鳳翔×提督4-355

「起きてください、提督……」

暗い意識の奥底から私を引っ張り出したのは、優しく物懐かしいその声と、その主による重みのものだった。
瞼を開けば、愛して止むことのない想い人、鳳翔さんが私に馬乗りになっていたのだ。

「ふふ、もう、提督ったら。 こんなに元気にしちゃって」

うっとりとした声色でそう呟きながら、生理現象でそそり立った男根を優しく撫でるようにさする。
その気持ちよさに心を奪われつつも、鳳翔さんにナニをしているのかと尋ねた。

「あら、おはようございます♪ 今日も朝から元気ですね」

柔らかに微笑むその笑顔はまさに天使のもの。今まで幾度も荒んだ心を、その笑顔が癒してくれた。
鳳翔さんは腰を折ると、そっと口づけてきて、私のかさついた唇を潤すように唾液を含ませながら舌で舐り、張りのあるぷるんぷるんな唇で貪るように食んでくるが、それでもどこか優しさが残っていた。

「ん、ちゅ……ふう、んん……ぢゅる、ちゅぅぅ……っ」

ちうちうと吸うように食いついていた唇がぷるんっと離れると、満足気な、恍惚とした表情でまた近づいてくる。

「すみません、もう、我慢なりません……」

まるでこれからすることをお許し下さいと、許しを乞うような声色で訴えてくる鳳翔さんが愛おしくて堪らなく、今度は私から唇を寄せた。

「は、っ……んん、ん、ちゅ、じゅるっ……む……ん、ふぁ……」

必死に鼻で息をしながら離すまいと唇を押し付け、片手で鳳翔さんの頭を抱いて寄せる。
空いている手では必死に気持ちよくなって欲しいと、乳房を擦り上げ乳首を親指の腹で捏ねくり、親指と人差し指で摘む。
乳首は優しく、触れているだけのような手つきで物足りなさがやっている自分でもわかる程度に。
すると鳳翔さんは乳房を弄っている手を掴むと、自らの秘所へと導いて、唇を離した。

「もう、提督のいぢわる……」

「なんの、こと?」

荒れた呼吸を落ち着かせるように、冷静に息を吐き出していると、とても悲しそうな顔をしてしまった。
どうしてそんな顔をするのか。胸が締め付けるように痛くて、逆に呼吸が荒くなってくる。

「もう、こんなに切なくなってるのに……わかっているんでしょう?」

中指がそこに触れると、指を伝って彼女のとろみのある愛液が垂れてくる感触が、手の甲をつたり、腕にまで垂れるのがわかる。
しとどに濡れそぼっていることを察すると、もういいです。そういうかのような拗ねた顔で手を離された。
鳳翔さんの手が私の胸板に乗せられ、少しそれが重くて苦しい。
そして、折っていた腰も戻すと視界から鳳翔さんが居なくなってしまい、とても寂しい。

「こっちで、愛して頂きますから……」

こっち、と言われそちらに目を向けようにも見慣れた天井しか瞳には映らない。
身体を起こして見ようと思ったときには、既に遅かった。
起こしかけた身体が、全身を駆け抜ける快感によって倒れた。
気持ちよさを感じた瞬間に後頭部に痛みを感じたが、そんなことも些細に感じるほど、股が、ペニスが熱い。
熱くて、きつくない、しかし確かに重量を感じる圧迫感、どんどん染み込んでいくようにずぶずぶと包み込まれていく充足感。
意識がそちらに向いていて夢中だったからか、気がついたら鳳翔さんは仰ぎ、感極まった溜息を零している。

「はぁ、ああ……あぁん……ん、ふぅ……」

やがてペニスの根元まで全てが肉壁に包み込まれると、ようやく鳳翔さんはこちらを向いてくれた。

「全て……入ってしまいました、ね……? うふふ……」

もう手遅れですね?と悪戯な眼差しをこちらに向けながら、布団と背中の間に手を差し込んでくる。
それを感じて身体を起こし、対面座位の姿勢になると、力を込めてかき抱いてきた。
負けじとこちらも抱き返し、ぎゅうう、っと抱き合う。
きっと鳳翔さんも私と同じなんだと思う。一番大事なところが繋がっても、まだ足りない。
むしろ、もっともっとと、渇望してしまう。触れ合えるところ全て触れたいと。

「じゅる、りゅ……ふ、ぁ……んむっぅ……!」

出来る限り肌を重ね合わせると、満足に身体を動かせない態勢でもお互いが気持ちよく感じたいと、腰を振り合う。
一番奥まで突き挿せるようにと、一番奥まで包み込めるようにと。
ただ、ひたすらに腰を振り、それでも唇も腕も放そうとしない。
ぬちゃっ、ずちゅっと、空気と液体だけが出すにしてはとても卑猥でいやらしい音を執務室に木霊させ、快感を共有しあう。
朝日が眩しいのも、鳳翔さんと触れているところ以外が少し肌寒いのも、なにも気にならない。
二人して同じところに感覚を集中して同じことを考えて同じことをしているのがとても気持ちよくて。
抑え切れなくなった、こみ上げる射精感を我慢することもなく鳳翔さんの中にぶちまけた。
急に動きを止めた私を察したのか、唇を離すと豊かで母性の詰まった乳房に顔を埋めてくれた。
その暖かさ、安心感に収まることをまるで知らないかのようにペニスが脈打つ。
その間も鳳翔さんは頭を優しく撫でてくれている。
やがて射精が止まると、乳房から顔を離してくれ、見つめ合える距離まで顔を離す。

「たくさん、出してくれましたね」

それでも頭を撫でることはやめずに、やっぱり優しげな瞳を向けてくれる。
至福ですと言いながらお腹を撫でさするその姿に、確かにこのお腹の中で自分の精子を出したのだと再び実感すると、またペニスに血液が集中していくのがわかる。

「もう、あれだけ出したのに提督ったら……あと一回だけですよ、ね?」

そう言っておでこにちゅ、とキスをくれるとペニスを抜かずにそのまま鳳翔さんは腰をうねるように動かし始めた。

タグ:

鳳翔
最終更新:2014年01月05日 17:47