二次キャラ聖杯戦争@ ウィキ

下準備

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
星海原学園に到着した花村たちは近くに車を停めると学園の中に足を踏み入れた。
 八十稲羽の学校とはまったく違う都会的な雰囲気の造りにある種の懐かしさを覚えたが
いつまでもこうしてはいられず足を進める。
 名無もこういった学校が珍しいのかあたりをきょろきょろと落ち着き無く見回していた。

 「おいあんまキョロキョロすんなよ田舎者みたいだぞ。」
 「そうはいっても俺らの所とは全然ちがうからよ。なんか新鮮だわ。」
 「まあ、解るけどさ、けどこれ、ぜんぶ偽モンなんだよな。いまさらだけどすげえわ。」
 「確かにな、・・・お、なんかあそこに張り出してるぞ、行ってみようぜ!」

 そう言うと返事も聞かずに駆け出してしまった名無を追って花村も後を追う。




 「嘘だろ・・・もうこんなに脱落者が・・・」

 確かにまったく犠牲を出さずにすむとは思ってはいなかったし事実目の前で二組の参加者が
死んだのをこの目でみたのだからある程度の覚悟はしていた。
 だがいくらなんでもこれは・・・

 「多すぎる・・・!?15人も死んだってのか!?」

 隣の名無も声には出さなかったが内心驚きを隠せずにいた。
 花村から話を聞いていたし実際に戦ったライダーとランサーの主従も明らかに乗っている
参加者だったとはいえ直接死者を見たわけでは無いのだ。

 花村たちが顔を青くしている隣でリインフォースは同盟者たるアレックスに声をかける。

 「どう思うアレックス?」
 「初日は静観の構えをとるのがサバイバルの鉄則なのだが、当てが外れたな。ここまで激化
するのは予想外だった。」
 「どうするんだ?」
 「まずはこのまま他サーウァントの情報を集めたあと拠点を作るぞ。夜になったら動き出す。」

 「ちょっと待ってくれよ、すぐに動いたほうがよくないか?時間かけたら被害者がふえるぞ!」  


 冷静に最善策を頭の中で組み立てていくアレックスだったが、その案に花村が待ったをかける。

 「逆だマスター、初めからこれだけ派手に動いたのなら昼間はどの陣営も休息ないし静観の
構えを取るだろう。昼間に動き回るよりも準備を整え夜に行動したほうがメリットがある。」

 本心ではこれ以上死者を出したくなかったがアレックスの言い分も理解できるし納得もしたので
それ以上は言わず黙る。

 「データベースに急ぐぞ。可能な限り情報を引き出す。」

 そういって先に進むアレックスとそれに続くリインフォース。
 その少し後ろで花村は悩ましげに眉を顰めていたが、アレックス達の後に続いた。



「大丈夫か?」

 いつのまにか隣に立っていた名無がいつになく真面目な顔で聞いてきた。
 考え事をしていた花村は気配に気づくことができず僅かに驚くがすぐに平静な顔になり、

 「なにがだ?」

 と何のことか分からないという風に聞き返したが名無は真剣な顔のまま

 「鳴上悠だっけな。お前のダチの名前、そいつのことを考えてたんだろ。」

 問い掛けるようにいうが本人は確信しているのだろう。ならば下手に誤魔化しても意味無いだろう。

 「本当はさ、不安なんだよ。悠は確かに強い、あいつが負けるところなんて想像つかねえよ。
でもよ、それでも怖い。大切な人が死ぬのは想像するだけでブルっちまう。あんな思いするのは
もうごめんだ。」

 ポツポツと本音を零す。そういえばこんなマジな話をするのは相棒ぐらいだったなと場違いな
感想が頭に浮かぶ。

 「悠が死んだらどうしよう・・・それだけじゃない、逆にあいつが誰かを殺してしまったら?
そのせいで狂う人がでてしまったら?そんなことにはならないって保障はどこにあるんだ?
15人も死んでるんだぞ。俺はそれが・・・怖い。」

 不安が隠せない花村に名無はいつものようなへらへらした顔ではなく安心させるように笑い

 「大丈夫だ。絶対そんなことにはならない。」
 「だからそんな保障どこにも「大丈夫!」っ。」

 反論しようとしたところを遮られ目を丸くする花村に名無は花村の肩に手を置き、

 「そんなことにはならない。信じろよ、俺たちならやれる。ぜったい上手くいく。
だから一人で気張るな。俺がいるしリインちゃんもいる、アレックスの旦那だっている。
みんなで協力すれば不可能なことなんてなにもない!俺たちは仲間なんだろ?陽介。」

 花村は驚いた表情の後フッと笑い、

 「そうだな、焦ってたってしょうがないな。俺は俺の出来ることやればいいんだよな。」
 少し照れくさそうにしながら名無を真っ直ぐ見て
 「気使わせたな、悪かっああいやそうじゃなくて、・・・ありがとう。」
 「もう大丈夫そうだな。」

 そういって名無は少し前を歩くとクルリとこちらに振り返り

 「よーし!元気になったところでナンパにいくかあ!」
 「なんでだよ!やれること少なくてもやらなきゃいけないことたくさんあるよね!」
 「お前頭悪いんだから悩んでもしょうがないんだよ。馬鹿は本能に任せたほうが上手くいくんだよ。」
 「誰が馬鹿だ!お前よりはいい自信あるわ!ていうかなんナンパ!?」
 「考えてちゃ遅いでしょ!ほら乗っかてこうぜ!」
 「無視!?」

 ぎゃあぎゃあと騒ぐ少年達の少し離れたところで彼らのサーウァントは呆れながら、けれどどこか
安心したように笑っていた。


「おー今度はいっぱいひとがきたねー。わたしは案内役NPCの間目智識、よろしく!」

 『図書館』と書かれたプレートがはられた部屋に入るとそこには黒い学生服を着た少女が明るく
声をかけてくる。花村と名無はすごい名前だと内心引いていたがアレックスはすでにここに他の
マスターが来ていた事に気づきそのマスター達のことを聞いたが、

 「ごめんねー、利用者のことを教えるのはルール違反なの。」

 申し訳なさそうに謝る案内役にそれ以上はいわずデータベースの方に向かう。

 「まずはアサシンとライダーの情報、それとマスターの友人が連れていたランサーと
洗脳宝具の使い手だ。この四人はなんとしても情報を手に入れる。」

 全員がそれぞれデータベースに座り情報を探す。

 検索ワード「アサシン 遠距離広範囲攻撃 剣と炎」
 検索結果1件 「壊刃サブラク」

 「・・・早いな」

 「アサシンとしては規格外な攻撃だったからな」

 その分調べやすかったとアレックスは目的の情報を手に入れる。
 ステータスとマスターの情報を手に入れられたのは嬉しい誤算だ。

「ふむ、おい間目智識、スキルや宝具はでないのか?」

 「いきなり全部の情報は教えられないのー。情報は入力された単語に応じるから、
情報を持ってくれたら詳細まで分かるけどー、特徴だけとか曖昧なものはヒントだけ
出すからあとは自力で調べてね。」

 「そう都合よくいかんか。」

 仕方がないので開示された情報を元に図書館の書物を調べていく。
 もともとこのサブラクはアサシンとしてはイレギュラーな存在だったようで予想していたよりも
具体的な情報を手に入れることが出来た。
(もっともマスターはやはり名前しか分からず経歴や能力の有無は分からなかった)

 「なるほど、恐るべき耐久力とまったく感知できなかった気配遮断の正体は
この浸透というスキルによるものか・・・それにこの自在法、やはりこいつは危険だ。」

 出来ることなら相手にしたくないものだ・・・
 やはり攻撃を近くで見れたのは運がよかった。
 本を元に戻し近くにいたリインフォースに近づく。
 ライダーを調べていた彼女の表情はまるで絶望を通り越して笑うしかないよでもいうような
顔だった。

 「どうした?」

 「あのライダー、真名じたいはマスターのおかげで分かってたから能力の詳細を調べてたんだが
とんでもなくてな。飛ぶ斬撃にBランク以下無効化の鎧、さらにこの経歴に書かれたエルランの
メダリオンというのも気になって調べて見た。全パラメータと対魔力のアップと体力回復の恩恵、
大まかな探知能力と出鱈目の目白押しだ。反則だろこんなの。」

 「その分マスターの負荷も凄まじいはずだ、一撃で即死させるか魔力切れを待つか、いずれに
せよ一縄すじではいかん相手だろうな。」


そっちはどうだマスターと声をかければ、あまり成果がないのか背もたれに身体を預け脱力している
マスターは気の無い返事を返す。

 「やっぱ悠のサーウァントは情報が少なすぎて調べんの無理だわ。一個一個調べてたらキリねえしな。」

 もうちょっと情報ありゃあな。と愚痴るがそうしたところで結果が変わるわけでもなく仕方がないので
ランサーについては諦め洗脳宝具の使い手を一緒になって調べる。

 「やっぱキャスタークラスが多いな。」
 「まあこんな搦め手を使うのはキャスターかアサシンに多いだろうな。」
 「あ、でもランサークラスでいるぜ。えーと、ディルムットだってよ。女限定で魅了の呪い、
羨ましいなチクショウ。」
 「これは関係なさそうだな。やはりもう少し絞り込むナニカがほしいが・・・」

 もう一押しなにか情報がほしい。なにか見落としている物はないかと思考するが思いつかない。
 そもそもあのとき俺はランサーの相手で忙しかったのだ。
 マスターの方など碌に注意できなかった。
 拠点の候補を絞り込んでいたリインフォースがこちらに近づいてきた。
 「おい、お前は何か気づいたことは無いか?些細なことでもいい。」
 「え?そうだな・・・。お前あの時ランサーのマスターと何か話してなかったか?」
 「あの時?ああ何か天国がどうとか言ってたけど、あんまよく覚えてねえんだよ。」

 パニクってたからな。とその時のことを思い出したのか複雑な顔をするマスターを横目に
何か思うところがあるのかリインフォースがデータベースにワードを入力していく。

 検索ワード「洗脳宝具 天国への到達 蠢く肉片 脳を支配」 
 検索結果 「DIO」

 「これか?」
 「調べてみるぞ。」

 三人で手分けして探す。するとマスターが見つけた吸血鬼に関する本に煮た様な記述があった。
 それによるとある特別な道具で人間から変質した吸血鬼は自分の細胞を額に植え付けその吸血鬼
に対し憧れに近い感情を抱くようになるらしい。また肉の芽が植えつけられた状態で親元である
吸血鬼が死亡してしまった場合暴走を引き起こし不死身の怪物に成果てるとある。

 「おそらくこいつで間違いないな。」
 「吸血鬼か・・・まあそういう俺のような存在がいるならありえなくないのだろうな。」
 「んなこと言ってる場合かよ!やっぱり探しに行ったほうが・・・」
 「当ても無くか?徒労に終わる可能性の方が高いぞ。」
 「でもよ!」
 「落ち着けマスター。こいつに操られているなら日中は動かない、いや動けないはずだ。
太陽の光は天敵のようだからな。だから手駒が欲しかったのだろう。」

 少なくとも今すぐどうこうはならない。
 その言葉に安心したのかマスターはドカッと椅子に座り込む。

 「なあ間目智識、出てくるのは入力したワードに比例して情報が詳細化するんだったな。」
 「そうよー。」
 「ならこれがまだ隠された能力がある可能性もあるのか?」
 「かもね。」

 そういうと再び読みかけの本に視線を戻す案内人

 「ならまだ何か隠しだまを持ってると仮定して動いたほうがいいな。」
 「そうだな、石橋を叩いて渡るくらいでも足りない。橋を作るくらいでいったほうが丁度いい
かもしれない。」

 少なくとも楽観視はできない。
 すると復活したマスターがなあと話しに入ってきた。

 「掲示板でちょっと気になったことがあるんだけどさ、死者の数が奇数なんだよ。
今思うとおかしいよな。偶数にならなきゃへんだろ?」
 「再契約を交わしたサーウァントがいるのかもしれんな。」
 「だが今度はマスターの数が合わんだろう。サーウァント2体と契約してるとでもいうつもりか?」
 「今の時点では分からん。が、注意を払っておこう。そろそろキリがいいな。でるか。」
 「そうだな、おいマスター!そろそろ出るってあれ?」

 「そういや静かとは思ってたけど、名無のやつどこいったんだ?」

名無鉄之介はスケベである。
 それもただのスケベではなく超がつくほどのスケベである。
 覗きなんかは当たり前、スカート捲りや下着泥棒、果ては痴漢行為もやってのけるスケベである。
 (もっともすぐに制裁を受けるのだが)
 そんな彼が学校という絶好の場所で何もしないで大人しくしているだろうかいいやしない。
 そんな彼は一人、皆がデータベースに取り掛かっている隙に、覗きで鍛えた気配遮断を使い
部屋を抜け出し、狩場に来ていた。すなわちそこは、『女子更衣室』

 「うひょひょひょ、やっとチャンスがきたぜ〜!」
 慣れた手つきでロッカーの中を物色していく。躊躇いの欠片もない行動はある意味だれよりも
男らしい行動である。そんな彼を見る影がある。
 女子生徒のNPC?彼の仲間たち?どちらも違う。その正体は・・・

 アメリカ合衆国大統領にしてアサシンのサーウァント、ファニーウァレンタインである。

 (まさかこんなチャンスが訪れるとは、運がいい)

 マスターの指示で柳洞寺に向かったアサシンは山門に佇むサーウァントを見つけた。
 剣を持っていたのでおそらくセイバーだと当りをつけThe watherでセイバーのを撮影しマスター
に送るとマスターからすぐに撤退するように指示をうけた。
 急いでその場を離れるとマスターに理由を聞いた。そうするととんでもない事が判明した。

 (まさか全ステータスがEXランクとは、おそらく何らかのスキルか宝具なのだろうが・・・)

 おまけにあそこは山門以外は進入できず、どうしてもあのセイバーと戦う必要があったので
予定を繰り上げ学園に侵入した。
 程なくして四人組の参加者が来たのを確認すると気配を消し、最大限の注意を払いながら尾行する。
 すでに情報はマスターである市長に送ってありあとは可能ならば暗殺し、不可能ならば
拠点を見つけるため後を追う。あらかじめ決めていた作戦を行うつもりだった。
 もっとも暗殺は四人組の時点で諦めており拠点を探るために尾行する心算だったのだがなぜか
一人がこっそりと人目を憚るように離れていたので予定を変更し、アサシンの本分である
マスター殺しを決行する。



D4Cを使うまでも無い、弾丸一発だけで事足りる。銃口を後頭部に狙いをつけ、

 (さよならだ、名前も知らないマスターよ)

 そして引き金をゆっくり引き・・・

 「(ばっっ!)おおこれは絶滅危惧種のブルマああ!?」

 (なにぃぃ!?かわしただと!?)

 思わぬお宝に飛びつく名無の背中を弾丸が掠める。思わず奇妙なポーズで固まる名無だが
それ以上にかわされたことに驚愕するアサシン。
 すぐさま次の弾を発射するが、

 「イルバーン!」

 槍王を呼び出し弾丸を弾く、そのままバックステップで距離を取り様子を窺う。

 「あっぶねええ!?背中かすったああ!?なにすんだオッサン!」

 (出来たら今ので片付けたかったが仕方ない。マスター一人ここで仕留める。)

 名無に再び弾丸を放つがイルバーンで弾き飛ばす。

 「へっ!大したことねえなおっさん!俺一人で倒しちゃうよ!」

 挑発気味に笑う名無に反応せず間合いを確認するようにゆっくり動くアサシン
 名無は罠かと勘ぐるが元々考えるのが苦手な名無は何かやられる前に無力化するべく
前に飛び出す。たとえサーウァントといえども人は傷つけたくないため殺さないように、
けれども動けなくなくなるくらいにはなってもらうつもりで槍を振りかぶる。
 銃を使われても十分対応できると確信していたため飛び出したのだが不意にアレックスが
言っていたことを思い出した。


 「いいかお前ら、サーウァントのなかにはステータスが低くても相手を倒すことが出来る
ような奴もいる。アサシンやキャスターといったやつらだ。こいつらは状況しだいなら三騎士
クラスでも倒せる奴らだからな。例え倒せそうと思っても手をだすな。特にアサシンは一撃必殺
の宝具の使い手が多い。無理に倒そうとせず自分の身を守ることに専念しろ。
時間さえ稼げば必ず俺かキャスターが駆けつける。」

 アレックスの忠告は正しい。例えステータスが低くともサーウァント、アサシンといえども
切り札は持っている。

「いとも容易く行われるえげつない行為(D4C)」

 アサシンの背後から現れる人型の像が不意を突く形で名無の頭部に拳を繰り出す。
 完璧のタイミングの攻撃だったが、

 「うおおおおう!!?」

 頭を後ろに反らすことでギリギリ回避するが無理な姿勢をとった反動でバランスを崩す。
 その隙を突くようにもう片方の腕で今度は腹部に拳を繰り出すもとっさに間に挟んだ槍王で
ガードする。
 殴られた反動で吹き飛ばされ壁に激突した名無に追い討ちをかけるように弾丸を発射するが
即座に転がって何とか回避する。
 体勢を整えさせまいと接近しD4Cで攻撃を繰り出すが槍王を使いギリギリではあるが持ちこたえていた。

 無論名無がいかに槍王の恩恵を受けていてもサーウァント相手に防戦一方とはいえ戦えているのには理由がある。
 ひとつはアサシンの能力、正確にはスタンドが仲間である花村陽介のペルソナに酷似していたこと。
 まったく未知の能力相手ではどうしようも無かったがスタンドとペルソナには非常によく似た特徴
がある。花村からペルソナについて聞いていたためアサシンからスタンドを出し攻撃されても驚きが
少なかくてすんだ。(もっとも名無はこのアサシンはペルソナ使いのサーウァントと勘違いしている)
 もうひとつがつい先程、鳴上悠というマスターの中でも上位の者と戦闘を行ったこと。
 鳴上悠自身は二対一という状況のため全力を出し切れていなかったが、あの攻防は確かに名無に
とって大きな経験になった。
 そして最後のひとつ、ある意味では一番大きな理由かもしれない。
 名無はあの狂王アシュナード相手に啖呵を切った男。
 あのすさまじいプレッシャーにさらされながらも、大事なパートナーを守り抜いた名無にとっては
この程度の状況は、

 「お前なんか怖くねえよ。」

 槍王でD4Cの腕を上に弾くと、

 「イルバーン!」

 槍王を床に突き刺し自分の周りを吹き飛ばす。
 その衝撃波に吹き飛ばされるアサシン。
 そして槍を持ち直し回転させ、

 「いっけえ!」

 前方に衝撃波を放つ。これで決まったと確信するが・・・


「D4C」

 スタンドを前面にだしガードすると、そのまま名無に突っ込む。
 名無は技を放った直後の僅かな硬直を突かれ殴り飛ばされ再び壁に激突し槍王を離してしまう。
 すぐに取ろうと槍王に向かって伸ばした手を上からD4Cが踏み潰す。
 痛みに顔を顰める名無の眉間に銃口が押し付けられる。

 「まさかここまで手こずらされるとわな、これからはマスター相手でも油断しないようにしよう。」

 「すみませんごめんなさい許してください。」

 「命乞いか?する必要はないぞ、聞く気もないからな。」 

 そう言って引き金を引こうとするが名無の表情に違和感を覚える。
 恐怖に怯えるわけでもなく絶望するわけでもなく、いたずらが成功したような顔に引き金を引く
動きが止まる。訝しげに見るアサシンに名無は、

 「いや、命乞いじゃなくてさ、本当に悪いなあと思ってよ。一応謝ってこうかと思って。」

 「何を言っている貴様?イカレてるのか?この状況で。」

 「いやいやだからさ。」

 とチラリとアサシンの背後を盗み見て、

 「俺一人で勝つって言っておきながら、一番怖い人隠しててごめんなさい。」

 ハッと背後を振り返ると自分に向かって殺到する魔力弾の群れ。

 「!?D4C防御しろ!いますぐだあ!」

 すぐさまスタンドで防御体勢をとるが、その上から容赦なく叩き込まれる魔力弾の群れに吹き飛ばされる
アサシン。その隙に名無の元へ移動したキャスターは回復魔法を名無にかけると庇う様に前へ出た。

「無事のようだなマスター」

 「ギリだったぜリイ・・・キャスター」

 うっかり真名をばらしそうになったが散々リインフォースに注意されたため言い直す。
 アサシンはボロボロに成りながらも油断なく対峙する。

 「くそ貴様、いや貴様らまさか!?」

 「ワリイなオッサン、初めから時間稼ぎが目的なんだわ。」

 ニシシと笑う敵のマスターに苛立ちながらも、状況を整理する。

 (くそ、なぜだ!?なぜ気配を察知できなかった!?何らかのスキルか!?)

 リインフォースは名無が居なくなったことに気づくとすぐさまエリアサーチを展開し学園中を探した。
 そうして見ると敵のサーウァントと交戦している名無を発見するとすぐさま転移魔法で近くまで
移動すると、ミラージュハイドを発動する。姿を消すだけでなく探知能力にも引っかからないある種の
結界魔法を使い接近すると、気づかれないように慎重に魔術を展開していき名無の合図で発射した。
 この魔法は完全迷彩状態では攻撃や魔法発動を行うのが困難になるという弱点があるので、攻撃魔術
発動の時間稼ぎと発射のタイミングを名無に任せるということを念話でおくっていた。
 そんな事は知る由もないアサシンは戦闘続行は困難であると結論づけ脱出のプランを組み立てる。

 「投降するなら命はとらないぞ。抵抗するなら動けなくなるぐらい痛めつけ・・・っ!?」

 説得の途中で攻撃を加えられ防御体勢をとるリインフォース。
 スタンドを前面に出しリインフォースに襲い掛かり、その隙に窓へと飛び込もうとするが

 「言っただろ、一番怖い人隠しててゴメンって。」

 その言葉に反応するよりも速く、あらかじめ姿を隠し窓際まで移動していたアレックスの拳が
アサシンの顔面にぶち当たり、とっさにつかんでいたカーテンごと倒れこむ。

 「キャスター!」

 「解ってる!」

 アレックスの合図と同時にバインドをアサシンに向けて放つが・・・

 「なに!?」

 そこにすでにアサシンの姿はなく忽然と消えてしまった。
 周囲を見渡しても分からず探知魔法にも引っかからない。エリアサーチをあたりに放ち
死角をなくして備えるリインフォース。アレックスもまたマスター達に何かあってもすぐに
対応できる距離で警戒する。

警戒を解かず周りを見渡すアレックス
 エリアサーチの端末の範囲を広げるリインフォース
 カーテンが風に飛ばされ名無の方へ落ちる
 名無が顔を強張らせながら槍王を構える
 ゆっくりとカーテンの方へ近づくアレックス
 カーテンの端を握りゆっくりと捲り上げ・・・



 『背後のロッカーの扉の隙間からアサシンが飛び出してくる』

 反応し切れなかった名無に銃弾を撃ち込むが、

 「プロテクション!」

 リインフォースが瞬間的に展開できる防御バリアで名無を囲い込み

 「むん!」

 同時に放たれたブリューナグの槍がアサシンの胴を貫きそのままアサシンはゆっくりと消滅していった。


【アサシン(ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険 消滅】




 「悪いなマスター、生け捕りにはできなかった」

 「いや、名無を守ろうとしてくれたんだろ?だったら文句なんか言うはずねえよ。」

 リインフォースによって同じ部屋で透明化して潜んでいた花村にアレックスは謝罪をするが、
花村は少し複雑そうな顔をしながらも気にするなと返しこの話は終わりになった。

 「おい、そろそろ出ないか?もうここには用はないだろう。」
 「出るっていっても、なんか当てがあるのか?」

 花村の疑問に聖杯の智識とデータベースで調べた情報を元に案をだす。

 「まずこの町の一番の霊地はここから西に少し行った所にある柳洞寺。しかしここはもう既に
抑えられてる可能性が高い。それに町から離れてるから補給するのに都合が悪いからな。よって
次に霊脈が豊富な遠坂邸、ここに拠点を作ろうと思う。」

 そう言って周りを見渡すリインフォース。花村と名無は元々こういったことは判らない為パートナー
に一任する姿勢をとっていた。アレックスも特に反対する理由がなかったため決定となった。
 また陣地作成の際自分も手を加えたいと申し出た。

 「別に手を加えるのは構わないが、何をするんだ?」
 「魔術だけが全てじゃないだけだ。違う方向からの対策もしておくべきだろう。」

 科学が進歩した時代の英霊であるアレックスは魔術に対して絶対の信頼をしているわけではなかった。
 無論リインフォースの腕は疑っては無かったがやはりトラップやカメラといったものを置いておきたい
というのが本音である。
 そのためホームセンターで必要な道具をわざわざ買ったのである。
 そのことを皆に伝えると名無からは、

 「つまりホーム●ローンみたいな感じにするんだな。」

 とよく分からないことを言っていたので放置して出発する準備をする。

 「では行くぞ、目的地は遠坂邸。昼までには着きたい。」
 「うっし、じゃあ出発!」

 こうして四人は学園を後にした。


 「そういえばマスター、なんで更衣室にいたんだ?」
 「え?」
 「え?」



【月海原学園/午前】

 【花村陽介@ペルソナ4】
 [状態]健康 残令呪使用回数3
 [持ち物] ミネラルウォーター@現実、カロリーメイト@現実・医薬品一式@現実
 大学ノート@現実・筆記用具一式@現実・電池式充電器@現実・電池@現実
 携帯電話*携帯電話には名無鉄之介の名前が登録されています
 予備の服@現実・食料@現実・スパナ@現実
 その他アレックスの指示で購入したもの数点(トラップ作成に役立つものが入っています)
 [基本行動方針]:聖杯を探し出して破壊する
 [思考・行動]
 1.遠坂邸に向かい拠点を作る
 2.悠を止める
 3.[答え]を見つける
 [備考]
 聖杯戦争のルールと仕組みを言峰神父から聞きました。
(意図的に隠された情報があるかもしれません)
 名無達と情報交換をしました。
 匂宮主従・ゼフィール主従・鹿目まどか主従・鳴上悠主従・遠坂凛主従の情報を手に入れました
(情報は大学ノートに記入されています)

 【ランサー(アレックス)@ARMS】
 [状態]健康 ARMSの進化(進行度小)
 [基本行動方針]:聖杯を探し出して破壊する
 [思考・行動]
 1.拠点を作る
 2.アサシンを警戒
 3.陽介を(主に精神的に)鍛える

 【名無鉄之介@私の救世主さま】
 [状態]健康 残令呪回数:3
 [持ち物] エロ本(大量)@現実・携帯電話@現実(携帯電話には花村陽介の名前が登録されています)
 予備の服@現実・鳴上悠のクレジットカード
 [基本行動方針]:リインちゃんとイチャコラしたい!
 [思考・行動]
 1やりたいように行動する。
 2エロ本読みたい。
 [備考]
 聖杯戦争のルールと仕組みを言峰神父から聞きました。
(意図的に隠された情報があるかもしれません)
 花村達と情報交換をしました。
 匂宮主従・ゼフィール主従・鹿目まどか主従・鳴上悠主従・遠坂凛主従の情報を手に入れました
 アシュナードにほんのちょっぴり興味をもたれました。
 鳴上悠のクレジットカードをこっそり盗みました。

 【キャスター(リインフォース)@魔法少女リリカルなのはA's】
 [状態]健康
 [基本行動方針]とりあえず名無と行動を共にする。
 [思考・行動]
 1.鉄之介をどうにかまともな方向へ矯正したい。
 2.拠点を作りたい。
 3.神父を警戒。
 4.可能なら鳴上悠を助ける(自分達を最優先)
 [備考]
 肉の芽の解除が可能です。ただし全力でやって誰にも邪魔されないのが条件です。




 「何とか助かったか」
 誰も居なくなった部屋でどこからともなく声がする。
 床に落ちたカーテンの隙間からゆっくりと男が這い出てくる。
 その正体は死んだはずのアサシンのサーウァント、ファニーウァレンタイン。
 種を明かすとアサシンはカーテンの隙間に[挟まった]あと平行世界から自分を連れてきてD4Cを
無傷の自分に移すと、無傷のほうの自分をそのまま違う部屋に移動させ、ボロボロとなった自分は
ロッカーの隙間から飛び出しわざと殺され死んだふりをしたのだ。
 目の前で消滅した自分をみてキャスターも探知魔術を解除したので発見されずにすんだ。
 後はほとぼりが冷めるまで隠れてしまえばいいだけだ。

 「しかしくそ、魔力を使いすぎた。これ以上は市長が持たんな・・・。
 やむ得まい、成果があっただけよしとしよう。」

 少なくともランサーとキャスターの能力の一端を見ることができ拠点の場所も判明した。
 戦いには負けたが十分こちらの勝ちといえる。

 「一度戻るか、またドリンクでも買うかな。」

 そしてドアの隙間の挟まると

 「どっっじゃーん」

 そのまま消えてしまい後には誰も残らなかった。


【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険 D4Cで平行世界の自分と交代し『復活』】


 【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
 [状態](4人目)、魔力消費(大)、気配遮断
 [装備]:拳銃
 [道具]:携帯電話
 [思考・状況]
 基本行動方針:ムーンセルは誰にも渡さない。わたしが手に入れる。
 1.一度市長の所に戻る
 [備考]
 ランサー・キャスターのステータスを市長に送りました。
 拠点の場所は遠坂邸と思っています。

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