§9 正項級数の収束条件と交代級数の和


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正の項 a n >0 からなる級数  \sum_{n=0}^\infty a_n 正項級数と呼ぼう。

0<r<1 に対して、
 \sum_{n=0}^m r^n = \frac{1-r^{m+1}}{1-r},\  \lim_{m\to\infty} r^m = 0 より、
級数 \sum_{n=0}^\infty r^n\frac{1}{1-r} に収束する。

このことをひたすら応用してゆく。

(1) 収束するものより小さければ収束。
(2) 収束するものより増え方が弱ければ収束。

命題 1.17
 \textstyle \sum a_n ,  \textstyle \sum c_n を正項級数、 \textstyle \sum c_n は収束するものとする。
このとき、次が成立。

(1) すべての n について  a_n \le c_n ならば  \textstyle \sum a_n も収束。

(2) すべての n について  \tfrac{a_{n+1}}{a_n} \le \tfrac{c_{n+1}}{c_n} ならば  \textstyle \sum a_n も収束。
Proof.
省略


命題 1.18 (コーシーの判定法)
0<r<1 なる実数 r が存在して、
ある n 0 以上のすべての整数 n について  \sqrt[n]{a_n} \le r が成立すれば  \textstyle \sum a_n は収束。

(注意)
1 より小さい r を固定して、 \sqrt[n]{a_n} \le r となるのが条件。
したがって、 \sqrt[n]{a_n} が 1 にどこまでも近づくときは使えない。

Proof.
条件より、n≧n 0 で a n ≦r n
よって 命題 1.17 (1) より n 0 以降の級数は収束。
n 0 までは有限個しか項がないので、級数  \textstyle \sum a_n は収束。 ∥

命題 1.19 (ダランベールの判定法)
0<r<1 なる実数 r が存在して、
ある n 0 以上のすべての整数 n について  \frac{a_{n+1}}{a_n} \le r が成立すれば  \textstyle \sum a_n は収束。
Proof.
c n =r n とおくと、
条件より、n≧n 0 \frac{a_{n+1}}{a_n} \le \frac{r^{n+1}}{r^n} = \frac{c_{n+1}}{c_n}
よって 命題 1.17 (2) より n 0 以降の級数は収束。
ゆえに級数  \textstyle \sum a_n は収束。 ∥

命題 1.20 (ラーベの判定法)
 -\infty \le r &lt; -1 なる実数 r が存在して、
ある n 0 以上のすべての整数 n について  n \left( \frac{a_{n+1}}{a_n} -1 \right) \le r が成立すれば  \textstyle \sum a_n は収束。
Proof.
条件より、n≧n 0 では
 \begin{align} n(a_{n+1}-a_n) &amp; \le ra_n \\ na_{n+1}-(n-1)a_n &amp; \le (r+1)a_n \end{align}

m を n 0 以上の整数とし、
両辺 n = n 0 , n 0 +1, ... , m について足し合わせると、
 ma_{m+1}-(n_0-1)a_{n_0} \le (r+1) \sum_{n=n_0}^\infty a_n
r+1 が負であることに注意すれば、
 \sum_{n=n_0}^\infty a_n \le \underbrace{\frac{m}{r+1}a_{m+1}}_{&lt;0}-\frac{n_0-1}{r+1}a_{n_0} &lt; -\frac{n_0-1}{r+1}a_{n_0}
n 0 から始まる級数の m までの部分和は単調増大かつ有界なので、この級数は収束する。
ゆえに級数  \sum a_n も収束。 ∥

(例)
演習のプリントを参照。


項の正負が交互に入れ替わる無限級数を交代級数という。

命題 1.21
各項の絶対値が単調減少し零に収束する交代級数は収束する。
Proof.
区間縮小法により容易に示せる。 ∥


特殊な級数の値について、テーラー展開の例の後半を参照すること。


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