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No.18


「はぁ…はぁ…、桜ちゃん…」

道をボロボロの体で歩く男、間桐雁夜。
だがその肉体は蟲に食い尽くされ、生きているのが不思議なほどである。
先ほどまで契約していたバーサーカのサーヴァント、ランスロットの戦闘による負荷がその原因だ。
それでも今はバーサーカーの存在は感じられない。セイバーに負けでもしたのだろうか。
しかしその体の内のダメージはもはや生きることすら困難なほどに溜まっていた。

今、彼の脳内にあるのは、間桐、いや、遠坂桜のことのみ。
教会で己の想い人、葵の言葉に動揺し、首を絞め殺してしまったことで彼の精神すらも危うい状態にある。
今となっては、唯一残った、桜を救いたいというその思いだけが全てだった。

「待ってろ…、桜ちゃん、今…助け……」

そうして意識を失う直前、見えたのはボロボロの服を着た白髪の男だった。


「…どうにか一命を取り留めたか」

白髪の男は己のマスターを抱えて呟く。
先ほどまで息をすることすら苦しそうだった姿も、今は若干安らいでいた。
だが、その体の内側に巣食うもの、そしてマスターの体の有様はすぐに分かった。とても見ていられるようなものではない。
それでも、彼にはそれをしてまで叶えたい願いがあるのだろう。ならば自分に止めることはできない。

「願い…か」

ふと呟く。
死の灰を浴びた己の肉体。それにより大きく衰え、後継者の座を弟に譲ることとなった。
それに悔いはない。
だが、もし、もしもである。
あの時、我が兄と対峙したとき、この肉体が死にかけのものではなく全盛期のものであったなら――
彼の野望を止めることはできただろうか。
それ以上に、あの時の彼を、俺は超えることはできただろうか。

「…何を馬鹿なことを」

そう、兄のことは弟に託した。
あの男ならば、我が兄をきっと止めてくれる。だからあの時かつての想い人の兄を送るという役を選べたのだ。
だが、この場にサーヴァント、アサシンとして呼ばれ、叶わぬはずの願いでも叶えることができる奇跡を目の当たりにし。
それでも人を生かすために戦うことができるのか。

「まずはマスターの目覚めを待つ、か」

そう、今の自分はサーヴァントなのだ。自身の思いはともあれマスターの矛となり盾となる役割を果たすのみ。
様々な悩み、迷いを胸に、かつて北斗神拳伝承者候補として最も華麗な技を持つと言われた男、トキは主の目覚めを待つ。
かつての自分のように、残り少ない命を削ってまで願いに生きる男の目覚めを。


【参加者No.18――間桐雁夜@Fate/zero】
【サーヴァント――アサシン(トキ)@北斗の拳】




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