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2013年度東京河上会公開シンポジウムより原田泰さん発表分



原田泰さんのお話


私のレジュメには河上会だからということで、考えたことを書いてあります。河上肇先生というのは左の方で、当然、ここに集まる方も、左の方が多いんじゃないかと、勝手に思ったんですけど、必ずしもそうでもないようであります。わかんないんですけど、一応そのつもりで考えたことをお話したいと思います。

今、株が下がって、なんかかんか言われてますけど、長期的にはうまくいくだろうという高橋さんの力強い分析と言葉があり、私もうまくいくと思っているんです。別に左の人が金融緩和しようが右の人が金融緩和しようが効果は同じでですね、誰がやっても金融緩和すれば景気は良くなる。

日本の左翼は金融緩和嫌いな人が多いんですけど、それは非常にまずいんじゃないかと思うのです。つまり、1930年代にナチスが政権を取れたのはなぜかっていえば、そのとき社会民主党と、ふつうの自由主義者の政権があったわけですけれどもその人たちが金融緩和しなかったから、ドイツでは、失業率が25%だったわけです。失業率25%になれば、人間ヤケクソになります。ヤケクソになったところへナチスが出てきて。実は過半数取ってないんですね。4割ぐらいしか取ってないんです。でも4割取って、第一党になったから政権についたと。

政権についた後、金融緩和をやったわけです。金融緩和やったら、景気良くなったから、ナチスの言ってることは正しいんじゃないかってドイツ国民は思ったと。その後どうなったかといったら皆さんご存知の通り。

別に社会民主党がやればよかった。誰がやっても同じ効果が出る。

金融政策の利益というのは雇用を拡大するわけです。25%の人が失業してたのが、6とか7ぐらいに減ったわけです。普通の人々の財産のうちいちばん大きいものが自分自身の労働力です。お金のある人は株だとか土地だとか持ってます。普通の企業に入ったら一生のうちで2億か3億稼げるわけですよね。だから自分がいちばん大きい資産だということは明らかなことです。だからその資産を活用するようにするのが政治に求められていることであって、それができなかったら政権は取れないし、政権を維持できないということが左翼にとって大事なことだと思います。

左翼の人たちが人間を大事にするんだという主張が真剣であるならば、まずこれをしなければならないと思うわけです。だからアメリカで、左翼ですよね、クルーグマンとかスティグリッツとか。その人たちが盛んに金融緩和の政策を主張して、今回、5月29日と30日に、世界の知性もアベノミクスを正しいと認めてくれた大イベントを政府がやってたわけですけれども、その人たちが、いや僕は安倍の憲法改正とか右翼的なことには反対なんだけれども、彼がやっている金融政策は正しいということを言っていました。

マーケットの数字がどうであるかということよりも、雇用と政策がどうなっていくかということが大事です。成長戦略は、規制緩和、減税、市場開放であるべきであって、産業政策はうまくいかない。

働きたい女性が働けるようにすると。保育所にお金を投じて、待機児童をなくすのは効果がある。保育所の規制緩和をやれば保育所が効率化されるという意味でGDPが増えるんですけれども、それよりもずっと大きいのは女性が働く、働く人間が増えるんだから、GDP増える、その効果の方がずっと大きいです。

消費税増税が3%で7.5兆円です。私は今さら止められないんだから、影響を相殺するような措置を取ればいいんじゃないかと思っております。TPPは市場開放で、反対論者がいろんなことを言っているのは、大げさです。ほとんど農業だけの問題だと思っております。

経済に関しては、昨年の11月とか12月に比べて、安倍政権が発足してから、輸出も生産も増えていることは明らか。雇用の方は、小売業はあまり増えてないですね。ただこれまでずっと減っている中で雇用がほぼ横ばいだったということは、景気の回復がなかったら、また解雇が増えた可能性がある。そういう意味では雇用も良くなっていると言えると思います。

そんな簡単に、金融緩和すれば生産も雇用も増えるんだったら、なんで日本銀行は緩和しなかったんだという疑問が当然生じると思うんですけれども、それは彼らには彼らの都合があるということなんです。非常に長いデフレが続いていましたし、景気が悪化しているので、金利は非常に低かったわけです。0.8ぐらいになっていた。これが10年ものの金利ですからね。

みなさん、1990年ぐらいのことを思い出してください。ワリコーとかワイドとかいうのがあって、金利が7とか8とかついた。かなり高齢の方は信託銀行や長期信用金庫に行ってそれを買いにいった。ボストンバッグにお金を詰めて買いに行った。

それがもう0.8まで下がってしまったということです。景気が悪いからこうして低いわけで、景気が良くなれば金利は上がります。金利が上がると、国債の価格は下がる。そうすると国債を持っている人が困る。誰が持っているかというと、地方銀行が持っているわけで、そこに日銀の人たちがいっぱい天下ってますので、地銀が困るようなことはしたくない。

日本銀行と言うのはJA全中だと思えばいい。JA全中というのは農協が困らないようにするのが仕事です。それと同じことをやっている団体なのだと。金融政策をやってる団体だと思うから、なんであの人たちはこんな変なことやるんだと不思議なんですけど、全中だと思えば何の不思議もない。そういうもんだと言うしかないですよね。

安倍総理は、日銀は全中なんじゃないかと気がついたから、TPPで全中と対抗しようという風にスムーズに頭が回ったんじゃないかと思います。

今日本の農業を見ると、農家は250万戸あることになってるんですけど、そのうちの100万戸は50万円以下しか農産物を売ってないんですね。50万円以上売っている農家は160万戸ある。この平均が50万円しかない。農外所得が180万円あって、年金収入が200万円あって、平均で450万円の収入がある。これが農家の平均なんです。

だから農家って何かと言うと、年金をもらって趣味でやってるということなんですよね。じゃぁ年金をもらうためにいちばん何が大事かっていうと、日本経済全体が繁栄していることがいちばん大事で、そうでないと年金払えません。だから自由貿易も大事で、金融緩和も大事で、それをやらないと日本の農業はむしろ潰れてしまうんだということになると思います。

農家らしい農家を考えてみると、農業所得が500万円ぐらいないといけないんじゃないかというと、農業所得が470万円の人は、7ha以上を持っている人。全部足しても10万戸にならない。ほんとの農家は10万戸しかいなくて、後の人たちは年金あるいは兼業でやっている。日本経済全般が繁栄していくことの方が、大事だということになります。