Hatsuse Panic Requiem

「Hatsuse Panic Requiem」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

Hatsuse Panic Requiem」(2013/12/16 (月) 15:55:39) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

537 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 21:27:30.33 ID:sDJID7fqo ウィーン 穏乃「うぁー今日もつかれたーっ!」フラフラ 憧「流石に腕あがんないわもー」ヘロヘロ  と、泣き言を口にしながらコンビニを出る穏乃と憧。と俺。  近くに車を出す用があるレジェンドにくっついて駅前まで下りてきたのだ。  それぞれ買ったのはパンとかガムとか、スーパーとは一味違う品揃えのもの。  ちなみに俺はナタデココ杏仁グミというのを買った。  このキワモノ感が堪らない。 京太郎「監督はまだ来てない、か」 穏乃「ぽいね」キョロキョロ 憧「ま、だべってたらその内来るでしょ」 京太郎「だな」  そんな風に話していると、 ???「うわあああああ憧が男と一緒にいるうううううううううう!!!」 「「「!!?」」」ビクッ 542 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 22:02:38.19 ID:sDJID7fqo  突然の大音声が耳をつんざく。 京太郎「な、なんだァ!?」 穏乃「事件の予感!?」 憧「今の声って……」  揃って声を遡ると、そこには二人の女子高生が立っていた。  一人は唖然として立ち尽くし、そしてもう一人は憤然として息を荒らげている。  その状況から導き出される答えは―― 京太郎「今の、あっちの子が……?」 穏乃「た、たぶん……ていうかあれ、晩成の制服っぽいけど……」 憧「え、わっ、初瀬!? 初瀬だー!」タタッ 「「憧!?」」  憧が走った。  二人の少女の、明らかに怒っている方に向かって。  迷わず、むしろ軽快な足取りで。  そのまま激おこ少女の前で立ち止まると、 憧「おっひさっしぶりぃー♪」  軽っ。 544 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 22:30:41.07 ID:sDJID7fqo 初瀬「憧、お前……」プルプル 憧「は、初瀬?」 初瀬「なんで晩成に来なんで男なんかと一緒にいるんだよ!!!」クワッ 憧「今すっごい大事なことに被せて叫ばなかった!?」 初瀬「なに言ってんの? これ以上大事なことなんてないだろ!」 憧「いやあるって! 思わず駆け寄っちゃったけど途中から絶対怒られるって思ったもん!」 初瀬「私が憧を怒るわけないだろ……」ナデナデ 憧「いやいや結構怒るよね!? なんで急に優しいの!?」  なんだなんだ。  どんな関係なんだ。  右に左に首を傾げながら、俺と穏乃は憧に近付く。 穏乃「憧ー?」 京太郎「どうした?」 憧「あ、しず。京太郎……」 初瀬「うわあああああああ憧が男を名前で呼んでるううううううううううう!!!」 「「「」」」ビクッ 552 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 23:04:41.34 ID:sDJID7fqo 初瀬「お、お、お、お前ぇ!!」ビシッ 京太郎「オレェ?」 初瀬「憧から離れろ! 憧の半径50メートルに近付くな!!」 京太郎「んな無茶な……おい憧、なにこの個性派」 初瀬「憧を呼び捨てにするなああああああああああ!!!」ガルルル 京太郎「やだ怖ぁい!」 憧「お、落ち着いて初瀬! ちゃんと説明するから!」 初瀬「」フーッ フーッ  めっちゃ睨んでる……怖い…… 憧「えーっと……この子は岡橋初瀬。中学時代の麻雀部仲間よ」 穏乃「へぇ……」ペコリン 憧「で、初瀬? こっちのジャージは高鴨穏乃。あたしの幼馴染み」 初瀬「よろしく……」ペコリン 憧「そしてこっちの金髪は須賀京太郎。うちの麻雀部のマネージャー」 初瀬「うわああああああああああ憧が男マネと爛れた関係になってるううううううううううううううう!!!」 憧「なってないから!?///」 555 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 23:33:26.08 ID:sDJID7fqo 初瀬「そ、そうだよね。憧は男嫌いなんだもん、男と仲良いわけがないよね!」 憧「………………ソウネ」 初瀬「あ、それより憧! お前なんで晩成に来なかったんだよ!」 憧「タイミング今なの!? なんでって言われてもなぁ……」ポリポリ 初瀬「それにその制服……阿知賀か? お前阿知賀に行ったのか?」 憧「そうでーす。制服かわいいでしょー♪」ヒラッ 京太郎「憧の方が可愛いよ」キリッ 憧「ふきゅっ!?」 初瀬「」ブホォ 憧「そ、そっちもタイミングおかしいから! 今そーゆーこと言う雰囲気じゃなかったでしょ!?」 京太郎「おばあちゃんが言っていた。花と女性は愛でるもの……愛なら花も腐らないってな」キリリッ 憧「アンタのおばあちゃんは孫をホストか結婚詐欺師にでもしたいの!?」 京太郎「キマってたか?」 憧「全っ然! 大体なによ、急に可愛いとか言っちゃってさ……」モジモジ 京太郎「急か?」 憧「急よ! 玄とか宥姉にはしょっちゅう言ってるけど、あたしには……言わないじゃない」 京太郎「え、言ってるだろ?」 憧「言ってない」プイッ 京太郎「あー……そりゃすまん、頭で考えてるだけで言ったつもりになってたんだな」 憧「きゅっ」 京太郎「安心しろよ、憧も可愛いに決まってるだろ?」キラーン 憧「きょ、京太郎……///」テレテレ 初瀬「うわああああああああああああ憧が男に口説かれて満更でもないような表情してるううううううううううううううううう!!!」 憧「ちょっ!? してない、してないから!?///」アタフタ 567 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 23:53:43.39 ID:sDJID7fqo 初瀬「おいお前ぇえ!!」ビッシィーッ 京太郎「オレェェ!?」ドッキィーッ  思わず返す語気も強くなる。 初瀬「お前、憧のなんなのさ! なんなのさ!」 京太郎「なんなのさって、だから同級生で部活の仲間だけど……」 初瀬「つまり友達じゃないんだな!?」 京太郎「いや友達だけど」 初瀬「私は憧の親友だから!!」 京太郎「アッハイ」 初瀬「中学の三年間、私はずっと憧と一緒だったんだからな!」 穏乃「そうなの?」 憧「うん、初瀬には色々助けられたんだ」 初瀬「そう……あれは桜の花が咲き誇る4月のこと……」ポワポワポワポワーン 京太郎「あれっなんか語り始めたぞこの人」 ……………… ………… …… 574 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 00:20:00.68 ID:hyoFViuqo 《4月・通学路》 初瀬「今日から中学生だ……頑張るぞ!」ムンッ テクテクテク... 初瀬「ん? あの道の端っこ、誰かうずくまってる……?」 憧「」プルプル 初瀬「あの~……」 憧「ひぅッ」ビクッ 初瀬「わわ、驚かせてごめんなさい!」  憧「い、いえ……あたしこそごめんなさい……」ビクビク 初瀬「こんなところでどうしたの? 具合悪いの?」 憧「……ぉ……」 初瀬「お?」 憧「オトコ、タクサン、コワイ」 初瀬「なんでカタコト!?」 581 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 00:40:21.65 ID:hyoFViuqo 憧「ぅう……」プルプル 初瀬「……ねえ、あなた名前は?」 憧「へ?」 初瀬「私は岡橋初瀬。あなたは?」 憧「あ、あたらしあこ」 初瀬「憧ちゃんか。新入生だよね? 私もなんだ」 憧「……?」 初瀬「一人じゃ心細いから、一緒に学校行かない?」 憧「! いいの……?」 初瀬「もっちろん!」 憧「わぁ……ありがとうございます!」パァッ 初瀬「これからよろしくね!」ニコッ 憧「はいっ!」 初瀬「それじゃあ行こ!」 タッタッタッ... 584 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 01:00:50.19 ID:hyoFViuqo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「お前ひっどいな!?」 憧「う、うっさいわね! 昔の話よ……」 穏乃「確かに憧ってそんな時期あったよねー」 憧「しずも余計なこと言わない!」 初瀬「あの頃は大変だったなぁ……移動教室もお手洗いも一緒でさ……」 憧「はーつーせー!///」 初瀬「さあ、そこの男!」ズビシッ 京太郎「須賀っす」 初瀬「そんな憧との思い出がお前にはあるか!?」 京太郎「初対面で顔より先にパンツ見た」 初瀬「うわあああああああああああああああ憧が男に簡単に股を開くビッチになってるうううううううううううううううううううう!!!」 憧「なってなああああああああああいっ!!!」 594 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 01:20:11.17 ID:hyoFViuqo 初瀬「そ、そうだよねっ。憧は男嫌いなんだもん、一度くらい事故で見られちゃっただけだよね!」 憧「………………ソウネ」 初瀬「やい男! そんなラッキースケベ程度で憧の彼氏面するんじゃあないぞッ!」 京太郎「須賀っす」 初瀬「お前、マネージャーなんだって?」 京太郎「ああ、まだ半人前だけどな」 初瀬「私は選手だから! より憧に近いから!!」 京太郎「アッハイ」 初瀬「憧とは親友だけど、部活ではレギュラーの座を奪い合うライバルだった……!」 穏乃「そうなの?」 憧「うん、初瀬とは実力が同じくらいだったんだ」 初瀬「そう……あれは一年の夏、応援しか出来なかったインターミドルが終わった時のこと――」ポワポワポワポワーン 京太郎「また語るのか……(困惑)」 ……………… ………… …… 602 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 01:41:56.31 ID:hyoFViuqo 《8月・部室》 憧「ロン! 3900!」 初瀬「うわっ! まくられた~……」 憧「へへ、やったぁ♪」グッ 初瀬「憧、今日は調子いいね」 憧「まーね。先輩達の活躍を見たら血が騒いだっていうか」フンス 初瀬「……憧って意外と体育会系だよなぁ」 憧「ちょ、やめてよー。ただでさえオトコオンナみたいにからかわれるのに……」プクー 初瀬「ゴメンゴメン。でも、嫌なら髪伸ばせば? そしたら女っぽくなるじゃん」 憧「んー……」 初瀬「憧?」 憧「……んーん、髪は伸ばさない」 初瀬「え、どうして?」 憧「どうしても。そうだ、今度一緒にヘアゴム買いに行かない?」 初瀬「う、うん……それはいいけど」 憧「やたっ、じゃあ初瀬に選んでもらっちゃお♪」ニコッ 初瀬「」キューン 608 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 02:00:58.61 ID:hyoFViuqo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「一気に仲良くなってんな」 憧「まあ、四ヶ月経ってるし……」 初瀬「以上のことからも私と憧が親友同士であるという事実は揺らがない!!」 京太郎「別に揺さぶっちゃいねーけど」 初瀬「憧とは休みの日もよく遊んだなぁ……家にお邪魔したり」 京太郎「ああ、俺も昨のごもごむご」 憧「ちょっと黙ってなさい!」 初瀬「憧ってば現実の男は苦手なのに少女漫画が好きでさ、理想のタイプは金髪で背が高いまさに王子様とか言っ」ピタッ 憧「ちょ、ちょおっ!?///」 初瀬「………………」ジーーーッ 京太郎「?」 初瀬「うわあああああああああああああああああ憧が男の理想を貫き通して王子様ゲットしてるうううううううううううううううううううううう!!!」 憧「わーっ! わ゛ーーーっ!///」 649 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 21:26:53.18 ID:hyoFViuqo 初瀬「どういうことだよ憧!? お前、男嫌い治ったの!?」 憧「治ってないけど……リハビリ中っていうか……」ゴニョゴニョ 初瀬「リハビリぃ~?」 憧「そ、そうそう。京太郎に付き合ってもらって。ねっ?」 京太郎「だな」 初瀬「付き合う!?」クワッ 憧「いちいち反応しない!///」 初瀬「嘘だ……憧が男と……でも、憧が幸せなら親友として認めるべきなのか……? 祝福するべきなのか……?」ウゴゴゴ 穏乃「きょーたろー」クイクイ 初瀬「!」 京太郎「ん、どうした穏乃?」 穏乃「ねむい……」ムニャ 京太郎「あー、今日は部活終わるの遅かったもんなぁ……どうする? またおぶってやろうか?」 穏乃「んぅ……いい。腕だけ貸して……」ギュッ 京太郎「おっと。腕だけって、そんなんで眠れるのか?」 穏乃「だいじょーぐぅ」zzZ 初瀬「うわああああああああああああああああああああ憧が男に目の前で二股かけられてるううううううううううううううううううううううううう!!!」 憧「だーかーらーっ!!///」 655 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 21:51:00.26 ID:hyoFViuqo 京太郎「おいおい穏乃が起きちゃうだろ。静かにしてくれよ」 穏乃「( ?ω?)」スヤァ... 初瀬「何をぬけぬけとこの浮気野郎!!!」グワッ 車井さん「ぼ、暴力はダメだよ初瀬! ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「知っとるわ!!」 憧「……ま、確かに人前でそういうのはどうかと思うけどね」ジロッ 京太郎「なんだよ憧まで……」 初瀬「とにかく! お前みたいな二股野郎に憧は渡さない!!」 京太郎「須賀っす」 憧「あたし初瀬のものじゃないんだけど」 初瀬「憧に接する時は愛が、慈愛敬愛親愛が必要なんだ。例えばそう……あれは二年の春のこと――」ポワポワポワポワーン 京太郎「また回想か、壊れるなぁ」 ……………… ………… …… 662 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 22:19:37.71 ID:hyoFViuqo 《5月・教室》 憧「初瀬って背ぇ高いよねー」ピトッ 初瀬「あ、憧っ///」ドキドキ 憧「それに比べてあたしは、髪は伸びても背は伸びないし……」ズーン 初瀬「き、気にすることないって! 憧はそのままで可愛いよ!」 憧「あはは、ありがと。でもやっぱもう少し身長欲しいなー」 初瀬「身長かぁ……牛乳飲むと背が伸びるっていうけど」 憧「それだ! 初瀬お願い、給食の牛乳あたしにちょうだい!」 初瀬「私の飲み物はどうなるの!?」 憧「あ、そっか。それは困るよね……」フム 初瀬「流石にね……」 憧「んー……じゃあ半分なら?」 初瀬「へ」 憧「初瀬の牛乳、半分だけちょーだい!」 初瀬「え、えええっ!? そそ、それはひょっとしていわゆるひとつの間接間接間接キッ」 憧「ダメ?」 初瀬「あこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ///」キュンキューン 670 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 22:53:19.76 ID:hyoFViuqo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「悪魔かお前」 憧「ひ、人聞きの悪いこと言わないでよ!」 初瀬「ちなみに通常の1.5倍の牛乳を数日間飲み続けた憧はお腹を壊したぞ!」 京太郎「アホかお前」 憧「……お前ってゆーな」 初瀬「うんうん唸る憧に膝枕してあげたっけなぁ……」シミジミ 憧「そっちもゆーなー!///」 初瀬「やい男! そんな素晴らしい思い出をお前は語れるか!?」ズビシィッ 京太郎「どれから聞きたい?」 初瀬「うわああああああああああああああああああああああ憧が男と数え切れない程の思い出を作ってるううううううううううううううううううううううううううう!!!」 憧「ふ、普通だから! 普通に友達としてだから!?」 676 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 23:32:34.96 ID:hyoFViuqo 初瀬「そ、そうだよねっ! 憧は男嫌いなんだもん、私とより濃いイベントなんて経験してないよね!!」 憧「………………ソウネ」 初瀬「良かったぁ……私はまだ憧の親友なんだ……」 憧「な、なに言ってんのよ初瀬。当たり前でしょ?」 初瀬「そうだけどさ、やっぱり学校が離れたら不安で……」 憧「ぁ……」 初瀬「でも大丈夫! もう何も怖くない……怖くないぞお前なんてえええええ!!!」グワァッ 京太郎「この流れからオレェエ!!?」ビクゥッ 初瀬「私と憧の絆は不滅だ! 絶対お前に負けたりなんかしない!!」キッ 京太郎「アッハイ」 初瀬「そう、あれは中三のバレンタインのこと――」 京太郎「脈絡なくね?」 憧「こういう子じゃなかったんだけどなぁ……」 ……………… ………… …… 685 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 23:58:13.70 ID:hyoFViuqo 《2月・体育館裏》 初瀬「」ドキドキドキドキ タッタッタッ... 初瀬「!!!」 憧「はつせー」 初瀬「憧ぉ……///」トローン 憧「ごめんね、待った?」 初瀬「ううん、今来たとこ!」 憧「そか。で、用事って?」 初瀬「あ、うんっ。あのね……」ゴソゴソ スッ 初瀬「はいこれ、バレンタインのチョコ!」 憧「わっ、ありがとーって箱デカぁ!?」ギョッ 690 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 00:44:14.72 ID:BZQUmzNjo 初瀬「チョコケーキに挑戦してみたんだ……///」テレテレ 憧「なにそのチャレンジ精神!? これ絶対1ホールあるよね!?」 初瀬「あるよ?」ケロッ 憧「友チョコに気合入りすぎだって! あたし市販品しか用意してないよ!?」 初瀬「別にいいよ、これは私の気持ちだから」ウットリ 憧「余計重い……!」 初瀬「さっ、憧のチョコちょうだい?」ワクワク 憧「いや釣り合い取れないって……もっと高いの買うからまた今度じゃダメ?」 初瀬「だから気にしなってば! ほら、出して出して!」 憧「ほ、ほんとにいいの……?」スッ 初瀬「開けて開けて!」 憧「うん……」ビリビリ 初瀬「食べさせて食べさせて!」 憧「あーん」 初瀬「あーん」 パクッ 初瀬「ご、ごうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁく!///」キマシタワー 699 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 01:17:15.76 ID:BZQUmzNjo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「お前がチョコを手作りしなかったのは懸命な判断だと思う」 憧「う、うるさい! 余計なお世話!」ブンッブンッ 京太郎「危ねっ!? カバン振り回すなよ!」 初瀬「そうだ憧! そんな男ぶっ飛ばしちゃえ!」 車井さん「ぼ、暴力を煽動しちゃダメだよ初瀬! ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「知ってるって!」 初瀬「いいぞ憧……憧に贈り物のひとつもしたことのないようなダメ男なんて、そのカバンでバントホームランだ!!」 憧「このっ! このっ!」ベシッベシッ 京太郎「いでで――あれ? 憧、お前そのストラップ……」 憧「ッ!?」ギクッ 京太郎「俺がプレゼントしたやつじゃんか! 付けてくれたんだな!」 憧「あ、ぅ、ま、まあ……ね///」カァー 京太郎「朝から付けてたのか? だったら言ってくれよ」 憧「べ、別に報告する義務とかないし……っ」 京太郎「それもそっか。でもまあ、使ってくれてるなら嬉しいよ」ニカッ 憧「っ……ば、ばか」プイッ 初瀬「うわあああああああああああああああああああああああああ憧が男からの贈り物を肌身離さず持ち歩いてるうううううううううううううううううううううううううううううう!!!」 憧「もういいからそれ!!」 734 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 22:05:12.72 ID:BZQUmzNjo ガクッ 初瀬「やっぱり……憧はもう、私の知ってる憧じゃないんだー! ヴォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ!! 」 憧「初瀬……」  その場にくずおれて慟哭する(自称)親友の姿に、憧は何を思うのだろう。  初対面の俺にさえ、彼女の憧に対する想いの深さは伝わる。  当人同士なら尚更だ。外野の立ち入る余地はない。 憧「初瀬、あたし……その……」 初瀬「……どうして」  憧の、言葉にならない言葉を遮って。  岡橋さんは問いをこぼした。 初瀬「憧。私はね、憧が晩成に来なかったことを責める気はないんだよ」 初瀬「今更言ったってしょうがないし、憧が決めたことに口出しする権利なんてないから」 初瀬「でも、どうして――」 初瀬「――どうして私に、そのことを教えてくれなかったの……?」 739 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 22:32:47.65 ID:BZQUmzNjo 憧「っ」  息を呑む憧に、岡橋さんは重ねて問い掛ける。 初瀬「私は……友達じゃ、なかった?」 憧「ち、違うよ! 初瀬は大切な友達……ううん、親友だよっ!」  憧は声を荒らげて否定する。  しかし否定すればする程、先の疑問が浮き彫りになってしまう。  親友なのに、「どうして」。  岡橋さんの視線もそう物語っていた。  憧は、 憧「親友だから――だから、言えなかったの」  と言った。 初瀬「……どういうことか、聞かせてくれる?」 憧「うん……今度は隠し事しないで、全部話すね」 742 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 23:11:07.06 ID:BZQUmzNjo  そして憧は視線を巡らせる。  岡橋さんから俺と穏乃へ。  改めて岡橋さんを見て、 憧「約束するのが怖かったんだ」  まず、そう言った。 初瀬「約束が……?」 憧「うん。「また会おうね」って、約束するのが怖かった」 初瀬「なにそれ……友達なら、また会いたいって思うに決まってるのに!」 憧「でも会えなかったから」 初瀬「え?」 憧「あたしは会えなかった。初瀬より前にもう、あたしは大切な友達を裏切ってるから」 初瀬「憧……」  それは――  穏乃のことだ。  かつて憧が、夢の為に離別した少女のことだ。  憧の心には、今でもその時の後悔が燻っていたのだ。 748 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 23:42:03.55 ID:BZQUmzNjo 憧「ずっと一緒だったのに、本当に仲良しだったのに」 憧「あたしはあの子を裏切った」 憧「きっと悲しい思いをさせた。きっと寂しい思いをさせた」 憧「それを繰り返すのが、怖かった」  でも、と繋いだ。 憧「そんなのあたしの都合でしかないよね」 憧「あたしが弱虫だから、こうして初瀬まで傷つけて」 憧「ごめんね初瀬。本当にごめん」 憧「中学で、いつも傍にいてくれた」 憧「いつも助けてくれた。いつも支えてくれた」 憧「初瀬がいなかったら、今のあたしはいなかった」 憧「初瀬がいたから、今のあたしがいるんだよ」 憧「ありがとう初瀬。本当に、本当に――」 憧「――本当にありがとう、あたしの大切な友達」 758 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 00:30:20.67 ID:kqc/cI0Io 初瀬「あ、こ」 憧「……虫が良すぎるとは思うけどさ、もう少し見守っててくれない? あたしのこと」 初瀬「っ――、……しょうがないなぁ憧は」 憧「!」 初瀬「憧の面倒を見るのは、私の役目だもんね」クスッ 憧「初瀬……! さっすがぁ!」ギュッ  抱きつく憧に、抱きつかれる岡橋さんに、笑顔が戻った。  その笑顔で俺は理解した。  岡橋初瀬。  彼女は、先代の“憧係”なんだ。  俺がいなかった頃の、穏乃がいなかった頃の憧を守ってくれた人。  中学時代の憧になくてはならなかった存在。  憧の友達。俺の先達。  俺も何か、言葉を贈りたい。そして受け取りたい。  無性にそう思った。  だから、 京太郎「なあ、岡は」 初瀬「しゃしゃり出てくんじゃねええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」ズドーン 京太郎「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?!?」バゴーン 771 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 00:56:05.71 ID:kqc/cI0Io 憧「きょ、京太郎ー!?」  鉄拳。  全身全霊を込めたであろう鉄拳が突き刺さった。  顔面の、正中線上に。  しかし腕には穏乃がしがみついて寝ているので、なんとか倒れないように踏ん張った。頑張った。 初瀬「憧のことは許した! 許したけど……お前はやっぱ無理!! 絶対に認めないから!!!」ガルルル 車井さん「ぼ、暴力はダメだってば初瀬! ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「だから知っとるわ!!」 京太郎「ま、前が見えねえ……」フラフラ 憧「ぅーゎー、アンタ漫画みたいに顔凹んでるわよ……写メ撮っていい?」 京太郎「やめろ!」 ブロローン レジェンド「おまたへ~」プップー 京太郎「正直すげー待ったわ!」ドヒューン 憧「でもナイスタイミング! じゃーね初瀬、またどこかの卓で!」ドヒューン 初瀬「あっ憧!? 憧ォーーーーー!!」 779 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:18:54.79 ID:kqc/cI0Io ◇ レジェンド「そんなに慌ててどうしたの?」 憧「いいから出して!」 レジェンド「はいはい……ところで須賀くんその顔どうしたの? 写メ撮っていい?」 京太郎「いいから出せつってんだろ!!」 ギャーギャー 車井さん「あれ……赤土晴絵!? ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「十年前にウチを倒した阿知賀のエース……!」 ブロローン 初瀬「……」 車井さん「……」 ザッ 781 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:28:35.32 ID:kqc/cI0Io 「 お ま た せ 」 《♪http://youtu.be/IBWelydm7FA》 787 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:44:28.41 ID:kqc/cI0Io 初瀬「こ……小走先輩!」 小走先輩「どした?」 初瀬「あ、あのっ……!」ワタワタ 小走先輩「あれか、ジャージの子とその仲間か?」 初瀬「!」 小走先輩「ジャージの子がさぁ、棚からパンを取る時見えたんだよ――すごいマメ。ありゃ相当打ってる」 初瀬「……!」 バッ 初瀬「っ?」 小走先輩「ま、心配しなさんな」 小走先輩「私は小三の頃からマメすら出来ない」 小走先輩「――」フッ #size(20){#aa{{{                  ... -―――‐- ....      /}                /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::\  / /               /:::::::::/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::∨ ∠...__              /{_:::/::::/::/l::::::| :::::: :ト、:::::::::::::::∨\__彡' .             ∧__::|::::/::/八::::|\:::::| \:::::|__∧\\            /イ::::::|:/l:/ ̄`ヽ{  \{´ ̄ }从::|:::|  \\ .          {::::|:/∧{ /芹うト     /芹うト }:|:::l    }::::}_           _ノミV ノ{∧ 、V炒      V炒/ 小リ   ノ-=≦}  「ニワカは相手にならんよ!」 .          /::::::::::/   {ハ   ̄   '     ̄  /^l/  /≧=-く__ .       {/:::::::::{   ヽ圦    r― v    //  {/-=≦彡'_ .          廴:::::::l            `ニ ´   . ´    \/≧=-く            `^^′        `ト  __ ィ        辷_ -=≦)                    ┌ |   __ノ\__ __       /∠                 / /∨ \____// ̄\    ̄} /              __∠二ニ≠==≦二二/:.:.:{   /∧   くく              //:.:.:{二二二襾二ニニニ/.:.:.:.:|  /   }   ノノ .          / /.:.:.:.:}ニニニニ/ ∧二ニニ{:.:.:.:.:.:| ,/  \_〉 / }}}} 初瀬「やったーカッコイイー!!」 791 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:54:34.98 ID:kqc/cI0Io 小走先輩「……ところで岡橋」 初瀬「はい?」 小走先輩「あの金髪………………い、イケメンだったな! 知り合い? 彼女とかいるのかな……///」モジモジ 初瀬「に、ニワカだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 【TO BE CONTINUED...】
537 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 21:27:30.33 ID:sDJID7fqo ウィーン 穏乃「うぁー今日もつかれたーっ!」フラフラ 憧「流石に腕あがんないわもー」ヘロヘロ  と、泣き言を口にしながらコンビニを出る穏乃と憧。と俺。  近くに車を出す用があるレジェンドにくっついて駅前まで下りてきたのだ。  それぞれ買ったのはパンとかガムとか、スーパーとは一味違う品揃えのもの。  ちなみに俺はナタデココ杏仁グミというのを買った。  このキワモノ感が堪らない。 京太郎「監督はまだ来てない、か」 穏乃「ぽいね」キョロキョロ 憧「ま、だべってたらその内来るでしょ」 京太郎「だな」  そんな風に話していると、 ???「うわあああああ憧が男と一緒にいるうううううううううう!!!」 「「「!!?」」」ビクッ 542 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 22:02:38.19 ID:sDJID7fqo  突然の大音声が耳をつんざく。 京太郎「な、なんだァ!?」 穏乃「事件の予感!?」 憧「今の声って……」  揃って声を遡ると、そこには二人の女子高生が立っていた。  一人は唖然として立ち尽くし、そしてもう一人は憤然として息を荒らげている。  その状況から導き出される答えは―― 京太郎「今の、あっちの子が……?」 穏乃「た、たぶん……ていうかあれ、晩成の制服っぽいけど……」 憧「え、わっ、初瀬!? 初瀬だー!」タタッ 「「憧!?」」  憧が走った。  二人の少女の、明らかに怒っている方に向かって。  迷わず、むしろ軽快な足取りで。  そのまま激おこ少女の前で立ち止まると、 憧「おっひさっしぶりぃー♪」  軽っ。 544 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 22:30:41.07 ID:sDJID7fqo 初瀬「憧、お前……」プルプル 憧「は、初瀬?」 初瀬「なんで晩成に来なんで男なんかと一緒にいるんだよ!!!」クワッ 憧「今すっごい大事なことに被せて叫ばなかった!?」 初瀬「なに言ってんの? これ以上大事なことなんてないだろ!」 憧「いやあるって! 思わず駆け寄っちゃったけど途中から絶対怒られるって思ったもん!」 初瀬「私が憧を怒るわけないだろ……」ナデナデ 憧「いやいや結構怒るよね!? なんで急に優しいの!?」  なんだなんだ。  どんな関係なんだ。  右に左に首を傾げながら、俺と穏乃は憧に近付く。 穏乃「憧ー?」 京太郎「どうした?」 憧「あ、しず。京太郎……」 初瀬「うわあああああああ憧が男を名前で呼んでるううううううううううう!!!」 「「「」」」ビクッ 552 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 23:04:41.34 ID:sDJID7fqo 初瀬「お、お、お、お前ぇ!!」ビシッ 京太郎「オレェ?」 初瀬「憧から離れろ! 憧の半径50メートルに近付くな!!」 京太郎「んな無茶な……おい憧、なにこの個性派」 初瀬「憧を呼び捨てにするなああああああああああ!!!」ガルルル 京太郎「やだ怖ぁい!」 憧「お、落ち着いて初瀬! ちゃんと説明するから!」 初瀬「」フーッ フーッ  めっちゃ睨んでる……怖い…… 憧「えーっと……この子は岡橋初瀬。中学時代の麻雀部仲間よ」 穏乃「へぇ……」ペコリン 憧「で、初瀬? こっちのジャージは高鴨穏乃。あたしの幼馴染み」 初瀬「よろしく……」ペコリン 憧「そしてこっちの金髪は須賀京太郎。うちの麻雀部のマネージャー」 初瀬「うわああああああああああ憧が男マネと爛れた関係になってるううううううううううううううう!!!」 憧「なってないから!?///」 555 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 23:33:26.08 ID:sDJID7fqo 初瀬「そ、そうだよね。憧は男嫌いなんだもん、男と仲良いわけがないよね!」 憧「………………ソウネ」 初瀬「あ、それより憧! お前なんで晩成に来なかったんだよ!」 憧「タイミング今なの!? なんでって言われてもなぁ……」ポリポリ 初瀬「それにその制服……阿知賀か? お前阿知賀に行ったのか?」 憧「そうでーす。制服かわいいでしょー♪」ヒラッ 京太郎「憧の方が可愛いよ」キリッ 憧「ふきゅっ!?」 初瀬「」ブホォ 憧「そ、そっちもタイミングおかしいから! 今そーゆーこと言う雰囲気じゃなかったでしょ!?」 京太郎「おばあちゃんが言っていた。花と女性は愛でるもの……愛なら花も腐らないってな」キリリッ 憧「アンタのおばあちゃんは孫をホストか結婚詐欺師にでもしたいの!?」 京太郎「キマってたか?」 憧「全っ然! 大体なによ、急に可愛いとか言っちゃってさ……」モジモジ 京太郎「急か?」 憧「急よ! 玄とか宥姉にはしょっちゅう言ってるけど、あたしには……言わないじゃない」 京太郎「え、言ってるだろ?」 憧「言ってない」プイッ 京太郎「あー……そりゃすまん、頭で考えてるだけで言ったつもりになってたんだな」 憧「きゅっ」 京太郎「安心しろよ、憧も可愛いに決まってるだろ?」キラーン 憧「きょ、京太郎……///」テレテレ 初瀬「うわああああああああああああ憧が男に口説かれて満更でもないような表情してるううううううううううううううううう!!!」 憧「ちょっ!? してない、してないから!?///」アタフタ 567 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/11(水) 23:53:43.39 ID:sDJID7fqo 初瀬「おいお前ぇえ!!」ビッシィーッ 京太郎「オレェェ!?」ドッキィーッ  思わず返す語気も強くなる。 初瀬「お前、憧のなんなのさ! なんなのさ!」 京太郎「なんなのさって、だから同級生で部活の仲間だけど……」 初瀬「つまり友達じゃないんだな!?」 京太郎「いや友達だけど」 初瀬「私は憧の親友だから!!」 京太郎「アッハイ」 初瀬「中学の三年間、私はずっと憧と一緒だったんだからな!」 穏乃「そうなの?」 憧「うん、初瀬には色々助けられたんだ」 初瀬「そう……あれは桜の花が咲き誇る4月のこと……」ポワポワポワポワーン 京太郎「あれっなんか語り始めたぞこの人」 ……………… ………… …… 574 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 00:20:00.68 ID:hyoFViuqo 《4月・通学路》 初瀬「今日から中学生だ……頑張るぞ!」ムンッ テクテクテク... 初瀬「ん? あの道の端っこ、誰かうずくまってる……?」 憧「」プルプル 初瀬「あの~……」 憧「ひぅッ」ビクッ 初瀬「わわ、驚かせてごめんなさい!」  憧「い、いえ……あたしこそごめんなさい……」ビクビク 初瀬「こんなところでどうしたの? 具合悪いの?」 憧「……ぉ……」 初瀬「お?」 憧「オトコ、タクサン、コワイ」 初瀬「なんでカタコト!?」 581 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 00:40:21.65 ID:hyoFViuqo 憧「ぅう……」プルプル 初瀬「……ねえ、あなた名前は?」 憧「へ?」 初瀬「私は岡橋初瀬。あなたは?」 憧「あ、あたらしあこ」 初瀬「憧ちゃんか。新入生だよね? 私もなんだ」 憧「……?」 初瀬「一人じゃ心細いから、一緒に学校行かない?」 憧「! いいの……?」 初瀬「もっちろん!」 憧「わぁ……ありがとうございます!」パァッ 初瀬「これからよろしくね!」ニコッ 憧「はいっ!」 初瀬「それじゃあ行こ!」 タッタッタッ... 584 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 01:00:50.19 ID:hyoFViuqo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「お前ひっどいな!?」 憧「う、うっさいわね! 昔の話よ……」 穏乃「確かに憧ってそんな時期あったよねー」 憧「しずも余計なこと言わない!」 初瀬「あの頃は大変だったなぁ……移動教室もお手洗いも一緒でさ……」 憧「はーつーせー!///」 初瀬「さあ、そこの男!」ズビシッ 京太郎「須賀っす」 初瀬「そんな憧との思い出がお前にはあるか!?」 京太郎「初対面で顔より先にパンツ見た」 初瀬「うわあああああああああああああああ憧が男に簡単に股を開くビッチになってるうううううううううううううううううううう!!!」 憧「なってなああああああああああいっ!!!」 594 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 01:20:11.17 ID:hyoFViuqo 初瀬「そ、そうだよねっ。憧は男嫌いなんだもん、一度くらい事故で見られちゃっただけだよね!」 憧「………………ソウネ」 初瀬「やい男! そんなラッキースケベ程度で憧の彼氏面するんじゃあないぞッ!」 京太郎「須賀っす」 初瀬「お前、マネージャーなんだって?」 京太郎「ああ、まだ半人前だけどな」 初瀬「私は選手だから! より憧に近いから!!」 京太郎「アッハイ」 初瀬「憧とは親友だけど、部活ではレギュラーの座を奪い合うライバルだった……!」 穏乃「そうなの?」 憧「うん、初瀬とは実力が同じくらいだったんだ」 初瀬「そう……あれは一年の夏、応援しか出来なかったインターミドルが終わった時のこと――」ポワポワポワポワーン 京太郎「また語るのか……(困惑)」 ……………… ………… …… 602 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 01:41:56.31 ID:hyoFViuqo 《8月・部室》 憧「ロン! 3900!」 初瀬「うわっ! まくられた~……」 憧「へへ、やったぁ♪」グッ 初瀬「憧、今日は調子いいね」 憧「まーね。先輩達の活躍を見たら血が騒いだっていうか」フンス 初瀬「……憧って意外と体育会系だよなぁ」 憧「ちょ、やめてよー。ただでさえオトコオンナみたいにからかわれるのに……」プクー 初瀬「ゴメンゴメン。でも、嫌なら髪伸ばせば? そしたら女っぽくなるじゃん」 憧「んー……」 初瀬「憧?」 憧「……んーん、髪は伸ばさない」 初瀬「え、どうして?」 憧「どうしても。そうだ、今度一緒にヘアゴム買いに行かない?」 初瀬「う、うん……それはいいけど」 憧「やたっ、じゃあ初瀬に選んでもらっちゃお♪」ニコッ 初瀬「」キューン 608 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 02:00:58.61 ID:hyoFViuqo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「一気に仲良くなってんな」 憧「まあ、四ヶ月経ってるし……」 初瀬「以上のことからも私と憧が親友同士であるという事実は揺らがない!!」 京太郎「別に揺さぶっちゃいねーけど」 初瀬「憧とは休みの日もよく遊んだなぁ……家にお邪魔したり」 京太郎「ああ、俺も昨のごもごむご」 憧「ちょっと黙ってなさい!」 初瀬「憧ってば現実の男は苦手なのに少女漫画が好きでさ、理想のタイプは金髪で背が高いまさに王子様とか言っ」ピタッ 憧「ちょ、ちょおっ!?///」 初瀬「………………」ジーーーッ 京太郎「?」 初瀬「うわあああああああああああああああああ憧が男の理想を貫き通して王子様ゲットしてるうううううううううううううううううううううう!!!」 憧「わーっ! わ゛ーーーっ!///」 649 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 21:26:53.18 ID:hyoFViuqo 初瀬「どういうことだよ憧!? お前、男嫌い治ったの!?」 憧「治ってないけど……リハビリ中っていうか……」ゴニョゴニョ 初瀬「リハビリぃ~?」 憧「そ、そうそう。京太郎に付き合ってもらって。ねっ?」 京太郎「だな」 初瀬「付き合う!?」クワッ 憧「いちいち反応しない!///」 初瀬「嘘だ……憧が男と……でも、憧が幸せなら親友として認めるべきなのか……? 祝福するべきなのか……?」ウゴゴゴ 穏乃「きょーたろー」クイクイ 初瀬「!」 京太郎「ん、どうした穏乃?」 穏乃「ねむい……」ムニャ 京太郎「あー、今日は部活終わるの遅かったもんなぁ……どうする? またおぶってやろうか?」 穏乃「んぅ……いい。腕だけ貸して……」ギュッ 京太郎「おっと。腕だけって、そんなんで眠れるのか?」 穏乃「だいじょーぐぅ」zzZ 初瀬「うわああああああああああああああああああああ憧が男に目の前で二股かけられてるううううううううううううううううううううううううう!!!」 憧「だーかーらーっ!!///」 655 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 21:51:00.26 ID:hyoFViuqo 京太郎「おいおい穏乃が起きちゃうだろ。静かにしてくれよ」 穏乃「( ˘ω˘)」スヤァ... 初瀬「何をぬけぬけとこの浮気野郎!!!」グワッ 車井さん「ぼ、暴力はダメだよ初瀬! ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「知っとるわ!!」 憧「……ま、確かに人前でそういうのはどうかと思うけどね」ジロッ 京太郎「なんだよ憧まで……」 初瀬「とにかく! お前みたいな二股野郎に憧は渡さない!!」 京太郎「須賀っす」 憧「あたし初瀬のものじゃないんだけど」 初瀬「憧に接する時は愛が、慈愛敬愛親愛が必要なんだ。例えばそう……あれは二年の春のこと――」ポワポワポワポワーン 京太郎「また回想か、壊れるなぁ」 ……………… ………… …… 662 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 22:19:37.71 ID:hyoFViuqo 《5月・教室》 憧「初瀬って背ぇ高いよねー」ピトッ 初瀬「あ、憧っ///」ドキドキ 憧「それに比べてあたしは、髪は伸びても背は伸びないし……」ズーン 初瀬「き、気にすることないって! 憧はそのままで可愛いよ!」 憧「あはは、ありがと。でもやっぱもう少し身長欲しいなー」 初瀬「身長かぁ……牛乳飲むと背が伸びるっていうけど」 憧「それだ! 初瀬お願い、給食の牛乳あたしにちょうだい!」 初瀬「私の飲み物はどうなるの!?」 憧「あ、そっか。それは困るよね……」フム 初瀬「流石にね……」 憧「んー……じゃあ半分なら?」 初瀬「へ」 憧「初瀬の牛乳、半分だけちょーだい!」 初瀬「え、えええっ!? そそ、それはひょっとしていわゆるひとつの間接間接間接キッ」 憧「ダメ?」 初瀬「あこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ///」キュンキューン 670 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 22:53:19.76 ID:hyoFViuqo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「悪魔かお前」 憧「ひ、人聞きの悪いこと言わないでよ!」 初瀬「ちなみに通常の1.5倍の牛乳を数日間飲み続けた憧はお腹を壊したぞ!」 京太郎「アホかお前」 憧「……お前ってゆーな」 初瀬「うんうん唸る憧に膝枕してあげたっけなぁ……」シミジミ 憧「そっちもゆーなー!///」 初瀬「やい男! そんな素晴らしい思い出をお前は語れるか!?」ズビシィッ 京太郎「どれから聞きたい?」 初瀬「うわああああああああああああああああああああああ憧が男と数え切れない程の思い出を作ってるううううううううううううううううううううううううううう!!!」 憧「ふ、普通だから! 普通に友達としてだから!?」 676 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 23:32:34.96 ID:hyoFViuqo 初瀬「そ、そうだよねっ! 憧は男嫌いなんだもん、私とより濃いイベントなんて経験してないよね!!」 憧「………………ソウネ」 初瀬「良かったぁ……私はまだ憧の親友なんだ……」 憧「な、なに言ってんのよ初瀬。当たり前でしょ?」 初瀬「そうだけどさ、やっぱり学校が離れたら不安で……」 憧「ぁ……」 初瀬「でも大丈夫! もう何も怖くない……怖くないぞお前なんてえええええ!!!」グワァッ 京太郎「この流れからオレェエ!!?」ビクゥッ 初瀬「私と憧の絆は不滅だ! 絶対お前に負けたりなんかしない!!」キッ 京太郎「アッハイ」 初瀬「そう、あれは中三のバレンタインのこと――」 京太郎「脈絡なくね?」 憧「こういう子じゃなかったんだけどなぁ……」 ……………… ………… …… 685 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/12(木) 23:58:13.70 ID:hyoFViuqo 《2月・体育館裏》 初瀬「」ドキドキドキドキ タッタッタッ... 初瀬「!!!」 憧「はつせー」 初瀬「憧ぉ……///」トローン 憧「ごめんね、待った?」 初瀬「ううん、今来たとこ!」 憧「そか。で、用事って?」 初瀬「あ、うんっ。あのね……」ゴソゴソ スッ 初瀬「はいこれ、バレンタインのチョコ!」 憧「わっ、ありがとーって箱デカぁ!?」ギョッ 690 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 00:44:14.72 ID:BZQUmzNjo 初瀬「チョコケーキに挑戦してみたんだ……///」テレテレ 憧「なにそのチャレンジ精神!? これ絶対1ホールあるよね!?」 初瀬「あるよ?」ケロッ 憧「友チョコに気合入りすぎだって! あたし市販品しか用意してないよ!?」 初瀬「別にいいよ、これは私の気持ちだから」ウットリ 憧「余計重い……!」 初瀬「さっ、憧のチョコちょうだい?」ワクワク 憧「いや釣り合い取れないって……もっと高いの買うからまた今度じゃダメ?」 初瀬「だから気にしなってば! ほら、出して出して!」 憧「ほ、ほんとにいいの……?」スッ 初瀬「開けて開けて!」 憧「うん……」ビリビリ 初瀬「食べさせて食べさせて!」 憧「あーん」 初瀬「あーん」 パクッ 初瀬「ご、ごうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁく!///」キマシタワー 699 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 01:17:15.76 ID:BZQUmzNjo …… ………… ……………… 初瀬「――ってね!!」 京太郎「お前がチョコを手作りしなかったのは懸命な判断だと思う」 憧「う、うるさい! 余計なお世話!」ブンッブンッ 京太郎「危ねっ!? カバン振り回すなよ!」 初瀬「そうだ憧! そんな男ぶっ飛ばしちゃえ!」 車井さん「ぼ、暴力を煽動しちゃダメだよ初瀬! ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「知ってるって!」 初瀬「いいぞ憧……憧に贈り物のひとつもしたことのないようなダメ男なんて、そのカバンでバントホームランだ!!」 憧「このっ! このっ!」ベシッベシッ 京太郎「いでで――あれ? 憧、お前そのストラップ……」 憧「ッ!?」ギクッ 京太郎「俺がプレゼントしたやつじゃんか! 付けてくれたんだな!」 憧「あ、ぅ、ま、まあ……ね///」カァー 京太郎「朝から付けてたのか? だったら言ってくれよ」 憧「べ、別に報告する義務とかないし……っ」 京太郎「それもそっか。でもまあ、使ってくれてるなら嬉しいよ」ニカッ 憧「っ……ば、ばか」プイッ 初瀬「うわあああああああああああああああああああああああああ憧が男からの贈り物を肌身離さず持ち歩いてるうううううううううううううううううううううううううううううう!!!」 憧「もういいからそれ!!」 734 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 22:05:12.72 ID:BZQUmzNjo ガクッ 初瀬「やっぱり……憧はもう、私の知ってる憧じゃないんだー! ヴォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ!! 」 憧「初瀬……」  その場にくずおれて慟哭する(自称)親友の姿に、憧は何を思うのだろう。  初対面の俺にさえ、彼女の憧に対する想いの深さは伝わる。  当人同士なら尚更だ。外野の立ち入る余地はない。 憧「初瀬、あたし……その……」 初瀬「……どうして」  憧の、言葉にならない言葉を遮って。  岡橋さんは問いをこぼした。 初瀬「憧。私はね、憧が晩成に来なかったことを責める気はないんだよ」 初瀬「今更言ったってしょうがないし、憧が決めたことに口出しする権利なんてないから」 初瀬「でも、どうして――」 初瀬「――どうして私に、そのことを教えてくれなかったの……?」 739 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 22:32:47.65 ID:BZQUmzNjo 憧「っ」  息を呑む憧に、岡橋さんは重ねて問い掛ける。 初瀬「私は……友達じゃ、なかった?」 憧「ち、違うよ! 初瀬は大切な友達……ううん、親友だよっ!」  憧は声を荒らげて否定する。  しかし否定すればする程、先の疑問が浮き彫りになってしまう。  親友なのに、「どうして」。  岡橋さんの視線もそう物語っていた。  憧は、 憧「親友だから――だから、言えなかったの」  と言った。 初瀬「……どういうことか、聞かせてくれる?」 憧「うん……今度は隠し事しないで、全部話すね」 742 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 23:11:07.06 ID:BZQUmzNjo  そして憧は視線を巡らせる。  岡橋さんから俺と穏乃へ。  改めて岡橋さんを見て、 憧「約束するのが怖かったんだ」  まず、そう言った。 初瀬「約束が……?」 憧「うん。「また会おうね」って、約束するのが怖かった」 初瀬「なにそれ……友達なら、また会いたいって思うに決まってるのに!」 憧「でも会えなかったから」 初瀬「え?」 憧「あたしは会えなかった。初瀬より前にもう、あたしは大切な友達を裏切ってるから」 初瀬「憧……」  それは――  穏乃のことだ。  かつて憧が、夢の為に離別した少女のことだ。  憧の心には、今でもその時の後悔が燻っていたのだ。 748 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/13(金) 23:42:03.55 ID:BZQUmzNjo 憧「ずっと一緒だったのに、本当に仲良しだったのに」 憧「あたしはあの子を裏切った」 憧「きっと悲しい思いをさせた。きっと寂しい思いをさせた」 憧「それを繰り返すのが、怖かった」  でも、と繋いだ。 憧「そんなのあたしの都合でしかないよね」 憧「あたしが弱虫だから、こうして初瀬まで傷つけて」 憧「ごめんね初瀬。本当にごめん」 憧「中学で、いつも傍にいてくれた」 憧「いつも助けてくれた。いつも支えてくれた」 憧「初瀬がいなかったら、今のあたしはいなかった」 憧「初瀬がいたから、今のあたしがいるんだよ」 憧「ありがとう初瀬。本当に、本当に――」 憧「――本当にありがとう、あたしの大切な友達」 758 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 00:30:20.67 ID:kqc/cI0Io 初瀬「あ、こ」 憧「……虫が良すぎるとは思うけどさ、もう少し見守っててくれない? あたしのこと」 初瀬「っ――、……しょうがないなぁ憧は」 憧「!」 初瀬「憧の面倒を見るのは、私の役目だもんね」クスッ 憧「初瀬……! さっすがぁ!」ギュッ  抱きつく憧に、抱きつかれる岡橋さんに、笑顔が戻った。  その笑顔で俺は理解した。  岡橋初瀬。  彼女は、先代の“憧係”なんだ。  俺がいなかった頃の、穏乃がいなかった頃の憧を守ってくれた人。  中学時代の憧になくてはならなかった存在。  憧の友達。俺の先達。  俺も何か、言葉を贈りたい。そして受け取りたい。  無性にそう思った。  だから、 京太郎「なあ、岡は」 初瀬「しゃしゃり出てくんじゃねええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」ズドーン 京太郎「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?!?」バゴーン 771 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 00:56:05.71 ID:kqc/cI0Io 憧「きょ、京太郎ー!?」  鉄拳。  全身全霊を込めたであろう鉄拳が突き刺さった。  顔面の、正中線上に。  しかし腕には穏乃がしがみついて寝ているので、なんとか倒れないように踏ん張った。頑張った。 初瀬「憧のことは許した! 許したけど……お前はやっぱ無理!! 絶対に認めないから!!!」ガルルル 車井さん「ぼ、暴力はダメだってば初瀬! ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「だから知っとるわ!!」 京太郎「ま、前が見えねえ……」フラフラ 憧「ぅーゎー、アンタ漫画みたいに顔凹んでるわよ……写メ撮っていい?」 京太郎「やめろ!」 ブロローン レジェンド「おまたへ~」プップー 京太郎「正直すげー待ったわ!」ドヒューン 憧「でもナイスタイミング! じゃーね初瀬、またどこかの卓で!」ドヒューン 初瀬「あっ憧!? 憧ォーーーーー!!」 779 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:18:54.79 ID:kqc/cI0Io ◇ レジェンド「そんなに慌ててどうしたの?」 憧「いいから出して!」 レジェンド「はいはい……ところで須賀くんその顔どうしたの? 写メ撮っていい?」 京太郎「いいから出せつってんだろ!!」 ギャーギャー 車井さん「あれ……赤土晴絵!? ちなみに私は車井百花です!」 初瀬「十年前にウチを倒した阿知賀のエース……!」 ブロローン 初瀬「……」 車井さん「……」 ザッ 781 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:28:35.32 ID:kqc/cI0Io 「 お ま た せ 」 《♪http://youtu.be/IBWelydm7FA》 787 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:44:28.41 ID:kqc/cI0Io 初瀬「こ……小走先輩!」 小走先輩「どした?」 初瀬「あ、あのっ……!」ワタワタ 小走先輩「あれか、ジャージの子とその仲間か?」 初瀬「!」 小走先輩「ジャージの子がさぁ、棚からパンを取る時見えたんだよ――すごいマメ。ありゃ相当打ってる」 初瀬「……!」 バッ 初瀬「っ?」 小走先輩「ま、心配しなさんな」 小走先輩「私は小三の頃からマメすら出来ない」 小走先輩「――」フッ #size(20){#aa{{{                  ... -―――‐- ....      /}                /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::\  / /               /:::::::::/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::∨ ∠...__              /{_:::/::::/::/l::::::| :::::: :ト、:::::::::::::::∨\__彡' .             ∧__::|::::/::/八::::|\:::::| \:::::|__∧\\            /イ::::::|:/l:/ ̄`ヽ{  \{´ ̄ }从::|:::|  \\ .          {::::|:/∧{ /芹うト     /芹うト }:|:::l    }::::}_           _ノミV ノ{∧ 、V炒      V炒/ 小リ   ノ-=≦}  「ニワカは相手にならんよ!」 .          /::::::::::/   {ハ   ̄   '     ̄  /^l/  /≧=-く__ .       {/:::::::::{   ヽ圦    r― v    //  {/-=≦彡'_ .          廴:::::::l            `ニ ´   . ´    \/≧=-く            `^^′        `ト  __ ィ        辷_ -=≦)                    ┌ |   __ノ\__ __       /∠                 / /∨ \____// ̄\    ̄} /              __∠二ニ≠==≦二二/:.:.:{   /∧   くく              //:.:.:{二二二襾二ニニニ/.:.:.:.:|  /   }   ノノ .          / /.:.:.:.:}ニニニニ/ ∧二ニニ{:.:.:.:.:.:| ,/  \_〉 / }}}} 初瀬「やったーカッコイイー!!」 791 名前:5月29日(水)[saga] 投稿日:2013/12/14(土) 01:54:34.98 ID:kqc/cI0Io 小走先輩「……ところで岡橋」 初瀬「はい?」 小走先輩「あの金髪………………い、イケメンだったな! 知り合い? 彼女とかいるのかな……///」モジモジ 初瀬「に、ニワカだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 【TO BE CONTINUED...】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: