§8 曲面の極値


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(接平面に関する必要条件)
十分滑らかな曲面 z=f(x, y) を考える。

点(x, y)=(a, b)で極値をとるためには
 \begin{cases} f_x(a, b)=0 \\ f_y(a, b)=0 \end{cases} \cdots (*)
となることが必要。

α, β は十分小さいとする。
テイラーの公式を用いて (a+α, b+β) での値を α, β の2次式まで見ると、

 f(a+\alpha, b+\beta)=f(a, b)+\alpha \underbrace{f_x(a, b)}_{\overset{(*)}{=}0}+\beta \underbrace{f_y(a, b)}_{\overset{(*)}{=}0} +\frac{1}{2}\{\alpha^2 f_{xx}(a, b)+2\alpha\beta f_{xy}(a, b)+\beta^2 f_{yy}(a, b)\} +(3次以上の項)

条件(*)の下では
 f(a+\alpha, b+\beta)-f(a, b) \cong \frac{1}{2}\{\alpha^2 f_{xx}(a, b)+2\alpha\beta f_{xy}(a, b)+\beta^2 f_{yy}(a, b)\}

ここで、右辺は2次形式となっているので、
ヘッセ行列と呼ばれる実対称行列  H(x, y) = \begin{pmatrix} f_{xx}(x, y) & f_{xy}(x, y) \\ f_{xy}(x, y) & f_{yy}(x, y) \end{pmatrix} を用いると、

 f(a+\alpha, b+\beta)-f(a, b) \cong \frac{1}{2}\begin{pmatrix} \alpha & \beta \end{pmatrix} H(a, b) \begin{pmatrix} \alpha \\ \beta \end{pmatrix}

命題 2.26 (ヘッセ行列式による極値判定)
z=f(x, y) を十分滑らかな曲面とする。
さらに、点(x, y)=(a, b)で f x (a, b)=f y (a, b)=0 となっているとする。
このとき、
(1)  |H(a, b)|>0 なら極値で、

  f xx (a, b)>0 なら極大点。
  f xx (a, b)<0 なら極小点。

(2)  |H(a, b)|&lt;0 なら峠点。

 |H(a, b)|=0 の場合は判定できないので、他の方法を考える必要がある。
Proof.
補題 2.26.1
φ''(t) は連続とする。
φ'(0) かつ φ''(0)>0 ならば、φ(t) は t=0 で狭義の極小。
φ'(0) かつ φ''(0)<0 ならば、φ(t) は t=0 で狭義の極大。
証明は省略する。

 |H(a, b)|&gt;0 かつ f xx (a, b)>0 なら、命題 2.25 より 2次形式\begin{pmatrix} \alpha &amp; \beta \end{pmatrix} H(a, b) \begin{pmatrix} \alpha \\ \beta \end{pmatrix}は正値。
すなわち、任意の (α, β)≠(0, 0) に対して、\begin{pmatrix} \alpha &amp; \beta \end{pmatrix} H(a, b) \begin{pmatrix} \alpha \\ \beta \end{pmatrix}&gt;0
左辺は φ''(0) に等しいので、φ''(0)>0
よって 補題 2.26.1 よりφ(t) は t=0 で狭義の極小。

任意の方向 (α, β)≠(0, 0) に対して φ(t) が t=0 で狭義の極小となるということは、
すなわち f(x, y) が点 (a, b) で極小であることを意味する。

f xx (a, b)<0 についても、同様の議論により極大。

 |H(a, b)|&lt;0 なら、
正の固有値に対する固有ベクトルの方向には φ''(0)>0 で極小、
負の固有値に対する固有ベクトルの方向には φ''(0)<0 で極大となる。
すなわち峠点である。 ∥


(例)
過去問を参照。


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