てるてる日和3

72 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 00:35:44.81 ID:vLgzWMUJo

咲「な」

和「ん」

優希「じぇええええええええええっ!!?」

照「片岡さん、声が大きい」ジロッ

優希「ぴぎッ」

京太郎「て、照さん……? あの、今なんと」

照「うちに泊まりに来て」

京太郎「聞き間違いじゃなかった……!」

照「だめ?」

京太郎「流石にマズいんじゃないですかね……親御さんの許可は?」

照「それなら大丈夫」

京太郎「え、貰ってるんですか?」

照「今日はお父さん帰ってこないから」

京太郎「大丈夫じゃねええええええええええ!!!」

74 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 00:45:59.79 ID:vLgzWMUJo

和「ふ、不潔ですっ!!」グワッ

京太郎「和!?」

和「若い健全な男女が一夜を共にするなんて……そんなインモラルありえませんっ!///」

京太郎「お、落ち着け和。まだ俺は泊まるとは一言も――」

照「来てくれないの……?」ジッ

京太郎「うっ!? いえ、泊まらないとも言ってませんけど……」ゴニョゴニョ

和「ほらっ! 須賀くんは優柔不断のお人好しですからね、そうやって押し切られるに決まってます!」

京太郎「そ、そうかぁ?」

和「そうですよ! だいたい咲さんのお姉さんも、自分から男の人を家に誘うなんて非常識です! 嫁入り前の女性はもっと慎みを持って――」

照「原村さん」

和「――、はい?」



照「言い辛いんだけど私に麻雀で勝てないような人に偉そうに指図される筋合いはない」ズバァッ



和「」

京太郎「もう少し言い辛そうにしましょうよ」

77 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 01:00:29.98 ID:vLgzWMUJo

和「そッ……それはつまり? あなたが麻雀で負ければ須賀くんを諦めるってことでいいんですよね……?」ビキッ ビキビキッ

照「そう受け取ってもらって構わない」

和「……ゆーき、卓につきなさい。須賀くんの貞操は私達で守ります!」

優希「お、おうっ!……でものどちゃん、ていそうってなんだー?」

和「家族の人に訊いてくださいっ///」

京太郎「ちょ、ちょっと待てよ和、優希も落ち着けって。考え直した方がいいんじゃないか?」

和「なんですか? 須賀くんは私達が負けると思ってるんですか?」ギロッ

優希「なぬ! キサマどっちの味方だー!」ガルル

京太郎「そういうつもりじゃないけど……仮にも相手はインターハイチャンピオンだぞ?」

照「元チャンピオン」

京太郎「あ、はい」

優希「相手が誰だろーと関係ないじぇ! なんたってこっちには現チャンピオンがいるんだからなっ!」グイッ

咲「わわっ、そんな風に言われると恥ずかしいよ……」テレテレ



京太郎「え?」

和「は?」

79 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 01:10:19.58 ID:vLgzWMUJo

咲「でも頑張ろうね優希ちゃん、京ちゃんをお姉ちゃんの家に泊まらせない為にも!」

優希「おおーっ、その意気だ咲ちゃん! 咲ちゃんが入れば百人力だじぇ!」

京太郎「……咲、お前なに言ってんだ?」

咲「え?」

和「ゆーきも気付いてないんですか……?」

優希「じょ?」





照「咲。私の家は咲の家。京ちゃんが私の家に泊まるということは、咲の家に泊まるということ」





咲「えっ」

優希「あっ」

京太郎「……」

和「……」

85 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 01:20:30.56 ID:vLgzWMUJo

照「……」

和「……」

京太郎「……」

咲「…………………………」

優希「さ、咲ちゃん……?」






























                  /        /              \
                 /   /    /  /   |   |       ヽ
               /   /    /-/=/.,,_ /  /   :|  ',      ヽ
\                 /   /   //  / / / /|ヾ/|    ||  l       ∧   「和ちゃん、優希ちゃん!」
  \            /    l   //| /|/ / / / / /   /:| _|  :|  ヽ  ヘ
    \       /イ   |  // |.z===/ // /   /:: |⌒ト、、| :|  |   ',
      \     | |/ ィ|  :ト|彡'´彡三ミヾ:::::::/   /:::: | /|  :ト、!  |    l
        ̄⌒>ーァ | |/ /!  | ||  / ⌒ヾ}} ::     // /_ | /|   /     :|  「麻雀って楽しいよね!」
\   \  \/  / // {  |  |::::  | ヾ_ノノ /_/::::''≧三 /// / /ト、   :|
  \   ヽ  l  / /./  V  \|   ヾ 彡'´  ̄...........  / '⌒ヾ;ヾ.// /./ ! \  :l
   \  ヽ  {  | |l   \_{ ヽ..:::::::....  ...:::::::::::::::::::.. |ヾ、_ ノ} }}/. / |    ヽ :|
    ヽ  \}  | |l     |八            ,:::: ゝミ 彡' 〃//  l      ヽ  「一緒に楽しもうよ!」
     ヽ  {  | |l            r─- ._     .::::::..  ー‐ '´   j
      \ ヾ  l | !        ヽ     |     })         /ノ从  /
        \ `ミ, ', ヾ 、      :| ヽ   ヽ.__ /      人   |ハ/ 
         \`、|ヽヾ 、    :|   \          _,. < /\ 
           V |  \     ト    >  -‐ ' ´   彡'  {

優希「咲ちゃああああああああああんっ!!?」

和「くっ……それでも勝ちます!」

照「じゃあ始めようか」

京太郎「おお、もう……」

88 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 01:26:21.88 ID:vLgzWMUJo

……
…………
………………

~旧校舎前~

京太郎「………………」

照「京ちゃん、早く帰ろう」

咲「そうだよ! 和ちゃんがボロ泣きした優希ちゃんを家に送ってる間に早く帰ろう京ちゃん!」

京太郎「お前ら人間じゃねえ」

91 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 01:36:16.97 ID:vLgzWMUJo

京太郎「……はあ。和と優希には悪いけど、こうなった以上もう帰るしかねえか」

照「泊まりに来てくれるの?」

京太郎「そうしなきゃ、今度は照さんが俺の家に泊まりに来そうですからね」

照「……その発想はなかった」

京太郎「おい」

照「でも言質は取った。今日はうちでお泊り」

京太郎「分かりましたよ……もう観念します。行きましょう」

照「うん」

咲「うんっ」



照「(旧校舎に戻ろうとする)」

咲「(歩き出して一歩目でコケる)」



京太郎「おい」

95 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 01:47:45.05 ID:vLgzWMUJo

照「私は方向音痴ではありません」

京太郎「いいから戻って来てください」

咲「コケてないよ!」

京太郎「せめて起き上がってから言えポンコツ」

照「京ちゃん冷たい……」

京太郎「んなことないですって。ほら手」スッ

照「ん」

ギュッ

咲「!?」

照「……本当だ、あったかい」

京太郎「でしょ? しっかり握っててくださいね」

照「分かった」ギュー

京太郎「(握力よえー)」

100 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 02:10:37.64 ID:vLgzWMUJo

咲「きょ、京ちゃん! ななななんでお姉ちゃんと手を繋いでるの!?」

京太郎「あーこれな。お前と同じで迷子になるからだよ」

咲「ならないよ!」

照「ならない」

京太郎「……じゃあ離します?」

照「」ギュー

京太郎「ですよねー」

咲「う、ぅうーっ……」

ギュッ

京太郎「お?」

咲「お、お姉ちゃんだけじゃバランス悪いよね! だから私も繋いであげる!」

京太郎「お前は何を言っているんだ」

咲「いいから帰ろっ!」

京太郎「はいはい」

照「待って」

京太郎「はい?」

照「帰る前に寄る場所がある」

京太郎「用事ですか。いいっすよ、どちらへ?」

照「それは――」

102 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 02:20:49.07 ID:vLgzWMUJo

……
…………
………………

~スーパー~

咲「」トテトテ

京太郎「買い物ですか」

照「うん」

京太郎「あ、カゴ持ちますよ」サッ

照「ありがとう」

京太郎「夕飯の材料を買うんですよね?」

照「そのつもり」

京太郎「メモは失くしてませんか? お金足ります? 分からないことはお店の人に聞いてくださいね?」

照「はじめてのおつかいじゃない」

107 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 02:34:32.53 ID:vLgzWMUJo

京太郎「いやぁ、つい心配で」

照「子供扱いしないで。今日だって私が夕飯作るのに」

京太郎「……………………………………………………えっ?」

照「怒るよ?」ギュルッ

京太郎「ごめんなさい勘弁して下さい」フカブカーッ

照「あんまり調子に乗ると晩ごはん抜きだから」

京太郎「そ、それは本当に困ります!」アセッ

照「そうだよね。お腹すくもんね」

京太郎「いやそれもありますけど……」

照「?」

京太郎「せっかく照さんの手料理が食べられるチャンスなのに、逃すなんて勿体無いじゃないですか」

照「……」

京太郎「照さん?」

照「今夜はハンバーグ」

京太郎「わぁい」

112 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 02:56:20.74 ID:vLgzWMUJo

テクテクテク...

京太郎「それにしても、照さんが料理かぁ」

照「また……」プクー

京太郎「すんません、でもほんと意外で」

照「東京ではお母さんと二人暮らしだから、家事は当番制」

京太郎「あー」

照「花嫁修業と称して私の方が分担多かった……」

京太郎「あぁー……」

照「でも、おかげで大体のことは一人で出来る」

京太郎「そりゃ凄い」

照「お嫁にだっていつでも行ける」

京太郎「行く予定は?」

照「ないけど……」

京太郎「ですよねー」

113 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 03:17:29.86 ID:vLgzWMUJo

テクテクテク...

照「玉ねぎ」スッ

京太郎「はい」サッ

照「にんじん」スッ

京太郎「よっと」サッ

照「エリンギ、しめじ、えのき……」スッスッスッ

京太郎「おお……本当に淀みない手つきだ」サササッ

照「次はホールトマトかな」

京太郎「んじゃ缶詰コーナーですね、行きましょう」

照「……」ピタッ

京太郎「どうかしました?」

照「……こうして、手を繋いで」

京太郎「はい」

照「私が食材を選んで、京ちゃんがカゴに入れて」

京太郎「照さん?」

照「………………新婚さん?」

京太郎「何故に疑問形ですか」

照「実物を見たことがないし、実感が湧かない」

京太郎「そりゃ実際に新婚さんじゃないですし……」

照「そういうものかな」

116 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 03:39:24.35 ID:vLgzWMUJo

テクテクテク...

京太郎「さて、これで大体揃いましたかね」

照「まだ一番大事なものを買ってない」

京太郎「え? なんか残ってましたっけ」

照「おかし」

京太郎「却下です」

照「お☆か☆し」

京太郎「ダメですってば」

照「どうして……」

京太郎「いやなんか夕飯前に食べる気満々っぽかったんで」

照「そんなことしない」

京太郎「本当ですか?」

照「私は方向音痴ではありません」

京太郎「嘘つくのヘタ過ぎだろ」

117 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 03:55:26.04 ID:vLgzWMUJo

照「おかし……」

京太郎「今から食べると夕飯が入らなくなりますよ?」

照「我慢するから。明日の分だから」

京太郎「じゃあ明日買えばいいじゃないですか」

照「京ちゃんの意地悪……」

京太郎「照さんの為を思って言ってるんです」

照「そんな綺麗事は白糸台で聞き飽きた」

京太郎「学校でも同じことやってんですか」

照「そして私は学んだ。折れたら負けだと」

京太郎「間違った方向に突き抜けちゃったんですね、分かります」

照「私には覚悟がある。この場で転げ回って駄々をこねる覚悟が」

京太郎「パンツ見えますよ」

照「……」

京太郎「……」



照「……京ちゃんのえっち……」モジッ

京太郎「オレェ?」

118 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 04:12:40.07 ID:vLgzWMUJo

照「京ちゃんに辱められた……」

京太郎「いやいやいや」

照「この心の傷はおかしじゃないと癒せない……」

京太郎「結局それですか」

照「おかし……」チラッチラッ

京太郎「……はあ……分かりましたよ。許可します。ていうか奢ります」

照「本当に?」

京太郎「夕飯ご馳走になる訳ですしね。これくらい構いませんよ」

照「ありがとう京ちゃん。そしてさようなら京ちゃんの財布」

京太郎「ちょっと何を勝手に人の財布に別れ告げてるんですかやめてくださいよ」

照「これとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれと」

京太郎「財布うううううううううううううううううううう!!!」

120 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2013/08/11(日) 04:30:49.69 ID:vLgzWMUJo [18/19]

照「これとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれと……あとこれ」ドサッッッ

京太郎「」ズシッッッ

照「本当にありがとう京ちゃん。京ちゃんにも分けてあげるね」

京太郎「……ドーモ、テル=サン」

照「これで買い物は終わり」

京太郎「そうですか……買い忘れはありませんね?」

照「そのはず。パン粉は家に残ってたし」

京太郎「じゃあ精算して帰りましょっか」

照「うん。帰ろう」



「「咲を探してから」」



ピンポンパンポーン♪

『ご来店中のお客様に迷子のお知らせをいたします。
 清澄高校の制服を着た宮永咲ちゃんをサービスカウンターでお預かりしています。
 お心当たりの方はレジの傍にありますサービスカウンターまでお越しください。繰り返します――』



「「あ」」

【TO BE CONTINUED...?】
最終更新:2013年10月16日 00:31