今月(2015年2月)に待望の
バックブレーダー クリヤーボディ
の再販がかかるということで、記念にクリヤーボディの塗装方法を解説したいと思います。
バックブレーダーを例にしますが、もちろん他のクリヤーボディにも使える技術です。
下準備
塗装を行うにあたって、まずやることは普通のプラボディと同じです。
中性洗剤で綺麗に洗いましょう。
ポリカーボネイトボディは裏から塗装するので、裏側を入念にきれいにします(但し、無理に擦ろうとすると潰れてへこんだりするので程々に)。
凹側から洗うので、洗い残しが出来やすいので注意しましょう。
マスキング
次は塗り分けのためのマスキングを行います。
マスキングに使う道具紹介。
左から、
- マスキングテープ二種
- (見えにくいけど)ブリスターパックの平らな所を切り出したもの
- 定規
- ピンセット
- マスキングゾル
- 爪楊枝
- 綿棒
- デザインナイフ
- カッターナイフ
- 鉛筆
- コンパスカッター
となります。
まずはマスキングテープの切り出しですが、付属のステッカーを利用します。
こいつの余白(枠)だけを、
このように剥がしていき、
このような状態にします。
う~ん、20年くらい前のモノなのでのりが弱くなってて地味に苦労しました・・・
後は先ほどのブリスターを切り出した透明板の上にマスキングテープを張り、ステッカーの上に置いて透かしながらよく切れるナイフで切り出していきます。
ステッカーに無い部分は、このようにボディに直接マスキングテープを張り、鉛筆でラインをなぞった後、カッティングマットの上に移して切り出します。
ボールペンやサインペンを使うと、塗料を噴いた時にインクが滲んで来る事があるので避けた方がいいでしょう。
このようにマスキングしました。
緑の部分はマスキングゾルです。
マスキングテープでは難しい形状の部分へのマスキングや、マスキングテープの継ぎ目などにゾルを使ってあげると塗料の侵入を予防できます。
保護フィルムのない古いタイプのクリヤーボディは、ネジ穴へのマスキングも忘れないようにしましょう。塗装する際、ここから結構塗料が侵入するので、忘れると表面がババっちくなります。
また、保護フィルムのないクリヤーボディは表面全体のマスキングも行います。
シート付きのマスキングテープ
や、スーパーのサッカー台(荷造り台)に置いてあるビニール袋を活用すれば、マスキングテープを節約できる上、大きな面積を簡単に覆ってしまえます。
また、透明なビニールを使用することによって、塗装中にボディの表側からどうなっているか確認しやすいという効果もあります。
塗装
さて、使用する塗料の紹介です。
左から
- タミヤカラースプレー メタリックグレイ(TS-94)
- ポリカーボネイト用塗料 クリヤー
- アクリル・ポリカーボネイト用 ミラー調スプレー
昨年9月、かつてミニ四スプレーカラーとして発売され、その後絶版となっていたメタリックグレイ(MS5)がタミヤカラースプレーの通常ラインナップとして再販されました。
バクブレの旧クリヤーボディでは、ポリカーボネイト用のガンメタルが指定色となっていましたが、元キットの指定色はメタリックグレイでした。
画像では伝わりにくいかもしれませんが、ミニ四スプレーとは色味が変わってしまってますがこのようにガンメタルとメタリックグレイでは結構色味が違いますし、せっかくメタリックグレイが再販されたので使ってみたいと思います。
残念ながらポリカーボネイト用メタリックグレイは発売されたことがないのですが、今回は通常の塗料をポリカーボネイトボディに載せる方法を紹介します。
まず、ポリカーボネイト用クリヤーを吹き付けます。
通常の塗料がなぜクリヤーボディに乗りにくいかと言うと、
- クリヤーボディに使われている素材がそもそもプラボディに比べて塗料が載りにくい素材
- 硬質プラへの塗装を前提とした通常の塗料は、薄くて柔らかいクリヤーボディの柔軟性に追従できず、塗膜が割れる
と言う2つの大きな要因があります。
そこで、ポリカーボネイト用塗料をプライマーとして間に使用し、定着力を強化してあげます。
これで、通常の塗料を使ってもはがれる事はまずなくなります。
この方法なら、通常の塗料を表から塗装することも可能になります。
表面を半ツヤやツヤ消しにしたい場合有効です。
ただし、柔軟性の面は改善されないので、どうしても大きく曲げると細かいクラックが入ることはあります。
裏から塗る場合殆ど気にならないレベルなのですが、どうしても気になる人や不安な人は、通常の塗料の上からさらにポリカーボネイト用塗料を乗せてあげましょう。
ポリカーボネイト用塗料→通常塗料→ポリカーボネイト用塗料とサンドイッチしてあげることで、クラックも出来るだけ予防できます。
そしてメタリックグレイを載せます。
ここで一部のマスキングを剥がします。
フロントノーズ両脇のセンサーと、コックピット上方の冷却ファンです。
ココは元キットではメッキパーツだったので、メッキ調にしたいと思います。
そこで↑のミラー調スプレーです。
このミラー調スプレー、ツヤツヤの透明ポリカーボネイトや透明アクリルの裏から塗ってあげると
このように抜群のメッキ感を誇ります。
もう全体の色は塗ってあるので、メッキ調にする部分の周辺を軽くマスキングしてササっと塗ってしまいます。
これで、塗装作業は終了です。
後は、塗料が乾くのを待ってマスキングを剥がし、必要ならリタッチなどを行い次の切り出し作業に移ります。
切り出し
さて大詰めの作業、切り出しです。
クリヤーボディの制作で、一番苦手に思ってる方も多いでしょう。
保護フィルム付のクリヤーボディなら、切り出してから塗装してもいいのですが、この旧タイプのボディの場合 切り出してからでは表面のマスキングが大変なので、今回はこの段階で切り出しました。
その辺は自分の腕や労力と相談してどちらがいいか選択してください。
クリヤーボディには予め、切り取りのためのガイドラインがあるのですが、少々見えにくいので不安な方は細いマジックなどで線をなぞっておきましょう。
そしてまず、ハサミで大雑把に枠を切り取ります。
次にもう一度、ハサミである程度まで切り詰めます。ただし、少し線から離れたところ(2~3mm位)までにします。
細かいところも多いので、仕上げは良く切れるナイフ類で行いましょう。
クリヤーボディは、その成型の都合上 場所によって厚みが違い、そのため切る場所によって力加減を変えなければならないので慎重に作業しましょう。
ここまで来たので、焦らずじっくり作業してください。
切り出しが終了しました。
切り出したフチの部分は、尖っている場合があるので400~600番の紙やすりを軽く掛けてあげましょう。
あとは、ステッカーを貼って完成です。
持っているなら、ドレスアップステッカーを貼るのもいいでしょう。
ちょっとしたドレスアップ
透明なクリヤーボディを生かした、一風変わったドレスアップ方法を解説します。
imageプラグインエラー : ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (IMG_1834b.JPG)
バックブレーダーDUSの30番(衛星通信システムの窓に貼るステッカー)を利用します。
まずはメッキテープを用意し、
その上に先ほどのステッカーを貼ります。
そしてステッカーに合わせて切り出します。
そしてそれをマスキングテープの粘着面に貼り、
マスキングテープを一回り大きく切り出します。
後はこれをボディ裏から貼れば完成です。
飛行機プラモの計器盤によくつかわれる方式に近いもので、表からステッカーを張るのとは違った仕上がりになります。
また、ボディの裏から貼っているので、ボディの付け外し時やクラッシュ時の摩擦でステッカーが痛むこともありません。
マスキングテープを使っているので貼り直しも容易です。
ヘッドライトも、金色のメッキテープを使い同じようにやってみました。
この方法の利点は、貼り替えが容易なので簡単に色を変えられることです。
たとえば、アニメ風にしたい場合キャノピーに赤のメッキテープやホイル折り紙(メッキテープは曲面になじみにくいので、キャノピーには後者の方がいいかも)を使って同じようにしてあげれば、塗装しなくてもキャノピーを赤くできます。
最終更新:2018年10月22日 06:27