『首なし地蔵』という都市伝説の後、広まり知れ渡った都市伝説。
とある地方に、六つの首の無い地蔵に囲まれた首の有る地蔵が存在するという。
首が無いのは単純明快。
首の有る地蔵に首を撥ねられ、その首を奪い去られたからである。
その切り口は滑らかで、まるで磨かれたか鏡のようであったという。
その地蔵を封ずるように立っていた六つの地蔵の首が刈られた今、その地蔵は夜な夜などこかを彷徨っているという。
「要らん首無いか……要らん首無いか……」と、新たに刈り取るための首を探しながら。
地蔵とは、実は道祖神とは似て非なるものである。
時代の流れと共にごっちゃになってしまったが、実は全くの別物だ。
道祖神は塞(さえ)の神であり、道を行こうとする悪しきモノを通せんぼする塞ぐ神でもある。
そしてそのルーツは、地蔵菩薩でもなんでもなく性の神。
つまり、エロの神である。
道祖神とは元々、エロの神が変化した物だという説が強い。
エロの神であり、塞の神であり、幸の神でもある。
すなわち、道祖神に関わる力を持つ者はエロくなる。
地蔵の都市伝説でありながら、道祖神の都市伝説としての効能が現れているのは前述のごっちゃになっている事に起因する。
システム的には星神と似通った部分があるが、根本的な部分では別物だ。
だからこそエロ効果は僅かにしか発動していない。惜しい。
臼沢塞の場合、首を刎ねる事に特化した斬撃能力と少々のエロフェロモン効果として発現する。
後者は置いておいて、前者は非常に強力な近接戦闘技能として機能、必殺の能力と化す。
具体的には低確率で発動する強制必殺攻撃、一定確率で発動する連続攻撃、そして戦闘向きのステータス上昇が挙げられる。
最も人間に対しては使いづらい辺り、龍門渕透華と同類である。
八尺様は、逸話の中で地蔵に道を塞がれ閉じ込められていた。
地蔵を打倒する力を持った彼女が豊音と出会った事は、きっと運命的な出会いの一つ。
『妖怪首おいてけ』もとい、『都市伝説首置いてけ』の都市伝説。
初出は第十七話。臼沢塞が保有する都市伝説。>>1のエロへの執着が見え隠れする解説は必見である。
作中においては鋼の扉をバターのように切り裂くというきょうびバトル漫画でもやらないようなことをやってくれた。
強制必殺だの連続攻撃だのこのシリーズではあまり見ない効果を持っており、是非とも一度戦闘で使ってみたいものである。
最終更新:2013年05月06日 19:53