マヨイガ


柳田國男で有名な怪異譚『マヨヒガ』……ではなく、全く別物の都市伝説である。

種類は大きく分けて二つ。
70年代に普及した「町外れの豪邸」タイプと、近代になって発生した「街角の家」タイプである。

前者は町外れに見慣れぬ屋敷が在るのを見た者が、そこで開かれるパーティーに誘われるというもの。

後者は疲れ果てた者が家に帰る途中、帰り道で謎の家に誘われそこの住人に一晩もてなされるというもの。

そしてどちらにしても逢った者はそのまま眠りにつき、朝目覚めた時にはそれらの建物は跡形もなかったという都市伝説。

招かれ饗され、朝になれば霞のように消えてしまう。

しかしこれは『マヨヒガ』とは似ても似つかない。誰が見てもそうだろう。

『マヨヒガ』とは、山奥に在るといわれる無人の家。
道に迷い訪れた者の欲を試し、無欲を示した者に富を授ける秘宝を一つ与えるという怪異譚だ。
欲を張れば何一つとして得られない、少し前まで誰かが居たような痕跡を残す屋敷であるという。

名づけられた経緯は、おそらく『マヨヒガ』の知識を持っていた者が原因であると思われる。
その都市伝説の特性から『マヨヒガ』と同一視され、同じ名前を付けられたようだ。
つまり何一つとして関係の無い、同一性も無いルーツから成る同名の怪異。
簡潔に例えるのなら、シーフードドリアとドドリアに関係はないという事だ。


小瀬川白望の場合、デバフとバフを同時発動するフィールドの展開・マヨイガ本体である家屋の顕現などの能力として発現する。

すなわち自分の領域を創り出し、相手を自分のペースに飲み込む超常の力である。

マイペースな彼女の力に抗うには、一切の迷いの混じらない強い意志が必至となるだろう。

迷える者の救いとなる、その点でのみ怪異譚と共通する都市伝説。



初出は第十七話。小瀬川白望が保有する都市伝説。作中では家屋の顕現によって警察から隠れることに成功した。
顕現と言うからには幻覚ではなく、家屋の実体を出現させているのだろうか?
京太郎曰く「応用が効く、良い能力」とのこと。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2013年05月06日 19:42