344 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/09(水) 21:30:22.01 ID:1DcYODQno
穏乃「いざ遠征! 待ってろー全国の二位校!!」オーッ
京太郎「その意気だ穏乃! 俺もテンション上がってきたぜーーーッ!!」ウオーッ
灼「やかまし……」
玄「朝から元気だねー」
穏乃「元気に時間は関係ないよっ!」
京太郎「今穏乃がいいこと言った!」
憧「……なんか、あの一件以来また距離が縮まってるような……」ボソッ
宥「憧ちゃん?」
6月29日――第五土曜日。
本来なら半日授業である筈の日の朝から、俺達麻雀部一同はレジェン号の前に集まっていた。
驚いたことに、練習試合で公欠が取れたのである。
恐るべし阿知賀のレジェンド。
老いて尚その人望は健在ということか。
レジェンド「今なーんか失礼なこと考えなかった?」ゴッ
なーんも。
346 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/09(水) 21:46:13.68 ID:1DcYODQno
ていうか、音もなく背後に立たないで欲しい。
くるりと向き直り皆で並ぶ。
レジェンド「ひーふーみー六。うん、全員揃ってるね!」
ちゃんと数えろや。
レジェンド「今日はわりと近場だから車で行くよー」
穏乃「運転がんばってください!」
憧「毎回車じゃない?」
玄「車内を盛り上げるのはおまかせあれ!」
宥「暖房つけたい……」
灼「今までで一番遠いけど」
レジェンド「……」
京太郎「監督、言われ放題ですが」
レジェンド「………………国内なら近場!!」
京太郎「器デケェ!」
350 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/09(水) 22:03:40.44 ID:1DcYODQno
レジェンド「ま、そーゆーワケで……」ゴソゴソ
__________
/ ___ S.A.作/|
/ / `l / |
/ ヽ.____/ ./ |
/________/ .|
| r‐- _ .| |
i l ヽ \ ̄` ヽ .| |
| /川 `\_ 丶 `l | |
| /∥イ从仆〟. ヽ_. l | |
| l∥;.l 佗i 冫´フ l.| /
| │l.」''`´ _ '⌒` y\ト| /
| l l ヽ. ー '' 仆川. | /
| ヽ 仆 - イク |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
レジェンド「早速クジ引きターイム!」
もう慣れた。
穏乃「よーっし引くぞーっ!」ブンブン
玄「また今度も真ん中だったりして」アハハ
宥「なるべくみんなと近くがいいなぁ……」プルプル
灼「もはや言葉はいらな……結果だけ、この世には結果だけが必要……」ゴッ
憧「………………うっし!」グッ
それぞれの思惑(?)が交錯する中で行われた四度目の席決め。
果たしてその結果は――
レジェンド「――オープン・セサミ!」
450 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/10(木) 21:38:22.37 ID:hl0Bojsro
◆
か。
玄「やった、隣だよおねーちゃんっ!」ダキッ
宥「玄ちゃんと穏乃ちゃんに挟まれて……あったか~い」ポワワワーン
穏乃「わーい暑い!!」ダキッ
三列目は微笑ましいなー。
それに比べて、
灼「は、ハルちゃん!」
レジェンド「どした?」
灼「目……そう、目! 目が悪いから須賀くんと席を交換してほし!!」スチャッ
京太郎「そんな学校の席替えじゃないんですから」
レジェンド「その鼻メガネどっから出したの」
454 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/10(木) 21:58:04.58 ID:hl0Bojsro
憧「だ……だったらあたしと替わろうよ灼さん! こっちの方がハルエに近いよ! ねっ!?」
灼「いや、そっちだとハルちゃんの顔すら見えないから」ズバァッ
憧「」
レジェンド「ていうか席替え禁止だってば」
憧「……れじぇじぇ……」
流行らすな流行らすな。
レジェンド「で、須賀くんが助手席かー」
京太郎「そっすね」
レジェンド「長旅の道連れよろしくね、相棒っ!」バチコーン
京太郎「相棒っていうな」ペイッ
レジェンド「なんで!?」
お約束なので。
そんな恒例のドタバタをこなし、俺達はレジェン号に乗り込んだ。
目的地は愛知県の籠池高校だ。
459 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/10(木) 22:30:03.90 ID:hl0Bojsro
《一行は賑やかに》
玄「おもちおもちおもちおもちおもちおもち」コネコネ
宥「ふゃあっ!?/// く、くろちゃ、ぁんっ///」ピクンッ
穏乃「おー……おもちおもち。おぉ……」コネコネ
宥「し、穏乃ちゃんまでぇ……!?///」ビビクンッ
灼「はあ……ハルちゃん……」アンニューイ
憧「ッ……あ、灼さん……いつまで鼻メガネしてんの……」プルプル
キャッキャッ
レジェンド「いやー賑やかだねー」
京太郎「賑やかすぎでは」
移動中の車内。
後部座席は今や女の園である。
こうして助手席から聞いていると真っ只中にいるより騒がしく感じる。
三人寄っただけで姦しいのだから、五人ともなれば推して知るべしか。
京太郎「……」
姦
嫐
。
浪漫だな。
465 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/10(木) 22:57:32.37 ID:hl0Bojsro
京太郎「しかし監督も大変ですよね」
レジェンド「なにがー?」
京太郎「この遠征がですよ。毎週かなりの距離を走ってるじゃないっすか」
レジェンド「あー。平気だよ、運転好きだしね」
京太郎「疲れたりしないんですか?」
レジェンド「よゆーよゆー。でもそうだな、じゃあ何か歌でも歌ってよ」
とのことなので、
京太郎「♪I'm a highway star――」
穏乃「うさギがヒャー♪」
憧「許してね恋心よ~♪」
玄「電撃・稲妻・熱風っ♪ 電撃・稲妻・熱風っ♪」
宥「そ、♪ソーダ味のーアイスキャンディー……うぅ、あったかくない……」
灼「♪蒼いナイフに集めたMoonlight 行き場失くしたお前を反射す十字架」
レジェンド「ど、どれか一曲で」
「「「「「「ほーたーるのーひーかーりー」」」」」」
レジェンド「新たな可能性!?」
475 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/10(木) 23:25:30.24 ID:hl0Bojsro
《ハルちゃんの執事》
レジェンド「ところで須賀くん、執事修行の方は順調?」
京太郎「ぼちぼちっす。最近は料理メインで鍛えてますかね」
レジェンド「いいーねェーッ。いつか部活に差し入れしてもらおうかな?」
京太郎「ええ? 別に構いませんけど……監督は家事全般どうなんすか」
レジェンド「いやー、一人暮らししてた頃は自炊してたんだけどねー」
京太郎「今は実家でしたっけ」
レジェンド「地元だしね」アハハ
京太郎「……監督、歳いくつでしたっけ」
レジェンド「れ、レディに歳を訊くなんて失礼だよ(震え声)」
京太郎「いくつでしたっけ」
レジェンド「………………にじゅうろくさい」
京太郎「アラサー実家暮らし……」
レジェンド「二十代半ばだよぅ!!」
479 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/10(木) 23:53:15.53 ID:hl0Bojsro
灼「家事が出来なくったって関係ない! 永遠にハルちゃんはティーンエイジャー!」ガタッ
憧「立ったら危ないって灼さん!」
京太郎「監督。愛弟子にあんなフォローさせてどうお思いですか」
レジェンド「善処いたします……」
京太郎「ウム」
一人の教え子としても心配である。
この歳で家事も出来ないと、婚期が光の速さで明後日の方向にランナウェイしてしまうからな。
レジェンド「ていうかさー、だったら須賀くんが私に料理教えてよー」ブーブー
京太郎「オレェ? 学校の家庭科室でも使う気ですか」
レジェンドの職権乱用現象(ワガママ・フェノメノン)はまだとけないッ!
レジェンド「いんや、私んちで」ケロッ
「「はあ!!?」」
京太郎「うおっ!?」ビクッ
レジェンド「れじぇっ!?」ビクッ
486 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/11(金) 00:31:39.63 ID:Zg/dzdHZo
憧「ななななに言ってんのハルエ馬鹿じゃないの!? 馬鹿じゃないの? 馬鹿なんでしょ!?」
レジェンド「そ、そこまで言わなくても……」
灼「ハルちゃん……ハルちゃんちってことは、ハルちゃんのご両親もいるよね……?」
レジェンド「そりゃあ、まあ、実家だからね」
憧「りょっ、両親ん!? なにそれ、あたしだってまだなのに!?」
京太郎「お前は関係なくねえ?」
でも、そういえば会ったことないな、憧の両親。
望さんとばっかり遭遇してる気がするぞ。
玄「そういえば、お父さんが京太郎くんと会いたがってたよねー」
宥「う、うん……」プルプル
穏乃「うちの親も一度顔を見てみたいって言ってました!」
京太郎「なんで?」
保護者の間で人気急上昇なの俺?
その割に誰の親とも会ったことはなく、逆に俺の親(他人)は皆と面識がある。
なんとも不思議な状況である。
灼「あ、そういえばうちのおばあちゃんも」
京太郎「俺に会いたいって言ってたんですか?」
灼「一度くらい本場の豚骨ラーメンが食べたいって」
知らんがな。
515 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/11(金) 22:26:44.88 ID:Zg/dzdHZo
《Bで八ツ橋呼ばわりされるこんな世の中じゃ》
穏乃「まだかなー名古屋県まだかなー」
灼「まだまだ着かな……あと愛知県だから」
穏乃「うーっ、早く麻雀したい!」メラメラ
宥「あったか~い」ホカホカ
憧「暖を取るな暖を……けど、部活だって分かってるんだけど遠足気分だよねー」
お、珍しく無邪気な発言。
玄「分かるよっ、私なんて遠征のしおり作ってきちゃった」ペラッ
しおりて。
後ろを向くと、玄さんが一枚の画用紙を折り畳んだものを持っているのが見えた。
凄まじい手作り感だ。
玄「遠征のおやくそく、その1。おうちに着くまでが遠征です」
穏乃「いきなり帰っちゃった」
玄「その2。おやつは300円まで(バナナはおやつに含まれません)」
灼「もう買ってきちゃってるけどね」
玄「その3。おもちはEカップから!」ムフー
憧「なに書いてんの!?」
宥「くろちゃー……」
517 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/11(金) 22:52:52.46 ID:Zg/dzdHZo
玄「これは外せないのです!」ムフームフー
灼「遠征のしおりに書くことじゃな……」
穏乃「いーかっぷ……ってどのくらいなんですか? 憧くらい?」
憧「しず! 後でお菓子あげる!」
穏乃「わーい!」
玄「ううん、憧ちゃんのは八ツ橋だよ」
憧「アンタは表に出なさい」
灼「高速道路だけどね」
玄「おねえちゃんがFだから、それよりワンサイズ小さいのがEカップですのだ!」
宥「くろちゃー!? 京太郎くんに聞こえちゃうよ……!?///」カァー
ごめんなさい、もう知ってます。
京太郎「オホン……じゃあ、やっぱり玄さんもおもちですよね?」
玄「え? 私はDだから違……」
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玄「は、はぅぅぅぅぅっ!?///」カァーッ
憧「どさくさに紛れてなに訊いてんのよこの誘導尋問スケベが!」スパァンッ
京太郎「一片の悔いなしっ!」ブベラッ
526 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/11(金) 23:25:19.05 ID:Zg/dzdHZo
《その点トッポって》
憧「というわけでハイ、お菓子」
穏乃「やったー! 先生、食べてもいいですかっ?」
レジェンド「いいよー。あんまボロボロこぼさないようにね」
穏乃「大丈夫!!」ボロボロ
灼「ティッシュ敷いて」スッ
穏乃「あ、酔いやすい人いませんか? お菓子のにおいで気持ち悪くなったりとか」
玄「へいきー」
宥「私も~」
憧「あたしもいいけど」
灼「ちくわ大丈夫」
ウォーズマン「コーホー」
SPW「俺もだぜ!」
京太郎「依然問題はなし」
そして穏乃は気遣いが出来るのか出来ないのか。
野生と理性のバランスが際どい奴だと常々思う。
528 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/11(金) 23:37:51.24 ID:Zg/dzdHZo
玄「灼ちゃん、こっちのお菓子も召し上がれー」ヒョイヒョイヒョイッ
灼「」パクパクパクッ
憧「すごっ!?」
京太郎「憧ーこっちにもなんかくれ」
憧「あ、うん。ポッキーでいい?」
京太郎「おう、二本くれ二本」
憧「なんで二本……いいけど」スッ
京太郎「サンキュー」
貰ったポッキーの片方を自分で食べる。
もう一本は、
京太郎「はい、どーぞ監督」スッ
憧「!?」
レジェンド「お、悪いねー」パクッ
灼「!!?」
534 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/12(土) 00:04:15.05 ID:FgY8FWEmo
京太郎「むぐむぐ……一本じゃ足りないな。憧ー余ってたら箱ごとくれ」
憧「そそそそんな場合じゃないでしょ!?」クワッ
京太郎「えっどんな場合?」
憧「い、い、今っ! あーんってしたでしょ、あーんって!」
京太郎「したけど……するだろ、助手席だし」
憧「あたしが運転席に座ってても!?」
京太郎「無免許じゃねーか」
灼「おかし(お菓子だけに)……こんなことは許されな……」ヴヴヴ
京太郎「うまいこと言ったつもりですか(お菓子だけに)」
普段はボケのレジェンド&鷺森部長にツッコミの俺&憧という構図が多いから、今の状況はかなり珍しいと思う。
しかし憧と鷺森部長というコンビは強烈だ。
別に仲は悪くない二人だが、今日はどうしてここまで揃って荒ぶってるのだろうか。
箱ごと貰ったポッキーを食べながら首を傾げた。
京太郎「監督、もう一本どうです?」スッ
レジェンド「さんきゅー♪」パクッ
「「れじぇじぇ……!」」
だから流行らすなって。
539 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/12(土) 00:34:35.83 ID:FgY8FWEmo
穏乃「あーこー」
と、もう一列後ろから穏乃が顔を出してきた。
穏乃「お菓子ちょうだい!」
憧「今それどころじゃないし、あとは帰りの分」
穏乃「えー、足りなくなったらサービスエリアで買えばいいじゃん」
憧「そしたらお昼が入らなくなるって」
穏乃「じゃあ味見だけでも……」
憧「味見するほどのことじゃないでしょ」
穏乃「憧! お菓子に対してもっと真摯になろうよ!」
憧「なんであたしが責められてるの!?」
穏乃「もういいよ! だったら京太郎から貰うもん!」
京太郎「オレェ?」
穏乃「京太郎! 京太郎のポッキーちょうだい!」
京太郎「」ブホォ
憧「ふきゅっ!?」
穏乃「ねーいいでしょ? 京太郎のポッキー(極細)ちょうだい?」
京太郎「憧ォ!! 貴様、何故わざわざ極細を買った! 嫌味か!?」
憧「そんなの考慮してるわけないでしょバカァ!///」
591 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/12(土) 21:34:34.79 ID:FgY8FWEmo
《穏乃は石鹸の香り》
玄「サービスエリア着いたっ」
レジェンド「お昼はここで済ませよっか。現地で探してるヒマないしね」
「「「「「「はーい」」」」」」
ゾロゾロと連れ立ってレジェン号を降りる。
結構大きなサービスエリアだ。
広い駐車場と、一通りの施設は揃っている。
敷地内をひっきりなしに行き交う車に注意しながら歩いた。
憧「あれ、宥姉なにしてんの?」
玄「おねーちゃん?」
京太郎「ん?」
声が指す方を見ると、宥さんが一人で建物の壁際に立っていた。
いつの間に集団から抜けていたんだろう。
宥「ここあったかい……」
\'´ /
に 揚 / 〃 / で
お げ { // ハ. | も
い 油 〈 // .∧ 八 |. :
: の /ハ/ { ハ |、_V } ) :
/---イ´ \{ ゞ‐--Vん、____
(|ム=== ===ミ、.! / |
ゝー─┬ゝ>とつ-┴ ,. ┴‐-⊂う| / l ミ三彡
| | | , -──- 、 | / /
ミ三彡 | | |/ ` ー‐レ' /
../| ゝ〈 -──‐‐‐‐ | |\
/ ゝ{ \ ───── | | \ ゞ三ミ、
/ ノ′ -── レへ( ヽ
{∧ /\ , -─‐┬‐〈\∧}
┼─ヽ.| \___ -── ' / .| | ‐|, ─ 、
〇_ノ. | / ゝ./ \/ .| | /| ノ あ
京太郎「調理場の換気扇ですよね!?」
596 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/12(土) 21:57:07.65 ID:FgY8FWEmo
宥「ぅうう……><」プルプル
京太郎「ああもう、寒いなら車からショールでも取ってきますから、ほら離れて離れて」グイ
寒さと臭いの板挟みに震える宥さんの手を取って引き寄せる。
以前の水筒熱湯未遂事件といい、割と手段を選ばないよな、この人。
宥「ご、ごめんね京太郎くん」
京太郎「いえ。宥さんにはいつもいい匂いでいて欲しいですし」
宥「ふぁっ!?///」
憧「ちょっ、なに言ってんの!?」
京太郎「オレェ?」
憧「そうよアンタよ! 宥姉がいい匂いとか……!」
京太郎「だって、するだろ?」
憧「するけど!」
穏乃「するする!」
玄「するよねっ!」
宥「するの!?」
京太郎「なんていうか、ミルクみたいな匂いがします」
宥「ゎ、わゎゎ……///」カァーッ
憧「それは事実だけど、とにかく女子に気安く匂いがどうとか言うの禁止!」
京太郎「そんなー」
602 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/12(土) 22:12:05.15 ID:FgY8FWEmo
《サービスエリアの料理がやけに美味しく感じるのってなんだろうねあれ》
何を食べるか軽く話し合った結果、大体の物が揃っているフードコートが選ばれた。
レジェンド「さー、なんでも好きなもの食べていいよー」
憧「おごり!?」ギラッ
レジェンド「おごるおごる」
憧「やたっ♪ 何にしよー」ルンルン
京太郎「現金だなオイ」
レジェンド「いいっていいって。その代わり……」
穏乃「その代わり?」
レジェンド「優勝したら皆でステーキ奢ってネ!」バチコーン
京太郎「玄さん達は何食べます?」テクテク
玄「うーん、たくさんあるから迷っちゃうなー」テクテク
宥「あったか~いもの食べたい……」テクテク
灼「レジェン丼あるかな」テクテク
穏乃「なにそれ!?」テクテク
レジェンド「無視か」
610 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/12(土) 23:43:39.88 ID:FgY8FWEmo
銘々に注文した料理を受け取り、八人掛けの大きなテーブルに陣取る。
メニューは、俺と穏乃と憧がラーメン。
玄さんがカレーで、宥さんがきつねうどん。
鷺森部長はざるそばとおにぎり、レジェンドは定食である。
レジェンド「そんじゃ手を合わせて――うまそう!!」
「「「「「「いただきまーす」」」」」」
レジェンド「無視か」
漫画の読みすぎだよ。
京太郎「しかし憧もラーメンか」
憧「な、なによ、あたしがアンタと同じもの食べちゃダメなわけ?」
京太郎「ダメじゃないけど、もっと小洒落たもんでも食うのかと」
憧「フードコートで気取っても仕方ないでしょ……しずには何も言わないくせに」ボソッ
穏乃「ふぇ? ふぁふぉ、ふぃふぁふぁふぃふぁふぃっふぁ?」モゴモゴ
憧「なんでもないから口に物入れたまま喋らない!」
玄「そうだ赤土さん、帰りもこのサービスエリアに寄りますか?」
レジェンド「うん、そのつもりだけど」
玄「だったら今の内にお土産とか見ておきたいなーって。帰りは疲れてるだろうし」
レジェンド「あーそだね。だったら食後は自由時間ってことで、適当なところでケータイに連絡入れるからそのつもりで!」
「「「「「「はーい」」」」」」
613 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 00:07:52.43 ID:DlMVh1Jwo
《雑フラグ・憧》
京太郎「憧ー」
憧「あ、京太郎」
京太郎「憧も土産探しか?」
憧「うん、初瀬になんか買ってってあげようかなーって」
京太郎「はつせ……ああ、岡橋初瀬」
憧「そうそう。こないだ会ってからまたメールとかするようになってさ」
京太郎「ソウナンダ、ヨカッタデスネ」
憧「なんでカタコト?」
京太郎「だって顔面凹まされた思い出しかねーし……怖い……」
憧「あー……あれでも根はいい子なのよ」
京太郎「ま、気にしてないんだけどな。次は返り討ちにしてやるぜ」シュッシュッ
憧「なんでバトる気満々……?」
京太郎「いやぁ、せっかく鍛えてるし。ま、そう何度も会うことはないだろうけどなー」ワハハ
そう。
この時までは、そう思っていたんだ――
618 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 00:47:01.26 ID:DlMVh1Jwo
《雑フラグ・玄&宥》
京太郎「玄さん、宥さん」
玄「あ、京太郎くん!」
宥「いらっしゃあい」
京太郎「お二人は何を見てたんですか?」
玄「お菓子ですのだ!」
宥「お父さんと、旅館の従業員さん達に買って帰ろうと思って」
京太郎「親孝行ですか。いいっすね」
宥「うん。最近は部活が忙しくて家の手伝いも出来てないから……」
京太郎「ああ、確かに大変ですよね……俺も一日とはいえ体験したから分かりますよ」
玄「その節はお世話になりましたっ。次は是非お客様として来て欲しいなー」
京太郎「お客様って、学生一人だと厳しいんですが……」
玄「そっかぁ……あ、だったら一緒にご飯だけでもどうかな? お父さんも喜んでくれると思うし」
京太郎「いいんですか? じゃあお言葉に甘えちゃおうかなーなんつって」ワハハ
そう。
この時までは、そう思っていたんだ――
宥「……」ブルッ
620 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 01:12:15.26 ID:DlMVh1Jwo
《雑フラグ・灼&レジェンド》
京太郎「監督ー鷺森部長ー」
レジェンド「おー須賀くーん」
灼「やほ」
京太郎「どもっす。何してるんすか?」
レジェンド「地元名産品コーナーで試食めぐり!」グッ
京太郎「胸張って言うことですか」
灼「ハルちゃんハルちゃん。あっち、ソーセージ焼きたてだって」
レジェンド「なぬっ!? そいつは見過ごせないね、いくよ灼!」ダッ
灼「らじゃ……」ダッ
京太郎「あっ!?……楽しそうだなぁ……」
約十歳差には見えない。
仲の良さ的にも、ビジュアル的にも。
あの二人の関係が崩れることなんて、絶対にありえないんだろうなぁ。
そう。
この時までは、そう思っていたんだ――
635 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 13:13:55.98 ID:DlMVh1Jwo
《塩スイーツの遠い親戚?》
京太郎「しーずーの」
穏乃「あっ京太郎!」
京太郎「一人で何してんだ?」
穏乃「えとね、お菓子の補充!」
京太郎「今メシ食ったばっかじゃねーか……」
穏乃「お菓子は別腹っ!」グッ
京太郎「食べ盛りだなぁ……お互い様だけどさ」
穏乃「うぇひひ。ねね、これどう思う? ラー油エクレアだって」
京太郎「何そのゲテモノ」
穏乃「おいしいのかなー」
京太郎「やめとけって。変なの食べて気持ち悪くなったら車酔いするぞ」
穏乃「そっかー。じゃ、普通にこの……」
京太郎「この?」
穏乃「イチゴカレーパンを」スッ
京太郎「普通じゃねえ!!」
穏乃「はんぶんこする?」
京太郎「人を巻き込むんじゃねえ!!」
640 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 13:28:59.90 ID:DlMVh1Jwo
……
…………
………………
レジェンド「みんなトイレとか済ませた?」
玄「はーい」
宥「あれ……穏乃ちゃんは?」
京太郎「そういえば売店で話したっきり見かけてないような……」キョロキョロ
憧「ちょっと、ちゃんと一緒にいなきゃダメじゃない」
京太郎「えー、それは憧の役目だろ」
憧「役目って何よ! こういうのはお互いが気に掛けておくべきことでしょ!?」
レジェンド「はいはい、夫婦喧嘩は後にして後に」
灼「犬も食わな……」
京太郎「夫婦じゃねーです」
憧「夫婦じゃないわよっ!///」
トテテッ
穏乃「おまたへ~」
京太郎「って穏乃?」クルッ
憧「もー、心配したんだから――」クルッ
-‐- 、 〈\∧/(
/ }
/⌒7′/ /\ \ } タ ヌ
/ / ∧八/ } / } 示
/ { j ,/r=ミ }/}/| i } l |
八/^| l ヒリ r=ミ | | r~'`~} 〈 ノ
/ \j | : : : ヒリ 戊ノ )⌒ヽ⌒ヽ } ‐/‐、ヽ
| l )'゛':;:,, : : ∧{ (⌒ ) } / ノ
.......‐…‐{≧=‐ \ ':;:,,、 `(⌒ ノ \
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643 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 13:53:54.80 ID:DlMVh1Jwo
穏乃「いやー、こういうところの食べ物ってどれもおいしそうに見えちゃって」ティヒヒ
イチゴカレーパンも?
レジェンド「まあ何はともあれ全員集合したところで」
京太郎「出発ですね」
レジェンド「んにゃ、その前に」
憧「その前に?」
__________
/ ___ S.A.作/|
/ / `l / |
/ ヽ.____/ ./ |
/________/ .|
| r‐- _ .| |
i l ヽ \ ̄` ヽ .| |
| /川 `\_ 丶 `l | |
| /∥イ从仆〟. ヽ_. l | |
| l∥;.l 佗i 冫´フ l.| /
| │l.」''`´ _ '⌒` y\ト| /
| l l ヽ. ー '' 仆川. | /
| ヽ 仆 - イク |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
レジェンド「二度目の席替えターイム!!」
憧「!」ガタッ
灼「!!」ガタガタッ
穏乃「また!?」
宥「せっかくあったかかったのに……」ブルブル
玄「やめるのです赤土さん! おねーちゃんを寒がらせないように!」
三列目組からブーイング(?)続出だった。
645 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 14:05:56.10 ID:DlMVh1Jwo
京太郎「ていうか、なんでまた席替えを?」
レジェンド「えー? 今回はかなりの遠出だし、気分転換が必要だと思ったんだけど……不評?」
灼「そんなことない! みんな心の中ではイヤッホォーゥ席替え最高ハルちゃん最高って思ってる!」クワッ
憧「そうよ! まず一人ここにいる!!」クワワッ
レジェンド「よかった、好評だね!」
京太郎「落ち着いてください、今のところ3対2で不評優勢です」
レジェンド「ふんふむ、つまり須賀くんの一票が全てを決めるわけだ」
京太郎「オレェ?」
レジェンド「六人だから賛成に回っても同数だけどね、まあ須賀くんの決定次第ってことで」
「「「「「」」」」」コクコク
京太郎「えー……」
そんな重要な一票を持たせないでほしい。
一方を選ぶともう一方に不義理なようで気が引けるのだが――
レジェンド「もっとも、この赤土晴絵の魅力にメロメロな須賀くんが席替えを望むとは思えないけどねっ!」バチコーン
京太郎「チェンジで」
レジェンド「あれっ!?」
サンキューレジェンド。
684 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 15:30:54.97 ID:DlMVh1Jwo
◆
厳正なる抽選の結果、
だったのが、
となった。
憧「」
灼「」
玄「うわあああんおねーちゃー!」ビエー
宥「くろちゃー……」プルプル
穏乃「だ、大丈夫ですよ宥さん! 私が玄さんの分まで宥さんをあったかくしますから!」グッ
宥「じゃあ遠慮無く……」ギュッ
玄「おねーちゃん!?」ズガーン
穏乃「やっぱり暑い!!」ウギャー
阿鼻叫喚だった。
687 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 15:55:51.87 ID:DlMVh1Jwo
京太郎「つか、よく考えたら俺と憧と玄さんで一列ずつズレてる感じですね」
レジェンド「あらほんとだ」
俺が助手席から二列目へ、憧が二列目から三列目へ、玄さんが三列目から助手席へ見事にシフトしている。
憧「……京太郎……」ユラリ
京太郎「ん? どうした憧」
憧「アンタわざとやってるでしょ!? あたしのこと馬鹿にして楽しい!?」ガシィッ
京太郎「本当にどうした!?」ビクゥッ
いきなり胸ぐら掴むとか怖い。
わざとも何も、クジ引きだっつーのに。
毎回そんなに座りたい席に座れてないのか。
灼「ハルちゃあん……」グスッ
レジェンド「もー、そんな顔しないでよ灼ー」ナデナデ
灼「だって……」
レジェンド「部長でしょ? しゃんとして、皆を引っ張ってよ!」
灼「……ん。ハルちゃんの頼みなら……」
レジェンド「いい子だね。それじゃ出発するよー!」
そして号令が掛かり、旅は再開された。
距離は、残り1/3ってところか。
691 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 16:22:08.88 ID:DlMVh1Jwo
……
…………
………………
玄「赤土さんに足りないものは! それは、情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!! そして何よりも――おもちが足りないですのだ!!!」クワッ
レジェンド「運転中で手が出せないのをいいことに酷いこと言われた……」
玄「もっと大人の女性らしく豊かなおもちを持ってほしいのです! 有名人で言えば瑞原プロみたいに!」フンス
レジェンド「いや、色んな意味であの人みたくはなりたくないかなーって」
玄「言い訳無用ですのだ!」
レジェンド「アッハイ」
ヤイノヤイノ デスノダデスノダ レジェンドレジェンド
灼「…………………………須賀くん」
京太郎「はい……」
灼「前の二人、楽しそうだね?」
京太郎「は……いえ、どうでしょう……」
灼「楽しそうだね?」
京太郎「……はい……」
ボスケテ。
698 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 17:00:47.29 ID:DlMVh1Jwo
灼「♪ハルちゃんはね晴絵っていうんだほんとはね……」ボソボソ
歌い始めたよ。
勘弁してくれ。
このまま延々お通夜ムードが続くなんて御免だぞ。
なんとかしなくては。
京太郎「えー……あー……鷺森部長」
灼「♪だけどレジェンドだから自分のことハルちゃんって言うんだよ ウケるよね ハルちゃん」フフッ
京太郎「鷺森部長!!」
灼「やかまし……なに」
京太郎「す、すみません。えっと、部長の家ってボウリング場なんですよね」
灼「そだけど」
京太郎「やっぱ部長もかなり上手いんですか?」
灼「まあまあかな……部の中じゃ一番だけど」
京太郎「えっいつの間に」
灼「須賀くんが奈良に来る前だから」
京太郎「ああ……」ホッ
ビビった。
ハブられてるのかと思った。
703 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 17:40:00.02 ID:DlMVh1Jwo
灼「新年度に入ってからは遊んでる暇なんてな……」
京太郎「ですよねー。俺もすっかり部活漬けですよ」
毎日毎日、陽が暮れるまで雑用して。
最近は遠征までするようになって。
他にも憧とロッカーに入ったり、(咲の)保護者が来襲したり。
おままごとしたりマッサージしたり、本当に大変だ。
……部活漬け?
京太郎「ゴホンゴホン」
灼「?」
京太郎「そ、そういえば俺もボウリングなんて長いことやってないなー。久しぶりにやりたいなー」
灼「ん……まぁインターハイが終わったらいくらでも遊びにくればい……」
京太郎「そっすね。せっかく部長から貰ったサービス券もありますし」
灼「あ、それ有効期限一ヶ月だから、もう使えないと思」
京太郎「渡すタイミング考えろや!!!」
707 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 18:10:38.33 ID:DlMVh1Jwo
穏乃「しーっ。京太郎、憧寝ちゃってるから静かにして」
京太郎「あ、悪い」
って、寝てるのか。
振り向くと、確かに寝息を立てる憧の姿があった。
憧「すぴー……」zzZ
京太郎「あーあーよだれ垂れてんぞー……穏乃、拭いてやってくれ」
穏乃「わかった」ゴシゴシ
憧「んぅ……うへへ……」zzZ
穏乃「うわっ寝言だ」
京太郎「疲れてるのか……?」
憧「さすが全国……雀卓が黄金……」zzZ
穏乃「おぉ……」
京太郎「まさに夢って夢だな」
憧「やったー……県大会優勝だ~……」zzZ
穏乃「さかのぼったしホントのことだよ!?」
京太郎「穏乃、しー!」シーッ
716 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 20:12:30.87 ID:DlMVh1Jwo
憧「まいくちぇっく……まいくちぇっく……」zzZ
穏乃「寝言でマイクチェックしてるー」プッ
京太郎「普段マイクなんて使わないのにな」
憧「わん、つー……わんつー、わん、つ……さん・しィー!」クワッ
「「!?」」ビクッ
憧「………………めがねめがね……」zzZ
穏乃「どんな寝言!?」
京太郎「お前眼鏡掛けてねーだろ!」
灼「二人ともうるさ……」
宥「憧ちゃん起きちゃうよ……?」
穏乃「わ、すみませんっ」
京太郎「なんもかんも憧が悪い」
憧「ん……きょうたろう……」zzZ
京太郎「ハイすみません悪いのは私です!」
灼「だから寝言だってば」
719 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 20:30:43.57 ID:DlMVh1Jwo
京太郎「って、オレェ?」
憧「京太郎……京太郎、どこ……?」ウーン
穏乃「京太郎のこと呼んでる」
宥「呼んでるねぇ」
京太郎「えっと……こ、ここにいるぞー?」
憧「どこぉ……」グスッ
穏乃「泣いてる!?」
宥「泣いてるね……」ブルッ
灼「須賀くん、ちょっと席替わってあげるからなんとかしたら」
京太郎「な、なんとかって……こう、ですか?」
キュッ
憧「ぁ……えへへ……」zzZ
穏乃「泣き止んだ!」
宥「あったか~い」
京太郎「手を握ればいいのか……」
733 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 21:06:07.34 ID:DlMVh1Jwo
憧「ごかいもしてないもん……よんかいだもん……ふきゅうぅ……」zzZ
京太郎「何が?」
宥「憧ちゃん、気持ちよさそう……」
穏乃「京太郎に触れて安心したんだね、わかるわかる!」
京太郎「分かるのかよ」
穏乃「だって私もそうだし……ふあぁ」
京太郎「なんだ、穏乃まで眠くなってきたのか?」
穏乃「うん……」ショボショボ
宥「私もちょっと……」><
レジェンド「どんどん寝まくっていいよー。玄も寝てるしね」
玄「おもちもちもち……」zzZ
助手席ェ。
レジェンド「っと言いたいところだけど、残念ながら到着だよー」
-―…―-
, -―‐-、/: : : : : : : : : : : : : \
/γ  ̄ .ア: :/: :./ : : |: : : : : : : : : : .
. i: :/ ./: : /:.、イ : ⅰ|: :.|: :|: : : : :’
. |: | i;イ:/ :Ⅳト|: :ハ:|';: |: | |: : : ;a‐┴- 、
八:ヘ |レ:.;ィrぉ!|: :l 弋マサ:|: : /: : ̄|` 、:\
. ヘ:.ヘ Yイ代リ`ヽ! 'で心'/ニ/: :j: : :| \:\ 「おっはよーう!」
\、「l /〉:| , 辷チハ_/ : ハ: :λ \:\
. _ | |7/.圦 、_ ,"" //./: :/: ヘ: : マ ̄ミ=-ヽ: \
. / 「lY {:「!: :ぇ. ゝノ /厶ク ∧: : ヘ: :ヘ ̄ィ二ニ_マ: :ヽ-、
. / ト}」テ了|: :ハ ¨爪/// 厶-\: :ヽ: ヽ: : : : _:ヘ: : ヘヾ
\ / 入__ム/:厶≧「ミマム': :, イ \: :\:\: : : : `:ヽ: :ヘ`ー-‐ァ
`ー'`ー ´ ./:/ レ/: イ ム ___ 寸z_`: : : :―‐- \: ヽー‐'. }. ___
/:/ く/ィチ_Y 厂/ ハ寸: ̄: : ‐--: 、ヾ\:\ミー‐ァ ./' jγ ̄ `
| { //| ヽ._/ ,-<¨ \\: : : : : : : : :`\:\二_/ムィノ,
| ト、 /イ/ 个ァ' / /  ̄ ̄ \ミー―-- _: : ヾー―----一´
ヾ、 ハ| / / ∠_ `ーニ=-一  ̄ヽ: :.
厶 ' //ゝo ` _ ク`了ユ
/ / λ ー ´ ヽ:\
/ 夕く`ー、 o 〉:.:.〉
’ ./ ゝ:.:.:>、/|o /:.:Y
/ / `<:.:/:.:.:|____ ィ:.:.ト、:.:/
/ / / `ーヘ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.レ`´
___r 、 ノ ./ / /`ァ――--‐'ア ̄
_≧=-` `く ./ ./ / / /
. ` ー‐ァ _ >-‐' / ./ /
ー´ ’ /
/ / ./ ./
/ ..:: ./ .:::
/ イ ./
\ ヽ / ’
京太郎「抜け抜けと切り替えはえーな!」
【TO BE CONTINUED...】
736 名前:6月29日(土)[saga] 投稿日:2014/04/13(日) 21:15:52.49 ID:DlMVh1Jwo
【おまけ】
ちなみに練習試合には、
_
. { ヽ
. 八
:. ’
ヘ ::.
r‐、ヘ. ヽ
,-マ ,廴__ \ γ==‐
入. \ーュ、 ̄`ヽ ム - : : `
{ \_ く.| ̄` V ´: : : : : : : ` 、: \
. `寸‐二八 ト、 /: : : :/: : : : : : : : : \: \
\ ヽ // 勹ュ ′ : : /: : : : /: : : :,ィ: : : ヽ: :\
ヽ__ // /./二\ /|: :\/:/: : :/ : : : / ハ: : : : :ヘ: : :` ー-_- __
`寸ニ/ノ /二二ハ. |λ:!: ,l:/: :\|: i: ;.イ / | : : : : : ヾー- 、: : : ` 、-- _‐-、
守三ヲ二二二入 lハ:|:ハト、i: |_|ヽ: | |/ ||: :|:ト、:\ ` 、: : : ヽ `ヾ、
マ二二二二二ニヽュ_ V´.|:l ,ィ示心ト、ハ| -┼|: :|:| |トヽー-- \: : : \ `
. `寺二二二二二ヘ\八 ハヘ. 弋_ツ ヽン芯ムイ:./|: | j! ヾ. \: : : \
. `寸二二二二ヽニマ.迅ヘハ "" .辷ツ/|_j厶レ'二≧、ヾ ヽ: : : ハ 「シャイニング! ソーーードブレイカーーーーーッ!!」
` 二二二二{ニ.ハ、ヾ、| Y`ー、_ ' ∧:|二/ムァ‐ 、二ヽ\、 }: : : |
\二二ニ./ニヘヽ.|ト、`ー_'_ ィニ∧、〈 { / / /ヽニ{ ノ: : :/
\二/二二二リ「} ̄二ニ/ニ/ニ.ヾ、>ニュ{_ム}‐' _/: : /
|_/二二二二 ||二二ニレニ.厶ィ´ }:| ー―‐z/
|二二二二二ニ||二二ニ厂 リ
|二二二二二ニ||二二./
|二二二二二ニ||二ニ./
λ二二二二ニ ||ニニ./
ハ.}二二二二ニ/'二 /\
二二二二二./'二 /ト、ニヽ
|二二二二二.{{二ニノ ヾュニ}
|二二二二二.ハヤ二二二ノタ
|二 「l二二二二ヾ二ニ/.,イ
|二 |.|二二二二ニ}} /./ '
八二l」二二二二_ム' / ト、
}二二≦==‐rヘ´ .|ヾュ、
「ぐわあああァァーーーーーッ!!」
普通に勝利した。
もいっこ【TO BE CONTINUED...】
最終更新:2014年04月14日 21:45