904 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:20:20.38 ID:Pxhw7IwEo
ブロロロロ...
京太郎「ん……」
京太郎「(なんだ、この音……)」
京太郎「(車のエンジン音……?)」
京太郎「(……どうして……)」
京太郎「(俺は自分の部屋で寝てた筈なのに……)」
京太郎「う……っ!?」モゾッ
京太郎「(身動きが取れない……!)」
京太郎「(視界も塞がってるし……)」
京太郎「(金縛り……じゃないよな)」
京太郎「(どちらかと言えば……そう……まるで、拉致)」ゾクッ
シュルッ
京太郎「!」
京太郎「(拘束が緩められた!?)」
シュルッ
京太郎「(目隠しも……一体、誰が……?)」
908 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:25:12.67 ID:Pxhw7IwEo
パチッ
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j 「おはよう、京ちゃん」
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ |
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
京太郎「ファッッッ!!?」
915 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:40:27.66 ID:Pxhw7IwEo
照「みすず飴おいしい」モグモグ
京太郎「て、てて、てっ……照さん!?」
照「うん。久しぶり京ちゃん」
京太郎「あ、はい。どうもお久しぶりです……」
照「」モグモグ
京太郎「……」
照「」モグモグ
京太郎「……」
照「」モグモグ
京太郎「……」
照「玉だれ杏おいしい」モグモグ
京太郎「説明する気ゼロかよ!!」
918 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 21:59:58.66 ID:Pxhw7IwEo
照「?」キョトン
京太郎「あっ……だめだこれ、そもそも説明する必要を感じていない者の顔だ」
照「その通り。さすが京ちゃん、よく分かってる(照だけに)」
京太郎「お褒めにあずかり光栄です。……それで照さん」
照「なに?」
京太郎「あなた、照さんですよね? 宮永照さん」
照「そうだよ」
京太郎「で、ここは……車の中ですよね」
照「そうだけど」
京太郎「………………あの運転席と助手席に座ってる屈強な方々はどちら様ですか?」
照「京ちゃんの誘拐を手伝ってもらった辻垣内組の人達。二人ともハイエース検定準1級」
京太郎「やっぱり誘拐されてたよ俺!!!」
927 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 22:25:46.87 ID:Pxhw7IwEo
「おっ、やっと目ェ覚ましたのか坊主!」
「この状況で高イビキたァ大した野郎だな!」
照「それだけ完璧な手際だった。どうもありがとう」ペッコリン
「気にせんでください。お嬢のお友達に力を貸すのは当然のことでさァ」
照「智葉にもよろしく言っておいて」
京太郎「ちょ、ちょっと待ってください!」
照「どうしたの京ちゃん?」
京太郎「いや、なんか暢気に世間話してますけど……え、誘拐されたんですよね俺!?」
照「そういうことになる」
京太郎「照さんは誘拐した側の人間なんですよね!?」
照「そういうことになる」
京太郎「一体どうやったんですか!? 部屋で寝てた筈なんですけど!」
照「チャイムを鳴らして玄関から入って、京ちゃんのお母さんに許可を貰って運び出した」
京太郎「まさかの親公認!!」
929 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 23:08:14.04 ID:Pxhw7IwEo
照「あれは今朝のこと……」
………………
…………
……
ピーンポーン♪
照「ごめんください、どなたかいらっしゃいませんか?」
「はーい。どちら様?」
照「朝早くにすみません。私、宮永照と申します」
「宮永? それにそのホーン、あなたもしかして……」
照「いつも妹がお世話になっています」ペッコリン
「まあまあ! こちらこそ息子が迷惑ばかり掛けて」ペッコリン
照「迷惑だなんて。京太郎くんには姉妹揃って助けられてますから」
「そう? もう京太郎とも知り合いなのね」
照「はい。実は、今日は京太郎くんと出かける約束をしていたのですけど……」
「あらっ。こんな美人さんを待たせるなんて酷い男ね。すぐに起こしてくるから、リビングで待っててもらえる?」
照「あの……差し出がましいようですが、私が起こしに行ってもいいでしょうか?」
「そんな、悪いわ。本当にいいの?」
照「もちろんです」
「じゃあお願いしようかしら。後でお茶持って行くから、ゆっくりしていってね」
照「ありがとうございます。でもすぐにお暇しますのでお気遣いなく」ニッコリ
……
…………
………………
照「こんなことが」
京太郎「誰これ」
932 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 23:33:25.00 ID:Pxhw7IwEo
照「そんなこんなで京ちゃんを誘拐した。方法や過程なぞどうでもよいのだ」
京太郎「よくないのだ!」
照「京ちゃんは」
京太郎「え?」
照「京ちゃんは、私と一緒にいるの……嫌?」
京太郎「え、いや、」
照「嫌なの?」
京太郎「違っ、これはそっちのイヤじゃなくて!」ワタワタ
照「……」ジー
京太郎「っ………………嫌じゃ、ないです」
照「……そう」
ポスッ
京太郎「!」
照「私も嫌じゃない」
京太郎「そりゃあ、照さんから会いに来たんですから……」
照「うん。本当に会いたかった、京ちゃん」ギュッ
936 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/10(月) 23:58:54.19 ID:Pxhw7IwEo
京太郎「……っ」
照「抱き締めてくれないの?」
京太郎「だ、だからこーゆーのは恋人同士ですることでして」
照「私は京ちゃんのこと好きなのに」
京太郎「ぐっ」
照「好き好き大好き」スリスリ
京太郎「~~~っ……て、照さん!」グイッ
照「あ」
京太郎「トークしましょう、トーク! 顔うずめられたら話にくいですから!」
照「ん……そうだね、確かに息苦しかった」
京太郎「」ホッ
照「栗かの子おいしい」モグモグ
937 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 00:21:11.89 ID:us1FKdoDo
京太郎「えーっと……会うの、二ヶ月ぶりでしたっけ」
照「うん。寂しかった」
京太郎「連絡先交換するの忘れてましたもんね」
照「実家に電話したけど咲が取り合ってくれなくて……」
京太郎「そうなんですか?」
照「私が何を言っても「人違いです」の一点張りだった」
京太郎「ガチで掛け間違えてませんかそれ」
照「え……どうしよう」
京太郎「今度から気を付けましょうとしか……」
照「恥ずかしい……咲だと思ってすごく感情的になってしまった」
京太郎「照さんが? なんか意外ですね」
照「ついカッとなって、「お前の母ちゃんデベソ!」って」
京太郎「同じ血を分けた姉妹じゃあないですか」
照「後ろで聞いてたお母さんにすごく怒られた……」テルーン
941 名前:某月某日(EX)[saga] 投稿日:2014/02/11(火) 00:44:03.15 ID:us1FKdoDo
京太郎「ところで照さん」
照「どうしたの京ちゃん」
京太郎「話が戻りますけど、ここ車の中ですよね」
照「うん」
京太郎「どうして窓から外が見えないようになってるんですか?」
照「それは京ちゃんを不安にさせない為だよ」
京太郎「逆に不安なんですけど……じゃあ、俺を縛ってたのは?」
照「それは京ちゃんが暴れないようにする為だよ」
京太郎「抵抗も織り込み済みだったんですか……本当に誘拐なんですね、これ」
照「うん」
京太郎「まだ実感が湧きません」
照「じき慣れるから」
京太郎「むしろ既に慣れてしまっているような……それで、最後の質問なんですけど」
照「なに京ちゃん」
京太郎「この車ってどこに向かってるんですか?」
照「東京」
京太郎「は?」
照「白糸台高校」
京太郎「は?」
照「柿羊羹おいしい」モグモグ
【TO BE CONTINUED...?】
最終更新:2014年02月11日 14:44