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1赤い魔術師と雪の少女




「お前たち、なんで・・・だってイリヤは俺の目の前で・・・え・・・?」


混乱する頭で思い当った可能性―――彼らは実は死んでいなかった可能性―――

「みんな、本当は生きて―――」
「いいえ違うわ士郎、私たちは確かに死んだわ。死んでムーンセルに分解されて、消え去るだけの運命だった。今ここにいるのはキャスターのおかげなの」
「それって、どういう・・・」

未だ働かない思考で答えを出す前に遠坂凛が前にでる

「キャスターが分解されてただのデータになった私たちを再構築したのよ。といってもムーンセルは管理の怪物。不正データは消去される。だからあまり時間が残されてないわ」

だから早く済ませましょ

そういって凛は泉とライダーに近付いていく

「凛ちゃん・・・」
「泉さん。よかった、無事だったのね
それとごめんなさい。あなたの所に危険な参加者を残すことになってしまって・・・」
「なんで・・・なんで凛ちゃんが謝るの!?凛ちゃんは何も悪くないよ!私の方が・・・足引っ張って・・・」
「私が死んだのは私が天海陸を信用した結果。いってしまえば私の判断ミスよ。泉さんが気にすることはないわ。」
「でも―――!」
「泉さん、それに火野さんも聞いて。自分が選んだ選択は自分だけが責任をとるものよ。他の誰かが肩代わりするものじゃ無い」

だから―――

「あなた達が責任を感じる必要はないわ。あなた達は何も―――悪くない」
「凛ちゃんっ・・・!」
「それからもう一つだけ、お願いがあるわ泉さん。必ず無事に家に帰って頂戴。家族が一人ぼっちになるのは、とても悲しい事だから・・・」

そういってどこか寂しげにほほ笑むその姿は、どこか儚く思えた。

「約束するよ!だから凛ちゃんも・・・一緒にっ・・・一緒に帰ろうよ!」
「・・・ありがとう。でもごめんなさい、それはできないの。
火野さん、泉さんをしっかりと守ってあげて。それだけが、あなたにするたった一つのお願いよ」
「・・・わかったよ凛ちゃん。必ず彼女を無事に送り届ける」


その答えに満足した凛はまた元の位置に戻り、イリヤスフィールの背をそっと押した。


「ごめんね士郎、悲しい思いをさせて。弟を泣かせて悪いお姉ちゃんだね。」
「イリヤっ・・・俺は・・・」
「でもね、私たちの死を引きずらないで。士郎にはまだ会いたい人が、帰らなきゃいけない場所があるはずよ」

その言葉に士郎が思い浮かべたのは最愛の女性―――
切嗣から受け継いだ「正義の味方」の夢を捨ててでも守ると誓った愛しい恋人―――

「だから士郎。必ず生きて帰って。それともう一つだけ、切嗣を・・・お父さんをお願い・・・」

そして今度は花村の方へ向き直る

「ランサーのマスターのお友達なんですってね」

ビクリッと動揺する花村とそれを庇う様に前に出るアレックス

「俺、イリヤさんに・・・なんてお詫びしたらいいか・・・」

ごめんなさいっ・・・と謝る花村にイリヤは少しだけほほ笑みを浮かべると

「私を殺したあのマスターを許せるといえば嘘になるわ。だけど私は恨まない。だからあなたも前を向きなさい」

強い眼差しでそれだけを告げるとまた士郎の方へ向きなおる。
よく見ると三人のアバターは崩れ始めていた

「お前らっ!」
「そろそろ時間みたいね・・・じゃあね衛宮君。桜のことよろしくね・・・」
「士郎、好きな子泣かせたらだめよ。ちゃんと無事に帰ってね・・・」

三人の体にノイズが走る。
三人の色さえももう識別することが難しくなった。
それでも彼女たちは笑みを浮かべながら、友人と家族の無事を願いながら消えていった。






2探偵と皇帝


「セイバー、死者を蘇らせるなど可能なのか?」
「地上では不可能に近いことですがここは電子世界。おそらくキャスターは何らかの方法で分解された彼女たちのデータを再構築したのでしょう」
「なるほど、さっきお前が言っていたウィザードに近い性質を持っていたあのキャスターだから出来る芸当だと」


となると目的はキャスターの言葉どうりで精神的ショックを受ける原因となった遠坂凛とイリアス・フォン・アインツベルンを衛宮士郎と泉こなた、そして花村陽介に合わせる事だったのだろう。
だがそれならそろそろ戻ってもいいはずだ。
それとも他にまだあるのかと思考を巡らせると、再び近づいてくる影
その姿を確認すると、今度はルルーシュとガウェインが衝撃を受ける番だった。


それはルルーシュにとって自分のミスで死ぬことになった仲間―――


「おまえは、金田一・・・」
「金田一殿!」

ボサボサの髪を纏め上げた同年代の少年。自分たちのチームの中核を支えていたライダーのパートナー。
金田一一がそこにいた。


「衛宮さん、ルルーシュさん、セイバーさん。また会えて嬉しいよ」
「金田一・・・すまなかったな」
「いいんだルルーシュさん。それよりも皆が無事でよかった。手遅れにならずに済んでホッとした」
「・・・お前は、なぜ責めないんだ?俺がお前を殺したようなものなのだぞ」
「あの時はどうしようもなかったことだから。それにルルーシュさんを恨むのは筋違いだよ。ルルーシュさんもガウェインさんも悪くない・・・」
「金田一・・・お前・・・」
「だから俺が言うのは恨み言じゃなくてお願いだよルルーシュさん。そのために、こうして会いにきたんだ」
「お願い・・・?」
「ああ・・・聖杯を破壊して地上に戻る事が出来たらさ・・・。出来たらでいいんだ、俺の両親と美雪・・・俺の幼馴染に伝言を・・・今までありがとう、それとごめんなって伝えてほしいんだ」
「それはっ・・・」


それはとても難しい注文だった。
仮に聖杯が破壊でき地上に帰ることが出来ても、金田一がいた世界に行くことが出来るとは限らない。
そもそもルルーシュはもしかしたら地上に戻れば死んでしまうかも知れない体だ・・・
だが、それでも・・・

「いいだろう金田一。その願い、確かに請け負った・・・」
「・・・ありがとう。ルルーシュさん」

そして満足気に笑って・・・

「衛宮さん、ルルーシュさん。それから他の皆さんもどうか、無事に地上に帰ってください。絶対にだれも死んだりなんかしないでください・・・」



それじゃあ・・・さようなら・・・



その言葉を最後に・・・名探偵は先の三人と同じく分解され消えていった。




そして、次の役者が現れる・・・



3嘘吐き少年と正義の味方



分解されデータとなり電子の海をさ迷っていた中、天海陸は突然体を引っ張られる感覚に襲われ、気づけば元の体のアバターになっていた。
混乱する頭の中突如入ってきた情報、そして唐突に理解した。
死んだはずの自分がなぜこうして立っているかを―――



「りっくん・・・」
「天海・・・お前も何か伝えたいことがあるのか?」

目の前には会いたくもない奴ら
自分を見てそんな希望を押し付けるのに、ひどくイライラした。
そんな事―――

「「・・・伝えたいこと―――――



 ―――――そんなもの無いよ・・・」」


ある筈なんて無い。



「「伝えたい事どころか、話すことすら俺にはないよ。一体なんで俺まで生き返らせたのか意味がわからない・・・」」
「りっくん・・・」
「「ああでも衛宮達からしたら殺しても殺したりない奴だからか?それとも騙された腹いせに泉達が殺すかな?どっちでもいいけど」」
「・・・陸君、どうして殺し合いに乗ったのか理由を聞かせてくれないか?」
「「理由?願いを叶えたかったからに決まってるだろ。そのために遠坂が邪魔だったんだよ。
それにあいつ嫌いなタイプな人間だったし魂喰いに丁度良かったからさ、それ以外に理由なんて―――」」
「それはさ陸君。凛ちゃんを殺した理由であって殺し合いに乗った理由じゃないよね」
「―――――――――」

うるさいなあ、関係ないだろ。

「そうだぞ天海。俺達が知りたいのは聖杯戦争に参加した動機だ。魔術師じゃないお前がどうして人を殺して願いを叶えようとしたんだ」
「あんたも・・・俺や悠みたいに追い詰められてこの戦争に参加したのか?」
「何か、理由があるんだよねりっくん。そうだよね・・・?」
「君は本当は人殺しが出来るような子じゃ――――」
「るっせんだよっ!!」


ガンッ!っと刃旗を地面に突き刺した
これ以上こいつらの声を聞いていたくなくて、わけも分からず怒鳴った。


「黙って聞いてりゃどいつも知ったように語ってんじゃねえよ!見下してんじゃねえっ!何手前勝手な同情してんだっ!お前ら俺の事なんか何も知らないじゃねえかっ!ざけんじゃねえ!」
「天海、おまえ・・・」

一度外れた感情のタガをコントロール出来ず、衝動のまま叫んだ。

「俺だってなぁ!こんなはずじゃなかったんだ!俺だって意味不明だよっ!どうしてこうなったかなんてわかんねえよ、おかしいんだよ、でもしょうがないだろがっ!いーんだよっ!どうでもいいんだよっ!」

その勢いのまま火野さんの胸倉をつかんだ。
それでも火野さんは静かな瞳で俺を見て、それが余計に腹ただしかった。

「だいたいなあっ!人を騙すなんてこれが初めてじゃないんだっ!今まで俺の嘘で何人死んだか!何人犠牲になったか知らないだろうがっ!今更そこに一人増えたぐらいで何も感じるもんかっ!」

思っていたこと。言えなかったこと。心の奥に溜め込んでいたこと。
すべてをぶちまけた。
「遠坂だってさぁ!気に食わなかったしさぁ!あいつ見てると嫌いな奴思い出すんだよっ!死んでせいせいしたよっ!」
「りっくん・・・」
「煩い!黙れ喧しいっ!馴れ馴れしいんだよアンタっ!何も争いがない平和ボケした世界にいる奴がっ!俺の何が分かるってんだっ!俺は・・・俺はアンタみたい奴が一番嫌いだっ!」


怒りが、俺を支配する。
こいつらの言葉に怒っているのか?
自分でも頭の中がぐちゃぐちゃでわけが分からなくなる。

「火野さん、あんたもだよっ!救いたかったなんてっ、手を伸ばしたかったなんて偉そうにしやがってっ!希望煽った責任ちゃんと取れんのかよ!気持ち悪いよそういうのっ!駄目な奴はずっと駄目なんだっ!」

人を信じろだなんて。
仲間を頼れだなんて。
したかったよ本当は。
でも、出来なかったんだ。
もう、いいんだ・・・


「遠坂が死んだって知るもんかっ!俺はそんな人間なんだっ!火野さんだってほんとは俺のこと軽蔑してるんだろっ!嫌いになっただろう!もうこのまま放っておいて―――」
「陸君」

火野さんががし、と胸倉をつかんでいた腕を外し・・・




そのまま勢い良く顔面をぶん殴られた。
あまりの光景に周りの人間は唖然としている。
もちろん殴られた俺も殴られた体勢のまま火野さんを見上げる。
そして火野さんはこちらにズンズンと近づいて無理やり立たせた。

「いい加減にしろっ!君がどんな人生を歩んでどんな悲惨な出来事に巻き込まれたか俺には分からないけどなっ!まともに人と向き合わなかった奴の言葉なんて誰の心に響かない!そうやって誤魔化して生きるのはさぞ楽なんだろうけどな!それじゃ駄目なんだよ!なぜそれが分からない!」
「ひ、火野さん―――」
「君が今までどれだけ嘘をついて何人騙して何人裏切ってどれだけ人を死なせたかっ!そんな事俺達には分からない!けれどっ!」



「どうして君が凛ちゃんの死を悲しんじゃいけない理由になるんだ」

「・・・・・・・・・・」


ストンっと何かが落ちた気がした。
今まで自分を縛っていた鎖が、とても脆弱で貧弱なものに思えてきた。

「凛ちゃんが死んで悲しかっただろう」
「悲しく・・・なんか―――」
「それは嘘だよりっくん!だってあの時、凛ちゃんが死んだあの時っ!りっくん本気で泣いてた!例え全部が嘘だったとしても、それだけは本物だった!」

そういって泉は涙を流した。
キラキラと、とても綺麗な涙を・・・
ああそうか、そういうことだったんだ・・・
嘘ついて誤魔化すことじゃなかったんだ・・・
俺が本当にやらなきゃならなかったことは・・・



「りっくんっ!」
「あ・・・・」

だけどもう時間切れだった。
体を構成するアバターが端から崩れていく。
もう時間が無い。伝えなきゃ、これだけは伝えなきゃ!

「火野さん、泉さん、ごめんなさい。信じてくれたのに、手を伸ばしてくれたのに裏切ったりしてごめんなさい。もし、もしもさ―――」

すでに下半分のアバターが消え両腕も消えてしまった。
もう少しだけ、あと少しでいいんだっ!


「もし次があるのなら・・・もう一度やり直せる機会があったらさ、今度は人を信じる事から始めるよ。火野さんたちが教えてくれたみたいにさ。嘘つかないで、誤魔化さないで、熱を込めた言葉で本気でぶつかってみるっ」
「陸君―――」

そのときはあの嘘吐きな相方ともキチンと向き合おう。アイツはなんて言うかな。
また皮肉を言うかな。驚くかな。それとも案外本音で話てくれるかな。

もう殆ど分解されてしまったけれど、不思議と怖くはなかった。
最後は精一杯の笑顔で別れよう。


「ありがとう。とても優しい、正義の味方・・・」


その言葉と一筋の涙を最後に、天海陸は再び消え去った。
嘘の仮面をかぶり続けた少年は、最後に大切なモノを思い出し、電子の世界へと退場した。





4相棒


「ライダー、あんたは最後に・・・天海を救ったんだな」
「そうかな・・・俺はほんとに陸君を助けられたのかな?」
「助けられたよ映司さん。だって、りっくん最後はあんなに笑顔だったんだもん」
「こなたちゃん・・・うん、ありがとう」

泣き目を腫らしながらも微笑むこなたに、少しだけ勇気づけられる。

「おしゃべりはそれ位にしておけ。おそらく次で最後になる」

遠坂凛 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 間桐慎二 金田一一 天海陸
今まで現れたのは此処にいるマスターとサーヴァントに縁があるマスターだった。

ならば次に現れる可能性があるマスターは一人しかいない。
それが分かるのか花村は緊張した面持ちで前を見ていた。


やがて人影が現れた。
銀髪に眼鏡、高い身長に花村と同じ学生服
ここにいる殆どの者と浅からぬ因縁があるマスター
鳴上悠が立っていた。



「悠・・・お前―――」
「すまない陽介。少しだけ待ってくれ」

今にも溢れそうな涙腺を堪え、悠に近づくがその前に片手で制される。
そのまま悠は衛宮さんの前に立ち・・・・


深々と頭を下げた。


「すまない・・・俺があなたの家族を殺した。家族を殺される痛みは・・・一番分かっているのに・・・自分の願いの為に踏みにじった」
「お前っ・・・」
「謝って済む問題ではないことは分かっている。何なら俺を好きなようにしてくれていい。だから・・・お願いだ、陽介を責めないでくれ・・・」
「悠っ!お前は何を言っているんだ!?お前はっ、お前は操られていただけで―――」
「確かに俺はDIOに操られていた。でもそれはあのランサーのマスターを殺した後のことだ。あの少女は、俺の意思で殺した」
「悠っ・・・」
「どうしても・・・どうしても取り戻したいものがあったんだ。そのために、俺は殺し合いに乗った。そして・・・敗北した・・・だから俺が死んだのは自業自得なんだ。」

だから・・・

「だからこいつは関係ないんだ。ランサーも俺に付き合ってくれただけだ。恨むなら、俺だけにしてくれ・・・」
「あんた・・・」
「俺の罪を、こいつに背負わせないでくれ・・・」
「・・・顔あげろよ」

衛宮さんの言葉に、ゆっくりと顔を上げる悠。
そのまま二人は見つめあい、やがて衛宮さんの方から言葉を切り出した。

「アンタのしたことは許せない。アンタがどう言ったところでイリヤは帰ってこない。俺はそれを許すことはしない」

けれど・・・

「イリヤは花村を恨まないと言った。だから俺も、お前も花村も責めることも恨むこともしない。セイバー、それでいいよな?」
「はい士郎。その選択はきっと間違いではありません」
「・・・ありがとう」
「礼なんか言うな。それより、花村と話さなくていいのか」
「・・・そうだな」


そうしてこちらに振り向き、暗い表情でお互い向き合った。

「悠・・・」
「ごめんな陽介、俺は失うのが怖かったんだ。絆がなくなったままは耐え切れなかったんだ。もう一度あの時に戻れるなら、俺はどんな事でもしようって思ったんだ。どんな罪でも背負おうと思ったんだ」

やっぱり悠も、俺と同じ願いを持って参加したのか。

「でもだめだな。一人じゃ何も出来ないくせに一人で戦った挙句、何も出来ないまま終わったんだから。やっぱり俺は、皆がいなきゃ駄目みたいだ」
 
そんなの、そんなの俺だって同じだっ・・俺一人じゃ何も出来なかった
俺が今までがんばってこれたのはっ・・・これたのはっ・・・


「お前ともっと早く会えていたら、こうはならなかっただろうな・・・けど、もう俺の戦いは終わってしまった・・・最後にお前に会えて――――」
「最後なんて言うなっ!」

吃驚した表情で俺を見る悠。
だけどそんなことは気にならない。

「死んだお前にこうしてまた会えたっ!だったら、聖杯に願えばお前とまたっ―――」
「駄目だよ陽介。それは違う鳴上悠だ・・・今此処にいる俺とは違う。これが俺だ、お前にサヨナラする俺なんだ・・・」
「そんなこというなよぉ・・・小西先輩も、奈々子ちゃんも死んでっ・・・その上お前まで死ぬなんてそんなのっ・・・」
「陽介・・・」
「まだ俺達、やりたい事やってないんだぞっ。春にはさ、弁当持って皆で花見に行こう・・・夏には海にまた行こうぜ!車の免許取ってさ、少し遠くに行くんだっ!」

そうだ、まだやり残した事は沢山あるっ!

「秋は文化祭にお前を招待してさ、またミスコンやろうぜ!あ、お前の学校の文化祭に行くのもいいかもな。都会の学校だからやっぱすげえだろうな!」
「花村・・・」「陽介くんっ・・・」
「冬にはさ、スキーに行こう!連休使って泊まりでさ、きっといい思い出になるっ!そんで今年も楽しかったなって、また来年だねってそんな風に・・・笑い合えるような・・そんな・・・未来ならっ・・・」

突然、視界が暗くなった。そして今俺は、抱きしめられてるんだと理解した。


「死んでごめん」


ポツリっと零される相棒の言葉に、涙が溢れてくる。

「う、ううう――――」
「陽介、ちゃんとサヨナラをしよう」

くそっ・・・こんなこと女の子にやれっていっただろっ。
こいつって本当にっ・・・

「陽介、今からお前が特捜隊のリーダーだ。皆のこと、頼んだ」
「ふざけんなっ、お前がちゃんと最後までやれよっ・・・」
「お前にしか頼めないことなんだっ!」

力強い言葉と共に目を合わせられる

「大丈夫だ。辛いことが沢山あったし、これからも沢山あると思う。だけどお前は、それを乗り越えて進める奴だから。俺が一番よく知ってる事だからっ・・・」

ああ、ちくしょう―――わかってるんだよ、やらなきゃいけないことは。


「わかった。任せとけよ相棒、お前の分もしっかりとやってみせる!だからっ・・何も心配するなっ・・・」
「・・・よかった、安心した。」
これを・・・と何かのファイルのような物を渡される。
もう悠の体は崩れ始めていて、すでに侵食は胴体近くまで進んでいる。
残された時間は少ない。

「じゃあな悠。・・・お前のことは忘れない。絶対に、忘れないっ!」

もう侵食は顔にまで到達した。そして悠は最後に、とても綺麗な笑顔を浮かべて・・・

「陽介、お前に会えてよかった・・・おれの、最高の相棒っ!」


跡形もなく消え去った






5残されたもの


「お帰り」

いつの間にか元の居間に戻ってきたルルーシュたちを迎えたのはキャスターの出迎えだった。


「ちゃんと向き合えたようだな」
「キャスター、お前・・・いや、なんでもない」
「ありがとうキャスターさん。凛ちゃんやりっくんと、もう一度話しをさせてくれて・・・」
「ふん、別にお前達のためにやったわけじゃない。いつまでも落ち込んでられたら戦いに支障が出るからやっただけだ」
「それってつまりは俺達のためだよね。ありがとうキャスターさん」

にこにことお礼を言うライダーにグッと息を詰まらせるキャスター
その様子をニヤニヤとみる名無がキャスターに近づき・・・

「あれーリ、・・・キャスターひょっとして照れてる~」
「・・・フンっ!」「グハッ!」

そしていつも通りのやり取りが始まる。
そんな二人に花村が近づく。
「キャスター、ありがとう。おれはもう一度だけ悠に会えた。別れもした。もう俺は立ち止まらない、あいつの分まで俺は進むよ」
「・・・そうか」

その答えが聞けたなら、魔力も無駄にならずにすんだ。

「時間はあまり経っていないようだな。少し休んだら作戦会議を―――」
「ちょーーとまったあ!」

ルルーシュの意見に待ったをかける名無

「作戦会議?ノンノンだめだめわかってないっ!お別れもして、いざこざも無くなったらすることは一つにきまってんだろ!」
「それは一体なんです?」

セイバー(青)もわからないのか名無に問いかける。そして名無はふっと笑うと高らかに宣言した。

「そんな事決まってる・・・それは――――


――――――宴会に決まってんだろぉ!」

そして鳴り響くチャイム。そして次々に運ばれる様々な料理。
寿司・肉・オードブルなどざっと十数人分ほどある


「お前いったい何を考えて―――」「・・・いいかもな、俺も何か作るよ」
「衛宮っ!?」「腹ごしらえも必要ですよルルーシュ」「そのとおりです」
「そういえば私お昼から何も食べてないや」「俺も、泣いたら腹減ったな」
「じゃあまずは皆でご飯だね」「・・・まぁ悪くあるまい」




それからはドンちゃん騒ぎだった。
名無が予め頼んだ料理に加え、衛宮とこなたの二人が作った料理を手当たり次第食べるダブルセイバー
それを呆れながら見るルルーシュに苦笑いのライダー
我関せずに酒を飲むアレックス、セクハラをして殴り飛ばされていく名無に運悪く巻き込まれた花村
皆この平和なひと時を楽しんだ。


大切なこの時を・・・噛み締めた・・・




「隣いいか花村?」「勿論、好きに座れよ衛宮」

お互い最初の気まずさは無くなり敬語も取って普通に話すようになった。
周りを見ると皆少しずつ打ち解けていっているように見える。

「名無はすごいな。まさか宴会をするとは思わなかった」
「あいつ本能で生きてるけど気遣いも出来るんだよな。いや、もしかしてあいつがやりたかっただけか?」
「・・・もう大丈夫なのか?」「・・・全然平気っ!・・・てわけにもいかないけど、でもまあ吹っ切れた」

そう言ってジュースを片手に宙を見上げる。

「俺さ、悠に会えてほんとに良かったって思ってる。嫌なことも辛い事もあったけどさ。それ以上に楽しかった」
だから死んで悲しかったけどさっとポツリと零す。
「俺はもう迷わない。あいつが大切にした絆の力で、俺は相棒の分まで戦う。それがおれの覚悟だっ」
「いいんじゃないか。逝ってしまった人の意思をついで戦う。アリだよそれ」
「・・・サンキュ」「おう、」


見守ってくれ悠、俺は必ず帰る。
今度は逃げずに皆と向き合おう・・・そして守ろう、お前が守りたかった絆(コミュニティ)を・・・



「―――――っ!」



我は汝、汝は我。

汝、真なる絆と強き覚悟を得たり。

強き決意と覚悟・・・それ即ち新たな力成り・・・
今こそ、汝には見ゆるべし。
“スサノオ”の汝が内に目覚めんことを・・・・




「新しいペルソナ・・・」「どうした花村?」

衛宮には見えなかったのか。それもそうか、これは俺の心のうちに起こったことだ。
これは絆の力、悠がくれた力だ。


「ありがとう。悠」



いつかまた・・・どこかで・・・






【深山町・遠坂邸/夜中】


【泉こなた@らき☆すた】
 [令呪]:3画
 [状態]:健康、
 [装備]:携帯電話


【ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ】
[状態]:健康、新たな決意


【花村陽介@ペルソナ4】
 [令呪]:3画
[状態]:健康、強い覚悟と決意
[持ち物]:ミネラルウォーター@現実、カロリーメイト@現実・医薬品一式@現実
 大学ノート@現実・筆記用具一式@現実・電池式充電器@現実・電池@現実
 携帯電話*携帯電話には名無鉄之介の名前が登録されています
 予備の服@現実・食料@現実・スパナ@現実
※聖杯戦争のルールと仕組みを言峰神父から聞きました
(意図的に隠された情報があるかもしれません)
※ジライヤがスサノオに転生しました。
※鳴上悠からデータファイルを渡されました(現時点では詳細はわかりません)


【名無鉄之介@私の救世主さま】
[令呪]:2画
[状態]:健康
[持ち物]:エロ本(大量)@現実・携帯電話@現実(携帯電話には花村陽介の名前が登録されています) 予備の服@現実・鳴上悠のクレジットカード
※聖杯戦争のルールと仕組みを言峰神父から聞きました
(意図的に隠された情報があるかもしれません)



【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス反逆のルルーシュ】
 [令呪]:1画
 [状態]:健康 、焦燥と迷い
 [装備]:携帯電話、ニューナンブ
※枢木スザクが参加していることを知りました
※マスター達は時空を超えて集められたのではないかと考えています


【セイバー(ガウェイン)@Fate/extra】
 [状態]:魔力消費(大)、
※リインフォースにある術式の改良を依頼しました


【衛宮士郎@Fate/stay night】
[令呪]:2画
[状態]:健康、精神汚染(極小)
[装備]:携帯電話、ICレコーダー
※紅の暴君の投影に成功しました。
柳洞寺から魔力を汲み出すことが出来ますが、伐剣覚醒を始めとした魔剣の力による恩恵は一切受けられません
また、破壊されたり破却した場合は再度投影し、土地に剣を突き立てる必要があります
※アシュナードの【負】の気を取り込んだため、魂が変質しました。
 戦いなど【負】の気が満ちる場所に身を置くと変質は更に進行します。


【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】
[状態]:魔力消費(大)
[道具]:紅の暴君(投影)@サモンナイト3 、無毀なる湖光(アロンダイト)@Fate Zero
※ムーンセルに課せられていた能力制限が解除されました
※ムーンセルから得られる知識制限が解除されました





「あれは一体なんだったのだ?」

居間から離れた廊下の隅にアレックスとリインフォースは佇んでいた。

「あれは私の宝具に記載されている魔法を電子世界用に改造した物だ」
「電子世界用に?」
「あれは本来なら術式の中に捕らえた人物の記憶を元に人物の再現を行う」
「つまりは、あれは偽者だったと?」
「いや、中でどんな会話をしたかはしらないが、再会した奴らの言葉は紛れもない本人の言葉だ」


リインフォースが今回行った魔法の元となったのは闇の書の夢
この術式を改造し、死んだ人間の分解されたデータを拾い集め、NPCにインストールにアバターを書き換えたもの
これが蘇りの正体である
無論、ムーンセルは管理の怪物。ムーンセルの修正力により効果は30分程度で消費する魔力は膨大。
燃費の割りに効果が割に合わないのである

「とはいえ、今回は役に立ったようだがな。正直ムーンセルにアクセスする実験の側面が強かったのだがな」
「上手くいきそうなのか?」
「いや、もっと中枢に近づかないと無理だな。やはり会場の脱出が急務だな」

ふとアレックスが面白そうに笑っている
「なんだ?」
「いや、随分とマスターに感化されているようだと思ってな」「なっ!?」
「いいのではないか。名無の力でお前の悩みも晴れたのだろう?」
「・・・ああ、そのとおりだよ。私は決めた。殺し合いをせずに聖杯を手に入れる。そして胸を張ってはやてに会うんだ」

それがリインフォースが決めた答え

「そうか、ならばその意思を貫け。強い意志は道を切り開く力になる。それがお前の進むべき道を作るはずだ」

そういってアレックスは再び居間に戻っていった。
残されたリインフォースは、外に出て星を見上げた。

「はやて、これでいいよね。私は絶対諦めないから待ってて。はやてほどじゃないけど、そこそこ頼りになるマスターがいるからさ。きっとまた会える。信じていれば、必ず・・・」



【ランサー(アレックス)@ARMS】
 [状態]:魔力消費(中)、ARMSの進化(進行度小)
※アサシン(ヴァレンタイン)が生存していることに気付きました



【キャスター(リインフォース)@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:魔力消費(大)回復中、強い決意
※肉の芽の解除が可能です。ただし全力でやって誰にも邪魔されないのが条件です
※遠坂邸に工房を作成しました 。特別な防衛効果はありませんが土地の魔力をそのまま取り込めます
※深山町の各地にステルス性を高めたサーチャーを複数飛ばしています。主に遠坂邸、柳洞寺周辺、月海原学園を中心に索敵しています
※ガウェインからある術式の改良を依頼されました
※転送魔法の使用にかかる魔力消費が本来より増大しています
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