公理 1.4.1 (不等式に関する公理)
+
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... |
a, b, cを実数とするとき、
(1)a≦a
(2)a≦bかつb≦aならば、a=b
(3)a≦bかつb≦cならば、a≦c
(4)「a≦bまたはb≦a」が成立
(5)a≦bならば、a+b≦b+c
(6)0≦aかつ0≦bならば、0≦ab
a≧bはb≦aのこととする。
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定義 1.4.2 (絶対値の定義)
省略。
と書いたら、
のこととする。
これ以降は、
とする。すなわち、無限実数列を考える。
定義 1.3 (収束)
数列a
nが実数αに収束するとは、
nを限りなく大きくしたときに |a
n-α| が限りなく零に近づくことと定める。
a
nがαに収束することを、
と書く。
言い換えると、anがαに収束するとは、
「任意の正の実数 ε>0, ε∈Rに対して、
ある自然数Nが存在して、
任煮の番号n≧Nに対して |an-α|≦ε となること」。
言い換えた後で使われている言い回しはε-N論法などと呼ばれ恐れられているが、
収束についての正確な議論のためには不可欠である。
ただ、数学1Bを履修する限りでは重要ではないし、試験では全く問われないだろう。
実は公理 1.4 や命題 1.5 などの中で無意識に使われている。
(例)
とすると、
+
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plus 証明 |
Proof.
任意の正数 ε>0 に対して、
N=2/εとすれば、
任煮の番号n≧Nに対して 0<an=1/n≦ε/2 なので、
|an-0|≦ε/2≦ε ∥
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公理 1.4 (区間縮小法, はさみうちの原理)
閉区間の入れ子
すなわち
があって、
I
nの長さ(b
n-a
n)が零に収束すると仮定する。
このときすべての区間Inに共通に含まれる実数の定数cがただひとつ存在する。
(例)
x2=2, x>0を満たす実数xがただひとつ存在する。
Proof.
とすると、
かつ
となるから、
全てのI
nに含まれる実数cがただひとつ存在する。
ここで証明終わりではない!
「Inに含まれる」と「x2=2, x>0」の関係をここから述べる。
だから、
最右辺は
なので、
が得られる。
a
n≦c≦b
nより、
よって、
ゆえに、
また、0<a
n≦cより、c>0 ∥
(例)おわり
命題 1.5 (四則の極限の交換)
lim an=α, lim bn=βとする。
(1)lim (an±bn)=α±β
(2)lim anbn=αβ
(3)lim (an/bn)=α/β (ただしβ≠0)
Proof.
(1)
(2)
(3)
を示せば(2)より示される。
∥
最終更新:2013年08月17日 20:05