「国債が暴落してソブリン危機になるのではないですか」

高橋洋一(嘉悦大)@YoichiTakahashi 2013年5月15日 - 10:41
名目金利上昇のみを取り上げて、国債暴落、財政破綻を言いたい人達もいる。経済成長して財政破綻するわけないだろ、と言っておしまいなのだが、財政破綻するかもと言わないと増税ができないので困るという。増税できなくてもいいだろというのが常識だが、それらの人は増税するのが当たり前


無空 ‏@helicopter_muku 2013年5月15日 - 10:33
リフレ批判にも色々あるけど、国債の暴落ガーから入る人はまず庶民の生活なんてひとかけらも顧慮してないのは間違いないね。


(生活の党 中村てつじさんの講演より)
日本はデフォルト(債務不履行)になりません。国債が返せない、ということになりません。
自国通貨が発行できる国で、国債が暴落した場合、つまり、金利が上昇した場合、中央銀行が国債を買い入れることができる。すると国債の需要が増える。需要が増えれば価格が上がる。金利が下がる。

心配性の人「財政の信用がなければ国債は売られる、すると金利が上がる」
→国債を売って得た通貨で何を買かを考えてみる。景気が良ければ、不動産、株社債などが買われる。景気が悪かったら、これらを買っても将来の価格上昇が見込めないので、通貨のままで持っていたいのでむしろ国債を持つ。

通貨の形にもっとも近くて金利がつくものは国債。つまり景気が悪かったら国債が買われる。国債の金利は経済状況を反映するに過ぎない。

心配性の人「いや、国債を売って得た金でドルを買って海外投資すればどうなる?資本が対外的に逃げていくよ
→円を売ってドルを買う人がいたら、ドルを売って円を買った人もいる、ということである。円を買ったら、円で買えるものを買う。通貨に金利はつかないので、国債を買う可能性が高い。

結局、景気が良くなって、他の金融商品が選ばれる状況にならない限り、国債の金利は上がらない。国債だけが単独でただ暴落するような状況はないということ。経済状況に連動して金利が変わるのが、自国通貨建ての国債。

心配性の人「でも日本はGDPの2倍も国の借金がありますよ!
→デフォルトする国はどんな国か。「国」とは、実は「政府」ではない。国の借金が1千兆円、というとき、この時の「国」は「政府」のことを言っている。「国の経済主体」は4つ。政府、金融機関、(非営利を含む)企業等、家計。

他の国に借金があれば、取り立てに合うということはある。しかし日本は、対外純資産は21年連続世界一。つまり、世界中に金を貸している。金を貸している方が借りている方から取り立てに合うことはない。政府の債務額そのものと、償還能力とは関係がない。(償還能力があれば問題がない。)

破綻している国とはどういう国か?外国通貨建てで国債を発行している国。自国の通貨で国債を買ってもらえないような国。対外純負債国。つまり他の国から金を借りている国。借りている金を引き上げられてしまうと、自国通貨が簡単に弱くなってしまう。他の国の人たちは怖がって買わなくなるので、他国通貨で発行せざるを得なくなる。

日本はまったく逆で、毎年膨大な経常収支の黒字がある。

最近赤字になっているが、エネルギー要因がある。それでも経常収支は黒字。所得収支で、過去の黒字のリターン(配当)が毎月1兆円、毎年12兆円ぐらい。貿易収支の多少の赤字は相殺される。

イギリスとアメリカは、例外的で、他国から金を借りている、つまり経常収支は赤字の国。貿易も赤字。しかし国債を自国通貨で発行できている。なぜなら経済的に強いから。金融立国で、他国からたくさん投資してもらって、その金を他国に投資して配当を得ている。

他国から金を借りて投資をすることで、所得収支が出て、国の収支はプラスになる。

そういう国の通貨で国債が発行されている場合、他国の人もその国債を買う。それを考えると、日本が破綻するぐらいだったら、先に対外債務超過のイギリスやアメリカが破綻するはずだが、その兆候は見えていない。

輸出力が弱くなり、日本の商品が海外で買われなくなる、通貨が弱くなる、そういう風にならない限り日本は破綻しない。経常収支が赤字になることすら、今後10年かかっても考えられない。(悪い状態が続いて)日本の製品が買われなくなるには何十年もかかるのではないか。そうなったとしても、他国に金を膨大に貸しているので、負債国になるまでにも何十年もかかる。
最終更新:2013年05月15日 22:17