非エロ:提督×長門5-338

冬の澄んだ夜空に浮かぶ丸い月。
柔らかな月光が酔い潰れた艦娘達を照らす。
「提督、隣に座っても良いだろうか?」「長門か、酔い潰れたと思っていたが」
一人月見酒をする提督の元にそこら辺に転がっていた丸椅子を持った長門が近づく
「あの程度では潰れんよ」
ちらりと床で潰れている千歳や隼鷹達を見る
「飲み比べでこの長門を酔わそうとわな」「陸奥は速攻で潰れたがな」
提督はとくとくとカップに酒を注ぎ長門に渡す
「陸奥には酒の飲み方を教えてなかったからな」「そうかい」
提督は自分用のカップに酒を注ぐ
「作戦の勝利に」「我らが提督に」「「乾杯」」
カンと心地よい音が静かに響きカップが触れた後互いに酒を飲み干す
「今回は裏方ばかりですまなかった」
敵への奇襲と回復の阻害のため高速艦隊を編成し長門らは支援に徹していた
「何を気にしているかと思えば」「…」
「私はお前が出した作戦をこなしただけだ」「だが」「私のプライドはその程度で傷つくほど柔ではないよ」
長門は空になったカップに酒を注ぎながらゆったりと語る
「そうか、それは失礼した」「全くだ、お前の作戦を信じて全うしたのに謝られては信じた私が馬鹿みたいになる」
「なら、今回は支援任務ご苦労だった。金剛達も感謝していたよ」「当然だ」
それからは互いに無言で酒を飲み干す。
「おや、もう空になった」
空になったビンから雫すら垂れなくなり互いに最後の一杯はゆっくりと飲む
不意に長門の頭が提督に寄りかかる
「なんだ」「酔っただけさ」「あの飲み比べでも酔わなかったのに?」「あぁ、今酔った」「そうかい」
「提督、顔が赤いぞ」「酔った」「ほう?」
ニヤリと笑う長門の唇が提督の唇に触れる
「次の作戦では私を使えよ」「考えておく」
再び唇が重なり夜は更けてゆく

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最終更新:2013年12月10日 18:11