907 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 00:21:38.64 ID:bA88Z7kto
タッタッタッタッ...
京太郎「う~バス停バス停」
京太郎「(今、バス停を目指して全力疾走している俺は、白糸台高校に通うごく一般的な男の子)」
京太郎「(強いて違うところをあげるとすれば、おもちに興味があるってとこかナ――名前は須賀京太郎)」
京太郎「そのバス待ったあああああ!!」
ドタドタ
ダァシェリエス
プシュー バタン
京太郎「ぎ、ギリギリセーフ……」ゼーゼー
京太郎「(これに乗れなかったら遅刻確定だからな……)」
京太郎「(他の客も同じような学生ばかり……座席は埋まってるし、ちと息苦しい)」
京太郎「(ま、贅沢言わずに吊り革で我慢するか)」
910 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 00:24:48.30 ID:bA88Z7kto
京太郎「さて、どこにするか………………げっ」
´ \__
/ マ三三三三三三ニ=-
/ / \ ∨ /⌒> 三三三ニ=-
,′ ヽ \三三三ニ=-
むっ / _/ │ ∧ . | ニ二 -=ニ\三三三ニ=-
. / / /│ '| |\ :. :. i |\  ̄`丶三三三
__/ / / │/│ | :. |\ :. | \三三
_/´/ / /| \| | | | |│ ::. | 八 ー―‐=ニマ三\ マ三
厂| |∨// 人 レl | ト-| | |│ ::. │ \ \ `マ三) }三
__,,... -┤│レ/゙∨ /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│ ー=ニ二 `マ /_三
││|{ {. / ∧ンリ 乂ツ \|斗テ外、.| 卜、 丶、______ く_三三
| ∨\八 { / Y::/::/ , 乂)ツ 》│ | /\ \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人 ::/::/ / リ│ │ >ー──=ミ〃 `ヽ∨ニ三
 ̄ \__,)) ヽ ∠/_7 イ /⌒)丿 \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三
≧=‐ -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
/ / 厂∨ / -――=マ 〉| |
((⌒´ ∨ 〈 ∨/l. │
`ーヘ ∨| │
`、 ヽ、____丿
\ \
914 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 00:42:22.92 ID:bA88Z7kto
京太郎「」クルッ
淡「……」
京太郎「(うわ~なんてこったよォ~~~ッ)」
京太郎「(『大星淡』かよ~~~っ)」
京太郎「(やなとこで会ったな~)」
淡「……ねえ、ちょっと」
京太郎「」ギクッ
淡「なに顔そらしてんのよ。挨拶ぐらいしなさいよ、私の方が年上なんだからね」
京太郎「はあ? 年上って……誕生日が早いだけで同学年じゃねーか」
淡「同学年じゃないし。高校100年生だから」
京太郎「だったら今年で115歳だな」
淡「レディに歳の話するなんてサイテー!」
京太郎「お前から振ってきたんだろ!?」
923 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 01:11:05.35 ID:bA88Z7kto
淡「ふんだ。須賀のくせに口答えとかナマイキ」ツーン
京太郎「お前なぁ……」
淡「だいたい何? なんでバスとか乗ってんの? 走れば?」
京太郎「走って間に合わねー時間だから乗ってんだよ」
淡「寝坊したわけ? ダサー」プププ
京太郎「同じバスに乗ってる奴に笑われる筋合いはないと思う」
淡「私は髪のセットがうまく行かなかっただけ! 一緒にすんな!」
京太郎「はいはい……」ハァ
京太郎「(コイツもいい加減しつこいよなぁ)」
京太郎「(俺が嫌いなら嫌いで絡んでこなきゃいいのに)」
京太郎「(まあ、性格上あんなことがあって泣き寝入り――とはいかないんだろうけどさ)」
淡「……もう、ほんっとサイテー」
淡「こんな奴に、私の初めてが奪われたとか……」ボソッ
京太郎「」ブホォ
乗客「「「」」」ブホォ
926 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 01:36:48.64 ID:bA88Z7kto
京太郎「おま、お、お前、ナニ言っちゃってくれちゃってんの……?」カタカタ
淡「はぁ!? 忘れたとは言わせないんだから! あんな大きいの、私に……!」フルフル
ざわ...
ざわ...
ざわ...
京太郎「いや忘れてない、忘れてないよ? けどもっと言葉を選ん」
淡「思い出しただけで泣きたくなるし……責任取ってもらうんだから!」グスッ
じろ...
じろ...
じろ...
京太郎「おお、もう……」
淡「そう、絶対――」
淡「――絶対に麻雀で100回倒す! 須賀京太郎!」ズビッ
京太郎「そうだね! 偶然にも大物手に振り込んでしまった雪辱を果たすんだね!! 頑張れよ、うん!」
乗客「「「なんだ麻雀か……」」」
京太郎「」ホッ
931 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 01:54:50.60 ID:bA88Z7kto
淡「頑張れって何様よ! 須賀のくせにー!」プンスコ
京太郎「(……そう、これが大星が俺を目の敵にする理由だ)」
京太郎「(先日行われた部内交流試合で卓を囲んだ際、なんの冗談か俺が大星に倍満をぶち当ててしまった)」
京太郎「(あの時は大変だったなぁ……泣いて暴れて、弘世部長に叱られて……また泣いて)」
京太郎「(以来、事ある毎に勝負を挑んでくるようになった)」
京太郎「(ちなみに現在38戦0勝38ミンチで俺の負け越しである。もとい負けっ放しである)」
京太郎「(だが、あと62回ミンチにしなければ大星の気は収まらないらしい)」
京太郎「(麻雀って楽しいよね)」
淡「……あっ、須賀!」
京太郎「んだよ?」
淡「さっきから私のこと見下してるでしょ! 気付かないとでも思ったか!」ププンスコ
京太郎「そりゃ俺が立っててお前が座ってるからだろ……」
淡「私も立つ!」
京太郎「は?」
淡「このままじゃ癪だから私も立つ! 空いた席はそこのおばーちゃんどうぞ!」
おばーちゃん「あらありがとうお嬢ちゃん」ペッコリン
京太郎「小さな親切!」
934 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 02:16:11.57 ID:bA88Z7kto
淡「どう? これで対等でしょ」フフン
京太郎「いや、俺のが全然背ぇ高いけどな」
淡「縮め!」ウガー
京太郎「出来かねます」
淡「爆発しろ! 須賀ぼーん!」ムキー
京太郎「語呂の良さだけは認めたい」
京太郎「(認めるから静かにして欲しい……視線が痛い……)」
……
…………
………………
ダァシェリエス プシュー バタン
ブロロロロロ...
京太郎「うぐ……」ギウギウ
淡「あわ……」ギウギウ
「「(狭い……)」」
941 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 02:39:09.86 ID:bA88Z7kto
淡「ちょ、ちょっと須賀、離れなさいよっ……」グイグイ
京太郎「いでで、押すなアホ! 周りに迷惑だろうが!」
淡「アホって言う方がアホなのよバーカ!」
京太郎「バカ丸出しな発言ありがとうございます!」
キキーッ
京太郎「って……!?」グラッ
京太郎「(急ブレーキ!? やばい、大星の方に倒れる!)」バッ
フニッ
淡「あ」
京太郎「あ」
フニフニ
淡「あっ///」ピクンッ
京太郎「あっ」
京太郎「(意外と――あるッ!)」
948 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 03:07:03.35 ID:bA88Z7kto
淡「って何すんのよ!?///」アワワ
京太郎「お、おお……すまん、つい」
淡「「つい」で女の子の胸揉むとか……いつまで触ってんの!」
京太郎「んなこと言われても、この体勢で固定されちまって……ふっ、ぬっ!」グイグイ
フニ、ムニ
淡「ぁ、あっ……やめ……///」ムズッ
京太郎「ん? 痛かったか?」
淡「痛くはないんだけど……」ゴニョゴニョ
京太郎「?」
淡「そ、それより! ほんとに身動き取れないの?」
京太郎「ぽいな……このまま我慢できるか?」
淡「無理! 無理無理無理無理ゼッタイ無――」
キキーッ
淡「あわっ!?」ヨロッ
ポフン
949 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 03:34:35.88 ID:bA88Z7kto
京太郎「大丈夫か?」ギュッ
淡「う、うん……って――!?」
淡「(やだ、私、須賀のヤツに抱き締められてる!?)」
淡「(ていうか、片手はまだ胸に……///)」
淡「は、離してっ!」アワアワ
京太郎「だから動けねーんだって。胸は……あー……アレだけど、下手に隙間を作るよりこのままの方が安全かもな」
淡「このまま……!? やだやだやだ、今すぐ離れ――」
キキーッ
淡「またぁ!?」フラッ
京太郎「大星!」バッ
ワシッ
淡「きゃうっ!?///」ビクンッ
京太郎「あ」
サワサワ
淡「ふぁあ……///」ビビクン
京太郎「あー」
京太郎「(なんてこった――尻も一級品だッ!!)」
954 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 04:02:09.96 ID:bA88Z7kto
淡「な、にゃにすんのよぉ……///」クタッ
京太郎「お、大星!?」
淡「(も……わけわかんないぃ……)」
淡「(須賀なんかに、胸とかお尻とか、いっぱい触られて……)」
淡「(………………匂いも近くて)」スンッ
淡「(高校100年生なのに……)」
淡「……」ポー
京太郎「大星……? 俺の顔になんかついてるか?」
淡「めとはなとくち……」
京太郎「お互い様だろ」
キキーッ
京太郎「おわっ!?」ガクッ
淡「あわわ!?」ビクッ
ピタッ
京太郎「――」
淡「――」
「「(ち、近い……!)」」
957 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 04:32:45.34 ID:bA88Z7kto
京太郎「(ヤバいヤバいヤバい……この距離はヤバイ!)」
京太郎「(この状態で後ろから押されでもしたら……)」
京太郎「(んなことになったら殺される!)」ヒィー
淡「(須賀……すっごい真剣な顔してる……)」
淡「(まるで私に倍満直撃させた時みたいな……)」
淡「(あの時の須賀、ちょっと……ほんのちょっとだけ、格好良かった、な……)」ポー
京太郎「お、大星。どくぞ。今すぐどく。だから暴れたりす――」
ズシッ
京太郎「る?」
???「わわ、のしかかっちゃってちょー申し訳ないよー」
京太郎「(デカァァァァァいッ説明求ム!! こんな人さっきまでいたっけ!?)」
京太郎「お、お気になさらず……っとと!?」
グググッ
???「体重かけちゃってちょー申し訳ないよー」
京太郎「本当にそう思ってます!?」
966 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 05:02:54.60 ID:bA88Z7kto
グググ...
淡「(え、わ、嘘っ)」
淡「(須賀の顔が……どんどん、近くなって――)」
京太郎「(やべえ、何か言う暇もねえ!)」
京太郎「(ていうか大星はなんで少しも顔を逃がす素振りすら見せな――)」
チュッ
「「――!!」」
京太郎「(ま、マジで)」
淡「(しちゃっ、た)」
京太郎「(うっわ柔らけぇ……何これ人類? 人類?)」
淡「(キス……須賀なんかと……くちびる、あつい……)」
京太郎「(バスが揺れる度に少し離れて……またくっついて……)」
淡「(これ、もう何回目……? 100回ぐらいしちゃった、のかな)」
キキーッ
京太郎「っ!?」グイッ
淡「っぷあ……ゎ、あ、す、須賀――」
京太郎「、バカ大星、口閉じと――」グラッ
チュー
「「~~~!?」」
973 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 05:37:13.22 ID:bA88Z7kto
京太郎「(うわうわうわうわ! お互い口開けてたせいで――)」
淡「(中に、入っ――)っむ、ふ……っ!?」ゾワゾワッ
ガクンッ
京太郎「!」ギュッ
淡「んっ!? ぅ、れるっ……!」
淡「(深、ぃ……っ! 離れてよ、ばかぁっ)」ドンッドンッ
京太郎「ん、ぐっ……!」
京太郎「(後ろに下がれたらとっくにやってるよ! でも……)」
???「ちょー遺憾だよー」ズモモ
京太郎「(ああ……これもう死んだわ、俺……)」
淡「ちゅ、あ、ゃ、ちゅっ、むぅ、ん――~~~っ!」
……
…………
………………
~バス停~
淡「須賀のアホーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!」
977 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 06:01:33.39 ID:bA88Z7kto
京太郎@正座「(流石に返す言葉がない……)」
淡「アホ! バカ! おたんこなす! 死んじゃえごーかんま!!」
京太郎「すまん……本当に悪かった……」
淡「謝って済むと思ってんの!?……はじめてだったのに……」ジワッ
京太郎「!」
淡「ファーストキス、だったのに……あんな、ぎゅうぎゅう詰めのバスの中で、無理やり、何度も、何度もっ……」グスグス
ひそ...
ひそ...
ひそ...
京太郎「(周囲の目が痛い。死にたい)」
淡「胸もお尻も触られた! べろまで入れられた! なんかいい匂いがした! 須賀なんて大っ嫌い!!」
京太郎「そ、そこまで言うなら」オソルオソル
淡「何よ!?」ギロッ
京太郎「っ……そこまで言うなら、どうして最初に避けなかったんだよ?」
淡「う゛。それは……」
979 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 06:32:29.72 ID:bA88Z7kto
京太郎「ほっぺとかに当たっちまうかもしれないけど、唇同士が触れるよりずっとマシだろ?」
淡「そうだけどぉ……」モジモジ
京太郎「なんか考え事でもしてたのかよ?」
淡「っ! う……うるさいうるさい! それも須賀が悪い!///」
京太郎「オレェ!?」
淡「あんなにギラギラした目で私を見るんだもん、目を逸らしたら負けかと思うじゃん!」
京太郎「お前本気でアホだな!? あの状況でくだらねえ対抗心なんて燃やしてんじゃねーよ!」
淡「アホってゆーな! このごーかんま!!」
京太郎「さっきから人聞きの悪いことを大声で叫ぶなこの着痩せするタイプめ!!」
淡「なあっ!?/// さ、サイテーサイテーサイテーサイテー! もう知らない、学校行く! 須賀はついてこないでよね!」クルッ
京太郎「いや俺も行くけど……あ、ちょっと待てよ大星」
淡「今度はな――」
スッ
淡「――な、なに!?」ドキッ
京太郎「いいからじっとしてろ」キリッ
淡「ぅ、は、はい……」
淡「(このシチュエーション、まさか改めてキス――!?)」><
980 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/10/02(水) 06:33:36.12 ID:bA88Z7kto
ヒョイッ
京太郎「芋けんぴ、髪に付いてたぜ」カリッ
淡「あ、あわわ///」ズキューン
【THE END】
最終更新:2013年10月02日 12:37