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No.13



「あたしって、ほんとバカ」


一体どこで間違えたのだろう。
自分が自分でなくなる瞬間。
それを思ったところで何の意味もないことなんてわかりきってはいた。
だけど思ってしまった。
どこであたしは間違えてしまったのかを。

大切なものが何なのかが分からなくなった時なのか。
守ろうとしていたものが何なのかが分からなくなった時なのか。
自分の体が人間ではない『ゾンビ』にされてしまったと気づいた時なのか。
大切にしていた友達を傷つけてしまった時なのか。

――そもそも、こんな運命を選んでしまった時からすでに間違いだったのか。

答えなど出ない。
出るはずがない。
何故ならそんなものが出る前に、あたしが消えてしまうのがわかっているから。
このまま私が私でなくなるまで、そんな意味のない疑問を考え続けるのか。
そう思って全てを諦め、自分で呪いを生み出す存在になろうとした時。

気づけば、あたしはサーヴァントになっていた。
しかもそうなった瞬間に、あたしは自分の思考が一気に低下していくのを感じた。
理性が無くなってしまう感覚。
今まで考えていたことが、全て無くなってしまうかのような感覚。
もはや話すことも、考えることも出来なくなってしまいそうな感覚。
しかしそれでも、何をすればいいのかだけは覚えておくことが出来た。
そして、自身が何を願うのかも――

こんな運命になってしまったことを変える。
こんな運命を選んでしまったことを無かったことにする。
それできっと悲しむ人が増えることになったとしても、もうどうでもいい。

それが今のあたしの願い。
魔女でもない参加者48人を殺した先に願う、あたしの唯一の願い。


「……■■■■■ーーー!!」


もはや喋ることが出来なくなったその口で、あたしは声を上げた。




「生まれてきて、ごめんなさい」


一体どこで間違えたのだろう。
自分が落ちて死ぬ瞬間。
それを思ったところでもう意味がないのはわかりきってはいた。
だけど思ってしまった。
どこで私は間違えてしまったのかを。

大切な人との約束を忘れた時なのか。
守ってくれと頼まれた子を自分の手で殺した時なのか。
自分がもう人間ではなく鬼なのだと気づいた時なのか。
血を分けた双子の妹を自分で殺した時なのか。

――そもそも、生まれてきたこと自体が間違いだったのか。

答えなど出ない。
出るはずがない。
何故ならそんなものが出る前に、私は頭を割って死ぬのだから。
このまま死ぬまで、そんな意味のない疑問を考え続けるのか。
そう思い、今度は間違えないと想い人の幻影に別れを告げようとした時。

気づけば私はあの聖堂に居た。
そしていつの間にか、マスターになっていた。
マスターになった後は何故か自宅のマンションに居た。
今までのことは全部夢なのか。
そう思い右手を見たが、そこには聖堂で見た時と同様に刻印が刻まれていた。
あの神父の言う通りなら、令呪というやつなのだろう。
はっきりと、誰かと繋がっているのが感じ取れた。

ふと窓の方を見ると、そこに見覚えのない少女が立っているのに気づいた。
青っぽい色彩の、まるで騎士の礼装の様な姿をした自分と同じか少し下の歳の少女がそこにはいた。
神父の言う通りなら、この少女こそが私のサーヴァントだということになる。
しかし、その表情は見た目とは対照的に歪んだものとなっていた。
私には一目でそれが狂気に取りつかれたために歪んでいるのだと理解した。
そして私はこの表情を知っている。

「そっか、あんたも私と同じか……」


あれは、さっきまでの私だ。
狂気に呑まれ、凶行を重ね、最後には自業自得な死を迎えた――
いや、迎えるはずだった私自身と一緒なのだ。
目の前のこの少女は。

もちろん、私の気のせいかもしれない。
狂気に取りつかれた理由だって、私とは全然違う理由なのかもしれない。
だがそう思っていた方が、これから戦っていく上では最適だと思ったのだ。
どうせやるなら、同じく狂気を持っている人物とやる方がいい。

そう、私はこの戦争に参加する。
そして願いも、もうすでに決まっている。

悟史君を生き返らせる。
いや悟史君だけではない。
こんな私のために犠牲になった沙都子や皆を生き返らせたい。
出来るかどうかなどこの際どうでもいい。

それが私の願い。
血に染まったこの手で、さらに48人参加者を殺した先に願う、私の唯一の願い。


「これからよろしく、私のサーヴァントさん」



そう私が言うと、まるでそれに賛同しているかのように目の前の少女は咆哮を上げた。



【参加者No.13 園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
【サーヴァント:バーサーカー(美樹さやか)@魔法少女まどか☆マギカ】




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