てるてる日和5

174 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 00:21:08.96 ID:adfS8ROFo

照「あ、起きてた」

京太郎「どうかしました? もう寝る時間なのに」ムクリ

照「京ちゃんに用があって」

京太郎「オレェ?」

照「うん。だから抜け出してきた」

京太郎「抜け出……いいんですか? 咲のやつ一人にして」

照「問題ない。もう寝てた」

京太郎「なるほど、だったら安心……か……?」ウゴゴゴ

照「それに」

京太郎「それに?」

照「寂しくないように、お父さんの部屋にあったビニールの人形を代わりに置いてきたから」

京太郎「泣きますよ!!? 咲も、親父さんも!!」

178 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 00:31:56.87 ID:adfS8ROFo

照「静かに。咲が起きちゃう」シー

京太郎「あ、すいません……じゃなくて! まずいですって、こんな時間に来たら」

照「私の部屋なのに?」

京太郎「ですけど、でも今は俺が使ってますよね」

照「知ってる(照だけに)」

京太郎「だったら控えてくださいよ、異性が寝てる部屋に一人で来るなんて」

照「異性だと控えなくちゃいけないの?」

京太郎「そりゃあ……好きでもない男に勘違いされたら照さんが困るでしょう?」

照「好きだよ」

京太郎「へ」





照「私、京ちゃんのことが好き」





187 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 00:44:50.88 ID:adfS8ROFo

京太郎「……」

京太郎「は……?」

京太郎「え…………?」

京太郎「な………………?」

照「京ちゃん?」

京太郎「…………………………冗談ですよね?」

照「冗談は苦手」

京太郎「でもあのー、私は方向音痴ではありませんって持ちネタ。遅ればせながらツボに食い込んできてるんすけど」

照「それは事実。私は方向音痴ではありません」

京太郎「ハハッ。話を戻しますね」

照「ひどい」

京太郎「……えっと。照さんが……その……俺のこと、を……」

照「好き」

京太郎「………………今日が初対面ですよ?」

195 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 01:12:44.30 ID:adfS8ROFo

照「でも、京ちゃんのことは前から知ってた」

京太郎「え、そうなんですか?」

照「じゃなかったら会いに来ない」

京太郎「ですよねー」

照「と言っても、インターハイが終わった後だから最近だけど」

京太郎「ああ、咲から聞いたんですね」

照「うん。また咲と話すようになって、たくさん京ちゃんのことを聞かされた」

京太郎「なんか恥ずかしいっすね」ハハハ

照「『京ちゃんがまた優希ちゃんとケンカしてた』とか」

照「『京ちゃんがまた和ちゃんの胸を見てた』とか」

照「『京ちゃんがまた部長とロッカーに入って……』とか」

照「『京ちゃんがまた和ちゃんの胸が揺れるところを見てた』とか」

照「『京ちゃんがまた和ちゃんの胸元を覗きこんでた』とか」

照「『京ちゃんがまた和ちゃんの胸を揉みしだくような手つきをさせながら寝てた』とか」

京太郎「…………………………」

照「そんなにおっぱいが好きか」

京太郎「さーせん……大好きっす……さーせん……」

201 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 01:36:47.55 ID:adfS8ROFo

照「だけど、だからこそ興味を惹かれた」

京太郎「ぇぇぇ」

照「咲から話を聞く度に、その楽しそうな声を聞く度に」

照「どんな人なんだろうって、会ってみたいなって」

照「そういう気持ちで胸が一杯になっていった」

京太郎「それは……なんというか……お好きですね……」

照「うん。好きだよ、京ちゃん」

京太郎「っ!……つ、続きをどうぞ」

照「ん。それで、ちょうど時間が出来たから長野に帰ってきた」

照「京ちゃんに会う為に」

京太郎「咲がお世話になってますっていう、アレですね」

照「そう。でも、それは半分」

京太郎「半分?」

照「もう半分は、私の気持ちを京ちゃんに伝えたくて」

京太郎「照さんの――」

照「――京ちゃん」



照「私と咲を引き合わせてくれて、本当にありがとう」



203 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 02:00:13.77 ID:adfS8ROFo

京太郎「、な……!?」

照「」フカブカー

京太郎「て、照さん! 顔を上げてください、俺は礼を言われるようなことは何もしてませんから!」

照「そんなことはない。私と咲を」

京太郎「その認識が間違ってるんですってば! 咲が全国まで勝ち上がれたのは和や優希、麻雀部みんなのおかげですよ!」

照「でも、最初は京ちゃん」

京太郎「え」

照「麻雀部に咲を連れて来たのは京ちゃん」

京太郎「それは……そうですけど……」

照「確かに、原村さん達がいなかったら、私と咲が再会する可能性は低かった」

照「けど京ちゃんがいなかったら、また麻雀をすることさえなかったはず」

照「咲もそう言っていた」

京太郎「……あのポンコツめ」

照「だから、ありがとう」

照「私達が姉妹に戻る最初のきっかけをくれて」

照「本当に、ありがとう」

206 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 02:42:08.04 ID:adfS8ROFo

京太郎「照さん……」

照「……やっと言えた。ずっと言おうと思ってたのに、なかなか言えなかった」

京太郎「この為に、長野に」

照「うん。純粋に本物の京ちゃんを見てみたいっていう気持ちもあったけど」

京太郎「あはは……で、どうでしたか、生は?」

照「思ってたよりずっとエッチだった」ズバァッ

京太郎「」ゲフッ

照「それに……思ってたよりずっと、格好良かった」

京太郎「え」

照「思ってたよりずっと面白かったし、思ってたよりずっと優しかった」

京太郎「ちょ、恥ずいです。恥ずいです照さん」カァー

照「私に声をかけてくれた。部活に誘ってくれた。手を繋いでくれた」プチッ

京太郎「……えっ?」

照「買い物に付き合ってくれた。荷物を持ってくれた。泊まりに来てくれた」プチ プチ

京太郎「ちょ、ちょちょ」

照「料理を食べてくれた。ホラー映画を一緒に見てくれた。着替えを取ってくれた」プチ...プチッ

京太郎「なんで、パジャマのボタ――」



照「私、京ちゃんの赤ちゃんが欲しい」ハラッ...



京太郎「!!?!??!?!?!!!??!?!!?」

212 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 03:04:04.63 ID:adfS8ROFo

照「ズボンも脱ぐね。ん……」モゾモゾ

京太郎「待っ」

パサッ

京太郎「」ゴクリ...

照「どうかな、京ちゃん」

京太郎「どう、って」

照「京ちゃんが選んでくれた下着だよ」

京太郎「ぶっ!? ひ、人聞き悪過ぎですそれ! 頼まれたから着替えを渡しただけですからね!?」

照「でも悩んでたよね?」

京太郎「………………はい」

照「選んだよね?」

京太郎「………………選びました」

照「どうかな、京ちゃん」

京太郎「………………綺麗です、凄く」

照「ほんと?」

京太郎「嘘なんて吐きませんよ……見ちゃいけないのに、目が離せないくらい似合ってます」

照「……よかった」

215 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 03:39:07.18 ID:adfS8ROFo

京太郎「って違ぇ!! 危うく雰囲気に流されるところだった!」フイッ

照「あっ……京ちゃん、こっち向いて」

京太郎「向きませんよっ! 照さんももっと恥じらいを持ってください!」

照「……持ってるよ」

京太郎「へ?」

照「今、すごく恥ずかしい。顔から火が出そうなくらい……」

京太郎「そんなまさか……」チラッ

京太郎「!」

照「っ……///」カァァ

京太郎「(た、確かに……部屋が暗くて気付かなかったけど、赤い)」

京太郎「(いや、見れば見るほどハッキリと真っ赤に染まってるのが分かる)」

京太郎「(嘘じゃないんだ。本当に恥ずかしいんだ)」

京太郎「だったらどうして……」

照「恥ずかしいのも、京ちゃんの為なら我慢できる」

京太郎「っ」

ギュッ

京太郎「ッ!」

照「京ちゃん……」

ドサッ

219 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 04:43:21.92 ID:adfS8ROFo

京太郎「(べ、ベッドに押し倒された……!)」

照「大好きだよ、京ちゃん」キュッ

京太郎「(ヤバいヤバいヤバいヤバい目を合わせたら終わりだこれっぽっちも我慢出来る気がしないヤバい)」カチコチ

照「」ギュー

京太郎「(ああでも照さんすっげーいい匂いだし柔らかいしすべすべしてて少しくらい見ても罰は当たらないだろっていやいやいや)」カチコチ

照「」ムギュー

京太郎「……」

照「……」

京太郎「…………」

照「…………」

京太郎「………………」

照「………………」



シィーーーン...

220 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/09/09(月) 04:55:22.41 ID:adfS8ROFo [12/13]

京太郎「……?」パチッ

照「……」ジー

京太郎「ぅおっ……て、照さん?」

照「なに?」

京太郎「えっと、どうして黙って俺の顔を見つめていらっしゃるのでしょうか……?」

照「おかしい」ポツリ

京太郎「えっ?」

照「話が違う」

京太郎「話って……」

照「こんなはずじゃなかった」

京太郎「一体なにを――」





照「エッチな格好で京ちゃんに抱き付けば赤ちゃんが出来るってお母さん言ってたのに、何も起きない」テルーン





京太郎「なに言ってんのお袋さああああああああああん!!?」

ガラッ!!!

咲「なにやってるのお姉ちゃああああああああああん!!!」

京太郎「うわあああああ咲が小脇にダッチワイフ抱えて怒鳴り込んで来たああああああああああ!!!」

照「ぅゎぁ」

【THE END】
最終更新:2013年10月15日 23:52