終魔負誤妬

39 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 15:39:07.84 ID:us1FKdoDo

ガラッ

京太郎「ま、間に合った……!!」ゼーハー

 なんとか予鈴の前に教室に入ることが出来た。

 やはり朝からトレーニングと家事の両立は難しい。

 もっと早く起きて、有効に使える時間を増やさないとな。

 額に浮かんだ汗を拭いながら、そんなことを考える。

憧「おはよー京太郎」

京太郎「おう、おはよ」

憧「今日は遅かったわね」

京太郎「弁当作るのに夢中でさ、気付いたら遅刻ギリギリだった」

憧「偉いんだか偉くないんだか……」

京太郎「おかげで朝から全力疾走だよ」フィー

憧「ああ、だからネクタイが曲がってるのね」

京太郎「マジか」

 阿知賀の制服は男女ともブレザーだ。

 男子がネクタイで女子がリボンというのは、夏服でも変わらない。

44 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 16:16:18.83 ID:us1FKdoDo

京太郎「どっちにズレてる? こっち?」キュッ

憧「そっちだけど、それは行きすぎ」

京太郎「えー。これでどうだ?」キュッ

憧「それじゃ元に戻っただけだってば」

京太郎「……めんどくせ。もうこのままでいいんじゃないか?」

憧「よくない! もー……こっち来て。やったげる」

京太郎「お、悪いな」

 席を立つ憧と向かい合う。

 緩めたネクタイに手が伸びて、

憧「まったく、高校生にもなってだらしないんだから」

京太郎「んなこと言われても、中学の時は学ランだったし……」

憧「言い訳しないの。もう6月も半ばなのよ?」

京太郎「へーい」

 話しながらも、憧の手は休まず動いている。

 あっという間にネクタイの形を整え、仕上げにキュッと締め上げた。

京太郎「ぐえ。ちょ、ちょっとキツくないか?」

憧「少しぐらいキツく締めた方が見栄えがいいのよ。ん、上出来♪」ニコッ

京太郎「……ま、サンキュな」

52 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 16:45:36.71 ID:us1FKdoDo

 という遣り取りを、

京太郎「……ん?」



「「……」」ニヤニヤ

「「……」」ニヤニヤ

「「……」」ニヤニヤ



憧「ふきゅっ!?///」

 めっちゃ見られていることに、ようやく気付いた。



「あーあー朝からお熱いことで……」ヒソヒソ

「前々から怪しいとは思ってたけど……」ヒソヒソ

「須賀くん、高鴨さんとは遊びだったのかしら……」ヒソヒソ

「すげェよ須賀ニキ……アンタがナンバーワンだ……」ヒソヒソ

「ああ……掛ける言葉が見つからねえ……」ヒソヒソ

「まったくだ……「くたばれ」以外に言葉なんてないよな……」ヒソヒソ



憧「やっ、ちが……違うの! これはその……ちーがーうーのー!///」

京太郎「やっぱ緩めよ」クイッ

 そんな朝の一コマだった。

59 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 17:08:30.58 ID:us1FKdoDo

……
…………
………………

憧「――ってことがあったの! もう最悪!」

京太郎「そこまで言わなくても」

 時は一気に進み、放課後。

 今日も今日とて麻雀をする麻雀部。

 憧、穏乃、玄さん、宥さんが対局中である。

 俺と鷺森部長はあやとりをしていた。

憧「なによ! あんなの最悪以外の何物でもないでしょ!」ガルル

玄「ま、まあまあ憧ちゃん」

宥「あったか~い紅茶あるよ、飲んで落ち着こう……?」

憧「ん……ごめん、取り乱した」ズズー

穏乃「そういえばウチのクラスでも、『B組の須賀くんと新子さんが夫婦みたい』って話題になってたなー」

憧「ぅぐっ!? っ、ゲホッゲホッ!!」

 むせてる。

穏乃「苗字だからピンと来なかったけど、あれって京太郎と憧のことだったんだね!」

京太郎「いやピンと来てくれよ苗字でも」

灼「次須賀くんの番だよ」

65 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 17:34:28.25 ID:us1FKdoDo

 鷺森部長の手からあやとりを外して形を作る。

 崩れないよう慎重に、慎重に……

灼「そんなに嫌がるならどうしてネクタイ締めてあげたりしたの?」ズバァッ

 手隙になった部長閣下が追い打ちを掛けていた。

憧「ふぎゅ……だって、だらしない着こなしとか見てると我慢出来なくて……」

宥「憧ちゃんらしいね」ナデナデ

憧「ちょ!? やめてよ宥姉、子供の頃じゃあるまいしっ」

宥「いい子いい子~」ナデナデ

憧「やめてってばー!?」

 羨ましい。

 憧って基本的に年上に弱いよな。玄さん以外。

玄「……夫婦みたい、かぁ」ポソッ

 以外の人が呟いた。

京太郎「どうかしました?」

玄「あ、ううんっ。ただ、新婚さんって素敵だなぁと思って……」

75 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 18:20:16.69 ID:us1FKdoDo

京太郎「嫁かァ……」ホワー

 イメージする。

 俺達は惑星クレイに降り立った霊体……ではなくて。

 イメージする。

 玄さんの花嫁姿を。

 べらぼうに似合っていた。

京太郎「玄さんはいい奥さんになれると思いますよ」キリッ

玄「ほ、ほんとにっ!?」

京太郎「俺が保証します」キリリッ

玄「えへへ、やったぁ……///」フニャ

憧「……京太郎に保証されても仕方なくない?」ジトッ

京太郎「なぬっ。そんなことを言う憧は鬼嫁確定だな!」

憧「だからなんでアンタが決めるのよ!」

京太郎「でも実際、男嫌いで嫁とか無理じゃねーか?」

憧「決めつけないでよ! あ、あたしだって……いいお嫁さんになれるもん!」



「今の言葉、合意と見てよろしいですな!?」



「「!?」」

84 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 18:36:46.24 ID:us1FKdoDo

穏乃「今のって……」

灼「ハルちゃんの声だ!!」ブチッ

 鷺森部長があやとりを引き千切って立ち上がった。

 俺達も声の出処を探すべく辺りを見回す。

憧「かなり近くから聞こえたと思うんだけど……」

 そう言って席を立つ憧。



レジェンド「よっこいしょういち」ズルリ



 の、足元からレジェンドが這い出てきた。

憧「きゃああああああああああっっっ!!?」ダキッ

穏乃「うわっなにやだこわい!!」ダキッ

京太郎「ぐえぇ」

 憧と穏乃に両側からしがみつかれる。

 驚異のジャンプ力を発揮した穏乃の腕が首に周り、かなり苦しい。

90 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 18:51:10.54 ID:us1FKdoDo

京太郎「し、穏乃……苦し、ギブ……」プルプル

穏乃「わっ!? ご、ごめん!」ピョンッ

憧「ふきゅう!?///」バッ

 二人から同時に解放され、窮地を脱した。

 美少女に挟まれて窒息死とか、字面だけなら割と天国だが現実は非情だった。非常に危なかった。

 新鮮な空気を取り込みながら元凶を見る。

京太郎「監督……そんなところで何してたんすか」

レジェンド「いやぁ、皆を驚かそうと隠れてたんだけどね? タイミング逃しちゃって」テヘペロ

京太郎「ちゃってじゃねーよ」

憧「そうよ! 心臓止まるかと思ったじゃない!」

レジェンド「まーまー。そんなに怒んないでよピンク」

憧「ピンク? なにそれ髪のこと?」

レジェンド「さーて、どうだろうねー?」

憧「はあ?」

91 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 18:55:47.65 ID:us1FKdoDo

京太郎「――」

 なんのことやらと首を捻る憧だったが、俺には直感があった。

 まさか、という直感。

京太郎「……監督、ちなみに玄さんは?」

レジェンド「ん? 水色だよ」

玄「ふぇ?」

京太郎「宥さんは?」

レジェンド「毛糸だね」

宥「ゎゎ?」

京太郎「し、穏乃は……!?」

レジェンド「禁則事項です」キッパリ

穏乃「ぅ?」

京太郎「クソァ!!!」ダンッ

 俺は床に拳を叩きつけ叫んだ。

憧「……?」

憧「……」

憧「……!?」



憧「なっ、なんの話をしてんのよバカァーーーーーーーーーーッ!!!///」ドゴォッ



 直後に床に叩きつけられた。

119 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 21:44:17.33 ID:us1FKdoDo

穏乃「え? なんの話なんですか?」

レジェンド「それはねーアンタらのパ」

憧「うっさいそこォ!!」ドゴォッ

レジェンド「パァン゛!」メキョッ

灼「ハルちゃーん!!」

憧「ったく……で? さっき言ってた合意って何?」

レジェンド「ぞればね……ゴホン。それはね、これのことだよ」ピッ

 そう言ってレジェンドが掲げて見せたのは、一枚の紙切れ。

 四つ折りにした跡のある、まるでクジ引きで使うような紙切れ。

 ……まるで、指令ボックスから抜き取ったような、紙切れだった。

京太郎「監督、それって……」

レジェンド「気付いた? 指令だよ」

憧「え!? ハルエが勝手に引いたの!?」

レジェンド「いや違くて。実は一度不採用にしたやつなんだよね、これ」

京太郎「不採用?」

レジェンド「そ。家でビール飲みながら考えたんだけど、一晩経ったらやっぱこりゃないわーって!」ケラケラ

 駄目だこいつ、早くなんとかしないと……

122 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 22:00:35.95 ID:us1FKdoDo

レジェンド「でもね」キリッ

 今更マジ顔作られても。

レジェンド「さっきの憧の言葉、あれに私は心を打たれたんだ」キリリッ

憧「は、はあ?」

レジェンド「憧なら、二人ならこの指令もクリア出来る。そう思った」キリリリッ

灼「ハルひゃん、しゅてきぃ……」トローン

京太郎「監督、その顔そろそろ止めてください。鷺森部長が大変です」

レジェンド「おっと」レジェェェ...

 いつものレジェンド顔に戻った。

 戻って、また俺達を見る。

レジェンド「というわけで! 今回のミッションは――」



                 --……--
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        リ {: :.:.:.:.|!:‘, ィ芹≧ュ    ’|イi//| 》、:。:.:.:.ぃ、  「――『おままごと』!!」
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「「ざけんな!!!」」

125 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 22:29:08.49 ID:us1FKdoDo

レジェンド「なによーぅ、そんな怒鳴らなくてもいいじゃん」

憧「怒鳴るわよっ! なんで高校生にもなっておままごとなんてしなきゃなんないのよ!?」

レジェンド「高校生だからだよ。高校生だからこそ出来るおままごとをするんだ」

京太郎「仰ってる意味が分からねーんですけど」

レジェンド「つまり新婚ごっこってこと! 自分のイメージするお嫁さん像が実際に通用するかを試すんだよ」

憧「た、試すって……指令でやるってことは、相手はまさか……」

レジェンド「須賀くん」サラリ

憧「絶対ムリ!!///」

京太郎「どういう意味だ」

憧「言葉通りの意味よっ!///」

レジェンド「相変わらずゴネるなぁ……ま、自分の番までにハラ決めてくれたらいいよ」

憧「……は? 番?」

レジェンド「うん」



                 --……--
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        リ {: :.:.:.:.|!:‘, ィ芹≧ュ    ’|イi//| 》、:。:.:.:.ぃ、  「今日は全員参加で!」
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憧「はぁ!?」

138 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 23:07:52.73 ID:us1FKdoDo

レジェンド「あ、ただし灼は抜きね」

憧「なんで!? ずるい!」

レジェンド「だって灼は既に私の嫁として完成してるし」ナデナデ

灼「はるちゃあああああああああああああああ」ヴヴヴヴヴヴヴ!!!

憧「なにそれ……」

穏乃「私達も混ぜてくれるんですか! やったー楽しそう!」ワーイ

玄「きょ、京太郎くんのお嫁さん……どっどどどどうしよう、おねーちゃん!?///」ハワワ

宥「うん……どうしようかな……///」ポワワ

京太郎「……」

憧「ちょっと京太郎! 黙ってないでアンタからもハルエに言ってやってよ!」

京太郎「オレェ?」

憧「当たり前でしょ! このままだと……、……あ」

京太郎「……」

憧「アンタ、まさか……」



京太郎「このまま黙ってれば玄さんや宥さんと新婚ごっこが出来るんだろ? 最高じゃないか」キリッッッ



憧「~~~っ……ばかぁー!!」

145 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 23:36:58.40 ID:us1FKdoDo

《高鴨穏乃の場合》

レジェンド「じゃあ最初は誰からやろっか?」

穏乃「はーい! 私っ、私やります!」ピョンピョン

憧「しず!?」

レジェンド「元気いいねー。じゃあ一番槍頼むよ!」

穏乃「はい!」ムンッ

憧「ちょっ、なんでそんなやる気なのよ!?」

穏乃「だって楽しそうだし?」

憧「どこが!?」

レジェンド「はいはい、外野は黙ってようねー」グイグイ

憧「あたし外野なの!? これあたしのためにやってるんだよね!?」

レジェンド「あ、須賀くんは一回部室の外に出てくれる? 仕事から帰ってきた夫を出迎えるシチュだから」

京太郎「りょーかいでっす」クルッ

穏乃「京太郎っ!」

京太郎「あん?」クルッ

穏乃「お互いがんばろーね!」ニパッ

京太郎「おう、期待してるぜ」

バタム

147 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 00:16:07.48 ID:x7OgzoKko

 廊下に出て、その場で待機。

 ごっこと言うからには準備も必要だろう。

 声を掛けられるまで大人しくしていよう。

 しかし、

京太郎「穏乃が嫁かァ……」

 まず、楽しそうだなと思う。

 いつでもどこでも元気な、悪友のような女の子。

 そんな穏乃と、今回は恋仲を飛び越えて新婚を演じろという。

 ぶっちゃけイメージが追いつかない。

 いつも通りのパワフルさで俺を振り回してくれるのか。

 それとも、意外と家庭に入ると落ち着くタイプだろうか。

 ああ見えて髪を下ろすとお淑やかさんに見えるもんな、穏乃。

♪メールダヨ、チャントミトケヨー

京太郎「お」

 メールだ。差出人はレジェンド。

 件名に『どうぞ』、本文はナシ。

 部屋の中から呼べばいいのに。

 さておき、準備が出来たのなら早速入ろう。

 俺はドアノブに手を掛けて、

ガチャッ

149 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 00:24:26.32 ID:x7OgzoKko

京太郎「ただいまー」





          /: : : : : : : : 、: : : : : :\         r三ミY_ソ
ヽ         _/:/ : : /:/: : :/ ヽ: : : : : : :ヽ      /::::::::::iソ
::::\      ///: : : /<: :ハi  Vハレ: !: : ハ    /::::::::::::/
:::::::::\   /:ハ: !: :ハ! V\  イ´Vハ: : :ハ   /:::::::::::::::/
::::::::::::::\ /: :i :V:ハ:{ r≠ミ    r≠ミ }:ノ: :リ ,.´:::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::\: :V : i:ゝ 、、   丶  、、イ: レ´ /:::::::::::::::::/
、:::::::::::::::::::::::::\⌒{: {     /⌒ ┐  !:} /::::::::::::::::::/   「おっかえりなさーーーーーーーーーーい!!」
 \::::::::::::::::::::::::\{:.{     i    ′ ィ: レ::::::::::::::::::::::/
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   /: :\:::::::::::::::::::V{:Y::::: ̄::Ti::´} _/:::}:.j::::::::::::::::::/
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  Vi: : : : :ハ:{ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::ヽ:::::::; ´
  ハ: : : :ハ{   V:::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::V:/
    V: : :{ \ {:::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::V
    V\:、    !:::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::',
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           l::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::i
.             }::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::'
              !::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::}





京太郎「うぉわっ!?」

200 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 21:44:34.79 ID:x7OgzoKko

 声。そして穏乃。

 部室に入った瞬間、その二つが真正面から同時に飛んできた。

 受け止め――るまでもなく、いつも通り首にしがみついてぶら下がる穏乃。

京太郎「お前なぁ、いきなりはやめろって言ってるだろ?」

穏乃「えへへ、ごめーん」

 口ばかりで反省していないのは丸分かりだった。

 そして穏乃は人を棒か柱かのように扱って着地する。

京太郎「ったく……」

 嘆息しつつ、俺は右を見た。

 すぐ傍に鷺森部長がいた。

 一瞬ギョッとしたが、恐らく座敷童かこけしにでも任命されたのだろう。

 ここが玄関先であると考えれば、位置的に後者か。

 気を取り直して左を見た。

 部室の後ろの方に、残る全員がいた。

 今にも暴れ出しそうな憧を、レジェンドと玄さんが羽交い締めにしていた。

 宥さんは羽交い絞めにしていると見せかけて単に暖を取ってるだけだった。

穏乃「京太郎? キョロキョロしてどうしたの?」

京太郎「ああいや、ちょっと状況確認をな――」

 下を見た。

 上目遣いの穏乃がいた。

209 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 22:12:58.78 ID:x7OgzoKko

京太郎「……っ」

 流石にドキッとした。

 新婚ごっこという設定のせいだろうか。

 俺の背中に腕を回し、体全体を密着させる穏乃。

 その瞳はキラキラと輝いていて、唇はウズウズと波打っていた。

 もしも穏乃が犬なら、今頃はち切れんばかりにしっぽを振っているだろう。

京太郎「……」

穏乃「ぅ?」

 そんな様子が。

 まるで、全身で『好き』を表現しているようで。

 新婚ごっこという設定のせいだろうか。

京太郎「――」ギュウッ

穏乃「わふぁっ!?」

 無意識の内に、穏乃を思い切り抱き締めていた。

220 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 22:51:22.29 ID:x7OgzoKko

京太郎「」ギュウウウ

 考えてみれば、俺から穏乃を抱き締めるのはこれが初めてかもしれない。

 二人羽織はノーカンとして、いつも飛びつかれては下ろしての繰り返しだったから。

 こうしていると、本当に小さな身体だと実感する。

 小さくて、細くて――だけど、暖かい。

 その儚い温もりが愛おしくて、いつまでもこうしていたいと思った。

穏乃「んっ……きょうたろ、苦し……」

京太郎「あ」

 肝心の本人を無視していた。

 確かに、いつの間にか力が入りすぎていたかもしれない。

 慌てて離す。

京太郎「わ、悪い穏乃。つい――」

 ――お前が可愛くて。

 とは、流石に恥ずかしくて言えなかった。

 そんなことを言うガラじゃないし、そういう間柄でもないから。

232 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 23:24:36.21 ID:x7OgzoKko

穏乃「……」ポー

京太郎「、穏乃?」

穏乃「へぁっ!? な、なに!?」

京太郎「いや、つい力が入っちまって悪いなって。痛かったか?」

穏乃「ぁ……あー、だいじょぶだいじょぶ! 気にしないで!」

京太郎「そうか?」

穏乃「うん! むしろぎゅってしてくれて嬉しかったし……またやって欲しいな」ニコ

京太郎「お、おう。今度な」

 そろそろ憧の殺気が無視出来ないレベルに達している。

 これ以上の触れ合いは命に関わるので避けよう。

京太郎「って」

 改めて穏乃を見ると、

 今まで密着していて気付かなかったが、

京太郎「エプ……ロン……?」

 を、着けていた。



 他に何も着けていなかった。



250 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/12(水) 23:53:38.56 ID:x7OgzoKko

穏乃「そだよー。どう、似合うっ?」クルンッ

京太郎「おまっ――、……え?」

 目の錯覚だった。

 身を翻した穏乃は、ちゃんとジャージを着ていた。

 そう言えば今日は袖なしのジャージだったっけ。

 エプロンが大きめなせいで完全に隠れていただけだった。

 心臓に悪いわ。

穏乃「……どうしたの? もしかして、似合ってない……?」ショボーン

京太郎「うぇ!? いやっ、似合ってるぞ? すごく似合ってる!」

穏乃「ほんとに?」

京太郎「ああ。ちゃんと新婚さんって感じで……女の子らしくて可愛いよ」ナデナデ

穏乃「っ……わふぅ」ニヘー

 頭を撫でてやると、エプロンの裾を握ってはにかむ穏乃だった。

 ……あれ? 結果的に恥ずかしいこと言わされてね?

263 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 00:29:06.63 ID:TU1snQVzo

京太郎「けどエプロンなんてどこから持ってきたんだ?」

穏乃「玄さんが掃除用に置いてたのを借りたんだよ」

 なるほど、道理でサイズが合ってない。

 ずり落ちそうな肩紐も愛嬌の内だが。

穏乃「あ、そうだ!」

京太郎「ん?」

 唐突に声を上げ、一歩後ろに飛び退る穏乃。

穏乃「これ新婚ごっこでしょ? 言ってみたいセリフがあったんだー」

京太郎「ほほう」

 相槌を打ちながら、もしかしてという予感。

 もしかして、『あのセリフ』が穏乃の口から聞けるのか。

穏乃「えー……えへへ、ちょっと照れるかも」ポリポリ

 頬を掻いて恥じらう様は新鮮で、不覚にもときめきそう。

穏乃「……じゃあ、言うよ? ちゃんと聞いててね?」

京太郎「お、おう」

 緊張が伝播する。

 そして穏乃は意を決して――

268 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 00:39:09.54 ID:TU1snQVzo

      _/: :/: : .:/: : : : : : : : : : : : : : \
    //: : /: : : :′ : : : : : : : ハ: : : : : ::\
.  /.:.:/: : /: : : : |: : :./ }: : : :/  : : : : : : :ヽ\
  /: : : :′:イ: : : : ∧: / /:: :/  |.: .: .:.:|: : :|
. /: : : : :|: : :|八: : | ィ存斥く     jハ: : :|: : :|
/:: : : : : |: : : |: :\/r;....ハ    x=ミ !: :ノ.: .::|
: : : : : : .:/⌒ヽ: : |弋  ソ    r;..ハY: :|: : ハ
: : : : : .:∧   :: ::| ,,,     , V ソノ: ムイ   「おかえりなさい、京太郎っ」
: : : : : ,′ \ :.: ::.    r-    ''' 从 |
: : : : /    `ヾ: : :.     ノ   イ: .:.:|  _
: .: .:/      r::\:>...    <  |: : :八/ )r- 、
: : /       |/:::≧:::::不、    .: / /:::::::::\{)
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        ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::厂:::::::::::::ヽ::::::Y
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             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
            /: : : : : :/: : : : ハ: : : : : : : : : : : ヽ
          /:/ : :/: : :/: : : : : / V : : : : ; : : :ヽ: :ヽ
          /:/: : /: : :/:/: : : :/  i: : : : : :}: : : :'; : :ハ
          / / : /: : フハ⌒:/:/   }:j:L: :i: j: : : : :!: : ハ   「ごはんにする?」
           {: : :l: l: ハハ: ハ{   j:ハj: :フ::ト、: : : i: : ハ
           {: : ハ: Vイテ云    、_レ レ ハ:j ノ: : ハ:!
             ヽ:ハ:〈 {///リ`     7c示ミレイ:/: : /: :}   「お風呂にする?」
            〈 ハ  辷ソ       {//// 〉/ ://: : :|
             'l: :! ,,,   、     `ー‐' /: : /: : : :!
                |: ハ         ''''   ///: : : : : {    「それとも……」
                {: { \   ∩       ィ: /: : : : : : i :|
             V!  i:\ __  < /:/: : : : : : : i :}
         , ┬<:⌒ヽ:┴...._/::::〉__/:/:l : : : : : : :ハ:}
           /   ヽ:::ヽ: : :ヽー==》=イ::::V`ヽ!: : : : : : :ハ:.}
.          /    ';::::ハ: : ハ::ヽ:::《::ノ::::::}   ハ: : : : : :ハ:}
        /     }::::::::l : : ハ::::::::》::::::::::'v //: : : : : / j:j
.      /       ノ::::::::V: : ハ:::::::ll:::::::::::::l / j: : : : : / //
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           /  .: / . :. :.:./: : :.:.′ :.′ l:.ヽ: : :ヽ: ヽ: : .
        l\.: .:.′:.:.:.l: ′|: :.:| : : |   |:__l__:.:|: : |: : : ヽ:.i
        ト、: \!    |:i .斗‐┼!: :l   jノ人|:.:.`ト、:.|. . .. ..| |
        个x: : :|: : :. イト、人_∧\!   __ |: :/|:i!:.|: : :. :.| |
.        / . ト、: \!l!: :. :.レ    ¨´         レ' レiノ:.|: : :.ハj
       /   l:.:.\:从: : : |              ___ |: : :ハ/
.      /   \ : \l\_j xzzzzz        ⌒¨^'ムイ
     /    .: :\/^Y T ^゚´      ,   、、、 l:.:.:|    「わ・が・し?」
.    /     .: : : : {.⌒i: :|  """            l:.:.:|
   /    .: : : :. :.:.丶 l: :|       i ¨´` T     !:.
.  //    .: : : : : :.:. __/!:.:| > .      、__ ノ   イ:.:.:/
 //   .: : : : : :./^ヽ∨iト、三>   .,,_ . <ニ.|.:./
.//     .: : : : : .:      vヘ三三三三Y三ニi}三ニレ'^ヽ
      .: : : : :/       'vヘニ>─ ┴く/ x─‐‐く |
|| i!   : : : : :′   ⌒ヽ V´ ,       Y /      v
リ |   : : : : :レ'        ∨ ({        i !     i!
l  |   : : : : :|       /   リ..... ____  iノ    _〕
l  |   : : : : :l        /   ヽr'´ ̄ ̄`YY─==ニニX′
.\ト、   : : : : |      /      ! ______.| {       | |ヽ
.    \ : :. :.:.|     ′     └─ッ マ¨:l `ー== ‐┘!(
.     \: : : 、   /        /vvヘ.::|       | }



京太郎「和菓子じゃねーか!!」

281 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 01:00:55.05 ID:TU1snQVzo

穏乃「あ、やっぱり和菓子? じゃあこれ!」サッ

京太郎「本当に出てきた!」

 苺大福だった。

穏乃「うちの店で作ってるの、みんなで食べようと思って持ってきてたんだよね」

京太郎「ああ、そういうことか……」

穏乃「みんなもどうぞー」トテテ

 と、見物人と化していた憧達にも苺大福を配って回る穏乃。

 憧もすっかり毒気を抜かれたようで、素直に受け取っていた。

京太郎「んじゃ、ありがたくいただくわ」

穏乃「うんっ、めしあがれ!……と言っても、私が作ったんじゃないけどね」エヘヘ

京太郎「へー……ん、うまっ。こしあん好きなんだよな俺」モグモグ

穏乃「あっいいなー。私つぶあんだった」

京太郎「なんだ、二種類あったのか。一口食うか?」

穏乃「いいの? ありがとっ!」バクッ

京太郎「一口で食うなや!?」

 そんなこんなで。

 いつの間にかおやつタイムにすり替わった穏乃との新婚ごっこだった。

330 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 21:52:49.74 ID:TU1snQVzo

《松実宥の場合》

レジェンド「よーし、思いがけず腹ごしらえも出来たし、次いってみようか!」

憧「次、って……」チラッ

玄「言われても……」チラッ

 と、お互いの出方を窺うような二人。

 まあ自分から言い出すのは勇気が要るかもな。

 なんて考えていたら、

宥「わ」ソローッ

 手が挙がる。

宥「私、やります……」ブルッ

憧「宥姉!?」

レジェンド「おー、積極性があってよろしい! じゃあ須賀くん、また外へ」

京太郎「りょーかいでっす」クルッ

 廊下に向かう俺の背後で、

玄「お、おねーちゃん……えと、大丈夫?」

宥「うん……私、おねーちゃんだから」ニコ

憧「……関係ないよね!?」

 そんな会話が繰り広げられていた。

バタム

339 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 22:18:05.45 ID:TU1snQVzo

 廊下の、窓側の壁にもたれ掛かる。

 2,3分も待てば準備が終わると分かったので気楽なものだ。

 そんなことより、

京太郎「宥さんが嫁かァ……」

 たまらん。

 常日頃から結婚したい結婚したいと願っていた。

 叶わぬ夢と思っていたが、こんな形で実現しようとは。

 レジェンドには足を向けて寝られないな。

 なんて感謝もそこそこに、脳内では宥さん(私服)のエプロン姿を全力でイメージしていた。

 セーター、マフラー、ロングスカート。オプションに眼鏡も付けてしまおう。

 似合う。絶対に似合う。

 本人は前に家事は苦手と言っていたが、そんなの関係ねぇ。これはごっこだ。

 しかし、だからこそ注意せねば。

 欲望がエスカレートして宥さんに嫌な思いをさせないよう、己を強く律しなくては。

 そう言い聞かせながら、

 ポケットの中で震える携帯電話を取り出すこともせず、俺は部室の扉を開けた。

ガチャッ

341 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 22:22:53.83 ID:TU1snQVzo

京太郎「ただいまー」





              , r ───-- 、
           r '´ : : : : : : : : : `ヽ、
         ./ : : : : : : : : : : : : : :\
        / : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ヽ
       ./ : / : : / : : : : : :|: : : : : : :ハ: : :ヽ : ヽ :ヽ
      / : / : : : /: : : : :l: ::j: :|: : : : : | }: : : :ヽ: ::ヽ : ヽ
      / : :{ : : : ::{: : : : :ノ:ノ}:::ル: : : : リ、}::ハ: : ヾ,: ::}: : ハ
     .{ : : | : : : 」; 斗七´/.}:/.}: : : :リノ }`ト;、: :}:}:: l ; ;} }
     ! { : :! : : : :!: : :ノ':/`/' .j: : : ://  .リ |: 外|: :l: : ト|
     .|::l : ::| : : : |:/,r=≠ミ /: : ノ ' ,r=≠ミ/ |リ:: :| :ハ}
     .|::|: : :| : : : | 《{////゚} ´    .{//゚/}.ヾ|: : : :|/' '
     .|::| : ::|: : : ::| ヾゝ//ソ       リ゚/ソ∥!: : ::Y|
     .|::|: : :l: : : : |  , , ,      ,   , , ,  .j:::: : :|:|
     !:l : : :{: : : :{                l: : : :|::!  「お、おかえりなさぁい……お風呂、入ろ?」
     }::l : : :l: : : ::{               .j : : :リ: |
     .}::i : : :l: : : ::ト、.     ⊂⊃    .ノ: : : ::j: :|
      l: 〉: : :〉: : : :V>、         rl'´リ: : : :/: リ
     .} :∧: : :W、: :ゝ、_.|_` ー __, ィr<、: |:/': : ::/ : /
     ノ : : :ヽ: : :ヽ:\ヽ   ̄ ` ヽ、{ _, r'  フ: ::/:: /
   / : : :r‐'ヽ: : : : ∧           /:/: : :∧、
 ,/': : : ::/  .∧: l: : ::ヽー-        ./: : : : :∧: : \
//: : : , r'ー-  ∧l: : : :ヽ   ー--  j: : : : ::/ ) 、::ヽ::ヽ
/./::/     `> 〉: : : : }         l: : : : /r'´  `ヽヽ:)
! {:/ヘ        ノ:,: : : : :ト--  ___, -{: : : : {     ハ V
 V ∧      ノ' .|: : : : :}   `ー-'´ ヽ、: : l:ゝ   /.}





 (お風呂入ろ)

354 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 23:03:02.54 ID:TU1snQVzo

 早速ネクタイを緩め、シャツのボタンを外し始める。

宥「ふぁっ!? きょ、京太郎くん?」

京太郎「分かってます。すぐ脱ぎますから、そう急かさないでくださいよ」プチプチ

宥「ぬ、脱いだら寒いよっ……?」

京太郎「やだなぁ、だからお風呂に入るんでしょ? 寒かったら先に入って待っててください……っと」ヌギッ

宥「わわっ……わぁ……///」カァッ

 上半身裸になったところで、いつまでも動こうとしない宥さんが気になった。

 顔を赤くして、何か言いたげに俺をチラチラと見ている。

京太郎「……ああ、そういうことですか。すみません自分ばかり突っ走っちゃって」

宥「う、うん……分かってくれたらいいから、早く服を」

京太郎「新婚らしく、脱がしっこがしたかったんですよね?」ニコッ

宥「えぇぇ……!?///」

京太郎「それならそうと言ってくれても良かったのに。じゃあ失礼して……」ワキワキ

宥「ゎゎゎゎゎ……だ、だめだよ京太郎くんっ、だめぇ……っ///」



「おぎゃー! おぎゃー!」



京太郎「!?」

361 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 23:26:26.10 ID:TU1snQVzo

宥「あっ……ま、待って、子供が起きちゃったから……///」パッ

 そう言って俺から離れる宥さん。

 え、子供いる設定なんだ?

 宥さんが小走りで向かう先に、しばたかせながら目を向けると、

穏乃「おぎゃー! おぎゃー!」

 穏乃が寝ていた。

 おしゃぶりを咥えていた。

 それでいいのか穏乃。

宥「しずのちゃん、お父さんが帰ってきたよー」ヨシヨシ

穏乃「おぎゃー!」

 どう扱えと……とりあえず、

京太郎「た、ただいまー穏乃。パパでちゅよー」

穏乃「ばぶー!」

 似合ってるなオイ。

370 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/13(木) 23:58:49.11 ID:TU1snQVzo

京太郎「よしよし」ナデナデ

穏乃「ばぶー♪」

 そうやって穏乃を撫でていると、俺も段々と冷静になってくる。

 何してたんだろう。

 脱ごうとしたり脱がそうとしたり。

 自分に言い聞かせたことを自分でガン無視していた。

 深く反省しなくては。

宥「ふふ、可愛いね穏乃ちゃん」

京太郎「ですね」

 両側から覗き込み、頭を撫でたり指を握らせたりする。

 穏乃(おしゃぶり装備)も普通に楽しそうなので実に和む。

京太郎「こうしてると、本当に家族みたいですね」

宥「そ、そうかなぁ……」ポワ

京太郎「宥さんは結婚したら子供は何人欲しいですか?」

 世間話というか、よくある新婚トークのつもりで振ってみた。

宥「ふぁ……え、ええと……///」モジッ

 すると、何故か宥さんは言い淀む。

 しばしオロオロして、苦し紛れのようにマフラーで口元を隠すと、



宥「……な、なるべくいーっぱい、欲しいなぁ……///」カァー



京太郎「」

381 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 00:48:26.24 ID:yb61+Ssmo

 ――――――――――――――――――――鎮まれ。

京太郎「……そッ。それはー……なんとも、賑やかそうですねぇ?」

 必死に言葉を作った。

宥「うん……ただの夢だけど」

京太郎「夢?」

宥「だって、無理だもん……私みたいなのが結婚なんて……」プルプル

 あなたは何を言っているだ。

 それはひょっとしてギャグで言っているか。

宥「でも、だからかなぁ。理想ばっかり大きくなっちゃって……」

宥「結婚したら、お料理もお掃除も頑張って」

宥「頑張った分だけぎゅーってしてもらって」

宥「毎日一緒に……お、お風呂に入ったりして……///」

宥「そういう風に、いーっぱいあったかいのを貰うんだぁ」ポワーン

京太郎「」

 無理。

 鎮まんねぇ。

389 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 01:11:02.86 ID:yb61+Ssmo

宥「……なんて、やっぱり夢だよね」エヘヘ 

 そう言って、どこか寂しそうに笑う宥さん。

 その手を――



京太郎「違います。間違ってますよ」ギュッ



 両手で包み込んだ。

宥「ぁっ……」

京太郎「夢なんかじゃない」

京太郎「宥さんが心から望むなら、それは夢なんかじゃ終わりません」

京太郎「……俺が、終わらせない」

宥「きょ、京太郎くん……?」

京太郎「宥さん!」ガシッ

宥「は、はいっ///」ビクッ

京太郎「宥さんさえ良ければ……お、俺と――!」





穏乃「おぎゃーーーーーーーーーー!!」





京太郎「おぎゃああああああああああ!!!」

395 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 01:25:43.62 ID:yb61+Ssmo

宥「ご、ごめんねっ、しずのちゃんが泣いてるからっ///」パッ

京太郎「んまっ、つぁ、ちょぎっ……」

宥「どうしたの~」ナデナデ

 あああああ穏乃ォ!!

 テメエ退屈だからって思い出したみたいに泣くなよ!

 こちとら今、一世一代のプロポーズを――待てよ?

京太郎「………………」

 何してんだって。

 なーにプロポーズしてんだって。

 一時の感情に突き動かされすぎだろってばよ。

 危うく今後の人生を左右する局面に突入するところだった。

 いや相手が宥さんなら悔いはないけど。

穏乃「おぎゃー! おぎゃー!」

宥「ど、どうしよう京太郎くん……穏乃ちゃんが泣き止んでくれなくて……」プルプル

 まだやってましたか。

401 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 01:38:43.02 ID:yb61+Ssmo

穏乃「うぎゃー! みぎゃー!」

 ちょっとアレンジしてんじゃないよ。

 レジェンドの悪ふざけが発端のごっこ遊びなのに、穏乃もよくやるな。

宥「ゎゎゎゎゎ……どうしたらいいんだろ……!」オロオロ

 宥さんも。

京太郎「落ち着いてください宥さん。こういう時は出来ることを順番に試してみましょう」

宥「で、出来ること……?」

京太郎「ええ。赤ちゃんが泣く理由――この場合オムツは考えないとして」

 流石にプレイが過ぎるわ。

京太郎「……穏乃ー? ほーら、こけしだぞ~」

灼「ヴヴヴヴヴ」

穏乃「ほぎゃー!」

京太郎「駄目か……こうなったら最後の手段しかありませんね」

宥「最後の手段?」

京太郎「ええ。最後の手段……それは――」






            _,...---、_,.、
           / : /: : / : : ヽー-、
            /. : :, !: iハ!/メ、.i | \
            イ : :{ ヽN  'i:!/!人iヽi
         _1: : :i(    _ 丶:\
        /   `Yリヽ   '、_)'´!`ー`   「――おっぱいです!!!」
      /:::..     |  ,. _/
.      /.::、::    ト、ィ'
      / ::::::|::    !;-!
    /  ::::|::     ! ヽ、        ,:-‐クヽ
    /    ::!::..   ⊥__!_      /  ..:ノ)
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    .i: : : : : ii: : : : |: /: ::/::/ .j:::/  |: : : : : : /1:/ !: ::/iヽ、::リ: : : ::|:::ヽ
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   /:|: : : : :|. !: : : : !   ゝー''´         ゝ _.ノ /::::/:ノ'  '
   /: :|: : : : :|ゝi: : : ::|  \ \ \ \ \ \ \ \ \/::ノ: ::|:イ
   〈: :|: : : : ::|: :|: : : ::|                   ´ i: : ::j::|
   .ゝ:::|: : : : :|: :ヽ: : : |、       / ̄ ̄ ̄ヽ     ノ: : :ノ::|
    ヽ:|: : : : :|: : ヽ: : ::|.ゝ、     ゝ-------'__ -- ' /: : /: : ヽ、
    〉::!: : : : :|: : :>: : ::i  ` ヽ------- ' ´  __, --/: : :/: : : : : :ヽ
    /: !: : : : :i: :/ ヽ: ::i、        __ - '   ,,ノ::/::<: : : : : : :i:::ヽ
   ./: : :ヽ: : : :Y   〉、:ヽ、__,     ´    _ -´ // .ヽ: : : : ::iヽリ
  /: : : : :ヽ: : : ::|  ./ \ゝヽ      _, r ´      r⌒ヽ: : ::ノ レ
 /: : : : : : :ヽ: : : :|  |  `]-___, r ' ノ        /   ヽノ

412 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 02:11:20.15 ID:yb61+Ssmo

京太郎「さあ宥さん、穏乃におっぱいをあげてやってください!!」

宥「え、えぇえぇぇ……!?///」

京太郎「もはや一刻の猶予もありません! さあ、早く!!」

宥「で、でもっ……私、おっぱい、出ないし……///」モジモジ

京太郎「口に含ませるだけでも安心するらしいですよ! 早く!!!」

宥「そ、そんなぁ……///」

穏乃「あのー」ムクッ

京太郎「どうしたんですか宥さん! 幸せな家庭を築くのが夢なんでしょう!?」

宥「そうだけど……それとこれとは……///」

穏乃「もしもーし」

京太郎「だったら子供におっぱいをあげるくらい平気な筈です!! 違いますか!!?」

宥「そうかなぁ……そう、かも……でも……///」グルグル

穏乃「京太郎ー? 宥さーん?」

京太郎「おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱぁぁぁーーーーーーーーーーい!!!」

宥「う、ぅううぅうぅぅぅうぅううぅぅう~……///」

穏乃「ねえってば、私もう泣き止んで――」





宥「こ、これで許してぇぇぇ~~~~~~~~~~っ///」ムギュウウウウウ

穏乃「もがっ!? もご、ぐ、むぅ~~~~~~~~~~!?……がくっ」





 穏乃は星になった。

 俺が無意識の内に取っていたのは、『敬礼』の姿であった――

453 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 21:47:49.53 ID:yb61+Ssmo

《松実玄の場合》

憧「歯ァ食いしばりなさいッ!!」バコーン

京太郎「顔面の正中線上ッ!!」メコーン

 歯、関係ないじゃん。

 仰向けに倒れた俺に、今更ながらシャツが投げつけられた。

憧「途中で乱入しなかっただけありがたいと思いなさいよね!」フンッ

玄「私も本当におもちが出てたら危なかったですのだ……」ゴクリ

宥「だ、出さないよぅ、おねーちゃんだもんっ///」カァッ

灼「生きてる……?」ツンツン

穏乃「はひ、なんとかー」ゼーゼー

レジェンド「いい感じに盛り上がってきたね!」ウンウン

 どこがだ。

レジェンド「次は~……玄でいいよね?」

玄「は、はいっ!」

憧「ちょっと! なんで決めつけるのよ!?」

レジェンド「じゃあ憧やる?」

憧「………………もう少し待って」

レジェンド「じゃあ玄は用意、須賀くんは外ー」

京太郎「そんな節分みたいな……じゃあ玄さん、よろしくお願いしますね」

玄「う、うん! おまかせあれっ!」

京太郎「……」

 不安だ。

バタム

457 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 22:08:55.91 ID:yb61+Ssmo

 廊下にて三度待機の姿勢。

 床の上であぐらをかき、腕を組んで目を瞑り。

 そして天を仰ぎながら考えるのは、

京太郎「玄さんが嫁かァ……」

 この際ぶっちゃけてしまおう。

 嫌な予感しかしない。

 そもそもドアの向こうに玄先輩というシチュエーションがよろしくない。

 アカン思い出しかない。

 自分で自分の胸を揉んでいたり、メイド喫茶と繋がっていたり。

 どうせ今回も明後日の方向にブッ飛んでるんだろうなぁ……

レジェンド「す、須賀くーん、イイヨー」

 うわぁほらレジェンドもメールでなく直で呼んでくるし。

 その声はどこかぎこちなく、聞いている俺まで緊張してしまう。

京太郎「……」

 それでも、覚悟を決めて。

 俺は戦場の入り口へと手を掛けた。

ガチャッ

458 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 22:13:04.88 ID:yb61+Ssmo

京太郎「ただいま~……」





            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
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         / .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{     「お帰りなさいませ、旦那様」
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
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 ずるい。

475 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 22:45:47.51 ID:yb61+Ssmo

玄「今日も遅くまでお仕事お疲れ様でした。鞄、お持ちしますね」

京太郎「え?」

 持ってない。

 が、これが新婚ごっこだと思い出し、動きだけでもそれらしく振る舞う。

 エアバッグを受け渡して、

京太郎「あ、ありがとう」

玄「ご飯の用意が出来ていますけど、先にお風呂になさいますか?」

京太郎「えーっと……じゃあ、ご飯から」

玄「はい、ただいま」ニコッ

 優しく微笑んで部室の奥に進む玄さん。

 後に続き、手近な椅子に腰を下ろす。

玄「どうぞ」コトッ

 すかさず冷たい麦茶が差し出された。

 お盆を胸に抱いた玄さんは、やや自信なさげに言う。

玄「ごっこだから料理は出せないけど……どう、かな?」

京太郎「百点満点です」

 パーフェクトだクロチャー。

483 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 23:10:19.87 ID:yb61+Ssmo

玄「やったぁ♪」

 なんて、小さくガッツポーズ。

京太郎「……」

 ずるい。

 三つ指ついて出迎えて。

 エプロン姿も様になっていて。

 これでもかと男を立てて。

玄「穏乃ちゃーん、べろべろばぁ~」アババ

穏乃「あははっ! 玄さん変な顔~!……ばぶ」

 子育ても完璧。

 ルックスは申し分ないし、胸だって必要十分だし。

 何より俺の趣味(おもち)に俺以上の理解があるし。

 ……もしかして、

 もしかしなくても……

京太郎「玄さん」

玄「なぁに?」

京太郎「結婚してください」

玄「ふえ゛っ!?///」ドキーン

492 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/14(金) 23:40:40.62 ID:yb61+Ssmo

 言った。

 大それた発言だったが、後悔はなかった

玄「きょきょ、京太郎くんっ……/// そん、急に、な、にゃにを――」

京太郎「俺、玄さんみたいなお嫁さんが欲しいです」

玄「はうっ///」ズキューン

京太郎「美人で、優しくて、料理上手で」

京太郎「真面目で働き者で思い遣りがあって」

京太郎「俺の理想のお嫁さんです、玄さんは」

玄「ぁ……あうぅぅぅ……///」カァーッ

京太郎「だから玄さん! どうか俺と結こ」



玄「だめぇ!!///」ベチーン



京太郎「ンごぉ!?」

 はたかれた。

 というか、両手で顔面を覆われた。

 しかし玄さんの手は小さく、指の隙間から向こうが見えた。

 途切れ途切れの視界の先には、

玄「それ以上言わないでっ……恥ずかしくて死んじゃうよぉ……///」グスッ

 耳まで赤くして涙ぐむ俺の嫁の姿があった。

502 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 00:25:46.57 ID:KnqTO0Loo

玄「~~~っ///」

 触れる手も熱い。

京太郎「……」

 俺はその手を取って握り締めた。

 滑らかな肌を指が滑る。

玄「ひゃ、ふぁ……っ///」ピクンッ

京太郎「ごっこでも、玄さんと夫婦になれる俺は幸せ者です」ニコッ

玄「あっ……///」

 笑い掛けると、玄さんの表情から強張りがなくなった。

 手の中の手がするりと逃げ、胸の前で重ねられ、

 そして、

玄「……ぁ、あのね……?///」

玄「私も、京太郎くんみたいな旦那様だったら……」

玄「京太郎くんが、旦那様だったら――」





穏乃「おぎゃーーーーーーーーーー!!」





玄「おぎゃあ!?///」

 二度目とか。

506 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 01:04:06.36 ID:KnqTO0Loo

玄「わっわわっ! し、穏乃ちゃ……ていうか、みんな見て……っ!?///」カァァッ

京太郎「やれやれだぜ……玄さん、ここは一発おっぱ」



玄「か、風になりますのだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!///」ドヒューン



京太郎「玄さん!?」

 逃げた。

 それは憧の十八番の筈なのに。

 あるいはジョセフ・ジョースターの。

 全力で戦域を離脱してしまった玄さんだった。

京太郎「……どうすんだこれ」

穏乃「どうしようねー」

京太郎「ていうかお前、もしかしてタイミング見計らって泣いてないか?」

穏乃「実は京太郎が真顔になったら泣くように赤土先生から言われてるばぶ」

京太郎「オイ!」

 レジェンドの差し金かよ。

 と、憤りを感じていた時だった。

ツンツン

京太郎「?」

 足に何かが触れた。

 何だろう。

 机の下を覗き込む。



宥「……」



 なんかいた。

514 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 01:30:19.68 ID:KnqTO0Loo

京太郎「………………何してるんですか? 宥さん」

宥「……おねーちゃんだから」

京太郎「質問に答えてください」

宥「おねーちゃんだから……」プルプル

京太郎「だから質問に――って、もしかして玄さんの姉役ってことですか?」

宥「」コクリ

 本人じゃねーか。

宥「けど、京太郎くんが玄ちゃんに……ぷ、ぷろぽーず、してたから……///」

京太郎「登場するタイミングを見失って今に至る……と。なんかスミマセン」

宥「それで……足も、痺れちゃって……」プルプル

京太郎「重ね重ねスミマセン」

 なんで机の下に隠れていたかは謎に包まれたままだった。

 まあ、俺にも多少の責任があるのは確かだよな。

京太郎「とりあえず出ましょうか。お手をどうぞ」スッ

宥「ぁ、ありが……ひゃうっ!?」ガクッ

京太郎「おわっ!?」ヨロッ

ドテーン

518 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 01:38:05.84 ID:KnqTO0Loo

ガラッ










                   '"    . . . . . . . . .  `
                     /   . . : : : : : : : : : : : : : : . .  \
               /   . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
                  / . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
             /   / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
               /   /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
             ′  . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |   「ま、松実玄、ただいま戻りました~!」
              |人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
              __i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
            _/ { /  //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |  「ごめんね京太郎くん、急に飛び出したりして……」
       /  {  /∨   ,イ〃h!i:i:i :!  ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | | 
     __/       ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ       込 _ン'′!:. :.:.:|:.|
   '"              /\ノ:.|ハ           ,           ハ: :. :.|: |   「でももう大丈夫! さあ、し、新婚ごっこの続きを――」
/            __  イ: : :i!  """    __    """ iノ: : : l: :|
              } /:.:|: : :.lヽハ       i    }      人 : : : : : |
               //: : i!: : :|: : :.ゝ    、    ノ    イ: :.:l:. :.:/ : :.l
        __  '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :>   __   <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
      / __.   i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__    __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
      /`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く   入__/^ヽ  ` y/¨´: : : : : l
     ハ         \              \∧    ∧ /   `  .:.:..l
.   / !         、 |       x─‐ヘ    x─‐┐       ’'ヽ
  ´ /            `|         〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈           ハ
ー‐                  |       〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉       ′ l
、                 V       〉__/i! 〈\.:.:. :.∧         |





宥「」 ←俺に胸を押し付けるようにのしかかっている

京太郎「」 ←宥さんを支えようとして腰に手を回している





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           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
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525 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 02:00:28.04 ID:KnqTO0Loo

玄「――」

玄「京太郎くん……おねーちゃん……?」

玄「なに、してるの……?」

宥「く、玄ちゃん……違うの、これは……」

京太郎「そ、そうです、誤解なんです! 話せば分か――」

宥「京太郎くんは悪くないの……私が構って欲しくて、ちょっかいをかけたの……///」ポッ

京太郎「火に油ァー!?」

宥「あったか~い」ポワワ

京太郎「んな場合ですか!」

玄「――――――――――、お」

京太郎「おっ?」





玄「おねーちゃんに京太郎くんを取られちゃったよぉ~~~~~~~~~~っ!!」ドヒューン





京太郎「こっちも二度目かよ!?」

 最高の立ち上がりを見せた筈の新婚ごっこが、最悪の修羅場に仕上がっていた。

569 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 21:17:52.10 ID:KnqTO0Loo

《新子憧の場合》

宥「ま、待ってくろちゃー……!」タタッ

穏乃「あっ、宥さん! 私も行きます!」ダッ

レジェンド「あーらら。灼、私らも追っかけよう」タッ

灼「承り……」キュラキュラ

 脱走した玄さんを捕まえるべく、一同が次々と部室を飛び出す。

 俺も協力するべきかな。

 そう考え一歩を踏み出すと。

ガシッ

京太郎「、れ?」

 シャツの背中を掴まれた。

 掴んだのは当然、この場に残った最後の一人。

京太郎「どうしたよ憧?」

憧「ど、どうしたじゃないわよ! なんでアンタまで行こうとしてるのよ!?」

京太郎「だって玄さん探さねーと」

憧「京太郎にはもっと重要な役目があるでしょ!」

 あったっけ。

 首を捻る俺を見て、憧は顔をしかめた。

 かと思えば、今度は僅かに拗ねたような表情で、

憧「……あたしと新婚ごっこ、してくれないの……?」

580 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 21:48:00.17 ID:KnqTO0Loo

京太郎「あっ」

 忘れてた。

 そうでした。

 そもそも憧の為だった。

 その為に高校生にもなっておままごとに興じていたのだ。

 伊達や酔狂ではなく。断じて。

憧「……サイテー」ジトー

京太郎「あいすみません」

憧「玄や宥姉にデレデレしちゃって、しずまで抱き締めて……」ジトジトー

京太郎「それは仕方ないだろ!」

憧「ぜんっぜん仕方なくないでしょ!!」

京太郎「ウィッス」

 本音を言えば仕方なくなくないのだが、仕方あるまるまい。

京太郎「そんじゃーまー……やりますか、シンコンカッコカリ」

憧「なんで言い方変えたのよ」

京太郎「準備が出来たら呼んでなー」スタスタ

憧「なんで言い方変えたのよー!?」

バタム

585 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 22:19:58.45 ID:KnqTO0Loo

 廊下に出てすぐ、溜め息をひとつ。

 これまでの疲れと、これからの疲れ。

 中間地点に立っての溜め息だった。

京太郎「憧が嫁かァ……」

 言っては悪いが想像出来ない。

 ある意味で穏乃以上の難易度だ。

 “憧係”である俺の手柄かは分からないが、憧も成長したと思う。

 知り合った当初に比べれば、それこそ目を見張る程に。

 しかし憧の男嫌いは重症だ。

 未だにクラスの男子とは上手く話せず、間に俺を置く場面が多々ある。

 そんな憧が、いつか誰かと結婚するなんて――

京太郎「――ん?」

 なんだろう。

 モヤッとした。

593 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 22:57:37.80 ID:KnqTO0Loo

京太郎「……」

 なんでだろう。

 憧が男嫌いを克服するのは喜ばしいことなのに。

 克服して、何にも縛られない自由な恋愛をする為に。

 その為に頑張っているのに。

 ――俺を差し置いて――

 ――俺の努力を踏み台にして――

 ――俺がどれだけ尽くしてきたと思って――

 そんな傲慢な考えが芽生えているのを感じた。

 どうしようもなく気持ち悪かった。

京太郎「――」

 落ち着け、須賀京太郎。

 分かっていたことだろう。

 見返りならもう貰っている。

 今、こうして憧の力になれることが、お前には十分な役得の筈だ。

 皆が夢を追う手伝いが出来れば、それ以上は何もいらない。

 弱みに付け込むような、恩着せがましいような真似はするな。

 憧は俺の物じゃない。

 そう自分に言い聞かせた。

コンコン

 そして、内側からノックの音。

憧「きょ、京太郎? 準備、出来たけど……」

京太郎「……ああ。分かった」

 返事をして、静かに扉を開けた。

ガチャッ

596 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 23:02:47.81 ID:KnqTO0Loo

京太郎「ただいま、憧」





       /: : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : ; : : : : :> .
    , . : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : i: : : : : : : : : ; : : : : : : : ヽ
   /: : : : : : : : : : i: : : : : ; : : : : : : : :|: : : : : : : : : : ,: : : : : ―; ゝ
  ./: : : : : ; : : : : : |: : : : :i: : : : : i! : : |: : : : : : : : : : : ; : : : : ヾ: ∧
  /: : : : : /: : /: : : i: : : : :|: : : /:/!: : :i!: : :ヽ : : : : : : : ;: : : : : ∨:.∧
 ’:: : : : :': : :, : : :i: : : : : : i!: : l: :| ! : : !i: : : : '、: : : : : : :; : : : : : :∨.:∧
. !: : :/ : :i : : | : : f: : i!: : : |1 : i!; ! !: : :| !: : : : ;: : : : : : :|: : : : : : : ∨.:∧
. |: : i!: : :l : : | ―i ト.|!: : | |: :| !:| !: : 」 i!: :- 十: :- : : :|: : : : : : : : ∨.:∧
. |: : !|: : :|: : :i!: : :| Ⅴ|` :i | / .i:! ヽ: :|  ヾ: : !: : : : : : | : : : : : : : : ∨: :∧
. i!: ;!.|: : :|: : :|!: : |   ヽ: :| '  i!  ヾ!,.x=== : : : : ; !:_: : : : : : :| ∨: :∧
 |: ! .!: i: :,: : |ヽ;.|    ゙     / / .-, 、ヽ .》: : :|  !: :|: : : : :.!  ∨ : ∧    「おかえりー、ダーリン♥」
 .!:! |: |: ヽ: | ヾ 、 _,          i ヽ/ |/|: : : !  ! :/: : : : ∧  ∨ : ∧
  i! Ⅳ: : :ヾ     ̄        乂 _ ノ |: : :, ッ/:/: : : : : :∧   ∨ : ∧
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  < ソ: : : : : : :/ \    У      /            /   / : : : : : : |: : :|
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バタム

603 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 23:38:10.97 ID:KnqTO0Loo

ガチャッ

憧「こらぁー! なんで閉めるのよ!?」

京太郎「……いちからか? いちからせつめいしないとだめか?」

憧「ぐっ……/// あ、あたしだって恥ずかしいのを我慢してやってるんだから、ちゃんと付き合ってよ!」

京太郎「それにしたって頑張りすぎだろ……なんだダーリンって」

憧「………………あたしのイメージするラブラブ夫婦」ゴニョ

京太郎「乙女か!!」

憧「乙女よ!!」

 乙女でもダーリンはどうかと思う。

 夫婦っていうか、バカップルが言いそう。

 あるいは、故あって嫌々恋人のフリをしなくてはいけない場合とか。

憧「とにかく! リテイクよリテイク、やり直しを要求するわ!」

京太郎「そんなー」

憧「つべこべ言わない! ほら、閉めたら開けなさいよね!」

京太郎「しゃーねーな」

バタム

ガチャッ

憧「早い!!」

バタンッ!

606 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/15(土) 23:49:17.40 ID:KnqTO0Loo

京太郎「………………」

 もういいかな。

ガチャッ





                   '" ̄ ̄ ̄: : : . 、
               /: : : : : : : /: : : : : : : : : :..
             _/: :/:./: : :. :./: : : : : i: : : : : : :\
          //′ :/:./: : : :.:/: : : : : : |: : : : : : : : :
        / :/ / : //:./: .′:./∧: : : : :.ハ: : :. : :|: :|: :.:.
.       / :/ / : //:./」.A--x:′ト、.:.:.:.′ : : : : |: :|: :〔iミx 、
..      / :/ レv: : :′|! V__ `  ヽ l___!__: : : |: :|: : :| ヽ:ヽ
        / :/    i!: |:.|   __     j/- j人`ヽ|: :| |:.:|   . : .
.       / :/    |:.:.|:.| ´ ̄`ヾ     _  ヽ:|: :| !:.:!   . : .
     .′′   |:.:.|:.|        ,    ¨¨ヾ、. ハ:.:.|:|:.:|    l : l    「ダーリ~~~~~~~~ン♥」ガバッ
           i!: :! |                 / .′:.|: :!     | : |
    .′:.|     .:|: :|:.ト     {    丶     / /: :.′:.:|    | : |
   ′.:: !    ′..:|:.|: i 、      /     /イ : /: :|: :|    | : |
    |:.′:|   .:.:.:|:.:|:.|:.:|  >、 `¨ ´   . イ:. :.|: /.:.:.:| : |     | : |
    |:|: :.:|  ./: : :|: |:.l: :l/ヘ}  ー‐ .iヽ. /: :. :.j/:.:. .:.|.:.:.|     ! : !
    li!: : |  ′.:.:.|: |:.|: :レ′ \  ∧ |:. :.: : : |: :. :.:.|: :.:|
    lハ : | く`ー‐r.|: |:.|: :ト、   /^V! ∧.l\: : :. | : : : |: : :|   ′:.|
     l: :l/  ヽ | |: |:.|: :| \∧ ol  ∧  `ヽ !:. : : | : : |  l:.l : |
     |:.:|     ___ハ^i^i ト,〔 ̄`Y¨Y¨¨¨¨i   |: : . :ト: .:.:|   l/!.:.|
     | :|     /  ̄レ_// ノ7: : : :l__.ト、: : : l   |.:.:. :.| !: : |    : :|
     |:/     l      ヽ〉─‐'l |: :\/ <  |: :. :.| !.:.:.:|    : :
     i}    /!      /\: :./  \_/′   |: : : | !:. :.:|   |: |
     ′   /        /l  \  、   ′   |: : :.′:. :.:l   |: l
   /     /        /. l\  ‘, | .//     : : / |: : : |   V
.  /     /        /  |  \ ‘, |//    レ  |: :. :.|





京太郎「おっと」ヒラリ

憧「避けるなぁ!?」

616 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 00:17:56.48 ID:pKevDoXno

京太郎「いや避けるだろ……あっぶねえ」

憧「危なくないっ! い、愛しのハニーが抱きついてきてるのよ!? 受け止めなさいよ!」

京太郎「いや避けるだろ……だって最早タックルだもん、避けなきゃダメだよ」

憧「体格差あるんだから余裕でしょ!? しずみたいにギュッてしなさいよっ!」

京太郎「して欲しいのか?」

憧「ふぎゅっ……し、して欲しくないし!/// ちゃんと役に徹しなさいって言ってんの!」

京太郎「んなこと言われてもなぁ……徹するべき役柄が見えてこねーよ」

憧「……なによ、玄達とは自然にやれてた癖に」ムスッ

京太郎「それは……」

憧「それは?」

京太郎「それはそれだ」

憧「理由になってない!!」ウガー

京太郎「分かった分かった悪かった! じゃあ、憧の理想の男性像を教えてくれよ」

憧「へ?」

京太郎「俺がそのイメージに合わせるから。それなら文句ないだろ?」

憧「………………そ、そんなの、恥ずかしいじゃん……」モジッ

 めんどくさっ。

623 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 00:48:58.40 ID:pKevDoXno

京太郎「いいから言えっての。嫌なら新婚ごっこは闘牛ショーに早変わりだぞ」

憧「う゛……い、言うわよ! 言えばいいんでしょっ」

 いいんです。

憧「あ、あたしの理想のダー……旦那様はね」

京太郎「急に恥ずかしくなった?」

憧「急よ!/// 茶化さないで聞いて!」

京太郎「へーい」

憧「……別に、多くは望まないの。ただ、」

京太郎「ただ?」

憧「ただ……たったひとつ。それだけは守って欲しくて」

 そう言った憧の表情は。

 真剣で、けれど不安げで。

 これ以上は、言われなくても茶化す気にはなれなかった。

京太郎「なんだ?」

憧「ぁ……あの、ね。ぁ、あ――」





               /. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .\
             /. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .ヽ
            / : . / : . : . : . ,. : . : . : .i. : . : . : . : .ヽ . : ',
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          .,' /: . :| :| ./: . |/ | |:ノ: .ヽ、 |: . : . : . : .:.|: |r:{: .|
         /:/! : .:.| .|/| :|: | ,|イ : . : . : ト:、{ :i:.:| : i: |: |/| : |
          !:| | :i . :!:.∧.斗匕 圦 : . ト : | ヽ`{:十t}: } :|: !: i |
         |:!|:| . |.:|:{x示㍉xミヽ\:{ ヽ{xテヤ示xV!: :!,'.: .| |  「あたしだけを、好きでいてください」
         {! .|∧: :! 圦 {トイ_刈`    ´{トイ_刈 灯:.:| : . :| |
           |:i :ヾ|: :{ 乂こソ      乂こソ |: :!|. : . :l |
           |.| . : |:从 :xx //////xx  | :|ノ . : . |:.|
           |l.|: . : |:.{ム "゙    '     ""゙  | :|: . : . : |: |
          i| i!: :. :.|: |:.:ヽ.      __       イ:.|: |. : . : . :|: |
          l|:.:| : . : | :|: .|: > .  ´ `   イ:.:..!.:|: | . : . : . |: |
         l|: . !.: . :..|: :i:.:|: . : r‐|`  -‐ ´ |入.:.|:.| :|. : . : . : l: |
         l|: : |: : . : !_ l:_| _/ \    /   \j :!: . : . : . :|: |
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        |:, イl: . : . .|   ヽr──ミ、__彡──y'  |. : . : . : :/ヽ:!
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京太郎「――っ」

657 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 12:34:38.60 ID:pKevDoXno

憧「……って、本当にそれだけなんだけど……京太郎?」

京太郎「え、あ、ぁあ」

 ずるい。

 反則だぞ、憧。

 そして馬鹿だ。

 勉強が出来る癖に、やっぱり馬鹿だ。

 そんな風に言われて勘違いしない男はいない。

 苦手意識と一緒に警戒心まで失っては本末転倒だ。

 そこら辺も踏まえて、追々矯正しなくちゃ駄目かな。

京太郎「それで? 憧のことだけを好きなダーリンは、こういう場合どうするんだ?」

憧「ふきゅっ……そ、そうね。仕事から帰ってきたら……正面から、や、優しく抱き締めてくれる……かな」

京太郎「了解。嫌ならブン殴ってくれていいからな」スッ

憧「へっ!? ちょちょ、そんな急にっ」

ギュッ

憧「ふっ、きゅぅぅ……///」プシュー

664 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 13:06:46.71 ID:pKevDoXno

 火の玉みたいに熱い身体を抱き締める。

 穏乃より大きくても、俺よりはずっと小さな身体。

 ふわり――シャンプーの香りが鼻をくすぐる。

 咄嗟に前に出したであろう手が、俺の胸を軽く押していた。

 お陰で完全に密着せずに済んではいるが……

 意識せずにはいられない。

 こんな風に扱って、異性として意識するなという方が無茶だ。

 それでも沈黙はまずいと、言葉を探る。

京太郎「あー……髪、下ろしてるんだな。そう言えば」

憧「う、うん」

京太郎「どうしてわざわざ?」

憧「……こないだ、さ」

 躊躇うような息遣い。

憧「大人っぽいって褒めてくれたの……その、嬉しかったから」

669 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 13:49:15.31 ID:pKevDoXno

京太郎「そっか。ああ、やっぱ似合ってるよ」

憧「ん……ありがと」フニャ

 照れ臭そうに顔を伏せる憧。

 その頭を撫でてやりたい衝動に駆られるが、必死に耐える。

京太郎「すげーじゃん憧、今日はいつもより積極的だな」

憧「しず達にアテられたのかも」

京太郎「アテられた?」

憧「だって、みんな好き放題してるんだもん」

京太郎「あー……そうかもなぁ」

憧「そうよ。あたしは我慢してるのに……。……か、勘違いしないでよね!? アンタのニヤけ顔を殴らないよう我慢してるってだけなんだからね!?」

京太郎「へいへい。それだけでもありがたいよ」

憧「あっ! またニヤけてる!」

京太郎「ニヤけてないって。これは笑ってるだけ」

憧「同じじゃない! 京太郎のばかぁ!///」

672 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 14:28:28.04 ID:pKevDoXno

 顔を真っ赤にして殴ってくるが、痛くも痒くもない。

 僅かな隙間で振るわれる拳では、ぽかぽかと間抜けな音を立てるのが関の山だった。

京太郎「にしても、憧は憧なりに大真面目なんだな」

憧「あ、当たり前でしょっ。京太郎にこれだけ助けてもらってるのに……」

京太郎「気にしなくていいって。ポンコツの世話は慣れてるし」

憧「ポンコツ言うな!……それに、」

京太郎「ん?」

憧「……結婚とか、やっぱあたしもいつかは、って思うし……」

京太郎「……そうだよなぁ。大丈夫、ちゃんと進歩してるって」

憧「ほ、ほんと?」

京太郎「おう。俺が保証する」

 そう言って、憧の背中をぽんぽんと叩いた。

憧「ひぁ……そ、それだめっ」

京太郎「え? どれ?」

憧「せ、背中ぽんぽんってするの。されたら、なんか、すっごく……安心しちゃう」

京太郎「安心するならいいじゃん」

憧「ダメなの! このままだとあたし……あたし……っ」















穏乃「ばぶぅ」

憧「ふきゃあ!!?///」バッッッ

680 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 15:11:10.62 ID:pKevDoXno

京太郎「し、穏乃――どわっ!?」ドテッ

 満足に驚く暇もなく突き飛ばされた。

 尻餅をつく俺の視線には、翻る憧のスカートが。

 ……レジェンド嘘ツカナイ。

憧「しししししししししししずゥ!? い、いつの間に――いつからっ!?」

穏乃「ついさっきだよ?」

憧「具体的には!?」

穏乃「京太郎が憧を抱き締めた辺り?」

憧「せ、セーフ!…………………………いやアウトだからぁ!///」

 忙しそう。

京太郎「えっと……玄さんは?」

穏乃「もう捕まえたよ! 私だけ先に戻ってきたんだー」

京太郎「なるほど」

 いくら玄さんが全力で逃げても穏乃には敵うまい。

 むしろ途中ですっ転んで泣いてるところを発見されてそう(偏見)。

691 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 15:58:09.22 ID:pKevDoXno

ガラッ

レジェンド「須賀くーん、救急箱にバンソーコー残ってたっけ? 玄がヒザ擦り剥いちゃっててさー」

京太郎「本当に途中ですっ転んで泣いてるところを発見されてた!!」ガーン

玄「ふぇぇ……」グスグス

宥「く、玄ちゃん大丈夫……?」

灼「メソメソしな……ていうとメソメソすることを強いているみたいで印象悪……」

 全員集合だった。

レジェンド「あ、二人とも留守番ご苦労様ー。じゃあ再開しよっか?」

憧「ぴっ!? つ、続きって!?」

レジェンド「そりゃ新婚ごっこの続きだよ。肝心の憧の番で止まってたでしょ?」

憧「や、その、あのあのえっと……!」グルグル

京太郎「……あー、監督? 実はですね――」



憧「ま、間に合ってまーーーーーーーーーーーーーーーす!!!」ドヒューン



レジェンド「あれっ!? 憧ー!?」

穏乃「あちゃー」

京太郎「……」ハァ

 本家本元は格が違った。

 この後、またも総出で追いかけているところをクラスメイトに目撃されていたらしく。

 翌日になって「麻雀部も走り込みとかするんだね」と声を掛けられるのは、また別の話である。

【TO BE CONTINUED...】

712 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 20:35:22.01 ID:pKevDoXno

【おまけ】

 憧を連れ戻し、おままごとの後片付けをしていると、

憧「ていうかしず、アンタいつまでおしゃぶり咥えてんのよ」

穏乃「ばぶっ、そう言えば」

京太郎「無意識かよ」

穏乃「いやー、なんか馴染んじゃって」

憧「確かに妙に似合ってるけどさぁ……」

穏乃「えへへ」

憧「褒めてないから!」

京太郎「高校生がおしゃぶり似合ってるって、むしろ馬鹿にされてると思っていいぞ」

穏乃「なにー!」バブバブ

憧「ぷっ。だからおしゃぶり外さないと怖くないってば」クスクス

穏乃「むぅ……だったら!」ズボッ

憧「ばぶぁ!? ふぁ、ひゃにふんのよ!」バブバブ

穏乃「へへーん。憧、赤ちゃんみたい~」ニヒヒ

京太郎「ていうかなんか犯罪っぽいな……」

憧「むきー!」バブバブ

715 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 21:02:14.53 ID:pKevDoXno

玄「みんな何してるの?」トテトテ

宥「おしゃぶり……?」

憧「あっ、宥姉いいところに!」

宥「?」

憧「はい、プレゼント♪」スポッ

宥「んぅ!? ば、ばぶ……///」

玄「おねーちゃん!?」

憧「これは……」ゴクリ

京太郎「なんともマニアックな……」ゴクリ

宥「だ、だめだよ憧ちゃん、こんなことしたら……はい玄ちゃん」スポッ

玄「なんで!?」バブバブ

京太郎「あ、でも似合う」

憧「何故か似合うわね」

穏乃「似合ってますよ玄さん!」

玄「え、そ、そうかなぁ……えへへ」

憧「褒めてないけどね」ボソッ

玄「じゃあ、次は京太郎くん!」スポッ

京太郎「むぐっ」

憧「は!?」

727 名前:6月18日(火)[saga] 投稿日:2014/02/16(日) 21:35:40.64 ID:pKevDoXno

穏乃「あっ」

宥「く、くろちゃー!?」

玄「?」ヘケッ

憧「アンタ……自分が何したか分かってるの……!?」ワナワナ

玄「何って、京太郎くんにおしゃぶりを」

憧「……しずと、あたしと、宥姉と、アンタが咥えてたおしゃぶりを……?」プルプル

玄「…………………………ああっ!?///」ボンッ

灼「女子高生四人の唾液がべっとり付いたおしゃぶりが須賀くんの口の中に」

玄「ああああああああああ!!?///」

宥「ゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎ///」プルプル

穏乃「え……それがどうかしたんですか?」キョトン

憧「ふっぎゅ……きょ、京太郎! ぺってしなさい、ぺって!///」

京太郎「赤ちゃん扱いすんじゃねーよ!」バブバブ

憧「しゃべるなあああああ!!///」





憧「く~ろ~!」

玄「わーん! ごめんなさぁーい!」

 ちょっと古い漫画かアニメみたいなオチだった。

もいっこ【TO BE CONTINUED...】



【須賀京太郎のステータスが更新されました!】
 称号:ジュウコンカッコカリ(new!)
 憧への印象:...→気合!入れ直して!行きます!
  →いつか、ちゃんと恋が出来たらいいな(new!)

【新子憧のステータスが更新されました!】
 称号:お嫁さん志望(new!)
 京太郎への印象:...→不安にさせないでよ、ばか
  →最近デレデレしすぎなんじゃないの。どーでもいいけど(new!)

【高鴨穏乃のステータスが更新されました!】
 京太郎への印象:...→試してゴメン
  →可愛いって言ってもらえると嬉しいな(new!)

【松実玄のステータスが更新されました!】
 京太郎への印象:...たまには男の子のおもちも……
  →理想のお嫁さんかぁ……が、頑張るよっ(new!)

【松実宥のステータスが更新されました!】
 京太郎への印象:...→あったかいの、もっとぉ
  →家族がいっぱい、あったか~い(new!)

最終更新:2014年02月17日 00:26