37 :香取と。:2015/02/10(火) 17:37:39 ID:7R5H6B3E
香取さんがどストライクだったので。
「練習巡洋艦香取です。心配しないで? 色々と優しく指導させて頂きますから」
トラック泊地への深海棲艦の強襲に対する迎撃をひと通り終え、艦隊にやって来たのは一隻の練習巡洋艦。女教師然とした出で立ちをした彼女はそう言いながら微笑んだ。
「私がこの鎮守府の提督だ。さて、来たばかりで疲れているだろう。今日はしっかり休んで、明日以降に備えてくれ。練習巡洋艦としての活躍、期待しているぞ」
「はい、こちらこそ。それではお言葉に甘えて今日は休ませていただきますね。それでは、明日からよろしくお願いします」
そう言いお辞儀をすると、彼女は執務室を後にした。
さて、こちらは自分の仕事を進めなければいけない。目下、大規模作戦終了後の恒例である報告書作成や、消費した資源の調達のための遠征計画など、執務室の机には文字通り仕事が山積みだ。
仕事に手を付けようとすると、ふと先ほどの香取の笑顔が思い浮かぶ。純粋なそれとは違い、けれども悪意がある訳でもない不思議な感じの――
「……疲れてるのかな。さっさと仕事は終わらせよう」
雑念、とも呼べるかもしれない感情を抑えこむように呟き目の前の書類に取り掛かる。
結局、書類の山を片付けたのは午後十一時を回った頃だった。
途中、秘書艦に頼んで食堂から軽食をデリバリーしてもらったが、その秘書艦も既に退室してしまっている。
「風呂に、行くか」
鎮守府の浴場は一つ。しかし男女比は提督一人対艦娘数十人なので、男性が使える時間は午後十一時以降からという取り決めだ。十一時を回っていることを確認し、一式の装備を持って浴場へと向かう。
浴場に向かう廊下の途中、大規模作戦直後だからだろうか、鎮守府内は静かで、みな早めに寝てしまったのだろう。
――慰労会兼歓迎会は明日以降だな。
そんな事を考えながら大浴場の入り口にかかった暖簾を潜る。脱衣所のフロアには棚が並んでおり、矩形に区切られた棚の中には着替えなどをいれる籐籠が収められている。勿論、今は全てが空で……
「あれ?」
籐籠の一つが埋まっている。その体積からして忘れ物という訳でもなさそうだ。
――また川内が夜遊びして風呂に遅れたか。
説教の案件を考えながら籐籠をのぞき込むと、そこにあるのは赤を基調とした川内型のものではなく
「香取……?」
白を基調としたジャケットに灰色のワイシャツ。さきほど執務室で話した彼女の物で間違いない。丁寧に折りたたまれたそれに自然と目が惹きつけられてしまい、更にはジャケットの上に置かれた黒いストッキングが目に入ってしまった。
脳裏に浮かぶのは昼間見た彼女の姿。あの不思議な笑みと、豊満な身体に短いスカートから伸びる脚を包んでいたストッング。
本来ならばここで引き返すべきだったのだ。新人である彼女に浴場の使用区分についての情報が行き渡っていないのは仕方なのない事であるし、別に自分とて風呂に入らねば死んでしまう訳でもないのだから。
けれども魔が差した、というのはこういう事なのだろう。ここ数日、大規模作戦とその準備で忙しかったせいかもしれない。
手を伸ばし、籐籠の中からストッングを取ってしまう。おそらくは、彼女がついさきほどまで着用していたであろうものを。
この時点で股間は痛いほどに大きくなり、吐息も荒くなっていた。提督としてあるまじき行為だ。わかっていても、その手は止まらない。
大丈夫。もし彼女が浴場から戻ってきそうになったら気づくはずだ。棚が影になって浴場の大扉からは直接見えないし、そのまま入り口まで行くことも出来る。そう自分に言い聞かせながら恐る恐るストッングを手元に持ってくる。扉を一枚隔てた浴場に彼女がいるというのに。むしろ、その事実が興奮を加速させていた。
棚を背に倒れこむように床に座り、手にしたストッングを顔に近付けると大きく息を吸う。鼻孔に広がるのは甘く、だがとても危険な香り。続けてニ、三度吸い込むと肺の中にその甘美な香りが充満するような感覚と共に、頭がボーっとしてくるのがわかる。気づけば自らの股間に手を伸ばしていた。痛いほどに大きくなりズボンの生地を押し上げるそれを解放するためにチャックに手をかけ、中のモノを取り出し――
38 :香取と。2:2015/02/10(火) 17:38:50 ID:7R5H6B3E
「あら?」
心臓が止まりそうになった。一瞬動きを止め、錆びついた機械のような動きで首を回すと、そこに香取がいた。
身体にバスタオルを巻いただけの彼女は、籐籠から眼鏡を取り出し、それを着けると私の姿を見ながら微笑んだ。
――不思議なあの笑みだ。
体中の血液が冷たくなる感覚。たっぷり数秒、現状を眺めてなお彼女はその笑みを崩さない。
「ち、ち……違うんだ!」
咄嗟に言い逃れをしようとしていた。無駄だとわかっているのに。こんな見苦しい真似に対しても彼女はそのままの笑みで語りかける。
「違う? 何が違うのですか、提督」
「そ、それは……」
「とりあえず、それ、返してくれません? そしたらちょっと反対向いていてくださいね」
それ、とは私が手に握っていたストッキングだろう。震えるばかりの私に対して、彼女は両手で私の指を一本一本解いて、ストッキングを取り戻す。そして、何も言えないまま彼女に背を向ける形となる。
すると、トスンという軽い音が聞こえた。おそらくはバスタオルを落とした音。続いて衣擦れの音が連続した。視界は正面の壁に向いてこそいるが、彼女との距離は1メートルもないだろう。先ほどとは打って変わって聴覚が研ぎ澄まされていて、布が擦れ合う音ですら耳にした途端に心臓が跳ね上る。
「いいですよ、こちらを向いて下さい」
振り向くと服を着た香取がいた。髪は濡れたままだが、ネクタイを締めジャケットのボタンを止め、しっかりした格好だ。――勿論、ストッキングも履いている。彼女は見下ろす形で、なおもあの笑みを絶やさない
。
「さて、それでは提督。先ほどは何をしていたか、話して頂けますか?」
「え、……あ、そ……」
喉が乾く。口内の水分が全て失われた感じがして、上手く声が出ない。
「言いたくないのですか? ……なら、私が言ってあげましょうか。提督は、私のストッキングの匂いを嗅いで、オナニーしようとしていたんですよね?」
その言葉に否定出来る事は何一つなく、ゆっくりと頷いてしまう。
すると彼女はまた笑みを浮かべる。
「成る程。これは、少し厳しい躾が必要みたいですね?」
とりあえずここまでです。
これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
最終更新:2018年05月29日 21:46