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冬木市、新都、ハイアットホテル。
日付が今日から明日に変わった後も暫く、会合は続いていた。
アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、そしてマスター二人が参加する、西の敵対勢力を撃滅する為の軍議だ。

「――さて、これで大体詰めるべきは詰めたというところかな?」
「やれるだけの準備はした。後は行動するだけだ」

アーチャーの言葉をライダーが引き継ぐ。
誰もが己の手札を許容できる際の際まで曝け出し、作戦戦術を練りに練った。
磐石の態勢を整えたと言えるが、勝率はおそらく五分には届かない。
それでも、誰も臆する事無く――この場に在る全員が、勝ちに往くのだという自信を漲らせている。

「――では、最後にもう一度確認しておこう。我々の目的は何か?」
「深山町に存在する強力な敵性集団の撃退だ」
「ここにいる俺達は、本来なら誰もが最後の一人になるまで戦う敵同士」
「しかし、敵集団はあまりに強力過ぎる。私達が単独で当たれば各個に撃破されるだけ」
「然り。故に、我らはこうして集い、目的を同じくした」
「敵軍の排除……しかし、それで“おしまい”ではないな。
元来我らは、各々願うところあってこの聖杯戦争に参陣した身。
奴らを排除し、さあ我々で聖杯を分かち合おうか……ふん、そんな事にはならん。絶対にな」
「もし我々が勝利したとしても、その後は通常通りの聖杯戦争に戻るだけ。何の矛盾も無い」

ここに居る面々は、間違っても信頼や信用といった関係で結ばれてはいない。
これから始まる一大決戦でさえも、唯の通過点でしかない。
寸前まで肩を並べていた者は、詰まるところは聖杯を阻む障害に他ならないのだから。

「奴らを排除した後、俺達は改めて“敵”となる……異存はない。
だがどこでその排除したという線引をするかだな。さすがにあいつらの戦力を削がない内に抜け駆けするような奴はいないだろう」
「望ましいのは殲滅だが、最低でもセイバー二騎の排除だ。これさえ成せば後は手を組まずともどうにでもなる」

敵の情報はかなりの確度で出揃っている。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとガウェインについてはスザクが。
衛宮士郎とアルトリアについては切嗣が。
オーズについてはライダーが……オーズのマスターについては詳細は入手できていないが、言動を見るに魔術師ではないのは明らかだ。
キャスターとランサーは、アサシンが一度交戦したらしい。そしてアーチャーが手駒としていた鳴上悠からも彼らの情報を得た。
同時に彼らは、敵もまたこちらの陣営の情報を得ているという前提で対策を立てていた。楽観的な要素は極力排除するためだ。
敵の主戦力はやはり、最優のクラスであるセイバーだろう。

「では、セイバー二騎を排除したら後は自由にやっていいという事だな?」
「残るはランサーとライダー、そしてキャスターですか。確かにセイバーよりは与し易いでしょうが」
「セイバーを打倒した時点で我々もかなりの消耗を強いられているはずだ。その状況で決着を着けようとするのは利口とは思えんな」
「フ……理解しているさ。何もいきなり襲いかかろうというのではない。セイバーを排除した後は撤退に移らせてもらうというだけだ。
残党を始末したいのならば残った者が好きにすればいい」
「まあ、その辺りが落とし所だろうな。俺達の協力関係は」

 可能ならば敵を全滅させるのが理想だが、深追いし過ぎて味方に背中から撃たれたのでは本末転倒だ。
 アーチャーとしては、時間停止が通じないであろうアルトリアと吸血鬼の天敵であるガウェインの排除こそが絶対条件であり、それ以上の消耗は余計でしかない。
 ライダーは敵のライダー、オーズを破壊・吸収できれば欠けたカードを補って余りある力を得られる。他人に譲る訳にはいかない。
 バーサーカーは奪われた“無毀なる湖光”をアルトリアから取り戻さねばならず、それを抜きにしてもアルトリアを目前にすれば制御は効かない。
 アサシンとキャスターは命題めいたものは持ち合わせていないが、それ故にいつ裏切るかわからないスタンスでもある。
 結果、敵の主力であるセイバーを打倒した後は同盟を解散、という結論が最善であると皆が判断した。

「では、解散だな。襲撃はいつ決行するのだ?」
「各々準備もあるだろう。今より二時間ほど後ではどうかな。場所と始めるタイミングは私が知らせよう」

 切嗣とスザクは元より、アーチャーもまた鳴上悠より携帯電話を入手していた。
 気配遮断スキルを持つアサシンが標的の位置を確認し、メールの一斉送信で開戦を告げる手筈だ。
 こうして、一夜限りの茶会は終わる。
 おそらくはこの聖杯戦争の趨勢を決定づけるであろう一大決戦。
 その開戦の時を待ち、サーヴァント達は夜の闇に散っていく。




「俺達はどう動く?」
「概ね、先ほどの会合通りで構わない。だが今回ばかりはオーズよりもセイバーを討つ事に集中してくれ」
「わかってる。いかにオーズの力を得ても、今のセイバーとフルスペックのガウェイン相手じゃ分が悪いのは変わらんだろうしな」

 ライダー、門矢士は切嗣から施された回復魔術によって大体の傷を回復させた。
 ディケイドライバーの損傷も修復が完了し、何とか全力で戦える状態にまで復帰したと言える。

「だがアーチャーの言った通り、セイバーを排除した後は俺も好きにやらせてもらう。
 もし誰かにオーズを倒されでもしたら、残った奴らを片付けるのは難しくなるからな」
「それは任せるよ。できれば、オーズをどこか遠くに引き離して誰の邪魔も入らない所でやってくれ
 今回は複数のサーヴァントが入り乱れる乱戦になる。僕も近くで見ているって事はできないだろうからね」

 切嗣は背中の狙撃銃を指す。どこかのビルに潜伏して戦場を窺う腹積もりだ。

「敵のマスターも前線には出てこないだろう。正真正銘、サーヴァント同士の決戦になる」
「望む所だ。今度こそ奴らとケリを着けてやる」

 ライダーが持てる能力を全て開放し、バーサーカー・アーチャーと連携すれば、その力は何倍にも増す。
 切嗣はサポートに徹する事になる。無論、敵のマスターを狙う機会があれば、狙撃を躊躇うつもりは無いが。
 気掛かりといえば、あの衛宮士郎という少年だ。

(僕と同じ衛宮の姓……だが、“衛宮”には有り得ない投影魔術と、騎士王のサーヴァント。
 僕に覚えはない。父の隠し子という線も無いだろう。なら、あいつは何者なんだ……?)

 未来で切嗣が出会うはずの、いずれ養子とする少年――当然、今の切嗣が知る由はない。
 排除すべき、油断のならない敵。切嗣にとって衛宮士郎はそれ以上でも以下でもなかった。

(起源弾は奴には通じなかった。それが奴の魔術か、何らかの霊装の効果か。
 いずれにしろ、今回の戦いでは顔を合わせる事は無いだろうが……)

 多数のサーヴァントが激突する戦場に乱入してくるマスターなど、よほど気が触れたマスターでもなければ有り得ない。
 ライダー達が首尾よくセイバーを討ち取ってくれればそれで済む話だ。
 だが、もし衛宮士郎が切嗣の射界内に現れたならば――今度こそ、銃弾を脳天に叩き込む。
 魔術師殺しと世界の破壊者は、来たるべき時をただ静かに待つ。


【新都/深夜】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
 [令呪]:1画
 [状態]:固有時制御の反動ダメージ(中)、魔力消費(大)
 [装備]:ワルサー、キャレコ 、狙撃銃
  携帯電話、鉈、大きな鏡、その他多数(ホームセンターで購入できるもの)

【ライダー(門矢司)@仮面ライダーディケイド】
 [状態]:魔力消費(中)




「――さて、終わりましたよスザク。調子はどうですか?」
「ああ、問題ない。これなら敵の魔術師とも十分渡り合えると思う」

キャスターは枢木スザクの左腕・両脚を機械鎧へと錬成した。そして今、更に強化改造を施したところである。
両脚はスザクの脚力と得意の蹴りを活かすために、炸薬を仕込んで爆発的な加速を得られるようにした。
左腕には掌から銃弾を発射できるオーソドックスなタイプの戦闘用機械鎧に。
そして取り回しの良いブレードを数本、動きを阻害しない程度に装備する。
道具作成スキルを持つキャスターの手による物であるため神秘を帯びているとはいえ、これらの武装はサーヴァントには辛うじて通じるという程度。
だが人間のマスター相手なら十分。鳴上悠と同じペルソナ使いの花村陽介、分身のアサシンと渡り合ったという名無という男、そして衛宮士郎。
この三者と相対しても、互角程度には渡り合えるはずだ。

「あなたがこれらの武装を使う機会があるかわかりませんが、やれるだけはやりましたよ。健闘を祈ります」
「感謝する、キャスター。だが……次の戦い、本当に参加するのか? お前にとってはさして意味は無いはずだ」
「まあ、そうですがね。どうせ死ぬなら楽しんでからの方がいいでしょう。
あなたは観察に値する対象だ。あなたの結末を見届けたいというのが今の私の願いなのでね。この戦いくらいは付き合ってあげますよ」

本心かどうかわからないが、だからと言って切り捨てられるほど今のキャスターが占める位置は小さくない。
出夢ほど信用する事はできないが、少なくとも切嗣やアーチャーほど危険でもない。
もしスザクが最後まで勝ち残れば、このキャスターは一体どうするのか。
兎にも角にも、次の戦いを勝ち残らねば先を考える意味もない。
キャスターが自身の治療を始めたのを潮に、スザクは頭を振って体を休める。
数時間後には、間違いなく、無二の友であり宿敵でもあるルルーシュと雌雄を決する事になる。
彼を手に掛ける事にもはや躊躇いは無い。油断すれば駆逐されるのは自身であると骨身に染みて理解している。

(俺はルルーシュを……憎んではいない。俺にはもうその資格は無い。
 でも……君はどうだ、ルルーシュ。ナナリーを奪った俺を、君は俺を憎んでいるか?)

 この枢木スザクは第二次東京決戦の直後に聖杯戦争に参加している。
 故に、エリア11総督であるナナリー・ヴィ・ブリタニアの生存を知らず、犯した罪の清算を聖杯に求めている。
 数時間後に対峙するであろうルルーシュが、厳密な意味ではスザクの知っているルルーシュとは?人である事など知る筈もない。
 その程度の齟齬を解消する会話さえできないまま、彼らは決定的に道を違えてしまった。
 テロリストとして活動していたルルーシュと、ブリタニアの騎士として反乱を鎮圧していたスザク。
 聖杯を破壊するべく同志を集めるルルーシュと、聖杯を手に入れるべく殺戮を目論むスザク。
 皮肉な事に、かつてとは立場が真逆になった。今のスザクを肯定してくれる者など誰もいないのに対し、ルルーシュは正しく正義の味方と言える立ち位置だ。
 一体どんな心境の変化が彼に起きたのか、興味はあるがもはや知る術は無い。


(もし、この聖杯戦争が始まってすぐ、君に会えていれば……俺達は、昔のように手を取り合えていたのだろうか)

 ルルーシュの智と、スザクの武。
 力を合わせればできない事は無いと思っていたし、事実、彼ら二人が世界全てを制圧した未来もあった。
 だがもう、その未来にはたどり着けない。
 事ここに到っては、どちらかがどちらかを淘汰するしか先へ進む道は無いのだ。

(君にガウェインという新たな剣があるように、俺にもランスロットという剣がある。
 俺達が彼らを引き寄せた時点で、対立は決まっていたのかもしれないな)

 今も遠くに待機させているバーサーカーからは、焦げ付くような戦意が強烈に吹きつけられてくる。
 バーサーカーも、次の戦いがセイバーと決着を着ける舞台であると感じ取っているのかもしれない。
 キャスターの“賢者の石”をバーサーカーに与えれば、もはや彼がスザクの拙い魔力に縛られる事は無くなる。
 それ自体が魔力炉である賢者の石を直接取り込めば、圧倒的な魔力が急速に充填されてバーサーカーの傷も癒えるだろう。
 実力を存分に発揮できる剣の宝具も手に入れた。
 湖の騎士、その本当の意味での全力を遠慮なく発揮できるはずだ。

(……決着を着けよう、ルルーシュ。俺達はもうお互いに、引き返せない所まで来た。
 なら、君を殺すのは俺であり、俺を殺すのは君でなくちゃいけない。俺達は……友達、だからな)

 憎しみからではなく、ただ目の前に立つ障害を排除するために。
 枢木スザクは開戦の時を待つ。


【新都/深夜】

【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [令呪]:2画
 [状態]:疲労(大)、義手・義足を機械鎧化
 [装備]:キャスターが制作したブレード(複数)
 [道具]:エッケザックス@ファイヤーエムブレム 覇者の剣、封印の剣@ファイアーエムブレム 覇者の剣

【バーサーカー(ランスロット)@Fate/Zero】
 [状態]:ダメージ(特大・戦闘行動に支障あり)、魔力消費(極大・実体化困難)、右腕欠損、兜及び上半身の鎧破壊
      宝具“無毀なる湖光(アロンダイト)”喪失

【キャスター(ゾルフ・J・キンブリー)@鋼の錬金術師】
 [状態]:疲労(小)、魔力消費(小)、全身ダメージ(小)
 [装備]:羽瀬川小鳩を練成した賢者の石




 市長が開発していた対ランサー用のプログラムは滞り無く完成し、キャスターの手によって弾丸の形状に錬成された。
 これを使用するのは気配遮断スキルを持つアサシンが適任である。

「よくやってくれた、市長。ここからは私の仕事だ」
「信じているよ、大統領。私にできるのはここまでだ」

 突貫でプログラムを仕上げたジョン・バックスはさすがに疲労困憊だった。
 とはいえ、その苦労に見合うだけのものはできた。あとは実戦でその仕上がりを確かめるのみ。
 バーサーカーとライダー、そしてアーチャーがセイバー二騎と敵のライダーを。そしてアサシンがランサーを。
 これがとりあえずの受け持ちである。双方にいるキャスターは全体の援護といった所だ。

「深山町にいる私からも、敵が動いたという情報はまだ無い。少しは休めるぞ」
「だといいが……ああ、アーチャーのマスターを探させていたな。そっちはどうだ?」
「芳しくないな。まあ、あまり期待はしないでくれ」

 決戦までにアーチャーのマスターを発見するのは難しいかもしれない。、
 単独行動スキルを有するアーチャーならマスターを伴わず戦場に現れる事が可能だからだ。
 それでも、確実に戦況を把握するならやはりマスターの存在は必須だ。

「捜索は引き続き続ける。君はとりあえず休んでいてくれ。場合によってはまた私を増やしてもらう事になるかもしれん」
「なぜだろうな、私は一度も戦闘に出ていないのにやたらと消耗している気がするぞ……」

 ブツブツと呟きながらも横になった市長を見下ろし、アサシンは窓の外に目を向ける。
 実のところ、一つ、アーチャーのマスターをおびき出す手が無いではない。

(あのアーチャーはディエゴ・ブランドーに瓜二つだ。しかし奴のスタンドは恐竜化するものであり、時間を止めるなどという強力な物ではなかった。
 別世界のディエゴ……? いや、それにしても少し違う気がする……無関係ではないのだろうが)

 ディエゴ・ブランドーはアサシン、ファニー・ヴァレンタインも関与していたスティール・ボール・ランに参加していた騎手の一人だ。
 とにかく、アーチャーとディエゴは似ているという点が重要だ。それこそ一見しただけでは見間違うくらいに。
 ディエゴをD4Cの能力でこの世界に“連れて来る”。
 そして適当に痛めつけておき、決戦が始まったら後方で監視している者たちの前に放り出す……それでアーチャーのマスターが何らかの動きを見せる、かもしれない。

(まあ、まずは西の連中の排除だ。奴らを打ち崩すまではあのアーチャーは必要だからな)

 その名の如く、アサシンは闇に気配を溶け込ませていく。
 開戦まで、もう少し。
 その鐘を響かせるのは、他でもなくこのファニー・ヴァレンタインである。


【新都・双子館/深夜】

【ジョン・バックス@未来日記】
 [令呪]:3画
 [状態]:疲労(中)、魔力消費(小)、冬木市市長
 [装備]:「The watcher」
 [道具]:栄養ドリンク(箱)

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](4人目)・魔力消費(中)
 [装備]:拳銃、対ランサー用プログラム弾
 [道具]:携帯電話

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン 並行世界)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](6人目)・魔力消費(極大)・宝具「D4C」無し
 [装備]:拳銃、対ランサー用プログラム弾
 [道具]:携帯電話


【新都/深夜】

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](7人目)・魔力消費(極大)・宝具「D4C」無し・気配遮断
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話


【深山町・遠坂邸付近/深夜】

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン 並行世界)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](5人目)・魔力消費(極大)・宝具「D4C」無し・気配遮断
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話




 道中で補給がてら“食事”をしつつ、アーチャーは思考する。
 封印の剣はスザクに譲渡したため、今のアーチャーは無手だ。
 決戦の直前に、キャスターから彼が作成した多数の投擲武器を受け取る手筈になっている。

 吸血鬼であるアーチャー、DIOにとって、最大の敵はやはりガウェインだ。
 固有スキル“聖者の数字”はこの時間帯なら発動しない。
 だからこそなんとしても、今夜中にガウェインを始末する必要がある。
 そして、もう片方のセイバー、アルトリアもまた逃せない敵となった。

 “騎士王”アルトリア=ペンドラゴンと、“太陽の騎士”ガウェイン。
 この二者は共に高い対魔力スキル、対軍宝具を持ち、ステータスも全体的に高い次元でまとまっている。
 だが幸いと言うべきか、こちらの陣営には純粋な魔術を行使するサーヴァントは存在しない。
 キャスター――ゾルフ・J・キンブリーの扱う業は魔術ではなく錬金術。
 神秘でありながら物理現象の側面を持つ紅蓮の錬金術は、セイバーの対魔力スキルを以てしても無効化しきれない。
 無論、致命傷を与えられる程ではないが、僅かでも“通じる”のならば価値はある。
 対魔力スキルに任せてキャスターの攻撃を無視する、という事ができないからだ。
 バーサーカーが正面から猛攻を掛け、後方からアーチャーがキャスターの作成した武器を投擲するという戦法が十二分に通じるのである。
 しかし、ダメージ耐性のスキルを持つランサーにはやや不安要素が残るが。

 セイバーの脅威として避けて通れないのはやはり、彼らが有する超級の宝具である。
 “約束された勝利の剣”、そして“転輪する勝利の剣”。進行方向にある物全て薙ぎ払う、攻勢においてこれ以上は無い必殺宝具だ。
 アーチャーはガウェインに近づけないと言ったが、それは何もアーチャーに限った事では無い。
 残念ながらこちらの陣営にはこの二つの超宝具を防ぐ術が無いのだ。
 時間を止めるなり超加速するなりで回避する事自体は可能なはずだが、受け止める事は論外だ。
 だが敵がこちらの情報を得ているとすれば、本当の脅威はこの対軍宝具ではない。
 アルトリアが有するEXランクの結界宝具、“全て遠き理想郷”。これこそが最大の難関。
 自身を妖精郷に置き、六次元までの交信を遮断する最上級の守護を与える宝具だ。
 いかにアーチャーが時間を止められるとしても、同じEXランクであるこの鞘を展開したセイバーには確実に通じない。
 ガウェインが吸血鬼の天敵であるとするなら、アルトリアはザ・ワールドの天敵であるのだ。
 とはいえ、逆に言えばアルトリアはザ・ワールドに対応するためにおいそれと対軍宝具を使えないということでもあるのだが。
 “約束された勝利の剣”と同時に時間を止められてしまえば、セイバーの敗北は必至。
 故に、アーチャーがそこにいるというだけである程度はセイバーの行動を縛れるとも言える。

(バーサーカーとライダーがどこまでガウェインとオーズとやらを抑えられるかが勝負の分かれ目か)

 そして問題がもう一つ。アーチャーはマスターである鹿目まどかをどうすべきか、考えあぐねていた。
 別に魔力を供給するだけなら念話で指示すれば問題ない。だが今のまどかは、厄介な事に自身の選択の結果を自分の目で見届けたいと言う。
 力を貸すと令呪で誓約した以上、その申し出を拒絶してはアーチャーの能力が減衰する可能性がある。

(厄介な事だ。仮にまどかがあのアサシンにでも発見されれば、一転して私は窮地に陥る)

 戦局が決しないままアサシンが仕掛けてくるとも考え辛いが、可能性はゼロではない。
 そうなればどうするか……

(……“最悪の展開”も、視野に入れておかねばならんな)

 幸い、アーチャーのクラススキルには単独行動がある。マスターを失ってもすぐに消滅する訳ではない……。
 脳裏に幾つもの方策を思い描きながら、アーチャーはまどかが待つ民家へと足を踏み入れた。



【新都/深夜】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
 [令呪]:2画
 [状態]:健康
 [装備]:鋼鉄の腕(アイゼン・デア・アルム)@エンバーミング 、鋼鉄の腕の予備弾@鋼鉄の腕(アイゼン・デア・アルム)

【アーチャー(DIO)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態]:令呪(まどかの戦いに力を貸す)
 [装備]:携帯電話
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