「よーし、今日の作戦はもうない。明日に備えて休め」
夜戦を終えて帰投した艦隊の旗艦から概ね良好との戦果報告を受け、
全ての艦に労いの言葉をかけ、この言葉を最後に提督は執務室に帰って行った。
それを皮切りに各々の面子も自室へと帰っていく。
「はー、今日も疲れたなーっと」
その艦隊の中にいた龍驤も疲れたと零しながら伸びをしただけで会議室を後にした。
ここからは艦載機の手入れをするなり寝るなり自由である。
(ちょーっち遅い時間やけど、外行って涼もう)
日付が変ろうとしている時間ゆえ、桟橋にも岸壁にも誰もいなかった。
外に出てきて鎮守府を振り返ってみると、もういくつか光を放出していない窓もある。
(でも提督は絶対起きてるんやろな)
書類関係の面倒臭そうな執務がまだ残っているだろうから、
任務を終えた第一艦隊の面子は眠ることができても、提督はまだ眠ることはできないだろう。
お疲れなこったと他人事のように考えつつフラフラと岸壁を歩いていると、
何か硬いものを踏んづけた。
足を退けて拾うと、それは最近建造された潜水艦「伊168」が持ち歩いていたものだった。
彼女はこれのことを確か「スマホ」と言っていたような。
「そういえばイムヤは今夜遠征だったっけ。
2時間ほどで帰ってくるとはいえ無用心やなぁ」
それを拾ってから、長い時間は経っていないが日付が変わった。
龍驤は人より好奇心が大きい。
そのため、目新しいものに自分の時間を奪われるのも無理はなかった。
テレビなどと違い画面に直接触るという操作には少しの慣れを要したが、
もうそれを色々弄くりながら1人笑うようになっていた。
今一度付け加えておくと、それは人(?)の私物なのだが。
「あっはっは! あーっ、ホンマおもろいなーこの話」
スマホにはごちゃごちゃとアプリが入っていて、
その中にある、笑える話をまとめたアプリを見ていた。
一通り楽しませてもらったのでアプリを閉じ、
他の面白そうなアプリを探していると一つ目に止まったものがある。
「……ん? Hな話?」
何の躊躇いもなくそれを指で触れて開いた。
そこには人によっては抵抗があるかもしれないタイトル文、
あるいは誰でも開いてしまいそうなタイトル文などが多く羅列していた。
このアプリを目にして頬を染める者、先ほどの龍驤のように笑う者など
人によって反応は異なるだろうが、龍驤は苦笑いという反応を見せた。
「うわぁ……、あんまりイメージできんけど、イムヤもこういうの見るんやなぁ」
しかし、あまり興味なさそうな顔で羅列している文章を流し読みしていた龍驤も
一つ気になるものがあったので手を止めた。
「『好きな人に胸を揉まれると大きくなる』?」
龍驤は日本では唯一のフルフラットの空母であると語られてきた。
他の多くの空母は豊満な肉体でこの現代に蘇ったのに対し、
龍驤だけこのような肉体として蘇ったのもそういう根拠があるためである。
だから少なくとも龍驤自身もそのことに関してはコンプレックスを持っていたのであるため、この話には食いつかざるを得なかった。
「……でも、実践してみる価値はありそうやねぇ。でも、誰にもんでもらえばええねん……」
確かにこれはなかなかの問題である。
この女の子しかいない鎮守府ではあるが、何も全員が百合キャラというわけでもない。
というかその話を聞いたことがないくらいだ。
かすかな希望といえば榛名姉さんくらいか。あの優しい榛名姉さんなら、お願いすればやってくれないこともないだろう。しかし……
「せめて男がいればなぁ……」
と、龍驤が思った瞬間である。
唯一身近にかつ、絶対的な存在に気づいた。
「なんや、男いるやないか!! フフフ……、思い立ったが吉日やね!! 早速行動や、まずはアレとアレを用意して……と」
時刻ももうすぐ夜中の12時にさしかかる頃合いだろう。
他の艦娘に気づかれないように独自の準備を進め、そして装備が整った次第『ニヤリ』と微笑を浮かべた龍驤は、ある人物がいる部屋へと向かって行った……
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ところ変わってこちらは提督室。
全艦娘が解散しても秘書艦だけは特別に仕事が残っている。
と言ってもお茶汲みや書類の確認など簡単なもので、あとは提督との雑談を楽しむだけだ。
――駆逐艦『時雨』が今の提督の秘書艦である。
秘書艦といっても、作戦内容や戦況によってはコロコロと変わるものであるから、
その名前に対してその立場は不確定であることが多い。
このことを時雨本人はあまり快く思ってもいなかった。
が、それを口に出すわけにもいかず日々悶々とした日々を過ごしていた。
そして今日も1日が過ぎようとしていた。
「時雨、今日もお疲れ様。後はゆっくり休んでおいで」
「ありがとう。……提督」
「ん? どうした?」
「なぜ僕を秘書艦にしたの? 僕より有能な駆逐艦は沢山いるんじゃないかな。島風ちゃんとか雪風ちゃんとか」
「んー……島風はまだお子様な部分があるから仕事は頼みづらい部分もあるし、
雪風はこう……ドジな香りがするんだ」
「香り……?」
「そう……香りだ」
「……変態さんだね」
「なんだと?」
「あはは……ごめんね。少しからかいたくなってしまっただけだよ。じゃあ僕はこれでお暇するね」
と部屋を後にしようとしたときであった――
「提督ー―――? お疲れ様です! お茶をお持ちしましたー……ってあれ?―――」
と、扉を開けて入ってきたのは龍驤であった。
もちろん時雨と提督は絶句してしまったのは言うまでもない。
「ど、どうしたの? 龍驤ちゃん」
しかし驚いたのは時雨たちだけではなかった。
龍驤自身も驚いていた。
「(どうして時雨がまだ部屋にいるん!? 時間的にはもう大丈夫なはずやったのに!)」
「龍驤ちゃん?……」
「(はっ! いけないいけない)イ、イヤー。実はウチも寂しくてのぉ、提督とお話したかったんやけど、まさか時雨ちゃんがまだいるとは思てなくてなぁ」
「あ、ごめん。そういうことなら僕ももう部屋にもどるとこだったから気にしないで。それじゃ」
「ほなきにせんどいてええよ。ほなゆっくり休みぃな」
「うん。お休み」
そう言い残し時雨が部屋から出て行ったのを確認すると、龍驤は提督に向かってグイグイと近寄った。
「提督、いきなりごめんなぁ……ホイ、とりあえずお茶でもどうぞー」
「あ、あぁすまないな、龍驤」
もらったお茶をグイッと一飲みしため息をついた時、龍驤が満面の笑顔でいることに気づいた。
「どうした、龍驤?」
「イヤ、嬉しいことがあったんよ」
「ほぉ、それは俺も気になるな。なにがあったんだ?」
「そうやねぇ、正確にはあったんじゃなくてこれからやね……」
「うん? どういうことだ……………!?」
その時であった。急に視界が曲がったと思ったら意識が急に遠のいてきた。
これは――睡眠薬か。
「龍驤お前……―――――」
提督の意識が落ちる前に見たのは龍驤の艶かしい笑顔だった……。
―――――――――
……ズチュッ―――
ズニュゥゥゥ………ズチュ―――
水音が混じった単調な音が聞こえてくる。
これは一体なんなのか?
睡眠薬の効果も薄れ始め、覚醒しつつある意識の中まず確認できたのは音であった。
そしてだんだんと手足の感覚が戻ってくる。
(手首に違和感……これは縛られているのか?)
しかし縛られているといっても血流が止まるほどきつくもないが、結び目を解けるほど自由でもない。
(この状況、手が自由に動かせない今、全身の感覚が戻るのを待つしかない……か)
と、思考を巡らせるまでに意識が回復した頃には温度の感覚も戻ってきた。
体が妙に生暖かい。これは―――人か?
(しかしこの下腹部の妙な感覚はなんだ? まだ全身の感覚が戻らないのがもどかしい)
(ああ、視覚も戻ってきた……)
そして一回思いっきり目を瞑り、あけた瞬間目に飛び込んだのは、
艦娘というには程遠い一糸まとわぬ少女と呼ぶにふさわしい姿をした龍驤であった。
「な、お前、何やってるんだ!?」
「ん……ぁぅ……あ、提督。目が醒めたんやね」
「何のつもりだ、っう……」
よく見ると彼女は自分の陰部に提督の陰茎を差し込んでいた。
「こらやめっ……」
「んあっ、……はぁっ……。ねぇっ……提督も、気持ちいいっ?」
「ば……馬鹿っ、離れろっ」
「あはっ! ……こんなに、硬くして……説得力っ……ぁっ……ないでッ!」
自分の膝に手を置いてピストンしていたが、やがて体勢を変える。
さらに水音と快感が増した。
「んっ……ぃあ……んんぅ……んあっ、あっ」
「もう……出ちまうからっ……離れろッ!」
「ええん……よっ! 中に、出したってぇ……っ」
喘ぎのテンポも上がっていく。
「ダメ……っだ! 龍驤っ!」
「いいんやっ! 出してもらうでっ……提督の……精液っ……あっ」
正直これ以上は持たない。
それぐらい龍驤の腰使いは激しかった。
龍驤に促されるままに提督は装填した弾丸を砲撃した。
「う……くっ! ……出るっ!」
「ウチも、イクでっ……んっ……はぁっ! ……イク……イクゥゥゥゥゥ!! ……」
ビュルルルル!!―――
熱い弾丸は龍驤の最奥に注がれる。
最奥で弾丸を直撃した龍驤もそれにやられて果てることとなった。
「はあぁっっ……んあああぁぁぁ! でてりゅうぅっっ! ていとくのだんがん、いっぱいでてりゅでぇっっ! あはぁっ!!」
―――「はぁっ……はぁっ」
「気持ちよかったでぇ……提督……これでウチの胸も大きなって『ぐらまらすなぼでぃ』になるんやろなぁ……フフ……」
「お前わざわざそんなもののために俺を……」
「あー、そんなものとはヒドイなぁ、提督ゥ……。ほな! じゃあもう一回やな!」
「あ……やめっ! ……あっ! ……」
「凄いでぇっ! 提督の出したお汁と、ウチのお汁が混じってすごぉくヌルヌルでさらにキモチイやんけっ……んぁっ? あはっ!?」
―――ズチュっ! ジュボォっ! ビチャっ!
提督の陰茎が龍驤の膣をかき回す。
1回目よりも2回目の方が龍驤の言うとおり、愛液と精液がローション代わりになって、余計龍驤の膣の感触を際立たせる。
いや、それだけではない。龍驤が腰を浮かせるたびに漂ってくる、
龍驤の女の子の甘い匂いと愛液の淫猥な匂いが混じって麻薬のごとく理性を麻痺させる。
「体中も汗とお汁で一杯やっ! ウチ……あっ! ……こんなの初めてやっっ!! 絶対おかしなる……でっ!!」
先ほどよりもさらに深く腰を埋めてくる。
陰茎の先端にコリッとしたものがあたる。
子宮口だ。
「あはっ! しきゅう!! コツコツ……コツコツって!! お腹が持ち上げられてっ!! しあわせなのぉぉぉっっ!!!」
「りゅう……じょうっ!! 俺もぅっ……ダメだっ……また出るっ!! ……」
「ええよっ、出してっ!! ……ウチの中に出してぇぇっっ!
しきゅうにだしてぇぇぇっっっ!! しきゅうがっ……ていとくのっ……せーえきのにおいがするまでだしてぇぇぇぇっっっ!!」
もう提督には耐えるすべなどなかったのだ。
まるで龍驤の子宮は己の意思を持っているかのごとく収縮を繰り返し、提督の精液を吸おうと亀頭に密着し離れない。
さらには膣はウネウネと動き、陰茎を自在にしごき、絞り出そうとしている。
「あぁっっ!! でるっ!!」
「イク……イクッ……イクイクイクイクイクぅぅぅぅっっっっ!!」
ブビュルルルルルルルッッ!!
―――「あはぁん……せーえきぃ……てーとくのせーえきすごいでぇ……」
「りゅう、じょうっ……!」
ここまでされるとさすがの提督も体は正直だった。
もはや瞳孔が開ききっているかの如く、龍驤の目は据わっていた。
しかしその姿はとても美しく、可愛くもあり――淫猥すぎた。
これは、完全に快楽に堕ちた者の目だということを提督は知らない。
そして提督の陰茎は再び元気を取り戻した。
「すごぉいっ!! 提督、まだいけるんやねっ!! ウチ、まだ全然たりひんわっ!!」
「りゅう……じょうっ……―――」
そこで提督の意識は切れた。
あとは無限に続く快楽に身を任せるだけだ。
ドロドロに混ざった淫液。その匂い。
汗と淫液で濡れたお互いの体。感じる他人の体温、息遣い。
体を重ねるということはこんなにも幸せなのか。
こんなにきもちのいいことが永遠に続く。
それはとても幸せなことだった……。