1学期最終講義

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*合成関数の微分 省略します。 #blockquote(){{{f(x), g(x) が微分可能なとき、$$\frac{d}{dx}f(g(x))=g'(x)f'(g(x))$$}}} *対数微分 $$\frac{d}{dx}\log f(x) =\frac{f'(x)}{f(x)}$$ より、 #blockquote(){{{$$f'(x)=f(x) \cdot \frac{d}{dx}\log f(x)$$}}} 「f(x) の微分は難しいけど log f(x) なら僕にも微分できる!」 というときに使えます。 (例) $$ f(x)=x^x $$ log f(x) = x log x なので、 $$ \frac{d}{dx} \log f(x) = \log x + 1 $$ ゆえに、 $$ f'(x) = x^x (\log x + 1) $$ >$$ \frac{d}{dx} x^x = x^x (\log x + 1) $$ *オイラーの公式 $$ e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta $$ の使い方。 (例) $$ e^\frac{i\pi}{3}=\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}=\frac{1}{2}+i\cdot\frac{\sqrt{3}}{2} $$ (例) $$ i^i $$ 無理やりだが、$$ i = \cos\big(\frac{\pi}{2}+2n\pi\big)+i\sin\big(\frac{\pi}{2}+2n\pi\big) = e^{\left(\frac{\pi}{2}+2n\pi\right)i} \quad (n\in\mathbb{R}) $$ したがって、$$ i^i = \left(e^{\left(\frac{\pi}{2}+2n\pi\right)i}\right)^i =e^{\left-\frac{\pi}{2}-2n\pi\right} \quad (n\in\mathbb{R}) $$ 計算結果が一意に定まらないが、これでよい。 ところで、 $$(-1)^i=(i^i)^2$$ とかいう変形スキルはあってもいいと思う。 *連分数 >実数 a は整数部分と小数部分に分けられる。 >小数部分が 0 ならおわりにして、そうでなければ >小数部分を「何分の1」と書くと、分母は1以上の実数。 >よって、0でない整数部分と、小数部分に分けられる。 >小数部分が 0 ならおわりにして、そうでなければ >小数部分を「何分の1」と書くと、…… > >これを続けることにより、整数部分からなる数列が得られる。 >この数列を a の連分数展開という。 性質 >有理数を連分数展開すると有限で終了する。 >無理数を連分数展開すると無限に続く。 有理数とは、「整数係数の1次方程式の解」でした。 無理数のうち、 >「整数係数の2次方程式の解」を連分数展開すると循環する。 したがって、整数の平方根は循環する。 <計算方法> 値を計算して、整数部分がいくつになるか調べる。 小数部分の逆数をとる。 この2つを繰り返す。 逆に、連分数展開が与えられたときは、 $$ X = 2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{\ddots}}}} $$ とおく。 $$ 2+\frac{1}{X} = 2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{\ddots}}}} $$ なので、 $$ X = 2+\frac{1}{X} $$ 両辺に X をかけて解くと、 $$ X = 1\pm\sqrt{2} $$ ここで、連分数分解の最初に注目すると 0 < 1/X < 1 なので、 $$ X = 1 + \sqrt{2} $$と分かる。 ***覚えておいたほうがよいもの >黄金比$$ \phi = \frac{1+\sqrt{5}}{2} $$の連分数分解は、 > >$$\phi = 1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{\ddots}}}} $$ *tan x のテイラー展開 任意の実数 x に対し次が成り立つ。 $$ \tan x = \frac{\sin x}{\cos x} = \frac{ x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots }{ 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \frac{x^6}{6!} + \cdots } $$ このままでは計算できないので、分数をやめるために $$ \frac{1}{1-x} = 1+x+x^2+x^3+\cdots $$ の 1-x に cos x を代入することを考える。 $$ \begin{align} \tan x &= \frac{ x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots }{ 1 - \left( \frac{x^2}{2!} - \frac{x^4}{4!} + \frac{x^6}{6!} - \cdots \right) } \\ &= \big(x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots\big)\Big\{ 1 + \Big(\frac{x^2}{2!} - \frac{x^4}{4!} + \frac{x^6}{6!} - \cdots \Big) + \Big(\frac{x^2}{2!} - \frac{x^4}{4!} + \frac{x^6}{6!} - \cdots \Big)^2 + \cdots \Big\} \end{align} $$ がんばって展開していくと、 $$ \tan x = x^1 + x^3\Big(\frac{1}{2!}-\frac{1}{3!}\Big) + x^5\Big(-\frac{1}{4!}+\Big(\frac{1}{2!}\Big)^2-\frac{1}{3!}\cdot\frac{1}{2!}+\frac{1}{5!}\Big) + \cdots $$ >$$ \tan x = x + \frac{1}{3}x^3 + \frac{2}{15}x^5 + \cdots$$ ここまで覚えれば十分です。なお、詳しくは $$ \tan x = x + \frac{1}{3}x^3 + \frac{2}{15}x^5 + \frac{17}{315}x^7 + \frac{62}{2835}x^9 + \frac{1382}{155925}x^{11} + \cdots $$ です。 ---- *(終)
*合成関数の微分 省略します。 #blockquote(){{{f(x), g(x) が微分可能なとき、$$\frac{d}{dx}f(g(x))=g'(x)f'(g(x))$$}}} *対数微分 $$\frac{d}{dx}\log f(x) =\frac{f'(x)}{f(x)}$$ より、 #blockquote(){{{$$f'(x)=f(x) \cdot \frac{d}{dx}\log f(x)$$}}} 「f(x) の微分は難しいけど log f(x) なら僕にも微分できる!」 というときに使えます。 (例) $$ f(x)=x^x $$ log f(x) = x log x なので、 $$ \frac{d}{dx} \log f(x) = \log x + 1 $$ ゆえに、 $$ f'(x) = x^x (\log x + 1) $$ >$$ \frac{d}{dx} x^x = x^x (\log x + 1) $$ *オイラーの公式 $$ e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta $$ の使い方。 (例) $$ e^\frac{i\pi}{3}=\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}=\frac{1}{2}+i\cdot\frac{\sqrt{3}}{2} $$ (例) $$ i^i $$ 無理やりだが、$$ i = \cos\big(\frac{\pi}{2}+2n\pi\big)+i\sin\big(\frac{\pi}{2}+2n\pi\big) = e^{\left(\frac{\pi}{2}+2n\pi\right)i} \quad (n\in\mathbb{R}) $$ したがって、$$ i^i = \left(e^{\left(\frac{\pi}{2}+2n\pi\right)i}\right)^i =e^{\left-\frac{\pi}{2}-2n\pi\right} \quad (n\in\mathbb{R}) $$ 計算結果が一意に定まらないが、これでよい。 ところで、 $$(-1)^i=(i^i)^2$$ とかいう変形スキルはあってもいいと思う。 *連分数 >実数 a は整数部分と小数部分に分けられる。 >小数部分が 0 ならおわりにして、そうでなければ >小数部分を「何分の1」と書くと、分母は1以上の実数。 >よって、0でない整数部分と、小数部分に分けられる。 >小数部分が 0 ならおわりにして、そうでなければ >小数部分を「何分の1」と書くと、…… > >これを続けることにより、整数部分からなる数列が得られる。 >この数列を a の連分数展開という。 性質 >有理数を連分数展開すると有限で終了する。 >無理数を連分数展開すると無限に続く。 有理数とは、「整数係数の1次方程式の解」でした。 無理数のうち、 >「整数係数の2次方程式の解」を連分数展開すると循環する。 したがって、整数の平方根は循環する。 ''<計算方法>'' 値を計算して、整数部分がいくつになるか調べる。 小数部分の逆数をとる。 この2つを繰り返す。 逆に、連分数展開が与えられたときは、 $$ X = 2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{\ddots}}}} $$ とおく。 $$ 2+\frac{1}{X} = 2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{\ddots}}}} $$ なので、 $$ X = 2+\frac{1}{X} $$ 両辺に X をかけて解くと、 $$ X = 1\pm\sqrt{2} $$ ここで、連分数分解の最初に注目すると 0 < 1/X < 1 なので、 $$ X = 1 + \sqrt{2} $$と分かる。 ***覚えておいたほうがよいもの >黄金比$$ \phi = \frac{1+\sqrt{5}}{2} $$の連分数分解は、 > >$$\phi = 1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{\ddots}}}} $$ *tan x のテイラー展開 任意の実数 x に対し次が成り立つ。 $$ \tan x = \frac{\sin x}{\cos x} = \frac{ x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots }{ 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \frac{x^6}{6!} + \cdots } $$ このままでは計算できないので、分数をやめるために $$ \frac{1}{1-x} = 1+x+x^2+x^3+\cdots $$ の 1-x に cos x を代入することを考える。 $$ \begin{align} \tan x &= \frac{ x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots }{ 1 - \left( \frac{x^2}{2!} - \frac{x^4}{4!} + \frac{x^6}{6!} - \cdots \right) } \\ &= \big(x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} + \cdots\big)\Big\{ 1 + \Big(\frac{x^2}{2!} - \frac{x^4}{4!} + \frac{x^6}{6!} - \cdots \Big) + \Big(\frac{x^2}{2!} - \frac{x^4}{4!} + \frac{x^6}{6!} - \cdots \Big)^2 + \cdots \Big\} \end{align} $$ がんばって展開していくと、 $$ \tan x = x^1 + x^3\Big(\frac{1}{2!}-\frac{1}{3!}\Big) + x^5\Big(-\frac{1}{4!}+\Big(\frac{1}{2!}\Big)^2-\frac{1}{3!}\cdot\frac{1}{2!}+\frac{1}{5!}\Big) + \cdots $$ >$$ \tan x = x + \frac{1}{3}x^3 + \frac{2}{15}x^5 + \cdots$$ ここまで覚えれば十分です。なお、詳しくは $$ \tan x = x + \frac{1}{3}x^3 + \frac{2}{15}x^5 + \frac{17}{315}x^7 + \frac{62}{2835}x^9 + \frac{1382}{155925}x^{11} + \cdots $$ です。 ---- *(終)

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