赤マフラー

伴侶を求める都市伝説。

以下、原典。


ある小学校にいつも赤いマフラーを着けた女の子が転校してきた。
とある日に同じクラスの男の子が
「なんでいつもマフラーを着けてるの?」
と聞くと
「あなたが中学生になった教えてあげる。」
と女の子は答えた。

男の子と女の子は同じ中学になった。
そこである日、
「なあ中学生にもなったし、なんでマフラー着けてるか教えてくれよ。」
と男の子がたずねた。
しかし女の子は
「私と同じ高校になったら教えてあげる。」
と答えるだけだった。

高校でも再び同じ学校になった二人。
「なんで赤いマフラーを着けているかそろそろ教えてくれよ。」
という男の子の問いかけに
「私と同じ大学になったら教えてあげる」
と笑うだけだった。

二人は同じ大学の同じ学科へすすんだ。
その頃には二人は恋人同士になっていた。
それからも同じ会社へ就職し、結婚もした。

結婚してからしばらく経ったある日、
男は妻となった女に
「ところでおまえってなんでいつもマフラーしてるんだ?」
ときいた。
「わかったわ、そろそろ教えてあげるね・・・」
そういうと彼女は今まで決してはずさなかった赤いマフラーを首からはずした。

ゴトン

彼女の首が床へと落ちた。
女の子の首は昔からマフラーでつながっていたのだ。

今でもある家では赤いマフラーをした女性と青いマフラーを着けた男性が仲良く暮らしているという。


以上、これが原典である。

マイナーな都市伝説ではあるが、所謂『赤と青』の都市伝説の始祖であるという説がある。

都市伝説のイメージカラー・人気のカラーは圧倒的に赤だ。

そこに色違いのバリエーションを加えるという形で、いくつかの都市伝説が生み出された。

それらの都市伝説にとっては、母であるとも言える。

そして、赤だけでは完成しない都市伝説でもある。

青の伴侶を求める、赤の都市伝説。



初出は第十一話。松実宥が保有する二つの都市伝説の内の一つ。

十一話時点までは対外的にはこの都市伝説しか保有していないことになっていた。しかしこの都市伝説はもう片方の『赤マント』の都市伝説を隠すためのカモフラージュであり、一つの都市伝説が明らかになっていたためもう一つ都市伝説を持っていると疑われることはなかった。
赤マントと赤マフラーの都市伝説は関係性が根強く、どちらの都市伝説にも赤と青の二つの色が登場し、似た都市伝説がある中で同時期に生まれ、同じ時代を生きたのはこの二つのみである。彼女がこれらの都市伝説を同時発現したのもこの関係性が理由だろう。

またこの都市伝説の力で本来なら青いマフラーを作ることができるのだが、彼女が作り出す青マフラーは同時に保有する赤マントの影響で青い石のペンダント(ルーベライズ)となる。伴侶は一人と言う制約のため、一度作るとそれが壊れるまで新しいものは作れない。
この青マフラーには彼女の京太郎に対する『無事でいて欲しい』と言う想いが籠められており、それがルーベライズの能力と繋がっているようだ。決して愛が重いとかヤンデレっぽいなどと言ってはならない。

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最終更新:2013年05月09日 05:24