904 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:20:20.38 ID:Pxhw7IwEo
ブロロロロ...
京太郎「ん……」
京太郎「(なんだ、この音……)」
京太郎「(車のエンジン音……?)」
京太郎「(……どうして……)」
京太郎「(俺は自分の部屋で寝てた筈なのに……)」
京太郎「う……っ!?」モゾッ
京太郎「(身動きが取れない……!)」
京太郎「(視界も塞がってるし……)」
京太郎「(金縛り……じゃないよな)」
京太郎「(どちらかと言えば……そう……まるで、拉致)」ゾクッ
シュルッ
京太郎「!」
京太郎「(拘束が緩められた!?)」
シュルッ
京太郎「(目隠しも……一体、誰が……?)」
908 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:25:12.67 ID:Pxhw7IwEo
パチッ
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j 「おはよう、京ちゃん」
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ |
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
京太郎「ファッッッ!!?」
915 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:40:27.66 ID:Pxhw7IwEo
照「みすず飴おいしい」モグモグ
京太郎「て、てて、てっ……照さん!?」
照「うん。久しぶり京ちゃん」
京太郎「あ、はい。どうもお久しぶりです……」
照「」モグモグ
京太郎「……」
照「」モグモグ
京太郎「……」
照「」モグモグ
京太郎「……」
照「玉だれ杏おいしい」モグモグ
京太郎「説明する気ゼロかよ!!」
918 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:59:58.66 ID:Pxhw7IwEo
照「?」キョトン
京太郎「あっ……だめだこれ、そもそも説明する必要を感じていない者の顔だ」
照「その通り。さすが京ちゃん、よく分かってる(照だけに)」
京太郎「お褒めにあずかり光栄です。……それで照さん」
照「なに?」
京太郎「あなた、照さんですよね? 宮永照さん」
照「そうだよ」
京太郎「で、ここは……車の中ですよね」
照「そうだけど」
京太郎「………………あの運転席と助手席に座ってる屈強な方々はどちら様ですか?」
照「京ちゃんの誘拐を手伝ってもらった辻垣内組の人達。二人ともハイエース検定準1級」
京太郎「やっぱり誘拐されてたよ俺!!!」
927 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 22:25:46.87 ID:Pxhw7IwEo
「おっ、やっと目ェ覚ましたのか坊主!」
「この状況で高イビキたァ大した野郎だな!」
照「それだけ完璧な手際だった。どうもありがとう」ペッコリン
「気にせんでください。お嬢のお友達に力を貸すのは当然のことでさァ」
照「智葉にもよろしく言っておいて」
京太郎「ちょ、ちょっと待ってください!」
照「どうしたの京ちゃん?」
京太郎「いや、なんか暢気に世間話してますけど……え、誘拐されたんですよね俺!?」
照「そういうことになる」
京太郎「照さんは誘拐した側の人間なんですよね!?」
照「そういうことになる」
京太郎「一体どうやったんですか!? 部屋で寝てた筈なんですけど!」
照「チャイムを鳴らして玄関から入って、京ちゃんのお母さんに許可を貰って運び出した」
京太郎「まさかの親公認!!」
929 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 23:08:14.04 ID:Pxhw7IwEo
照「あれは今朝のこと……」
………………
…………
……
ピーンポーン♪
照「ごめんください、どなたかいらっしゃいませんか?」
「はーい。どちら様?」
照「朝早くにすみません。私、宮永照と申します」
「宮永? それにそのホーン、あなたもしかして……」
照「いつも妹がお世話になっています」ペッコリン
「まあまあ! こちらこそ息子が迷惑ばかり掛けて」ペッコリン
照「迷惑だなんて。京太郎くんには姉妹揃って助けられてますから」
「そう? もう京太郎とも知り合いなのね」
照「はい。実は、今日は京太郎くんと出かける約束をしていたのですけど……」
「あらっ。こんな美人さんを待たせるなんて酷い男ね。すぐに起こしてくるから、リビングで待っててもらえる?」
照「あの……差し出がましいようですが、私が起こしに行ってもいいでしょうか?」
「そんな、悪いわ。本当にいいの?」
照「もちろんです」
「じゃあお願いしようかしら。後でお茶持って行くから、ゆっくりしていってね」
照「ありがとうございます。でもすぐにお暇しますのでお気遣いなく」ニッコリ
……
…………
………………
照「こんなことが」
京太郎「誰これ」
932 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 23:33:25.00 ID:Pxhw7IwEo
照「そんなこんなで京ちゃんを誘拐した。方法や過程なぞどうでもよいのだ」
京太郎「よくないのだ!」
照「京ちゃんは」
京太郎「え?」
照「京ちゃんは、私と一緒にいるの……嫌?」
京太郎「え、いや、」
照「嫌なの?」
京太郎「違っ、これはそっちのイヤじゃなくて!」ワタワタ
照「……」ジー
京太郎「っ………………嫌じゃ、ないです」
照「……そう」
ポスッ
京太郎「!」
照「私も嫌じゃない」
京太郎「そりゃあ、照さんから会いに来たんですから……」
照「うん。本当に会いたかった、京ちゃん」ギュッ
936 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 23:58:54.19 ID:Pxhw7IwEo
京太郎「……っ」
照「抱き締めてくれないの?」
京太郎「だ、だからこーゆーのは恋人同士ですることでして」
照「私は京ちゃんのこと好きなのに」
京太郎「ぐっ」
照「好き好き大好き」スリスリ
京太郎「~~~っ……て、照さん!」グイッ
照「あ」
京太郎「トークしましょう、トーク! 顔うずめられたら話にくいですから!」
照「ん……そうだね、確かに息苦しかった」
京太郎「」ホッ
照「栗かの子おいしい」モグモグ
937 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 00:21:11.89 ID:us1FKdoDo
京太郎「えーっと……会うの、二ヶ月ぶりでしたっけ」
照「うん。寂しかった」
京太郎「連絡先交換するの忘れてましたもんね」
照「実家に電話したけど咲が取り合ってくれなくて……」
京太郎「そうなんですか?」
照「私が何を言っても「人違いです」の一点張りだった」
京太郎「ガチで掛け間違えてませんかそれ」
照「え……どうしよう」
京太郎「今度から気を付けましょうとしか……」
照「恥ずかしい……咲だと思ってすごく感情的になってしまった」
京太郎「照さんが? なんか意外ですね」
照「ついカッとなって、「お前の母ちゃんデベソ!」って」
京太郎「同じ血を分けた姉妹じゃあないですか」
照「後ろで聞いてたお母さんにすごく怒られた……」テルーン
941 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 00:44:03.15 ID:us1FKdoDo
京太郎「ところで照さん」
照「どうしたの京ちゃん」
京太郎「話が戻りますけど、ここ車の中ですよね」
照「うん」
京太郎「どうして窓から外が見えないようになってるんですか?」
照「それは京ちゃんを不安にさせない為だよ」
京太郎「逆に不安なんですけど……じゃあ、俺を縛ってたのは?」
照「それは京ちゃんが暴れないようにする為だよ」
京太郎「抵抗も織り込み済みだったんですか……本当に誘拐なんですね、これ」
照「うん」
京太郎「まだ実感が湧きません」
照「じき慣れるから」
京太郎「むしろ既に慣れてしまっているような……それで、最後の質問なんですけど」
照「なに京ちゃん」
京太郎「この車ってどこに向かってるんですか?」
照「東京」
京太郎「は?」
照「白糸台高校」
京太郎「は?」
照「柿羊羹おいしい」モグモグ
934 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 21:27:31.42 ID:outZB5sbo
~白糸台高校~
京太郎「本当に来ちゃったよ……」
照「京ちゃん、こっち」カモンカモン
京太郎「あ、はい」
照「迷子にならないよう気を付けて」
京太郎「照さんが言いますか」
照「私は方向音痴ではありません」
京太郎「よっ、待ってました十八番!」ヒューヒュー
照「持ちネタでもない」
京太郎「ところで照さん」
照「どうしたの京ちゃん」
京太郎「廊下の壁と窓を埋め尽くす勢いで貼りつけられてる無数の大きな矢印はなんですか?」
照「麻雀部への道しるべ」
京太郎「照さん用ですよね?」
照「……」
京太郎「……」
照「手つなご」ギュッ
京太郎「唐突!」ドキッ
936 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 21:43:43.49 ID:outZB5sbo
テクテクテク...ピタッ
照「着いた」
京太郎「着きましたね」
照「着いたでしょ」ムフー
京太郎「学校の敷地中を練り歩いた末にですけどね……」
照「着けばよかろうなのだ」
京太郎「よかねーよ! ウォークラリーか何かかと思ったわ!!」
照「私はお散歩みたいで楽しかった」
京太郎「え?」
照「京ちゃんと初めて会った時を思い出して、すごく楽しかった」
京太郎「………………まあ、俺も楽しかったですよ」
照「よかった」ニコ
939 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 22:15:55.16 ID:outZB5sbo
照「じゃあ私が先に入るから、合図があるまで決して中を覗かないでください」
京太郎「鶴の恩返しかよ」
照「いい子で待っててね」ガチャッ
京太郎「あ、ちょっ――」
バタン
照「ただいま」テルーン
淡「あー! テルー!」
誠子「え!? わ、ホントだ!」
尭深「お帰りなさい……」
照「久しぶり淡。誠子と尭深も」
淡「ほんとだよー! 急にいなくなるから心配したんだからね!」
尭深「今回は長かったですね……」
誠子「そろそろ三日ルールで捜索願を出すところだったんですよ?」
キャッキャッ
京太郎@聞き耳「三秒ルールみたいな制度が出来る頻度で失踪してんのか……」
941 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 22:29:05.69 ID:outZB5sbo
菫「……おい」
照「あ、ただいま菫」
菫「ずいぶん暢気な第一声だな……」ワナワナ
照「……? そうだ、これおみやげ」スッ
菫「おい」
淡「えっおみやげ!? やったー!」
ゴソゴソ
淡「ほとんど空じゃん! やだーーーーーーーーーー!!」
照「ごめん、帰り道で食べちゃった」テルーン
菫「オイ!!」
照「菫、声が大きい」
菫「誰のせいだと……! 人がどれだけ心配したと思ってるんだ!!」
照「だから謝ったのに」
菫「それは土産の件だろうが! 大体、今までどこをほっつき歩いてたんだ!」
照「長野」
菫「は?」
照「長野から彼氏連れてきた」
菫「」
946 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23:06:42.35 ID:outZB5sbo
淡「」ポカーン
誠子「」ポカーン
尭深「」ポカーン
照「長野から彼氏連れてきた」
淡「いや聞こえなかったわけじゃないよ!」
照「?」テルーン
誠子「宮永先輩……そんな売店でお菓子買ってきたみたいなノリで言われましても」
尭深「リアクションに困ります……」
淡「まったくもって!」
照「私は事実を言ったまで」
菫「ふ――ざけるな!!」ドカーン
淡「あわっ!?」ビクッ
照「菫、だから声が大きい」
菫「お前が馬鹿げたことを言うからだろうが!」
照「馬鹿げてなんかない。今証拠を見せる」
菫「証拠だと……?」
照「」スッ
ペソッ
菫「……」
照「……」
ペソッ ペソッ
菫「……何をやっているんだ?」
照「指パッチン出来ないの忘れてた……」
950 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23:39:12.99 ID:outZB5sbo
淡「私出来るよー!」パチンッ
誠子「私も、まあ」パチンッ
尭深「私も……」パチンッ
照「た、尭深まで」ガーン
菫「ちなみに私は両手で出来るぞ。なんの自慢にもならんがな」パチンッ パチンッ
照「ちくしょう……ちくしょう……」ウググ
淡「あわ、テルーかわいそー」
菫「放っておけ。自業自得だ」
尭深「でも、どうして急に彼氏なんて……」
誠子「この前のこと気にしてたのかな?」
菫「なんだっていい、とにかく今度は逃げないよう厳重に監視を――」
ガチャッ
菫「――ん?」
,. --- 、 ____
/, ´ ̄ ̄` '⌒´ \
、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
, / ̄-/ /' { | | | :
/ __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | |
.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{ 「あのー、照さん? そろそろ入ってきてもいいですか……?」
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: /
///////// / }>、 ` イ |从
,'//////// / _ /--、l ` ̄ :, |--、
.///////// / イ/////\ {////} / 「///|
'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、
菫「!!?!?!!!??!?!?!!???!」ズキューン
956 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/18(火) 00:16:21.32 ID:puRMNJLZo
照「京ちゃん……」パァァ
誠子「きょ、京ちゃん!?」
尭深「宮永先輩がそんな風に呼ぶ人、はじめて見た……」
京太郎「すみません照さん、合図を待てなくて。つーか元々合図とか決めてませんよね」
照「大丈夫。一番いいタイミングで来てくれた」
京太郎「そうなんですか?」
照「やっぱり京ちゃんは頼りになるね」ニコ
誠子「わ、笑った!?」
尭深「宮永先輩があんな風に笑うの、はじめて見た……」
菫「――」
照「菫」
菫「ハッ!? て、照……」
照「みんなも、紹介するね」
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j 「須賀京太郎くん。私の彼氏」
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ |
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ \ : :!丶  ̄ Vイ:ハ |\:i
.: : 丶 \゙、 `> リ ` 「!?」
ヽ: : :`┬ 、 ヾ /
i: ;ィノ U ,....-ィ /
,,:‐レリ _  ̄ /
゛=!_ \ `ー-、_ _/
::::::゛== 、 \ / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、 >
960 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/03/18(火) 00:33:05.17 ID:puRMNJLZo
誠子「」ポカーン
尭深「」ポカーン
菫「」ズガーン
京太郎「ちょ……ちょっと照さん!」ヒソッ
照「なに?」
京太郎「こっちの台詞ですよ! 恋人ってなんすか!?」ヒソヒソ
照「いいから私に話を合わせて」
京太郎「いや、いいからって……」
照「いいから。今だけでも、フリだけでも恋人になって」
京太郎「照さん……?」
誠子「……おったまげたな!」
尭深「うん……今年最大のヒットかも……」
誠子「だよね。大星も驚きのあまりさっきから静かだよ」
尭深「そういえば……淡ちゃん大丈夫?」
淡「――」
照「淡?」
淡「き」
京太郎「き?」
淡「金髪だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!?」
京太郎「お前もな!!?」
920 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/02(水) 22:06:49.78 ID:LuJ0Ixifo
淡「ダメだよテルー、金髪なんてやめた方がいいよ!」
照「どうして?」
淡「決まってるじゃん(テルだけに)! 金髪はバカで不真面目で空気が読めないからだよ!」
京太郎「初対面だから確証はないんだけど、多分それブーメランじゃね?」
照「淡。それ以上京ちゃんを悪く言ったら……」ゴッ
淡「ひっ……い、言ったら?」
照「……」
淡「……」
照「勉強」
淡「あー!」
照「勉強し」
淡「ぎにゃー!」
照「ベキョ」
淡「へうっ」
京太郎「なにこれ」
923 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/02(水) 22:38:25.28 ID:LuJ0Ixifo
照「阻止される前に勉強しろって言うゲーム」
京太郎「楽しいですか?」
照「割と」
淡「ムキー! 私は楽しくない!!」
誠子「まあまあ、落ち着きなって大星」
尭深「お茶でも飲んで……」
淡「ぶ~」ズズー
照「そうだ、チームメイトを紹介するね」
京太郎「あー、お願いします」
照「そっちの二人が誠子と尭深。二年生」
誠子「亦野誠子です。よろしく……宮永先輩の、彼氏さん?」
尭深「渋谷尭深……です。よろしくお願いします……」
京太郎「お先にご紹介に預かりました須賀京太郎です。一年なんで、もっと砕けた感じで構いませんよ」
誠子「一年!? じゃあ宮永先輩とは二つ違いなんだ……」
尭深「ますます意外……」ズズッ
924 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/02(水) 23:39:53.38 ID:LuJ0Ixifo
照「それで、こっちで拗ねてるのが淡。京ちゃんと同い年だよ」
淡「ふんっ! アンタみたいな男にお父さんと呼ばれる筋合いはないんだから!」
京太郎「呼ぶ筋合いもないんだけど」
照「最後に、あっちで固まってるのが菫。私と同じ三年生」
菫「……はっ!?」ビクッ
尭深「あ、復活……」
菫「ひッ、ひろしぇしゅみれだにゃ!///」
誠子「ありえないくらい噛んだ!?」
淡「菫先輩、「にゃ」ってどこから持ってきたの……?」ヒクワー
京太郎「えーと……須賀京太郎です。どうぞよろし――待てよ?」
照「どうしたの京ちゃん?」
京太郎「いや、今の二人の名前になんか聞き覚えが……」
照「淡と菫に?」
京太郎「淡……菫……ええ、間違いなくどこかで………………あっ!」
菫「ん?」
淡「へ?」
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :. 「例(※)のパンツが可愛い方と、セクシーな方の二人ですね!」
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{ ※...【てるてる日和4】参照
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
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「「!!?///」」
946 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/03(木) 21:55:19.15 ID:60OrRFwio
誠子「」
尭深「」
照「………………」
京太郎「あれ? 皆さんどうかしました?」
淡「なっ……なな、な、なぁっ///」プルプル
京太郎「な?」
淡「なんで知ってんの!?///」ズイッ
京太郎「うおっ!?」ビクッ
淡「ねえなんでなんでなんで!? もしかして見たの!? いつ!? 似合ってた!?///」
尭深「淡ちゃん落ち着いて……すごいこと訊いてるよ」
菫「ま、まさか透視……!? 彼には私のすべてが見えているとでもいうのか……!///」
誠子「弘世先輩も取り乱しすぎですってば!」
京太郎「……?」パチクリ
照「……京ちゃん」
京太郎「あ、はい?」
照「今日のは菫とお揃い」
京太郎「!?」
菫「!!?」
949 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/03(木) 22:19:26.74 ID:60OrRFwio
照「つまり私が下着を見せれば菫が見せたも同然……」ススス...
菫「や、やめろぉ!!///」ビビクンッ
京太郎「スカートから手を離してください!!」
淡「そうだよテルー! お嫁にいけなくなっちゃうよ!」
照「大丈夫。京ちゃんに貰ってもらうから」
菫「結婚を前提としたお付き合いなのか!?」
照「それに、下着姿なら前に一度見せてるし……」ポッ
淡「あわっ!?」
京太郎「いっ!?」
尭深「あ、今の二人の声を繋げると「あわい」になりますね……」
誠子「いや今そこはどうでもいいから! 宮永先輩、それ本当ですか!?」
照「本当。秋に長野に帰った時に」
京太郎「て、照さん? 人前でそういう話は――」
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j 「京ちゃんの赤ちゃんが欲しくて」
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ |
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/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
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\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
京太郎「照さああああああああああんっ!!」
淡「テルーーーーーーーーーーーーーーー!!」
菫「照うううううわあああああああああああああああ!!」
953 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/03(木) 22:52:34.13 ID:60OrRFwio
誠子「あ、赤ちゃん!?」
尭深「種まき……」
照「でもダメだった。お母さんにガセネタ掴まされてた」
淡「え、ガセ?」
菫「どういうことだ照!」
照「エッチな格好で京ちゃんに抱き付けば赤ちゃんが出来るってお母さん言ってたのに、何も起きなかった」
菫「」
尭深「」
誠子「」
淡「」
京太郎「……」
照「……? エッチな格好で京ちゃ」
京太郎「照さん、聞こえなかった訳じゃないと思います」
照「?」テルーン
958 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/03(木) 23:17:46.97 ID:60OrRFwio
淡「テル、ちょっと」
照「なに?」
菫「いいから来い」
尭深「お勉強タイムです……」
誠子「ごめんね彼氏くん、宮永先輩借りるね」
京太郎「へ、あ、はい……はい?」
照「あーれー」ズルズル...
バタン
京太郎「行っちまった……部室に部外者一人って……」
……
…………
………………
京太郎「照さん遅いな……」ソワソワ
ガチャ
京太郎「!」
照「きょ、京ちゃん……///」カァー
京太郎「!?」
965 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/03(木) 23:50:00.47 ID:60OrRFwio
照「うぅ……///」モジモジ
京太郎「て、照さん? 顔赤いですよ、大丈――」スッ
照「だ、だめっ!」パシッ
京太郎「!?」
照「あ……ご、ごめん、なさい……///」
京太郎「い、いえ……」
京太郎「(……どういうことだ……?)」
京太郎「(照さんが、あの照さんが)」
京太郎「(顔を赤らめて俺に触られるのを拒むなんて)」
京太郎「(一体、どういうことなんだ――)」
菫「まさか同い年に性教育をする羽目になるとは……」
誠子「私と尭深なんて年上にですよ……何故か尭深はノリノリでしたけど」
淡「ま、まーあー? 淡ちゃんは高校100年生だし知ってたけどねっ!」
尭深「おしべとめしべの花びら大回転」ボソッ
淡「あわぁっ!?///」ボッ
京太郎「(――こういうことかよ!!)」
971 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/04(金) 00:33:52.40 ID:VKpq6cDpo
照「あの、京ちゃんっ」
京太郎「!」
照「あの……その……」
照「わ、私、えっと……」
照「京ちゃんに、あんなこと……///」プシューッ
京太郎「(やべえ、照さん超かわいい)」
照「ごめんね、そういうつもりじゃなかったんだけど……」プスプス
照「あ、ちが、そういうつもりではあったんだけど……」プスンッ
照「でも、京ちゃんとそういうことをするとかしたいとか、そういう……そう、いう……///」ピーガガガ...
京太郎「……ん!? 照さん煙! 頭から煙出てますよ!?」
照「あぅうぅぅ……///」モクモク
菫「いかん! 亦野、消火器!」
誠子「はい!」
菫「尭深は氷の用意!」
尭深「はい……」
淡「私は!?」
菫「電池をありったけ持ってこい!」
京太郎「なにこのチームワーク!? そして何故電池!?」
973 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/04(金) 01:00:18.75 ID:VKpq6cDpo
……
…………
………………
~宮永家~
照「はっ」パチッ
ムクリ
照「ここは……私の家……?」
照「部室にいたはずなのに……」
照「なのに家……部室じゃない……」
照「……」ピーガー
照「!」ピコーン
照「なんてことだ、ここは地球だったのか」テルーン
京太郎「……いやまあ、地球の上には違いありませんけど」
照「ひやあ」ビクー
京太郎「驚き方ヘタっすね!?」
975 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/04(金) 01:33:15.37 ID:VKpq6cDpo
照「京ちゃん……どうして私の家に」
京太郎「あー、やっぱり覚えてないんすね」
照「?」
京太郎「照さん、部室で倒れたんですよ」
照「あ」
京太郎「それで下着がセクシーな方……弘世さんでしたっけ? あの人に合鍵を借りて家まで運ばせてもらいました」
照「あー」
京太郎「流石に無断で部屋には入れなかったのでリビングのソファですけど……」ペッコリン
照「別によかったのに……でも、ありがとう」ペッコリン
京太郎「いえいえ。じゃあ俺は帰りますね」
照「どこに?」
京太郎「どこって家に……ってここ東京じゃねーか!?」
照「東京だよ」
京太郎「なんてことだ、ここは地球だったのか……」ガクッ
照「地球だよ」
978 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/04(金) 01:49:43.56 ID:VKpq6cDpo
京太郎「自分が誘拐されてたのすっかり忘れてました……」
照「うん。……どうする?」
京太郎「へ? どうするって……」
照「泊まってく?」
京太郎「な゛っ!?」
照「……」ジー
京太郎「と、泊まりって泊まりって泊まりって……泊まりっすか!?」
照「だめ?」
京太郎「流石にマズいかと……ほら、親御さんの許可とか」
照「それなら大丈夫」
京太郎「え、貰ってるんですか?」
照「お母さん、しばらく帰ってこないから」
京太郎「また大丈夫じゃないパターンだああああああああああ!!!」
765 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 14:39:47.17 ID:Sf4vN21Ro
照「へっ、さけんでもだれもきやしねえよ」
京太郎「急に三下っぽい口調に!?」
照「ぐへへ」
京太郎「ぐへへとか言わないでくださいよ……折角の美人が台無しじゃないですか」
照「っ……不意打ちはずるい」
京太郎「え? なんですか?(難聴)」
照「……なんでもない。それより泊まらないの?」
京太郎「泊まりませんよ! っていうか泊まれません!」
照「家に帰れないのに?」
京太郎「ぐっ」
照「お金も持ってないし、私以外に知り合いもいないのに?」
京太郎「うぐぐ……」
照「うちならご飯も食べさせてあげられるし、お風呂もベッドもある」
京太郎「でっ……でも、俺は――!」
照「京ちゃんが出て行ったら私も後を追う」
京太郎「すんません泊まります勘弁してください」
766 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 15:12:33.05 ID:Sf4vN21Ro
……
…………
………………
照「おまたせ」コトッ
京太郎「おお……!」
照「買い物に行く時間がなくて簡単になっちゃったけど……」
京太郎「全然問題ないです! 照さんの手料理好きですから!」
照「よかった」
京太郎「んじゃ、いただきます!」
照「うん。召し上がれ京ちゃん」
モグモグ
照「味はどう?」
京太郎「やっぱ美味いっす。ギャップ込みで余計に」
照「まだ言うの」プクー
京太郎「冗談ですって。花嫁修業でしたっけ? ばっちり成果出てるじゃないですか」
照「じゃあいいお嫁さんになれるかな」
京太郎「なれますよ!」
照「京ちゃんの」
京太郎「そのような意図で申し上げたのではない」
769 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 15:52:56.55 ID:Sf4vN21Ro
パクパク
京太郎「ところで照さん」
照「どうしたの京ちゃん」
京太郎「昼間のはなんだったんですか」
照「昼間って?」
京太郎「ほら、俺のことを彼氏だって紹介した……」
照「あー」
京太郎「説明してもらっても?」
照「いいとも」
京太郎「じゃあお願いします」
照「あれは二学期も終わりに近付いていた頃のこと。淡の発案でがぁるずとぉくをしていた」
京太郎「がぁるずとぉく……」
照「がぁるずとぉく」
773 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 16:18:31.71 ID:Sf4vN21Ro
………………
…………
……
淡「やっぱ女子会と言ったら恋バナだよねっ!」
誠子「鯉?」
照「バナナ?」
淡「女子力たったの5め! 失せなっ!」クワッ
尭深「まあまあ……」
菫「お前が言い出しっぺなんだから、投げ出さずにちゃんと進行しろ」
淡「うー、恋バナってのはもっとキャッキャ言いながらするものなのに……」
照「ああ……もしかして恋バナって恋愛の話のこと?」
淡「このタイミングで!? でもそうだよテルー、よく分かりました!」
照「任せて」フフン
菫「何を威張っているんだか……意味が分かったところで照に色恋なんて無縁だろうに」
照「むっ……そんなことはない。私にだって好きな人くらいいる」
淡「えっ!?」
尭深「いるんですか……?」
照「ていうか彼氏」
誠子「彼氏!?」
菫「ば、馬鹿馬鹿しい。だったら私達の前に連れてきてみろ。その彼氏とやらが実在するならな」
照「いいでしょう。明日またここに来てください、本当の彼氏を見せてやりますよ」
……
…………
………………
775 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 16:50:18.61 ID:Sf4vN21Ro
照「ということがあった」
京太郎「嘘ついてんじゃねーよ!!」
照「嘘じゃない。私は京ちゃんが好き」
京太郎「ッ……そこじゃなくて! 俺は照さんの彼氏じゃないですよね?」
照「非実在彼氏?」
京太郎「この際なんでもいいです。駄目じゃないですか、チームメイトに嘘なんて」
照「反省してる(照だけに)」
京太郎「……はあ。つまり? 弘世さん達に見せびらかす為に俺を誘拐したと」
照「うむ」
京太郎「なんで自慢気ですか」
照「京ちゃんは自慢の彼氏」
京太郎「彼氏じゃないっちゅーに!」
照「」カチャ
京太郎「え、なんですか照さん。なんでいきなり急須の蓋をズラしたんですか」
照「ふふ、これはお茶のおかわりをほしいのサインだよ」
京太郎「だからなんで突然!?」
782 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 17:18:51.08 ID:Sf4vN21Ro
コポコポ...
京太郎「流れで俺が注ぐことになった……別にいいけど」
照「お茶を注いでもらった時は指でテーブルをトントンと」トントン
京太郎「もういいですってば。それより照さん、違う話をしましょうか」
照「どんな話?」
京太郎「そうですねえ……あ、進路の話とか」
照「」ピクッ
京太郎「やっぱりプロですか? なにしろインターハイチャンピオンですもんね」
照「……」
京太郎「照さん?」
照「違う」
京太郎「へ?」
照「元、チャンピオン」
京太郎「え、ああ、そうでしたね」
照「ごちそうさま」ガタッ
京太郎「どこか行くんですか?」
照「お風呂掃除。準備が出来たら京ちゃんから入って」スタスタ
京太郎「あ……はい」
783 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 17:48:09.04 ID:Sf4vN21Ro
……
…………
………………
チャプン
京太郎「はぁぁぁ……生き返る」
京太郎「なんだかんだ長距離の移動で疲れてたんだなぁ……」
京太郎「……東京、か。最初は驚いたけど、冬休みの旅行と思えば案外楽しいかもな」
京太郎「それにしても照さん、なんか様子が変だったな」
京太郎「俺が進路の話をした辺りからか? 急に黙り始めて……」
コンコン
照「京ちゃん」
京太郎「うわっ、照さん!?」
照「お湯加減どう?」
京太郎「ああ、大丈夫ですよ。いい感じです」
照「よかった」モゾモゾ
京太郎「……あの、照さん?」
照「なに?」
京太郎「磨りガラス越しになんだかモゾモゾしてるのが見えるんですが………………何をしているのでしょうか」
照「脱いでる(照だけに)」
京太郎「」
794 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 21:05:07.70 ID:Sf4vN21Ro
照「待っててね、すぐ行くから」モゾモゾ
京太郎「(う……わ……)」
京太郎「(ガラス越しだと照さんの細さがハッキリ分かる……)」
京太郎「(その照さんが服を脱ごうと身体をくねらせるのが、なんか――)」
京太郎「――ハッ!? いやいやいや照さんストップ! 駄目ですって!!」
照「どうして?」
京太郎「言わなきゃ分かりませんかね!? 男と女が一緒の風呂に入るなんて非常識だからですよ!」
照「問題ない。私と京ちゃんは恋人同士」
京太郎「それは昼間の話でしょう!? もう恋人ごっこは終わったんですから!!」
照「ッ」
京太郎「だから冷静に、服を着て、居間で待っててください。ね?」
照「………………わかった。困らせてごめん」
スタスタ...
京太郎「……はあぁ……ったく、心臓に悪すぎるだろマジで……」ブクブク
795 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 21:32:36.14 ID:Sf4vN21Ro
……
…………
………………
京太郎「ふぅ……」ドサッ
京太郎「照さん、一体どうしちゃったんだ……?」
京太郎「風呂でサッパリしてくれればいいけど……」
ピーンポーン♪
京太郎「ん?」
ピーンポーン♪
京太郎「来客? こんな時間に珍しいな」
ピーンポーン♪ ピーンポーン♪
京太郎「照さん……は風呂だし、俺が出てもいいのかな……」
ピーンポーン♪ ピーンポピーンポーン♪
京太郎「……」
ピポピポピポピポピーン...ポーン♪
京太郎「だぁあうぜぇ!! どこのどいつだ!」
ドタドタドタ
ガチャッ
菫「や、やあ。昼ぶりだな……///」モジモジ
800 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 22:05:13.90 ID:Sf4vN21Ro
京太郎「弘世さん!? それに……」チラッ
淡「よっ! 元気か金髪!」ヒョコッ
京太郎「おめーも元気そうだな金髪」
淡「とーぜん! 淡ちゃんが元気じゃなかったら地球に氷河期が到来しちゃうから!」
京太郎「じゃあ地球温暖化の原因はお前かよ……」
菫「淡! 私達は雑談しに来たわけではないんだぞ!」
淡「それはこっちのセリフ! 菫先輩こそデレデレしてないでとっとと本題入ればー?」
菫「デレデレなどしていないにゃん!///」
淡「だから噛むなら「な」を噛みなよ!?」
菫「ぐッ……む、ん、おほんっ! あー……すまない、見苦しいところを」
京太郎「いえ……あの、それで本題って?」
菫「ああ。今日は照が迷惑を掛けたから、改めて礼を言いたくてな」
京太郎「それでわざわざ……なんかすんません」ペッコリン
菫「気にしないでくれ。大変だったろう? 恋人のフリなんて」
京太郎「いやぁ、まあ特に何かさせられた訳でもありませんし別に……」
京太郎「、――え?」
811 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 22:46:37.81 ID:Sf4vN21Ro
淡「デカ長! こいつやっぱりクロですぜ!」
菫「誰がデカ長だ……だが――やれやれ、シャープシュート成功といったところか」キリッ
京太郎「ぁ……な、え? バレ……」
菫「遠路遥々ご苦労だったな」
京太郎「い、いつからですか!?」
菫「最後まで確信はなかったさ。だからカマをかけた」
京太郎「なんでそこまで……」
菫「……さあ、なんでだろうな」
京太郎「弘世さん?」
菫「須賀くん。照と初めて会ったのはいつだ?」
京太郎「え? えっと、今年の秋……10月に入った頃ですかね」
菫「まだ知り合って日が浅いと」
京太郎「浅いどころか延べ日数なら今日で二日目です」
淡「二日目!?」
菫「東京と長野だ、そうなるだろうな……まったくあの馬鹿は」フゥ
814 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/29(火) 23:20:16.53 ID:Sf4vN21Ro
淡「会ったの二度目なのに東京まで来るとか……もしかしてテルのストーカー!?」ズザッ
京太郎「ちげえ! 俺は照さんに誘拐されたんだよ!」
淡「なにそれこわい!」
菫「淡。退屈なら道端で一人だるまさんがころんだでもやってろ」
淡「なにそれ面白そう! いってきまーす!!」ドヒューン
京太郎「やるのかよ!?」
菫「車に気を付けるんだぞ。……さて」
京太郎「!」
菫「ここからが本題の本題だ。少し長くなるが、いいだろうか」
京太郎「……はい。大事な話なんですよね?」
菫「照にとっては、な。キミにとっては瑣末な話かもしれない」
京太郎「構いません。聞かせてください」
菫「ああ。よく聞いて、そして考えてくれ」
817 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 00:08:26.49 ID:NZgd4IQfo
京太郎「……」ゴクリ
菫「まず照だが――あいつはプロに行く」
京太郎「!!」
菫「……聞かされてなかったのか?」
京太郎「直接は……なんとなく、そうなのかなって思ってはいました」
菫「そうか。そうだろうな、宮永照だからな」
京太郎「はい」
菫「その大方の予想と期待の通り、照はプロチームに入団することが決定している」
京太郎「おめでとうございます!」
菫「私に言われてもな」クスッ
京太郎「あ、そっか……後で本人に言っておきます」
菫「そうしてやってくれ。でも、私からも礼を言うよ。友人として、あいつを誇りに思っているからな……ただ」
京太郎「?」
菫「ひとつ問題がある」
京太郎「え?」
菫「あいつは最近、そのプロ行きを迷っているようなんだ」
京太郎「えっ!?」
819 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 00:37:11.95 ID:NZgd4IQfo
菫「本人に聞いた訳ではない。が、ほぼ間違いないだろう」
京太郎「な、なんで!? どうして照さんがプロ行きを迷ったりなんて……!」
菫「本当にどうしてだろうな……あんな、麻雀のことしか頭にないような奴が――」
菫「――そんな奴が迷うとすれば、それは麻雀以外の何かが原因だろうな」
京太郎「……、え?」
菫「そう、例えば……恋とかな」
京太郎「ちょ、待ってください。それってもしかして……」
菫「……」
京太郎「……俺のせい、ですか……?」
菫「……所為だなんて言葉を使わないでくれ。キミに非はないよ」
京太郎「でも!」
菫「繰り返すが、キミに非はない。私はむしろ感謝すらしているよ」
京太郎「か、感謝?」
820 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:04:08.88 ID:NZgd4IQfo
菫「ああ。照の見えなかった一面を引き出してくれたんだからな」
京太郎「見えなかった、一面……」
菫「それに原因はキミだけじゃない。もっと前から兆候はあったんだ」
京太郎「どういうことですか?」
菫「インターハイだよ。個人戦が終わって以来、あいつは少し変わった」
京太郎「……咲」
菫「そうだ。あの時、あいつの中ではひとつの区切りがついてしまったんじゃないかと、私は思っている」
菫「妹さんとの確執がなくなり、チャンピオンという肩書がなくなり、あいつは変わった」
菫「いや、変わったのはあいつじゃなく、あいつの中の麻雀の有り様なのかな」
京太郎「……」
菫「ともかく。あいつはなんというか……衰退、していたんだ」
菫「それが顕著になったのは、秋以降だな」
京太郎「ッ!」
821 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:28:25.36 ID:NZgd4IQfo
菫「参加義務こそないが、部活に顔を出すことが減った」
菫「そしてその分、行方をくらますことが増えた」
菫「フラッといなくなって、またフラッと戻ってくる。そんな繰り返しだ」
菫「私も流石に不安になってな。三日ルールや校内の案内表示の徹底など、お節介を尽くしたよ」
京太郎「あ……あれ弘世さんだったんですか」
菫「これでも照とは三年来の付き合いでね。使命感も芽生えるというものだ」
菫「だが徒労だったようだ。劇的な解決方法が、今私の目の前にある」
京太郎「それって」
菫「キミだよ。照の惚れた男」
京太郎「……っ」
菫「妹さんに負け、キミに恋をし、今の照は本当の意味で迷子だ」
菫「麻雀に迷い、人生に迷い、自分の立場も進路も分からなくなっている」
菫「だから――須賀くん」
京太郎「は、はい」
菫「キミの力が必要だ。キミの言葉を、照に聞かせてやってほしい」
菫「キミが照を好きでも嫌いでも構わない。ただ答えてやってほしい」
菫「押し付けがましいのは百も承知だ。不快に感じたならいくらでも謝る――それでも、」
菫「宮永照の友人として、私は彼女の幸せを切に願うよ」
822 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:38:13.93 ID:NZgd4IQfo
京太郎「……」
菫「……」
京太郎「………………、あの――」
淡「菫せんぱーい! 一緒に一人だるまさんがころんだやろーよ、超盛り上がるよ!」
京太郎「――それ二人だるまさんがころんだじゃねーか!!」ビシッ
淡「あたっ!? 何すんのー!?」ウガー
京太郎「あ……すまん、つい」
淡「ふんっ!……ふーん」ジー
京太郎「なんだよ?」
淡「テルはもっと公務員みたいな顔の男を選ぶと思ってた!」
京太郎「どんな顔だそれ」
淡「少なくとも金髪じゃないね!」ケラケラ
菫「……はあ……淡、そろそろ帰るぞ」
淡「あ、はーい」
京太郎「弘世さん!」
菫「須賀くん。今言おうとした言葉は、他に聞かせる相手がいる筈だ」
京太郎「ッ」
菫「……じゃあな。あいつをよろしく頼む」フッ
淡「あばよ金髪!」ベーッ
スタスタスタ...
京太郎「……」
823 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/04/30(水) 01:44:40.42 ID:NZgd4IQfo
……
…………
………………
ガチャ
照「……おまたせ、京ちゃん。お風呂あがったよ」
京太郎「はい」
照「途中でチャイムが鳴ってたみたいだけど……」
京太郎「ああ、セールスの勧誘でした。断っちゃいましたけど、大丈夫でしたか?」
照「問題ない」
京太郎「そうですか」
照「……」
京太郎「……」
照「……あの、京ちゃ――」
京太郎「照さん」
照「――っ、え、なに?」
_, ⌒\/ ̄ ̄ \
,  ̄ ̄ / 、 _\
´ / \ `ヾ
/ ' 、 、 、 \
/ | { :. | | ∨、\ \__
′ | l| } | |、 | |\ \ ̄ ̄´
. { 从 /-}/-Ⅵ { ヽ |
/ ,.-从 | }/ ィ≧、 { \ }'
/イ { ⌒\ { 、 Vj ∨、 \
八 、 \ ヽ  ̄ 「話があるんです」
Ⅵ ,ー、 ,:'
ヾ\ / ∧ -,
ヽ /{/ 、 '
_从/____ > __ノ
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//////////////////////////} }
788 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/19(月) 22:15:28.24 ID:9J72Tao5o
照「話……?」
京太郎「はい」
照「急にどうしたの?」
京太郎「まあ、ちょっと色々ありまして」
照「……?」
京太郎「それより照さん、こっちに来てくれませんか?」
照「?」スッ
京太郎「もっと」
照「???」スススッ
京太郎「もう少し」
照「……京ちゃん、これ以上は……」
京太郎「じゃあ俺から傍に行きますね」ギュッ
照「っ!?」
790 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/19(月) 22:42:55.08 ID:9J72Tao5o
京太郎「……」ギュ...
照「きょ、京ちゃん……!? やだ、離して……っ」
京太郎「……あー、なるほどなぁ……」ボソッ
照「、え……?」
パッ
照「っぁ……」フラッ
京太郎「すみません、苦しかったですか?」
照「ううん……でも、こんなことしちゃダメだよ」
京太郎「どうして?」
照「だって、恋人ごっこはもう終わったんだから……こんなこと、本当に好きな人にしか……」
京太郎「好きですよ」
照「え?」
京太郎「俺、照さんのこと好きみたいです」
800 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/19(月) 23:25:41.60 ID:9J72Tao5o
照「――」
京太郎「照さん?」
照「………………、うそだよね?」
京太郎「俺、嘘は嫌いなんです」
照「でも私、たくさん迷惑かけて」
京太郎「迷惑かどうかを決めるのは俺です」
照「迷惑じゃなかったの……?」
京太郎「どうやらそうみたいですよ。無断で東京まで連れて来られても、怒るどころか嬉しいみたいです、俺」
照「……なんで……」
京太郎「ん?」
照「なんでそんなに優しいの……?」
京太郎「別に優しいつもりはありませんけど……強いて言うなら惚れた弱みってやつですかね」
照「ほ、惚れ……」カァァ
802 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 00:21:14.14 ID:cParPDjpo
京太郎「覚えてますか? 初めて会った日、俺のことを好きって言ってくれたこと」
照「う、うん」
京太郎「多分、あの時には俺も照さんに惚れてたんですよ。気付けなかっただけで」
照「京ちゃんも……?」
京太郎「きっと似たもの同士なんですね、俺達」
照「……やっぱり分からない」
京太郎「何がですか?」
照「京ちゃんが私のことを……好きって言ってくれたのは、嬉しい」
照「でも理由がない。急に気付くなんて不自然」
照「何かきっかけがあるはず」ジッ
京太郎「……あー、分かっちゃいますか」
照「……」
京太郎「確かに自分一人で出した結論じゃありません」
京太郎「実はさっき――弘世さんが来たんです」
照「ッ!」
803 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 01:02:30.52 ID:cParPDjpo
京太郎「それで少し話をしまして」
照「……もしかして、菫から聞いた?」
京太郎「プロ入りの件なら」
照「ッ……そう」
京太郎「おめでとうございます」
照「ありがとう」
京太郎「俺、照さんはプロになるべきだと思います」
照「……どうして」
京太郎「照さんがそれを望んでいるからです」
照「え?」
京太郎「照さん自身が、誰よりも麻雀を続けたいと望んでいるからです」
照「……。………………でも」
京太郎「俺もついて行きます」
照「え――」
京太郎「照さんが寂しくないように、俺が貴女の場所まで行きます」
照「――!」
805 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 01:29:01.73 ID:cParPDjpo
京太郎「照さんの居る場所が、俺の居たい場所です」ニッ
照「それって……京ちゃんもプロになる、ってこと……?」
京太郎「はい。今は弱っちいですけど、死に物狂いで頑張ります」
照「だ……ダメだよ、そんな理由で進路を決めるなんて」
京太郎「照さんが言いますか」
照「言うよ。京ちゃんの為だもん」
京太郎「俺だって俺の為ですよ。いいじゃないっすか、目標なんて案外こんな風に決まるもんですよ」
照「でも……」
京太郎「照さん。俺、弘世さんの話を聞いて勝手に想像したんです」
京太郎「チャンピオンじゃなくなった照さんの戸惑いを」
京太郎「今まで通りの自分でいられなくなった照さんの心細さを」
京太郎「そうしたら、どうしても傍で支えたくなったんです」
京太郎「だからこれは、誰よりも俺の為に決めたことなんです、照さん」
照「京、ちゃん」
807 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 01:50:14.98 ID:cParPDjpo
京太郎「……ダメですかね? やれるだけのことはやってみたいんですけど」
照「…………………………やっぱり、だめ」
京太郎「照さん」
照「私は京ちゃんに、プロになってほしく、ない」
京太郎「……」
照「……支えてくれるなら、もっと近くがいい」
京太郎「!」
照「……っ///」
京太郎「え、と……じゃあ、マネージャーとか?」
照「それもだめ。ずっと一緒がいい」
京太郎「ずっと、って……」
照「……」
京太郎「……」
京太郎「――」
_,.. -- 、__, 、___
⌒> ´ ´ ヽ `ヽ、
_,. ´ , , 、 | 、 、 ヽ
 ̄7 / / 从 、 | | | :.
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_/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨} :
 ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{ 「け、結婚でもしますか?」
{从 r-く| \
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811 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 02:16:00.23 ID:cParPDjpo
京太郎「ぶえええええええええええええええ!!?」
照「ふつつかものですが……」ミツユビー
京太郎「ちょ、照さん頭上げてください!!」
照「そんなに慌ててどうしたのダーリン」
京太郎「浮足立つにも程がある!?」
照「?」キョトン
京太郎「このリアクションだよ! すっかり通常営業ですねアンタ!」
照「悩みがなくなってスッキリしたから」
京太郎「いくらなんでも温度差ありすぎますよ……」
照「それより京ちゃん、早速市役所に行こう」
京太郎「行かねーよ!?」
照「結婚するって言ったのに?」
京太郎「いや、ものの弾みっつーか……結婚するとは言いましたけど、俺がその気になれば10年後20年後ということも可の」
照「」ポロポロポロポロ...
京太郎「ごめんなさい嘘です冗談です!!!」
813 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 02:54:26.30 ID:cParPDjpo
照「冗談は嫌い」グスッ
京太郎「すんませんマジすんません……ただ、せめて高校卒業までは待ってほしいなーって……法律的に」
照「無理」
京太郎「即答!?」
照「あと二年なんて待てない。京ちゃん分が枯渇する。京ちゃん分が枯渇したら生きていけない」
京太郎「既に新たな生命体としての活動を始めている……あのですね照さん」
照「?」テルーン
京太郎「今すぐ結婚は無理ですけど、恋人になるのは問題ないんですよ」
照「!」テルッ
京太郎「当分は彼氏彼女で我慢してもらえませんか?」
照「する。京ちゃんと恋人する」コクッコクッ
京太郎「良かった。……じゃあ」スッ
照「え」
京太郎「恋人同士の第一歩です。目、閉じてください」
照「ぁ……京ちゃ、んっ――」
814 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 03:35:55.30 ID:cParPDjpo
……
…………
………………
京太郎「照さん、支度出来ました?」
照「もふ。もふぁふぁふぁもふもふ」
京太郎「パン飲み込んでから答えてください」
照「んくっ……平気。京ちゃんが準備してくれたから」
京太郎「部室に着いたらまず弘世さんに謝りましょうね」
照「てやんでい」
京太郎「なんで江戸っ子ですか。ほら、行きましょう」スッ
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照「京ちゃんの手あったかい」
京太郎「離さないでくださいね、照さん」
照「うん。もう迷わないよ、京ちゃん」
【THE END】
最終更新:2014年05月22日 22:36