KETpicの基本的な考え方

 KETpicとは,数式処理システム(Computer Algebra System,略してCAS)の上で動作し,組版ソフトウェアLaTeXを用いた数学教材の作成において,図表の作成からレイアウトまで教材設計を支援するシステムです.2006年からMaple版KETpicの開発が始められ,2010年までに2D描画,3D描画,表作成,ページレイアウト,LaTeXマクロ作成など全機能が完成しました.KETpicを利用できるCASには,Maple,Mathematica,Maxima,Matlab,Scilab,Rがあります.現在,KETpicの全機能が利用できるのはScilabです.本ページでもScilab版KETpicを中心に解説します.(もっと細かい説明はこちら.

KETpicをはじめるための準備

パソコンを用意しましょう.

 パソコンはwindowsマシンでもMacでもどちらでも大丈夫です.(もっと細かい説明はこちら.

CAS(たとえばScilab)をインストールしましょう.

 KETpicを利用するにはCAS(数式処理プログラム)が必要です.無償のCASで手軽なのはScilabです.KETpicがサポートしているCASのどれかをパソコンにインストールしましょう.

TeXをインストールしましょう.

 TeXは組版ソフトとして理数系の専門家を中心に広く使われているソフトです.今はLaTeXという版かAMSLaTeXという版がよく使われているようです.インストールするには,TeXインストーラ3というパッケージ(無料)を使うのが一番簡単でしょう(もっと詳しい説明はこちら.).TeXは部品となるファイルが膨大な上,gs,gsview(ゴーストスクリプト),dviout(デュビアウト)など付属的にインストールしなければいけないソフトもあり,初心者が自分でカスタマイズするのは大変難しいです.その点,TeXインストーラ3はそういった一連の作業を自動的にやってくれますので簡単です.以下のwebページからTeXインストーラ3の最新版をダウンロードしましょう.

KETpicをダウンロードしましょう.

Scilabを利用する場合

  • インターネットサイトからKETpic(scilab版)をダウンロードしましょう.
  • ダウンロードしたファイルの名前は最新版ketpicsci_v5_1_6c.zipとなっています.ただし,以下の説明では旧版ketpicsci_v4_3_0a.zipで行います.
  • 作業するフォルダーを1つ作りましょう.(たとえばドキュメントフォルダの中に「KETPic」というフォルダを作ったとしましょう.)この作業するフォルダーにダウンロードしたファイルを移動しましょう.
  • ダウンロードしたファイルは圧縮(zip)ファイルなので,右クリック→「すべて展開(T)...」を選んで,解凍しましょう.
  • バージョンによって中身が変わりますが,C:\Users\Ahara\Documents\KETPic\ketpicsciL5というフォルダがあり,ここに「***.bin」というファイルがたくさんあることを確認しましょう.これらたくさんのファイルが「Scilab版KETpic」です.

KETpicでまず易しいサンプルを作ってみましょう.

 もっとも易しい例として「座標軸と放物線」の挿絵をTeXで版組みして見ましょう.(手取り足取りな説明はこちら.

上手なKETpicソースコードの書き方

 誰が見ても解りやすいソースコードを書くことはとても大切です.(基本的な考え方のページはこちら

KETCindy

 KETpicは数式処理システムの付属パッケージだから,数式処理システムと同じくCLI (Command Line Interface)入力しなければなりません.そのため,初心者には慣れるまで扱いにくいようです.2014年9月5日に,動的幾何システムCinderellaの開発者Ulrich H. Kortenkamp氏の協力を得て,CinderellaをGUI (Graphic User Interface)として利用できるKETCindyの開発が始まりました.急ピッチで開発が進み,現在,空間曲面の描画以外,ほとんどの機能が実用化できており,Bezier曲線の描画や動画など新機能も追加しています.KETCindyのおかげで,初心者だけでなく,KETpicユーザーにも使いやすくなりました.(KETCindyについてはこちら

KETpic とはどんなものか知りたい方へ

最終更新:2015年10月25日 11:28