2014年7月17日9:01頃に、本来「えふえむ草津」(草津市のローカルラジオ局)の
ラジオ放送内でのみ流れるはずの試験放送が、屋外スピーカーから流れました。
 
概要は以下。

・えふえむ草津と草津市危機管理課は災害協定を結んでいます。

・これより災害対策としてえふえむ草津にて試験放送を行います。

・試験中、試験中、試験中…。

・引き続き「えふえむ草津」の放送をお楽しみください。

(すべて中年女性と思われる声)

 

草津市民に周知はされておらず、予定されていない放送でした。
放送された原因は、「えふえむ草津」職員による機器の操作ミスです。
 
それにも関わらず、「えふえむ草津」は翌日18日に、
放送はミスではなく、市民のために行った抜き打ちの訓練であると
すり替えるかのような文書を発信しました。
また、「えふえむ草津」の代表取締役みずからが、
「えふえむ草津」は事後対応としてやるべきことを全てやっているとの主張をされました。
 
その後、該当の文書は24日に消され、
25日になってから謝罪の言葉と再発防止策を含んだ文書が掲載されました。
 
長文となりますが、管理人と草津市危機管理課、および「えふえむ草津」代表取締役とのやりとりを
下記に記載いたします。
 

9:15頃、管理人が草津市危機管理課に問い合わせました。 
 
Q. 屋外スピーカーの担当者をお願いします。
 
A. 本日午後から出社します。
 
Q. では、午後に改めてご担当の方と話させていただきます。
  念のためお伺いしますが、貴方は屋外スピーカーから試験放送が流れていたのはご存じですよね?
 
A. いえ、本日は市役所や消防署に設置されたサイレンから吹鳴を行っていました。
 
Q. 「ウーウー」というサイレンですよね?
  それではなくて、女性の声で屋外スピーカーから「試験中、試験中、試験中…。」という放送があったことです。
 
A. え?そのような放送はしていませんが。
 
Q. 放送流れましたようね?草津市役所の建物内は屋外スピーカーの放送が聞こえないのですか?
 
A. 私は聞いておりません。「えふえむ草津」に確認します。
 
Q. わかりました。午後に改めて電話します。
  「えふえむ草津」と、屋外スピーカー担当の方と必ず連携しておいてください。
 
A. はい。
 
 
この時点では、危機管理課が屋外スピーカーから放送があったことを知らないことに驚きました。
市役所内がたまたま騒がしければ聞き取れないということは十分考えられるでしょうが、
危機管理課としては市民の問い合わせに即答できないと話になりません。
 
また、市役所の建物内に何か手続きなどで来ている市民には屋外スピーカーは聞こえないということですね。
なんて役に立たないシステム!
 

 10:25頃、管理人が「えふえむ草津」に問い合わせました。
 
Q. 防災情報の担当者をお願いします。
 
A. (最初に電話に出られた方が)私がお伺いします。
 
Q. 今朝9時ごろ、屋外スピーカーから女性の声で「試験中、試験中、試験中…。」という放送をされましたよね?
  予定されていない放送と認識しているので、何故放送が流れたのかをお伺いしたいです。
 
A. 申し訳ありません、調査担当者が生放送中で出られません。
 
Q. (は?じゃあ担当者を頼んだときに何故最初にそれを言わないの?)
  そうですか。何時ごろに放送は終わりますか?
 
A. 11時ごろには終わります。よろしければこちらから折り返しお電話しますが?
 
Q. じゃあお願いします。電話をお待ちしてます。
 
A. はい。
 

 11:39頃、「えふえむ草津」より着信がありました。
 
生放送中だったという担当者ではなく、先に電話に出られていた方がかけてこられました。
 
Q. 屋外スピーカーから女性の声で「試験中、試験中、試験中…。」という放送をされましたよね?
 
A. 行いました。屋外用と屋内用のボタンの押し間違いです。単純なうっかりミスです。
 
Q. そのうっかりミスを「えふえむ草津は」昨年10月にも発生させました。(※台風情報の件はこちら
  そのときに「えふえむ草津」として再発防止を徹底すると仰ったにも関わらず同じミスが起きました
  10月以降に取られた対策を教えてください。
 
A. 申し訳ありません、単純なボタンの押し間違いですので、間違わないようにするぐらいしか申し上げられません。
 
Q. なら具体的にどうやって間違わないようにするのですか?
 
A. 本当にただ単に内と外を間違えただけなので、間違わないようにするとしか言えません。
 
Q. 貴方にわからないというのであれば、責任者の方に代わっていただいても大丈夫です。代わってください。
 
A. いえ、私が責任者ですので。
 
Q. (え?さっきと言ってる事違わない?生放送中とか言って一度電話を切ったのは時間稼ぎ?)
  ならこのまま話します。
  10月以降に間違わないと対策を立てられて、同じことがまた発生しました。
  市民の税金を利用して設置した屋外スピーカーであってはならないミスです。
  それに加えて「えふえむ草津」の宣伝とも取れる放送も流れました。
  おかしい事ですよね?
 
A. はい。
 
Q. 放送時のチェックは何人で行っていますか?
 
A. 一人です。
 
Q. それであれば二人体制でチェックするなどありますよね。
  他にも社員研修を行いスキルアップを図る、テスト環境を作成して訓練を行うなど・・・
  10月のミスの際には「えふえむ草津」内でそういう話はされなかったのですか?
  単に「気を付けましょう」で終わったのですか?
 
A. はい。
 
Q. では今回のミスを受け、今後はどういった対策を立てられますか?
 
A. ご提案いただいたことは検討します。ただ、100%正確にはできないので、どうしてもミスが発生してしまうこともあります。
 
Q. 屋外スピーカーは市民の命に係わるシステムです。100%でなければ困ります。
  「えふえむ草津」が情報発信を誤った結果、市民が命を落とす可能性も十分考えられます。
 
A. それは重々承知しております。ですから、我々も100%を目指して改善させていただきます。
 
Q. では100%にできない以上、草津市民は「えふえむ草津」に殺される可能性があるというわけですね。
  わかりました。その認識を持っておきます。
 
A. はい。
 
Q. 草津市の広報誌、HP、および「えふえむ草津」のHPで謝罪文と再発防止策を掲載してください。
  少なくとも「えふえむ草津」のHPには掲載できるはずです。
  全市民向けに誤った情報を発信したのですから、「えふえむ草津」のミスであると必ず全市民に伝わるようにしてください。
 
A. はい。
 
後からインターネットで「えふえむ草津」について調べたところ、
電話の相手は代表取締役だったようです。
 

 13:45頃、草津市危機管理課の屋外スピーカー担当者に電話で問い合わせました。

Q. 「えふえむ草津」がうっかりミスで放送したらしいですが。
 
A. はい、申し訳ありません。
 
Q. 昨年10月の台風情報に続き2回目です。危機管理課として「えふえむ草津」に指導などされていないのですか?
 
A. 10月のミスの対策として、誰が見ても屋内と屋外の区別ができるようボタンを設置しました
  それでもミスが起きてしまいました。
 
Q. (おっ?「えふえむ草津」と危機管理課で言ってることが違いますね)
  「えふえむ草津」の方はそんな対策をしたと言ってませんでしたよ?
  気を付けるしかないと言っていました。これは大問題です。
  危機管理課として災害協定を結んでいるかぎり再発防止と指導を徹底しなければなりません。
 
A. はい。「えふえむ草津」の危機意識についてはきちんと指導します。
 
Q. お願いします。危機意識については危機管理課も同じです。
  午前中電話に出ていただいた方はミスによる放送があったことを把握されていませんでした。
  屋外スピーカーを扱う大本が「把握していない」では困ります。
 
A. はい。主担当でない職員にも屋外スピーカーについて周知を図ります。
  「えふえむ草津」の現場にも向かい、体制の確認を取ります。
 
Q. 現在、草津市の防災体制は穴だらけです。
  このような状態ならば毎週日曜日の夕焼け小焼けを流す訓練放送はやめてください。
 
A. 仰ることはわかりますが、機械の正常性確保や市民の方への周知のため、週1回の放送はやめられません。
 
Q. 市民への周知と仰いましたが、まず、市役所の建物にいる危機管理課の方が放送があったことをわかっていません。
  同じヒューマンエラーも繰り返されています。
  この状態で訓練放送をすることに何の意味があるのですか?
 
A. いざというときに放送できるようにするためにも週1回の放送が必要です。
 
Q. 以前から申し上げているとおり、防災訓練と同時に屋外スピーカーから放送を流せば、
  機器を扱う人間の訓練・スキルアップと同時に、機械の正常性も確認できます。
 
A. 仰る通りですが、防災訓練は年に数回であり、そうなると機械に不備があったとき確認できない場合があります。
 
Q. 毎週日曜日でも同じことです。日曜日には正常でも、月曜日には破損していることも考えられます。
 
A. はい。ですからその折り合いをつけ、訓練放送は毎週日曜日としています。
 
Q. その結果が「えふえむ草津」のうっかりミスです。
 
A. はい、申し訳ありません。今後も改善を図らせていただきます。
 
 
危機管理課とは長時間会話しましたが、
結局草津市の防災体制や運用方法は何も変わらず、3回目のうっかりミスも起きるんだろうと感じました。
 

2014/7/18 16:00頃、管理人が「えふえむ草津」のHPを閲覧したところ、以下の文章が掲載されていました。 
 
     FM局よりのご案内

     訓練放送について 【 2014年7月18日】
     えふえむ草津では、毎月17日に災害放送を実施しております。
     昨日17日の災害訓練放送では、屋外放送で行いました。
     「災害は忘れたころにやってくる」と言われています。
     日頃から災害に対する取組みと備えで、被害をできるだけ小さく
     するよう各自が対策を立てておきましょう。
     えふえむ草津では、草津市と災害時における放送の実施に
     関する協定を締結しております。
     災害時には、えふえむ放送にも情報入手の手段として活用
     いただければ、と考えております。
     今度とも、えふえむ草津を宜しくお願い致します。
 
 
事実を隠蔽し、あたかも訓練目的のため正当な手続きを踏んで17日の放送が行われたと
受け取れる内容を掲載しています。
しかも、自分たちのミスには一切触れないのに、市民に対しては防災対策の必要性を訴えています。
 
この文章を見てすぐに草津市危機管理課の屋外スピーカー担当者に電話で問い合わせたところ、
担当の方は「この文章は初めて見た。」と仰っていました。
 
その後、17日に電話で会話をしていた「えふえむ草津」の代表取締役と改めて電話で会話しました。
長いので、「えふえむ草津」代表取締役の主張を、要点のみまとめます。
 

・HPに事実は書いている、訂正の必要は無い

・謝罪や再発防止策を書く必要も無い

 
以下、長文となりますが会話の流れです。
 
 
Q. 「えふえむ草津」のHPに17日の件が記載されていますが、内容が事実と異なります。
 
A. 何が違うんですか?屋外で流したと書いてるじゃないですか?
 
Q. 「機器を操作する際に誤って屋外で放送した」とは書いていません。
 
A. 誤っていません。昨日は屋外で放送しただけです。
 
Q. つまり、17日の放送は事前に予定されていた放送だということですか?
 
A. そうではなくて、緊急時の災害対策の目的のためたまたま屋外で放送したのです。
 
Q. 昨日の電話ではうっかりボタンを押し間違えたと仰っていましたが?
 
A. なんであなたにそこまで追及されないといけないんですか!?(これ以降、代表取締役は声を荒げる)
 
Q. 草津市民として正しい情報を発信していただきたいのです。
 
A. 誰ですか草津市民って!?あなただけでしょ!
 
Q. 私以外に10万人以上います。「えふえむ草津」のリスナーだっているでしょう。
 
A. 貴方しかこんなこと言ってきてませんよ!なんでしつこく言われるんですか!
 
Q. 屋外スピーカーによって仕事と生活を妨害され、被害を受けています。
 
A. 被害っていうなら金を持って来いってことですか!?
 
Q. そんなことは言ってません。
 
A. じゃあ何なんですか!?どうして欲しいんですか!?
 
Q. HPに掲載している内容を訂正し、事実を明記してください。
 
A. だから書いてるじゃないですか!?屋外スピーカーで放送したって!!
 
Q. 「うっかりミスで流した」ということが欠けています
 
A. なんでそんなこと書かないといけないんですか!?事実は書いてるじゃないですか!?
 
Q. 内容が足りていないと言っています。
 

A. じゃあもう貴方が好きに書いたら良いじゃないですか!?

 

Q. 良いんですか?是非やらせていただきます。「えふえむ草津」のHPを書き換える方法を教えてください。

 

A. そんなの知りませんよ。なんで貴方に教えないといけないんですか!?何が言いたいんですか!?

 
Q. (えー!?書き換えて良いんじゃないの!?代表取締役がこんな発言をするのか…)
  草津市民に向けて正しく事実を発信してくださいと言っています。
 
A. なんで貴方にそんなこと言われないといけないんですか!?
 
Q. 被害と申し上げておわかりいただけないようなので、別の言い方をします。
 「えふえむ草津」や草津市から情報を受け取る側だからです。
 
A. それで何でそこまで言うんですか!HPにはちゃんと書いたじゃないですか!?
 
Q. 書けていないから指摘しているんです。
  何も知らない人が見たら、「えふえむ草津」が善意で屋外スピーカーから放送したと受け取りかねません。
 
A. それで良いじゃないですか!屋外スピーカーから流してしまったことは仕方ないでしょう!
 
Q. だから、ミスによって放送されたことを書き加え、草津市民に対し謝罪と再発防止策を発信してください。
 
A. だから貴方には謝ったじゃないですか!?誰ですか草津市民って!?これ以上何をしろと言うんですか!?
 
Q. もういいです。貴方と話しても理解いただけないようなので、草津市に連絡します。
 
A. 好きにしてください!

 

・管理人一人には電話で謝ったからそれで良し。
・他の草津市民10万人には謝罪をする必要はなく、それどころか事実と異なる内容を伝える。
 
これが、草津市と災害協定を結んでいる事業体の長から私が聞いた考え方です。
 

2014/7/24 18:00現在、えふえむ草津が実施した「訓練放送」に関するページが削除されています。


2014/7/25 21:50現在、えふえむ草津のHPに下記の文書が掲載されています。

     災害訓練放送について 【 2014年7月25日】

     えふえむ草津では、毎月17日に災害訓練放送を
     実施しております。
     今回7月17日の災害訓練放送では、屋外放送で
     行いました。通常では屋内放送でするところ、人的
     ミスで屋外放送となってしまいました。大音量での
     放送で市民の皆様には、ご迷惑をおかけし、大変
     申し訳ございません。
     以後、このようなことのないようチェック体制を強化
     し、再発防止に努めますので、宜しくお願い致します

 
 
誤放送があった17日から数えて8日が経過し、ようやく本来あるべき内容になりました。
二度と「うっかりミス」による誤放送が流れないことを祈っています。

 

 

 

 

 

最終更新:2014年07月29日 19:44