(複素数とその四則、共役複素数、絶対値、偏角)
を
複素数という。
C には四則が定められる。
z=x+iy の
絶対値 |z| を、
とする。
(
を z の
共役複素数という。)
z の
偏角 θ を、
で定める。
z=0 のときの θ はすべての実数とする。ここでは深く考えない。
C を平面状の点と同一視した場合、この平面を複素平面とかガウス平面と呼ぶことがある。
絶対値は、原点からの距離に相当する。
任意の複素数は、絶対値と偏角によって
と表せる。
z=0 のときも成り立つ。
特に、絶対値1の複素数は cosθ+isinθ と書けて、単位円に相当する。
命題 1.11
絶対値 r, 偏角 α の複素数 r(cosα+isinα) に、
絶対値 s, 偏角 β の複素数 s(cosβ+isinβ) をかけると、
絶対値が s 倍され、偏角が β だけ増加し、
積は、rs(cos(α+β)+isin(α+β)) となる。
Proof.
三角関数の加法定理よりすぐに示せる。 ∥
これにより、f(θ)=cosθ+isinθ が
df(θ)/dθ=if(θ), f(α)f(β)=f(α+β), f(0)=1 を満たすことが確かめられる。
これは、f(θ)=eiθ としたときと同じ性質であり、次の定理を予感させる。
定理 1.12 (オイラーの公式)
本来は 定義 1.14 (指数関数、三角関数の定義) の直後で登場する定理。
証明は 定義 1.14 に代入するだけなので、各自で。(やって見せても意味が無い)
最終更新:2013年08月28日 13:27