(接平面に関する必要条件)
十分滑らかな曲面 z=f(x, y) を考える。
点(x, y)=(a, b)で極値をとるためには
となることが必要。
α, β は十分小さいとする。
テイラーの公式を用いて (a+α, b+β) での値を α, β の2次式まで見ると、
+(3次以上の項)
条件(*)の下では
ここで、右辺は2次形式となっているので、
ヘッセ行列と呼ばれる実対称行列
を用いると、
命題 2.26 (ヘッセ行列式による極値判定)
z=f(x, y) を十分滑らかな曲面とする。
さらに、点(x, y)=(a, b)で f
x(a, b)=f
y(a, b)=0 となっているとする。
このとき、
(1)
なら極値で、
fxx(a, b)>0 なら極大点。
fxx(a, b)<0 なら極小点。
(2)
なら峠点。
の場合は判定できないので、他の方法を考える必要がある。
Proof.
補題 2.26.1
φ''(t) は連続とする。
φ'(0) かつ φ''(0)>0 ならば、φ(t) は t=0 で狭義の極小。
φ'(0) かつ φ''(0)<0 ならば、φ(t) は t=0 で狭義の極大。
証明は省略する。
かつ f
xx(a, b)>0 なら、命題 2.25 より 2次形式
は正値。
すなわち、任意の (α, β)≠(0, 0) に対して、
左辺は φ''(0) に等しいので、φ''(0)>0
よって 補題 2.26.1 よりφ(t) は t=0 で狭義の極小。
任意の方向 (α, β)≠(0, 0) に対して φ(t) が t=0 で狭義の極小となるということは、
すなわち f(x, y) が点 (a, b) で極小であることを意味する。
fxx(a, b)<0 についても、同様の議論により極大。
なら、
正の固有値に対する固有ベクトルの方向には φ''(0)>0 で極小、
負の固有値に対する固有ベクトルの方向には φ''(0)<0 で極大となる。
すなわち峠点である。 ∥
(例)
過去問を参照。
最終更新:2013年08月31日 22:45