大いなる意志により世界を作り上げた二柱の大神がいた。
大地を作り、その地を統べる我が子を生み出した大神は、
その後、大いなる意志によってまた新たなる地を作る為に異なる次元へと旅立った。
さて、この地に残された大神の子は数千にものぼる。
それが我々の信仰する神という存在である。
その力は強大で争いを起こすと【アルディナ】に大きな災厄をもたらす。
神々は争いを恐れ自らの『縄張り』を統治するようになった。
光の神々は大神に倣い我が子を生み出した。
それが我々人間であり、エルフ、ドワーフ、リリパットである。
光の神はそれぞれ大神に与えられた自分の『縄張り』で
人間たちに英知を与え発展を支えていくことになる。
が、神々の中には自らの『縄張り』に不満を持つ者がいた。
負のチカラが渦巻く深き闇を与えられた闇の神である。
そして彼らが生み出した子が醜悪な心と姿を持つ妖魔であった。
闇の神は豊かな地を『縄張り』とした光の神を憎しみ、
闇の神の生んだ妖魔は人間や妖精たちを憎しみ、
やがて光の神が『縄張り』とする豊かな地へと雪崩れ込んだのである。
こうして神々とその子らの戦い(後に「光と闇の戦乱」と呼ばれる)は始まった。
【アルディナ】に再び大きな災厄が及び多くの血が流れた。
戦いは双方に多大な被害を出しながらも光の勢力が勝利し、
闇の勢力は元の負のチカラが渦巻く深き闇へと封じ込まれたのである。
逃げ遅れた妖魔は人里離れた山奥にひっそりと隠れ住むようになった。
一応の平和を取り戻した【アルディナ】ではあったが、
「光と闇の戦乱」の発端である『縄張り』に疑問を持つ神がいた。
自らの統治を辞め、人間や妖精たちに【アルディナ】を自由にしようと言うのだ。
しかし、未熟な人間を解放するには時期尚早と統治を続けるべしとする神もいる。
かくして再び神々の間に不穏な空気が流れ始めた、
人間や妖精の自由を願う解放の神、未だ時期尚早と『縄張り』を守る結界の神、
双方は長き間睨み合いを続けるものの「光と闇の戦乱」の苦い経験を元に、
その決断を人間や妖精に意向に託したのである。
結界の神は自らの子らが『縄張り』に守られ生きることを選択すると考えていた。
しかし、結界の神より生まれし子らの半数以上が自由を求めたことに敗北を認める。
解放の神は結界の神の敗北に大きな罰を与える。
結界の神は大いなる力を発揮できないようにと肉体を捨てさせ、
獣の身体に精神を封じ込められたのである。
その後、解放の神は人間と妖精に【アルディナ】を託し天界へ向う。
【アルディナ】の未来は我々に委ねられたのである。