かごめかごめ


現代ではもう失われつつある、古くから伝わる子供達の遊戯の一つ。
数多くの都市伝説を内包し、それ故に数えきれぬほどの多様性も内包する。
三尋木咏が発現したのは、この中の『退魔解釈』による都市伝説。

しゃがんで目を塞いだ一人を籠の中の鳥に擬し、周囲を他の数人が手をつないで歌いながら回る。
歌が終わったとき、中の者に背後の人の名をあてさせ、あてられた者が代わって中にうずくまる。
これを繰り返す遊びであり、その歌の歌詞は地域差こそあるが、一例を以下に記す。

かごめ かごめ
かごのなかのとりは いつ いつ でやる
よあけのばんに つると かめが すべった
うしろのしょうめん だぁれ?

退魔解釈は、この人による擬似的な『籠』を『加護』と解釈し、子供を護る結界に見立てているという説。
籠目とはとある退魔の呪具の名称であり、同時に端午の節句に用意する『髯籠』という道具とかけたネーミングだ。
髯籠は不吉を払い、吉を呼び込み、贈り物の容れ物として用いられる。

鶴は空の見立て。亀は大地と海の見立て。
天地を括り、結界を成すという意味だ。
更に『鶴は千年、亀は万年』とまで言われる長命の生物を用いる事で、長生きの祈願までも行なっている。
すべった、を「統べた」と解釈すれば、括った世界を完全に掌握しているとも言える。

籠目は結界の結線された境界。籠の中の鳥は守られる者。
誰かが願った。大人が願った。親が願ったのだ。
悪夢はびこる夜の世界が終わるまで、子供達が壮健でありますように、と。

余談だが、日光東照宮という聖地には鶴と亀が対になって飾られている場所があり、その場を総べている。
その場所の名前は、『三神庫』と呼ばれている。

一説には神を降ろす儀式であったとされる、童謡の都市伝説。



初出は第十九話。三尋木咏が保有するもう一つの都市伝説。
ルルイエにて京太郎と健夜と共に窮地に立たされた際に覚醒。クトゥルフの歌声に対する防壁となり、窮地を脱すきっかけとなった

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最終更新:2013年07月06日 00:30