788 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/19(月) 22:15:28.24 ID:9J72Tao5o
照「話……?」
京太郎「はい」
照「急にどうしたの?」
京太郎「まあ、ちょっと色々ありまして」
照「……?」
京太郎「それより照さん、こっちに来てくれませんか?」
照「?」スッ
京太郎「もっと」
照「???」スススッ
京太郎「もう少し」
照「……京ちゃん、これ以上は……」
京太郎「じゃあ俺から傍に行きますね」ギュッ
照「っ!?」
790 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/19(月) 22:42:55.08 ID:9J72Tao5o
京太郎「……」ギュ...
照「きょ、京ちゃん……!? やだ、離して……っ」
京太郎「……あー、なるほどなぁ……」ボソッ
照「、え……?」
パッ
照「っぁ……」フラッ
京太郎「すみません、苦しかったですか?」
照「ううん……でも、こんなことしちゃダメだよ」
京太郎「どうして?」
照「だって、恋人ごっこはもう終わったんだから……こんなこと、本当に好きな人にしか……」
京太郎「好きですよ」
照「え?」
京太郎「俺、照さんのこと好きみたいです」
800 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/19(月) 23:25:41.60 ID:9J72Tao5o
照「――」
京太郎「照さん?」
照「………………、うそだよね?」
京太郎「俺、嘘は嫌いなんです」
照「でも私、たくさん迷惑かけて」
京太郎「迷惑かどうかを決めるのは俺です」
照「迷惑じゃなかったの……?」
京太郎「どうやらそうみたいですよ。無断で東京まで連れて来られても、怒るどころか嬉しいみたいです、俺」
照「……なんで……」
京太郎「ん?」
照「なんでそんなに優しいの……?」
京太郎「別に優しいつもりはありませんけど……強いて言うなら惚れた弱みってやつですかね」
照「ほ、惚れ……」カァァ
802 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 00:21:14.14 ID:cParPDjpo
京太郎「覚えてますか? 初めて会った日、俺のことを好きって言ってくれたこと」
照「う、うん」
京太郎「多分、あの時には俺も照さんに惚れてたんですよ。気付けなかっただけで」
照「京ちゃんも……?」
京太郎「きっと似たもの同士なんですね、俺達」
照「……やっぱり分からない」
京太郎「何がですか?」
照「京ちゃんが私のことを……好きって言ってくれたのは、嬉しい」
照「でも理由がない。急に気付くなんて不自然」
照「何かきっかけがあるはず」ジッ
京太郎「……あー、分かっちゃいますか」
照「……」
京太郎「確かに自分一人で出した結論じゃありません」
京太郎「実はさっき――弘世さんが来たんです」
照「ッ!」
803 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 01:02:30.52 ID:cParPDjpo
京太郎「それで少し話をしまして」
照「……もしかして、菫から聞いた?」
京太郎「プロ入りの件なら」
照「ッ……そう」
京太郎「おめでとうございます」
照「ありがとう」
京太郎「俺、照さんはプロになるべきだと思います」
照「……どうして」
京太郎「照さんがそれを望んでいるからです」
照「え?」
京太郎「照さん自身が、誰よりも麻雀を続けたいと望んでいるからです」
照「……。………………でも」
京太郎「俺もついて行きます」
照「え――」
京太郎「照さんが寂しくないように、俺が貴女の場所まで行きます」
照「――!」
805 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 01:29:01.73 ID:cParPDjpo
京太郎「照さんの居る場所が、俺の居たい場所です」ニッ
照「それって……京ちゃんもプロになる、ってこと……?」
京太郎「はい。今は弱っちいですけど、死に物狂いで頑張ります」
照「だ……ダメだよ、そんな理由で進路を決めるなんて」
京太郎「照さんが言いますか」
照「言うよ。京ちゃんの為だもん」
京太郎「俺だって俺の為ですよ。いいじゃないっすか、目標なんて案外こんな風に決まるもんですよ」
照「でも……」
京太郎「照さん。俺、弘世さんの話を聞いて勝手に想像したんです」
京太郎「チャンピオンじゃなくなった照さんの戸惑いを」
京太郎「今まで通りの自分でいられなくなった照さんの心細さを」
京太郎「そうしたら、どうしても傍で支えたくなったんです」
京太郎「だからこれは、誰よりも俺の為に決めたことなんです、照さん」
照「京、ちゃん」
807 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 01:50:14.98 ID:cParPDjpo
京太郎「……ダメですかね? やれるだけのことはやってみたいんですけど」
照「…………………………やっぱり、だめ」
京太郎「照さん」
照「私は京ちゃんに、プロになってほしく、ない」
京太郎「……」
照「……支えてくれるなら、もっと近くがいい」
京太郎「!」
照「……っ///」
京太郎「え、と……じゃあ、マネージャーとか?」
照「それもだめ。ずっと一緒がいい」
京太郎「ずっと、って……」
照「……」
京太郎「……」
京太郎「――」
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 ̄7 / / 从 、 | | | :.
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 ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{ 「け、結婚でもしますか?」
{从 r-く| \
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811 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 02:16:00.23 ID:cParPDjpo
京太郎「ぶえええええええええええええええ!!?」
照「ふつつかものですが……」ミツユビー
京太郎「ちょ、照さん頭上げてください!!」
照「そんなに慌ててどうしたのダーリン」
京太郎「浮足立つにも程がある!?」
照「?」キョトン
京太郎「このリアクションだよ! すっかり通常営業ですねアンタ!」
照「悩みがなくなってスッキリしたから」
京太郎「いくらなんでも温度差ありすぎますよ……」
照「それより京ちゃん、早速市役所に行こう」
京太郎「行かねーよ!?」
照「結婚するって言ったのに?」
京太郎「いや、ものの弾みっつーか……結婚するとは言いましたけど、俺がその気になれば10年後20年後ということも可の」
照「」ポロポロポロポロ...
京太郎「ごめんなさい嘘です冗談です!!!」
813 自分:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 02:54:26.30 ID:cParPDjpo
照「冗談は嫌い」グスッ
京太郎「すんませんマジすんません……ただ、せめて高校卒業までは待ってほしいなーって……法律的に」
照「無理」
京太郎「即答!?」
照「あと二年なんて待てない。京ちゃん分が枯渇する。京ちゃん分が枯渇したら生きていけない」
京太郎「既に新たな生命体としての活動を始めている……あのですね照さん」
照「?」テルーン
京太郎「今すぐ結婚は無理ですけど、恋人になるのは問題ないんですよ」
照「!」テルッ
京太郎「当分は彼氏彼女で我慢してもらえませんか?」
照「する。京ちゃんと恋人する」コクッコクッ
京太郎「良かった。……じゃあ」スッ
照「え」
京太郎「恋人同士の第一歩です。目、閉じてください」
照「ぁ……京ちゃ、んっ――」
814 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/05/20(火) 03:35:55.30 ID:cParPDjpo
……
…………
………………
京太郎「照さん、支度出来ました?」
照「もふ。もふぁふぁふぁもふもふ」
京太郎「パン飲み込んでから答えてください」
照「んくっ……平気。京ちゃんが準備してくれたから」
京太郎「部室に着いたらまず弘世さんに謝りましょうね」
照「てやんでい」
京太郎「なんで江戸っ子ですか。ほら、行きましょう」スッ
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照「京ちゃんの手あったかい」
京太郎「離さないでくださいね、照さん」
照「うん。もう迷わないよ、京ちゃん」
【THE END】
最終更新:2014年05月22日 22:21