夏の土用の丑の日にはうなぎ、とは平賀源内のセールスによるものと伝えられているが、実際の夏場のウナギは一年で一番不味い時期に当たるという。
だが、脂ののった身と栄養素は夏場のスタミナ食としては十分である。ムーンセルが舞台として用意した「SE.RA.PH」に季節感は無いが。
そのうな重をバックスは3杯も食べていた。

どうやらこの聖杯戦争では、魔術回路が無い一般人には体力を魔力に変換するエミュレータが、アバターに備わっているらしい。
本来摂食を必要としない仮初の肉体ではあるが、食事によって体力、ひいては魔力を回復できるようだ。
バックスは栄養ドリンクの摂取、及び昼食でその事を突き止めた。

空になった重箱を片付けさせ、さらに栄養ドリンクのキャップを開けようとした時、アサシンが音もなく表れた。
なぜか巨大な大剣、もしくは槍を肩に担いで。

「まだ疲労はとれていないようだが、気力は萎えていないな。これならわたしの報告にも耐えられるだろう」
悠々とした態度と口調のヴァレンタインにバックスはじろり、と睨んだ。疲労困憊なのはとりもなおさず、このサーヴァントのせいではないか。
報告や事件の処理だけでもてんてこ舞いだというのにその上大量の魔力を持って行っているのだから。

型に背負った武器の石突を床について立てた後、ヴァレンタインは報告を始めた。
「ゼフィール達が殺られた。バーサーカーもどきのランサー達と相打ちになった」
「そうか……」
早いな、とバックスは呟いた。
静かで、淡々とした口調だったが、ヴァレンタインはその奥にある焦りを見てとった。
あまりにも急激な展開に、感情の置き所が掴めないのだろうとヴァレンタインは推測した。

バックスの脳内では現状生存しているマスターとその戦力の考察、今後とるべき戦略の構築のためにめまぐるしく回転している。
ヴァレンタインの報告から確認できるだけで死亡者は19人。バックスの想像よりハイペースだ。
この聖杯戦争ではマスターかサーヴァントのどちらかが死亡すれば、片割れも自動的に消滅する。例外が一人いたようだが。
現在把握している死亡者数に間桐邸、衛宮邸、柳洞寺周辺の報告を考慮に入れると、生き残ったマスターは半数以下、下手をすれば一桁の可能性すらある。
事ここに至ればある程度のチームが結成され、単独で行動しているマスターはまずいないとみて良い。
それでも尚誰とも組まないマスターがいるとすれば、かなり強力なサーヴァントを有しているか、他者との共闘に妥協する余地がないマスターくらいだろう。
この考察を正しいと仮定した上で自陣を顧みると、最早中盤を過ぎたといえる現状で、主従共に強力だったゼフィール達が殺られたのはかなり厳しい。
ヴァレンタインの宝具は決まれば確実に相手を葬れるが、その状況に持っていくのが難しいのだ。
では、改めて誰かと同盟を結ぶか? その為に我々が必要なものは何か?
「予定通りにいかないのは当然だが、こうも期待を裏切られるとはな」
バックスは眉間にしわを寄せた。
市長の地位を生かした他のマスターに対する優位と強力な同盟者で敵の弱点を突き、楽に敵の数を減らしていけるはずだった。
ところが同盟者は早々と退場。気付けば現状は目立つ地位で身動きが取れず、燃費が悪いサーヴァントは単体では暗殺さえ困難だ。
「陰で糸を引いていたのはアーチャーだ。どうやら奴は他人を支配、というより邪教の教祖にあこがれるような気持ちへと精神を操作する宝具を持っているらしい。
 ランサーのマスターの行動は、まるで食われるのを喜ぶ、己の肉の味に賞賛を求める生贄の羊のようだった」
栄養ドリンクを飲み干しながら思考を進めるバックスに、ヴァレンタインが口をはさんだ。
「ならば、彼と共闘の可能性は全くあり得ない、というわけか」
実に不気味な表現だ、とバックスは思った。それだけランサーのマスターの行動は異常だったようだ。
そしてそのような行動をとらせるアーチャーの、底知れない悪意と非情さ、ある種の強いカリスマ性も脅威なのだろう。

バックスは同盟の相手としてアーチャーもあり得ると考えてはいた。戦争ならば次の戦いのために、敵と一時的な和睦を結ぶということはよくある。
極端な話、この聖杯戦争の場合、チームの誰かを最終的な勝者とし、チームメンバー全員の願いを叶えさせるという方法もあるのだ。
あの神父は勝者が全てを叶える事が出来るとは言ったが、それが一つの願いだけとは一言も言っていないのだから。

だが、この選択を取るチームはまずいないだろう。理由はこの方法が確実である保証はないから。そして何より他者への絶対的な信頼を条件とするからだ。
この聖杯戦争に参戦したマスター達はあらかじめ戦いの意思を問われている。他人を蹴落としても自らの願望を叶えるための強い意思を。
そんな連中が敗北に際して願いを他人に託すか? いや是が非でも叶えたい執念はあるだろうが勝者はそれを受け入れるだろうか? 叶えられるのは一つの願いのみという可能性の方が高いのに?
ましてやアーチャーの様に精神を操作される可能性さえある。これではとても現実味のある方法ではない。
バックスは脳内でアーチャーと同盟する策を放棄し、逆に倒すための策を考え始めた。

「市長。異なる考え、価値観を持つ人間が結束するためには、何が必要だと思う?」
バックスの思考と感情がある程度落ち着いたとみたヴァレンタインは、一つの質問をした。
バックスは腕を組んで考え込み、数秒後、得心がいったとばかりに微笑んだ。
「……なるほど、『共通の敵』か」
ヴァレンタインは頷いた。
「古い東洋の国では外敵に対し盟を結ぶ時、生贄の牛から主催者が耳を切り、流れた血を器に盛り出席者たちに回し飲みさせる儀式を行うという」
言いながらヴァレンタインはデスクの上に手を置いた。椅子に座っているバックスと正面から相対している。
「中国の『覇者』のエピソードだな」
「先の主催者は領土のラインを決め、和平を結び、他者を凌ぐ力を手に入れた。なぜか? その者ならば必ず敵から国を守ってくれると信じられていたからだ。
 平和とは『平等なる者同士の固い握手』ではなく『絶対的優位に立つ者が治める』ことで成り立つのが、この人の世の現実!」
ヴァレンタインはみしり、と音が鳴るほどにデスクを掌で押し付けた。
聖杯戦争とはかけ離れた話になっていったが、バックスにそれを指摘することはできなかった。ヴァレンタインの態度に圧倒されていたのだ。
「これが『社会』だ。常に社会は決めた者によって動かされている。均衡した状態で全員が動くのは『最初にナプキンを取れる者』が決めているからだ。
 そしてナプキンを取れるものは万人から尊敬されていなくてばならない。例えばイエス様がキャメロット城の円卓に座ったなら、アーサー王でさえ先に動くわけにはいかないだろう。
 人種、知性、文化、国家。あらゆる障害を越え『敬意を払われる』。それこそが『真の力』だ。他人を宝具で洗脳するなど暴君の所業だ」
ヴァレンタインの鋭い眼光がバックスの顔に突き刺さる。語る声色は力強く、熱を内包していたが自己陶酔の響きは無く、口調は平静で確信に満ちている。
まるで修道僧の説法と科学者の論文発表を同時に、違う言葉の同じ内容を聞かされるようだ。バックスは内心の奇妙な感覚をそう表現した。

バックスは未だにヴァレンタインの言う『ナプキン』の意味は掴めなかったが、単なる『権力』や『地位』でないことは理解していた。
それは恐らくバックスが目指す『神』の座とは似て異なる、この世の仕組みを決定する象徴をそう表現しているのだろうと。

「柳洞寺、遠坂邸に潜伏するマスターやその他出会ったマスターにアーチャーの情報を流そう。奴らは他のマスターを洗脳し、捨て駒として利用する非道な連中だとな。
 ああ、もちろん宝具、スタンド能力もだ」
ヴァレンタインが実際の具体的な策を示し、バックスもまた思考を聖杯戦争の戦略に戻す。
「しかし、この情報で他のマスターは動くだろうか?」
バックスが問題点を提示する。
情報を聞かされたマスター、サーヴァントが思うところは一つだろう。奴は互いに争わせて漁夫の利を得るつもりだ、と。
利用すると言われてわざわざ動くお人よしがこの聖杯戦争でマスターとして参加しているものか?

動く、と断言したのはヴァレンタイン。
「一対一であのサーヴァントに勝てる者は数少ない。特に真っ向勝負だと同じ時間停止能力を持つサーヴァントしか太刀打ちできないだろう。
 勝てるチャンスは多対一で襲い掛かれる今の内だけだ。複数でアーチャーを誘い、アーチャーかそのマスターを暗殺する。死人が出る事を前提とした戦術だが、それでもこのままでは勝機は皆無になる。
 その利害を説き、さらに私が思うところを正直に語ろう。この先誰が聖杯を手中にするとしても、他人を洗脳するような『敬意』する気持ちを踏みにじる男、己の欲得だけを考えるクズに渡すわけにはいかない、と」
「成程」と、バックスが頷いたのはヴァレンタインが語った前半部分の論理に対してである。
残ったマスター達は既に自分が最終的な勝利を掴むため思案しているはずだ。では、その具体的な思惑とは何か。
「今、どのマスター、サーヴァントを殺せば、最終決戦で有利に戦えるか」
ヴァレンタインが語ったように他者の洗脳と時間停止などという反則的な能力を持つアーチャーは、一対一の対決ではほぼ無敵に近い。
この聖杯戦争はどんな経過をたどっても、最後の一人が聖杯を手中にするルールだから、最終的には必ず一対一になる。
ならば同盟を組んだマスター達は数的に優位な今の内に強力なサーヴァントを倒しておきたいところだろう。ましてアーチャーは現在マスターと2人のみと推測されるのだから。

「なるほど、それに多くのマスターが動けば、それを暗殺の好機とみて背後から襲うマスターも期待できるな」
「それは我々がやるということか?」
「いや、以前その謀略を使った知人がいてね。既に死んでしまったが」
バックスは思い出す。未来日記のサバイバルゲームで、1st『天野雪輝』、2nd『我妻由乃』が8th『上下かまど』と手を組みバックスを襲おうとして、その実8thを裏切った時のことを。
まだ1週間もたっていないというのに、随分と昔の回想の様に語ったものだ。バックスは自分の言葉にユーモアを感じたのか少し可笑しくなった。
「そんなマスターがいれば、あわよくば狙われたマスターを保護できれば、我々の信頼は高まるというわけだ。
 おまけにアーチャーを首尾よく始末できたなら、次はそいつを標的とした同じ作戦が出来ると」
バックスの笑みにつられて、ヴァレンタインの唇の端も吊り上がる。
「そういうことだな」

「次の作戦は私の安全確保だ。今から私は極度の疲労で倒れ、入院することにする。
 ただし、実際に入院するのは彼だ」
バックスが指を鳴らすと、一人の男、否、NPCが会釈して、入ってきた。ヴァレンタインは知らないが、彼はバックスが本来いる世界で秘書を務めていた男だ。
秘書のNPCにバックスはバックアップのスパコン「HORON」のサポートで本来居るはずだったNPC「氷室道雪」のパーソナルデータを上書きした。容姿までは改竄できなかったが。
この「氷室道雪」を他のNPCが冬木市市長として認識するよう改竄。さらにバックスの命令に従うよう思考ルーチンを組み上げ、市の業務、危機管理はこの『氷室道雪』に任せるよう部下に指示した。
さらにこれから先警察、消防署より通報された情報はバックスと同時にこの「氷室道雪」にも報告させるように命令した。
「彼が救急車で搬送されると同時に裏口から抜け出し、部下のNPCの運転で隠れ家まで移動する。
 場所は新都の南の外れにある通称『幽霊洋館』。ゼフィール達に地図を用意された時、セーフハウスの候補地として目を付けていた」
この場所は市販されている冬木市の地図には記載されていない。バックスは地図を取り寄せその事実に気づいた。事前のハッキングによる正確な地理知識の賜物だ。
「お前が病院についた時点でアサシンの彼を一人付けておく。そのままベッドの上で休んでいろ。マスコミ、部下の対応は任せる」
かしこまりました、と秘書は返答し会釈した。

ところで、とバックスはかねてよりの疑問を聞くことにした。
「お前に改めて尋ねる。お前は聖杯戦争で私の命令にどの程度従える? 例えばマスターと戦うとかは」
「それはできません。NPCは普段通りの生活を営み、戦闘が起これば逃げ、あるいは見物し、後始末も行うが直接聖杯戦争に関わるのを禁じられています。
 セラフより聖杯戦争の管理を任されている上級AIなら、ある程度マスターに関わるのを許されていますが」
「では、警察、消防署からの情報を、お前を通じてアサシンに伝えるのも無理か?」
「それなら可能です。寄せられた情報は必ずしも聖杯戦争のそれとは限りませんから。例えそうだとして警察が通報を取り下げても、その情報は伝達できますし、判断はマスターに委ねられます」
「アーチャーを犯罪者として指名手配できるか?」
「可能です。ただし手配や報道は出来ますが、実際の逮捕やそれに類似する行動は出来ません」
「そういえば、部下のNPCがゼフィール達に自動車と衣服を届けに行ったが、あれは聖杯戦争に関わる行動に含まれないのか?」
「いえ、あれは我々が我々NPCに届けるのと同じ行為と判断しました」
バックスは少し考え込み、今までの質問から得られた結論を口に出した。
「つまり、こういうことか? NPCが聖杯戦争に関われないのは『闘争』と『聖杯戦争それ自体の情報』に限られると」
「はい。『直接』とは『戦闘行為』と『自らマスターの生死を左右する行為』、『マスターから聖杯戦争それ自体を探られる行為』と定義され、我々は各自の解釈、判断で行動しています」
あの時、冬木教会の監視を拒否したのは他のどこでもない、監督役がいる冬木教会だったからか、とバックスは納得した。
「じゃあ、こうして聖杯戦争においてお前たちがどこまでやれるのかを聞くのは、『聖杯戦争それ自体を探られる行為』じゃあないのか?」
と、口を挟んだのはヴァレンタイン。
「違います」
「それはどういうことだ? 具体的に言え」
「拒否します」
「『聖杯戦争それ自体を探られる行為』とは例えば『黒幕はいるのか』とか『なぜ役に立たない監督役を置く必要がある』とか質問することか?」
「お答えできません」
以降、何度ヴァレンタインが聖杯戦争に尋ねても、秘書は回答を拒否しつづけた。

「これではっきりしたな、市長。黒幕の実在が」
「そいつはまだ聖杯を完全に掌握できていない事もな」
バックスとヴァレンタインは、互いの顔を見合わせ、頷いた。
バックスが思考ルーチンを改竄したとしても、情報を隠すにしては喋りすぎるし、開示するにしては根本に迫ると曖昧になる。あまりにも中途半端だ。
「そして、黒幕の最終的な目的は分からないが、現在マスターに対し『闘争』を望んでいる」
「半端な支配と、戦わせるためのコントロールが、NPCが曖昧な行動をする原因か」
顧みれば、あの神父は最初に『戦う意思の有無』を問うていた。願いの強さも有無も関係ない。まず『戦い』。これこそが黒幕が最初に臨むものだったのか。
それがたった半日と少しでマスターがほぼ半減する事態を招いたのか。そして現状のチート行為が見過ごされているのも、戦いを邪魔しないどころか促進しているからか。

「待て。じゃあ、病院に行っても治療してもらえないという事か?」
バックスは秘書に顔を向け尋ねた。『自らマスターの生死を左右する行為』が禁止ならそうなる。
「はい、ただし一部の上級AIなら可能です」
「そうか、道理で私が倒れても誰も医者か救急車を呼ばなかったわけだ」
バックスはそう言い、ため息をついた。

「現在生き残っているマスターは私を含め、多くて15人だとする。単独で行動しているアーチャー達と私達を除けば、我々が把握できていないチームは2から4組というところか」
遠坂邸を拠点としたマスターが2人、柳洞寺のマスターは目撃情報から最低3人、アーチャーのマスターが単独として、バックスを入れると計7人。
減ったマスターの人数は死亡者だけと仮定すると、最大8人のマスターがどこかに潜んでいる。
その内単独行動をとるマスターは最早いないと仮定したうえで、チームが出来る組み合わせは6,2。5,3。4,4。3,3,2。2,2,2,2の5通りだ。
「今まで警察に寄せられた通報で、空白地帯なのは冬木港と深山町中部。この近辺に未だ我々が発見できていないマスター達がいるとみていい」
「町から離れたアインツベルン城は?」
と、指摘したのはヴァレンタイン。確かにここに引きこもり、他者が潰しあうのを待つマスターがいる可能性はゼロではない。
「ここはもう私達だけでは探れまい。一番近い柳洞寺のマスター達に指摘し、任せた方が良い」
「それでは……」「待て、待て待て!」
手にしたエッケザックスを自分の体に押し当てようとしたヴァレンタインに、バックスは慌てて止めようとした。
「一人ならともかく、それ以上の召喚は、私の身がもたんぞ!」
「心配するな。現在君の魔力供給は普段より多いし大丈夫だろ。 たぶん」
「いま小さく『多分』ってつけくわえなかったか!? 『たぶん』!?」
「大丈夫だ。連れてくる私の魔力を戦闘できないほど極力減らせば問題ない。 きっと」
「きっとッ!?」
焦りのあまり、バックスは馬鹿みたいに言葉をくりかえす。
「どジャアァァ~~~ん」
バックスの叫びもむなしく、エッケザックスがヴァレンタインに向かって倒れこみ、ヴァレンタインの姿が床に消えていった。

数秒後、いきなりデスクの引き出しが飛び出し中からまるで抱き合うように、否、身体が融合し重なり合った三人のヴァレンタインが現れた。

「確かにさっきよりはましだが、それでもきついぞ……」
バックスは膝に手をかけ、力を込めて立ち上がりながら悪態をついた。


主のいない部屋で、ヴァレンタインのスタンド『D4C』が両手に持ったエッケザックスを一振りし、デスクを両断した。
「先に行ってくれ。わたしはこの剣を手になじませたい」
そう言ってヴァレンタインは残ったのだ。

部屋を出るべく市長室のドアに身体を向けたヴァレンタインはつかつかと歩み、ドアに一歩前のところでデスクに振り返った。
最早使われる事はないであろう市長室で、ヴァレンタインは自身のマスターについて思いを巡らす。

思えばジョン・バックスという人間は、常にあらかじめ敗北の可能性を限りなく低くした上で、勝つための計略を練っている。
未来日記のサバイバルゲームでは「The watcher」という他の未来日記を閲覧できる能力を自身のものとして、中盤以降まで動こうとせず、さらに市長の地位を使って他のプレイヤーを追い詰めた。
この聖杯戦争ではハッキングで冬木市市長の座を手に入れ、NPCをコントロールし、有利な状況を作り出してから参戦している。
そして今、対アーチャーの共同戦線を張る前に、セーフハウスに身を隠そうとしている。
それらは戦略として正しい、とヴァレンタインも認めるが。

「バックス。君は策を練る時、いつも身の安全から図るな。だが戦争の指揮官とは、たとえポーズでも命を懸けてみせないと、誰もついてこないものだぞ」

生前のヴァレンタインが戦った男達、ジャイロ・ツェペリにもジョニィ・ジョースターにも、勝利のためなら僅かな希望でも命を張る覚悟があった。
浅はかな自己犠牲の精神ではない。先にある希望をただ夢見て手を伸ばすのではなく、ゆるぎない自信と理論的な意味ある裏付けを携えて。
それはディエゴ・ブランド―にも。思い返せばあのアーチャーはディエゴ、否、『Dio』とどこか似た面影があった。

ヴァレンタインは後ろ手でドアノブを持ち、壁に寄りかかりドアを引きつけ、壁とドアに身体を挟み込ませた。
壁とドアがぶつかる鈍い音がなり、反動でドアが壁から離れた時、ヴァレンタインは既に消えていた。

誰もいなくなった部屋は、揺れるドアで丁番の擦れる音がわずかに鳴り響いていたが、やがてそれも絶えた。


【新都・冬木センタービル内、冬木市庁舎市長室(最上階)/午後】
【ジョン・バックス@未来日記】
 [状態]:疲労(大)・冬木市市長・残令呪使用回数3回
 [装備]:「The watcher」
 [道具]:なし
 基本行動方針:最後の一人になり、ムーンセルを必ず手に入れる。
 1.「氷室道雪」が病院へ搬送されるのを確認し、「双子館(東)」に移る。
 2.アサシンから送信された映像を「The watcher」で確認。サーヴァントのステータスを読み取る。
 ※ムーンセルへのハッキング工作により、冬木市市長の役職を得ています。
 また、聖杯戦争に関するある程度詳細な情報を得ています。
 ※冬木市市長の名義をNPCの「氷室道雪」に移動しました。
 ※警察署、消防署に部下のNPCを配置。情報を入手できます。
 ※聖杯戦争の推測:このムーンセルは並行世界の情報処理システムとリンクしたグリッド・コンピューティングでは?
 そのシステムを構築するためにデウスと接触を図ったのでは?
 並行世界を移動できる何者かが黒幕にいる?
 黒幕は現在マスター同士の闘争それ自体を目的としている?

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](4人目)・魔力消費(中)・気配遮断
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話・エッケザックス@ファイヤーエムブレム 覇者の剣
 [思考・状況]
 基本行動方針:ムーンセルは誰にも渡さない。わたしが手に入れる。
 1.桐柳寺に行き様子を探る。
 2.マスターと接触、『Dio』の情報を流し、共闘を持ちかける。
 3.未だ消息不明のマスターを深山町中部を中心に探索。マスターを発見したら接触を図り、『Dio』の情報を流して共闘を持ちかける。

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン 並行世界)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](5人目)・魔力消費(極大)・宝具「D4C」無し・気配遮断
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話
 [思考・状況]
 基本行動方針:ムーンセルは誰にも渡さない。わたしが手に入れる。
 1.遠坂邸に居ると思われるマスター達に接触し、『Dio』の情報を流して共闘を持ちかける。
 2.その後、未だ消息不明のマスターを、冬木港を中心に探索。マスターを発見したら接触を図り、『Dio』の情報を流し、共闘を持ちかける。
 3.同時に『Dio』の動向をチェックする。

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン 並行世界)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](6人目)・魔力消費(極大)・宝具「D4C」無し・気配遮断
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話
 [思考・状況]
 基本行動方針:ムーンセルは誰にも渡さない。わたしが手に入れる。
 1.病院までNPC「氷室道雪」に付き添う。
 2.その後、NPC「氷室道雪」のサーヴァントとして振る舞う。
 3.同時に『Dio』の動向をチェックする。

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