('A`)が 番外編~ミ,,゚Д゚彡はガキ大将のようです~


121 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 20:45:07.90 ID:MkIl+e48O
番外編~ミ,,゚Д゚彡はガキ大将のようです~

ミ,,^Д^彡「ギコハハハ!俺の勝ちだな!」

「ちぇっ、またフサかよ」

「フサ兄ちゃん速~い」

ここは近所の子供たちが集まる模型屋だ。何をしてるかって?もちろん今大流行のミニ四駆に決まってる!

「ねえねえ、マシン見せてよ、フサ」

ミ,,゚Д゚彡「いいぜ…ほらよ!」

「うわぁ~、すげー肉抜き」

「僕にも見せてよう」

俺のマシンはこの辺りで一番速い。肉抜きだって俺が一番上手い。なんてったってガキ大将だからな!

123 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 20:56:12.24 ID:MkIl+e48O
「ところでフサ、あの噂聞いた?」

ミ,,゚Д゚彡「おう!フォックスデパートのミニ四駆大会のことか?」

「うん。結構大きなコースらしいよ」

ミ,,^Д^彡「ギコハハハ!どんなコースだろうと俺様の優勝だぜ!」

俺のレイスティンガーは最強なんだ。負けるはずがない。…と、他の子分が口を挟んできた。

「…そういえばフサ、隣町に住んでる従兄弟から聞いた話なんだけどね」

ミ,,゚Д゚彡「なんだ?」

「隣町の女番長が子分を連れて大会にやってくるらしいよ」

ミ,,゚Д゚彡「女番長?なんだそりゃ。女なのに番長なのか?」

「うん。喧嘩もすっごい強くて、それにミニ四駆も速いんだって」

ミ,,゚Д゚彡「…おもしれえ。返り討ちにしてやろうぜ!よし、お前ら気合い入れていくぞ!」

「「「おーっ!」」」

125 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 21:03:33.00 ID:MkIl+e48O
~~~~~~~~~~~~

从 ゚∀从「よーし、お前ら、点呼だ!」

「1!」

「2!」

「3!」

「4!」

从 ゚∀从「……1人たりねーな。おい、ドクオはどうした?」

「ドクオは熱出して来れないって言ってたよ」

从#゚∀从「なんだと!あの野郎…今日は隣町のミニ四駆大会に遠征する日だってぇのに」

「熱あるなら仕方ないじゃん」

「ハインってドクオがいないと機嫌悪くなるよね~」

从#゚∀从「うっせーな!黙れ!気合いがたりねーから熱なんか出すんだ」

「そんなめちゃくちゃな…」

从#゚∀从「…まあ、いないもんはしかたねぇ。よし、お前ら、隣町に行くぞ!チャリに乗れ!」

「「「おーっ!」」」

128 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 21:10:41.02 ID:MkIl+e48O
~~~~~~~~~~~

ミ,,゚Д゚彡「よし、こんなもんかな」

俺は机に向かっていた。といっても勉強ではない。モーターを分解して巻き数を増やしていたのだ。

ミ,,゚Д゚彡「へへ、これで今日の大会も優勝いただきだぜ!」

「お~い、フサ~、そろそろ行こうよ~」

外から子分の声が聞こえた。

ミ,,゚Д゚彡「おう!待ってろ!今行く!」

階段を駆け下りて外へ向かう。

ミ,,゚Д゚彡「よし、全員いるな?それじゃあ行こうぜ!」

「「「おーっ!」」」

131 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 21:23:53.46 ID:MkIl+e48O
ーーフォックスデパートーー

ミ,,゚Д゚彡「おう、すげー人だな」

フォックスデパートの催事場は子供でごった返していた。無理もない。今は空前のミニ四駆ブームなのだ。

「あ、フサ、あいつだよ!隣町の女番長!」

指差さされた方を見てみる。

从 ゚∀从


ミ,,゚Д゚彡「あいつか…」

そこには取り巻きに囲まれて、1人の女が立っていた。ボサボサの髪からのぞく鋭い眼光。たしかにただものじゃなさそうだ。

从 ゚∀从「……!」

目が合って、俺の方を睨んできた。こちらも負けじと睨み返す。

ーお知らせします。ミニ四駆大会に参加する方は、正面の受付カウンター前に並んでくださいー

そこへ受付開始を告げるアナウンスが流れた。

「フサ、行こうよ」

ミ,,゚Д゚彡「…ああ」

俺は女番長から目をそらし、受付へと向かった。

134 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 21:35:39.86 ID:MkIl+e48O
受付の列に並ぶ。受付といってもタミヤのジャパンカップのように車検を行うわけではない。

「はい、これが選手番号になるからなくさないでね」

選手番号がかかれたバッジを渡されて終わりだ。

ミ,,゚Д゚彡「へへ、俺のマシンに勝てる奴なんかいねーよ」

手元の愛車、レイスティンガーを見つめる。限界まで肉抜きしたボディ、取り付けられた8個のローラー。そしてコイルの巻き数を増やした特製モーター。地元では負け知らずだ。
ーそれではコースを発表しますー

ようやく受付が終わったようだ。いよいよコースがその姿を露わにする。

「「「お~」」」

会場がどよめく。

ミ,,゚Д゚彡「面白そうじゃねーか」

用意されたコースは噂通りに大きなものだった。ループチェンジに巨大バンク、そしてなにより目についたのは超ロングストレートだった。

136 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 21:46:22.76 ID:MkIl+e48O
ー番号を呼ばれた選手はスタート位置まで来てくださいー

レースが始まった。会場に熱気が充満する。

ミ,,゚Д゚彡(へっ、どいつもたいしたことないな)

「あ、フサ、次は僕の番だ。いってくるね」

ミ,,゚Д゚彡「おう、負けんじゃねーぞ……ん?」

从 ゚∀从

どうやら女番長も走らせるようだ。

ミ,,゚Д゚彡(どんなもんだか見極めてやるよ)

「レディ…ゴー!」

レースがスタートした。

「「「お~!」」」

歓声があがる。そしてその歓声を向けられているのは女番長のマシンだった。

ミ,,゚Д゚彡(なるほど、やるじゃねーか)

139 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 21:59:05.33 ID:MkIl+e48O
女番長のマシンはぶっちぎりの速さだった。コーナーも車体をねじ伏せるような強引なコーナリングでクリアしていった。
「ゴール!」
1位はやはり女番長だった。

「あの子速いなぁ」
「女の子なのにね~」
从*゚∀从

周囲の声に得意気にしている。

「ごめん、フサ…負けちゃったよ」

ミ,,゚Д゚彡「…だらしねーな。俺が手本を見せてやるよ」

次は俺の出番だ。

「「「お~っ!」」」
「あいつも速いぜ!」「さっきの子より速いんじゃないか?」

俺ももちろんぶっちぎりで勝った。

ミ,,゚Д゚彡(へへ、どんなもんだ)

チラリと女番長の方を見てみる。

从#゚∀从

ミ,,^Д^彡「ギコハハハ!悔しがってやんの!」

「さすがフサだね!」

141 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:05:29.15 ID:MkIl+e48O
その後も俺と女番長は次々と予選を突破し、とうとう決勝レースまでたどり着いた。

「フサ、頑張って!」

ミ,,゚Д゚彡「おう、優勝してくるぜ」

俺のレーンは女番長の隣だった。

ミ,,゚Д゚彡「よう…」

从 ゚∀从「…なんだよ」

ミ,,゚Д゚彡「お前隣町の番長なんだってな」

从 ゚∀从「ああ。お前がこの辺りの頭か?」

ミ,,゚Д゚彡「おう…。お前のマシンもなかなか速いみてーだが、俺の相手じゃねーな」

从 ゚∀从「言ってろ」

それぞれ睨み合う。
「それでは決勝は始めます。レディ…ゴー!」

144 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:13:05.72 ID:MkIl+e48O
それぞれのマシンが飛び出す。しかし他の奴らのマシンはたいしたことない。事実上、俺と女番長の一騎打ちだ。
ストレートでは俺のマシンが速いが、どうもバンクでは相手のマシンの方が速いようだ。そして最終回の超ロングストレートに入った。

ミ,,゚Д゚彡「そのままぶっちぎれ!レイスティンガー!」

从#゚∀从「負けるな!マグナム!」

「ゴール!」

結果は…。

ミ,,^Д^彡「ギコハハハ!俺の勝ちだな!」

「さすがフサ!」

「やっぱり俺達のリーダーだね!」
145 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:19:14.16 ID:MkIl+e48O
最後のストレートで俺のマシンがぶっちぎって勝ったのだ。

从#゚∀从「クソ!クソ!」

「ハイン、落ち着けって」

「そうだよ、たかがデパートのレースじゃないか」

女番長は悔しがっている。ざまあみろ。

「優勝者にはトロフィーと商品の大径アルミベアリングローラーが贈られます」

ミ,,゚Д゚彡「お、やったぜ!」

「大径アルミベアリングローラーいいな~」

ミ,,゚Д゚彡「へへ」

そうだ、敗者にねぎらいの言葉をかけてやろう。

147 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:26:41.76 ID:MkIl+e48O
ミ,,゚Д゚彡「よう」

从#゚∀从「…なんだよ」

ミ,,゚Д゚彡「なかなかいい走りだったぜ」

从#゚∀从「………」

ミ,,゚Д゚彡「まあ、相手が悪かったな。…でも噂の女番長にしてはたいしたことねーな」

从 ∀从「……」

ミ,,^Д^彡「なんだったら俺の子分にしてやろうか?ギコハハハ!」

从 ∀从「……」

ミ,,゚Д゚彡「お、どうした?おいおい、まさか泣き出すんじゃねーだろうな。俺が悪人みたいになるから止めてくれよな。これだから女は…ん?」

从 ∀从「…っせえな」

「お、おい、ハイン!」

从#゚∀从「うっせえつってんだよおおおお!!!」

150 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:33:18.74 ID:MkIl+e48O
ミ;,,゚Д゚彡「お、おいよせ、バカ、止めろって!髪をつかむな!」

从#゚∀从「うるせえうるせえうるせえうるせえ!!!」

ミ;,,゚Д゚彡「いで、いでで…」

ブチッ!

ミ,,゚Д゚)

ミ,,゚Д゚)「……」

ミ,,;Д;)「うわあ~ん」

「ちょ、ハインなにやってんだよ!」

从#゚∀从「帰るぞ!」

「え、あ、うん」

ミ,,;Д;)「ヒック、ヒック…ママァ…」

「うわ…フサってこんなに弱かったのか」

「…がっかりだよな。帰ろうぜ」

「うん」

ミ,,;Д;)「み、みんな…ま、待ってよぅ」

155 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:42:16.53 ID:MkIl+e48O
~~~~~~~~~~~~

从#゚∀从「………」


ヒソヒソ…
(なあ、ハインはなんであんなに大径アルミベアリングローラー欲しがってたんだ!)

(もう1セット持ってるのにな。欲張りだよな)

从#゚∀从「…おい、お前ら」

「な、なに?」

从#゚∀从「俺は用事があるから先に帰ってろ」

「わ、わかった(良かった、殴られるのかと思った…)」


ピンポーン!

从#゚∀从「………」

J( 'ー`)し「は~い!あら、いらっしゃい、ハインちゃん。お見舞いに来てくれたの?ドクオなら部屋で寝てるから、会ってやってね」

157 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/10(金) 22:49:20.82 ID:MkIl+e48O
从#゚∀从「…よお」

(;'A`)「ハ、ハイン!ごめんよ、今日はどうしても熱があって…」

从#゚∀从「わかってる。風邪ならしかたねぇな」

(;'A`)「う、うん」

从#゚∀从「…おい、ドクオ」

(;'A`)「ハ、ハイ!」

从#゚∀从「やるよ、見舞いの品だ」

(;'A`)「え…あ、ありがとう……ってなにこれ!?髪の毛?髪の毛だよね!?どうしたの、これ!?」

从#゚∀从「………」

(;'A`)「黙らないでよ!怖いよ、なにこの髪の毛!ねぇ、ハインってば…」


番外編~ミ,,゚Д゚彡はガキ大将のようです~ 完



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最終更新:2013年09月06日 14:02