙やすりの傷なら、これで十分にきれいになります。
また、プライマーサーフェイサー(プラサフ)の場合、塗装の定着強化の意味もあります。

これでボディ全体が真っ白・・・
が、しかし・・・・・・

あぁばばばばばばばばb

ピンクだよ!(ちなみに画像は色をわかりやすくするためにコントラストを編集しています)

どうなってんの!? って話ですが、赤成型のプラスチック部品の中には発色をよくするため、着色に顔料だけでなく染料を使っている場合があるためこうなる事があるのです(染料を使っていない製品もあります。また、同じ製品でもロットによっては使っていなかったり・・・)。
これは染料の分子が顔料の分子より非常に小さく、溶剤に溶け出してしまうためにおこる現象です。これをブリード(染み出し)現象と言います。
昔は、緑やイエローの成型色でもあったらしいですが、現代の製品でこれが起こるのはほとんど赤くらいでしょう(但しカラークリヤー成型のボディの場合、着色に染料が使われている場合が多いため他の色でも注意が必要)。
染料の特性上、この先いくら塗装を重ねようと時間が経つと色が染み出してしまいます。

ブリード現象を事前に確かめるには?

ブリード現象の有無について、事前に調べる方法があります。
部品を切り離した後のランナーを、数時間ほど溶剤に付けてみることです。
すると・・・
赤っ
見事に真っ赤です。
赤成型のプラスチック部品を塗装する際は、このように確認作業を行うことをお勧めします。

ブリード現象を抑えるには?

下地にメタリック塗装を行うことです。
メタリック塗料は金属粒子を顔料に使用しているのですが、金属は染料を透過しません。
なので、メタリックカラーで疑似的に金属皮膜を成型することで、その層で染料を抑え込むわけです。
これでブリードは起こらなくなります。
エアブラシを持っている方なら、ガイアノーツからシルバーのサーフェイサー(瓶入り)が販売されているので、それを使うのもいいでしょう。
他の成型色ならここまでの苦労はないんですけどねぇ・・・

本塗装

これでようやく本番に移ります。
改めて、ベースとなるピュアホワイトを塗装しました。
プラボディの塗装の基本として、できるだけ明るい色から順に塗っていきます(ただし、マスキングの順序や各色の塗装面積などで前後する場合もあります)。

塗り分け

まずはマスキングをします。
今回はコックピットと、サイドディフレクターの根元をブラックで売り分けます。
曲線の多い場所はマスキングテープを細切りにして使うと良いでしょう(最近タミヤから曲線用のマスキングテープが発売されたので、それを使うのもアリ)
サイドディフレクターは、カーボンパターンのシールを貼るので表は殆ど隠れてしまいますが、シールは淵の部分まで覆ってくれないので、そこだけ下の色が出てしまいます。
それでは興ざめなので、黒で塗ってしまいましょう。淵だけ筆でチョコチョコと塗り分けるだけでも見栄えが変わってくるところです(今回はコックピットを塗るついでなので、裏まで黒で塗ってしまいます)
黒を吹いてマスキングを剥がします(すいませんコックピットが黒だと地味だったので上からパールブルー塗ってます)。
矢印の部分にマスキング漏れがあるので、2000番の紙やすりでそうっとなでるように削り取ります。
これで綺麗になりました。
削るとき、あくまで紙やすりの先っちょでなでるように、力を入れずにこするのがコツです。
やりすぎると下地が出てきてしまいます。
あまりムキにならず、紙やすりで落ちないようなら筆塗りでリタッチしてあげましょう。
紙やすりをかけた所は艶消しになってしまいますが、最後のクリヤーコートで消えてしまいます。

仕上げ

最後にクリヤーを吹いて艶を調整するとともに、表面を保護してあげます。
艶あり塗装の場合、さらにこの後目の細かい紙やすりをかけ、コンパウンドで磨き上げる「研ぎ出し」を行えば、さらに完成度は上がります。

余談

ちなみにスプレーに取り付けて使うこのアイテム、ガンモドキと言いますが、缶スプレーが簡易スプレーガンになるので非常に便利です。
グリップ式なので缶を直接持つより持ちやすく、トリガー操作になるので噴射量のコントロールがやりやすくなります。お値段も500円程度で手ごろです。

ホームセンターで同じような製品を見つけました。
ガンモドキと同程度か少し高いという程度の価格ですが、ガンモドキより大きく、

そのためこのような、タミヤカラースプレーなどよりもノズル部分の大きい、一般のラッカースプレーにも対応しています。

ただし、このように噴射量調整用のボタンストッパーが後ろに飛び出ているようなスプレーの場合、これらスプレー缶用グリップは装着できません。



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最終更新:2017年08月13日 22:37