§ 三角関数の無限級数表示と無限積表示


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定義 1.14 (指数関数、三角関数の定義)
任意の x\in\mathbb{C} に対して、e x , cos x, sin x を次のように定める。
 \begin{align} e^x & =  1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \cdots && = \sum_{n=0}^\infty \frac{x^n}{n!} \\ \cos x & =  1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \frac{x^6}{6!} + \cdots && \left ( = \sum_{n=0}^\infty (-1)^{n}\frac{x^{2n}}{(2n)!} \right ) \\ \sin x & =  x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots && \left ( = \sum_{n=0}^\infty (-1)^{n}\frac{x^{2n+1}}{(2n+1)!} \right ) \end{align}

これらは収束するか?
連続関数となるか?
微分可能なのか?
われわれが使ってきたものと同じなのか?
というチェックが必要ですが、今はやりません。

定理 1.15 (オイラーの積公式)
 \sin x = x\prod_{n=1}^\infty \left( 1-\frac{x^2}{n^2\pi^2} \right) = x \left( 1-\frac{x^2}{\pi^2} \right) \left( 1-\frac{x^2}{4\pi^2} \right) \left( 1-\frac{x^2}{9\pi^2} \right) \cdots
証明は今学期はできない。
sin x は x = 0, ±π, ±2π, ±3π, ... のときに 0 になる、という特徴を踏まえた形になっているなぁ
と思えばよい。

ここから 定理 1.13 の第 1 式を導いてみましょう。
テストに出ます。

右辺を展開すると
 x-x\left(\frac{x^2}{\pi^2}+\frac{x^2}{4\pi^2}+\frac{x^2}{9\pi^2}+\cdots\right) +(5次以上の項)
となるので、
オイラーの積公式の右辺のx 3 の係数は
 -\left(\frac{1}{\pi^2}+\frac{1}{4\pi^2}+\frac{1}{9\pi^2}+\cdots\right)
一方、
 \sin x = x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots より
オイラーの積公式の左辺のx 3 の係数は -1/3! したがって、
 -\frac{1}{3!} = -\left(\frac{1}{\pi^2}+\frac{1}{4\pi^2}+\frac{1}{9\pi^2}+\cdots\right)
ゆえに、 \frac{\pi^2}{6} = 1+\frac{1}{4}+\frac{1}{9}+\cdots


講義では第 2 式も導いていました。
テストには出ないと思いますが…
x 5 の係数を比べると、
 \frac{1}{5!} = \frac{1}{\pi^4} \sum_{n=1}^\infty \sum_{m=n+1}^\infty \frac{1}{m^2n^2}
一方、
 \left( \sum_{m=1}^\infty \frac{1}{m^2} \right)^2 = 2\sum_{n=1}^\infty \sum_{m=n+1}^\infty \frac{1}{m^2n^2} + \sum_{m=1}^\infty \frac{1}{m^4}
が成り立つので、
 \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^4} = \left( \frac{\pi^2}{6} \right)^2 - 2 \times \frac{\pi^4}{5!} = \frac{\pi^4}{36}-\frac{\pi^4}{60}=\frac{\pi^4}{90}


定理 1.15 (オイラーの積公式) に、 \sin \frac{\pi}{2}=1 を代入すると、
 \begin{align} 1 &= \frac{\pi}{2} \left( 1-\frac{1}{4} \right) \left( 1-\frac{1}{16} \right) \left( 1-\frac{1}{36} \right) \left( 1-\frac{1}{64} \right) \cdots \\ &= \frac{\pi}{2} \cdot \frac{1\times3}{2\times2} \cdot \frac{3\times5}{4\times4} \cdot \frac{5\times7}{6\times6} \cdot \frac{7\times9}{8\times8} \cdots \end{align}
変形すると、
命題 1.16 (ウォリスの公式)
 \frac{\pi}{2} = \frac{2\times2}{1\times3} \cdot \frac{4\times4}{3\times5} \cdot \frac{6\times6}{5\times7} \cdot \frac{8\times8}{7\times9} \cdots


二項定理は、次数を実数に拡張しても成り立つ。
すなわち、
定理 (二項定理)
α∈R,|x|<1 に対して、次が成り立つ。
 (1+x)^\alpha = 1 + \alpha x + \frac{\alpha(\alpha-1)}{1 \cdot 2} x^2 + \frac{\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)}{1 \cdot 2 \cdot 3} x^3 + \cdots

(例)
α=-1/2 とすると、
 \frac{1}{\sqrt{1-x}} &amp; =  1 + \frac{1}{2}x + \frac{1 \cdot 3}{2 \cdot 4}x^2 + \frac{1 \cdot 3 \cdot 5}{2 \cdot 4 \cdot 6}x^3 + \cdots


次:§9 正項級数の収束条件と交代級数の和