問題Ⅰ
(a)
を連分数展開する問題。
は白銀数δ
Sとか呼ばれるらしいです。
連分数展開するときれいになります。親切設計です。
<解法1>
覚えていた。
<解法2>
とりあえず計算した。
1+√2=2.41...なので、整数部分は2。
小数部分の逆数は、
早くも循環したのであとはずっと2。
ということで答えは、
(終)
(b)
を計算する問題。
オイラーの公式を覚えているかのチェック。
<解法1>
過程を書かない場合。
複素平面に単位円を書いて、座標が1の点から反時計回りにπ/3だけ進むと1/2+i√3/2。
<解法2>
過程を書く場合。
(終)
問題Ⅱ
(a)
の収束性を調べ、その値を計算する問題。
大学入試で良く見るやつ。今年(2013)の東大前期の数学(理科)第3問にも登場しました。
<収束判定1>
ぱっと見で判定する。
2^n は n^3 より強く発散するので、n/2^n は n/n^3 = 1/n^2 よりも速く零に近づく。
ここで、1/n^2 は収束するので n/2^n も収束する。
<収束判定2>
コーシーの判定法は使えますが、ダランベールの判定法を使うのが楽です。
ということで、lim(a
n+1/a
n)を計算します。
収束値が1より小さいので級数は収束。
<解法1>
とりあえず足した。
足し算の順番を入れ替えていますが、絶対収束することが前提です。
つまり、あらかじめ収束を確認する必要があります。
1/2が1個、1/4が2個、1/8が3個、1/16が4個、1/32が5個…を足せば良い。
まず1個目は、1/2,1/4,1/8,1/16,1/32...なので足すと1。
2個目は1/2は無くて、1/4,1/8,1/16,1/32...なので足すと1/2。
同様に3個目は、1/8,1/16,1/32...なので足すと1/4。
4個目は足すと1/8。以下同様。
したがって、全部足すと1+1/2+1/4+1/8+1/16+...=2
<解法2>
部分和を計算します。
この解法の場合、収束を確認する必要がありません。
(b)
を計算する問題。
<解法1>
ロピタルの定理。講義では扱わなかったはずだが、受験で使った人もいるらしい。
分子は微分すると、1-1/(cosx)^2
分母は微分すると、1-cosx
ロピタルの定理より(最初の変形)、
<解法2>
分子、分母を係数が0でなくなるまでテイラー展開。
分母は、
分子は、tanの展開を覚えていればそれでよい。
覚えてなくても地道に、
と計算すれば、
とわかるので、
(c)
を計算する問題。
(うまい解法があったら教えてください)
<解法1>
<解法2>
後半で対数微分法を使う場合。
問題Ⅲ
テーラー展開をするという問題。
(a)
(1)は覚える。(2)は説明不要。(3)は導けなければ覚える。ここまでは
テーラー展開の例に載せてあります。
(1)
(2)
(3)
(4)
(b)
を証明する問題。
前ばらし問題です。ちなみに「バーゼル問題」という有名な問題です。
...(*)は既知とする。
右辺を展開すると
+(5次以上の項)
となるので、
式(*)の右辺のx
3の係数は
一方、
より
式(*)の左辺のx
3の係数は -1/3! したがって、
ゆえに、
∥
問題Ⅳ
という関数の極値と鞍点を調べる問題。
とりあえずいつもの流れで行きます。
偏微分して、
とすると、
x=1/2のときはy=1/2
そうでないときはy=0,1で、どちらにしてもx=0,1
したがって、極値と鞍点の候補は(1/2, 1/2), (0, 0), (0, 1), (1, 0), (1, 1)
さらに偏微分して、
よってヘッセ行列は、
が正なので極値。f
xx<0なので極大。
が負なので鞍点。
|H(0, 1)|, |H(1, 0)|, |H(1, 1)| についても同様に負なので鞍点。
したがって、
極値:(1/2, 1/2)で極大
鞍点:(0, 0),(0, 1),(1, 0),(1, 1)
この問題ではありませんでしたが、ヘッセ行列式|H|が零となる困った点については
グラフを描くなど頑張って調べる必要があります。
問題Ⅴ
(a)
閉区間[0, 1]上に定義され、つねに0以上1以下の値をとる連続関数f(x)について、
c=f(c) を満たす実数 c∈[0, 1] が存在することを示す問題。
中間値の定理。
f(0)=0の場合やf(1)=1の場合は明らかなので、それ以外の場合を考える。
g(x)=f(x)-x とすると、g(x)は連続関数。
仮定よりf(0)>0なので、g(0)=g(0)-0>0
仮定よりf(1)<1なので、g(1)=f(1)-1<0
よって、中間値の定理より、g(c)=0なる実数cが(0, 1)に存在する。 ∥
(b)
を示す問題。
(c)
ネピアの数eが実数になることを示す問題。
解けるとうれしいですが、方針が分かっているかがより重要。
最終更新:2013年08月31日 23:32