傘バス


かつて失われたものを持ち主に届ける都市伝説。

ある日、とあるサラリーマンがバスに乗った。
いつもの時間、いつものバス、いつもの風景。

その日も変わり映えの無い毎日、その一幕でしか無いはずだった。

しかしふと前を見ると、そこに一本の傘があった。

懐かしい形。
懐かしい色。
懐かしい傷。

それは間違いなく、数年前に紛失した彼自身の傘だった。

それを持っていつもように通勤した彼の下に、予報になかった雨が降り注ぐ。

周囲の人々が雨に濡れる中、彼はただ一人濡れずにすんだという。


時にパクられ、時に無くし、時に電車の中に忘れ。

そうやって人は、長い人生の中で数え切れないほどの傘を忘れていく。

妖怪のモデルになるほどに歴史が深く、ある程度の数を誇る都市伝説ジャンル。

それが『傘』である。

無くしたものを送り届け、乗客の無事を祈る都市伝説。



初出は第十六話。事務所の最初のメンバーの一人である雀……謎の人物が保有する都市伝説。

バス自体が彼女の都市伝説の一部であり、車内には色も大きさも新しさもバラバラなたくさんの傘が吊り下げられている。また、バスそのものを自由に出したり消したりすることもできるようだ。更に空間転移系の能力も保有しており、『バス停に向かって』と言う条件でのみ自由に移動することができる。
ちなみに彼女が京太郎に伝えてくれと残した『私の傘はもっと丁重に扱って下さい』と言うセリフから、京太郎の装備の一つである『シュクジュ』は元は彼女のものであった可能性が高い。

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最終更新:2013年05月10日 03:29