提督×時雨改二、夕立改二2-855

 犬を二匹飼っている。毛並が桜色と黒色の犬だ。この間はついに大人になった。どちらも長年の付き合いで可愛くて仕方がない。二匹とも私にすごく懐いているのでさらに可愛い。私の命令にも忠実だ。私の前ではなんとも可愛らしい犬であったが、敵を前にすると狂犬と猛犬へと変貌した。素晴らしい活躍だ。ここまで育てた甲斐がある。私はとても誇らしかった。
犬は敵を倒して家に戻ってくるといつも期待に満ちた目で私を見上げた。ご褒美を欲しがっているのだ。ご褒美はもちろん与えてやるつもりではあるが、すぐに与えることはしない。わざと焦らすと犬は辛抱たまらなくなって私に縋り付いて来る。犬二匹は私を挟んで私の体に擦り寄る。私はそっと両腕を使ってそれぞれの犬を撫でると嬉しそうに声をあげた。もっと触って欲しそうに体を揺らす。私は望み通りに触ったが、その力は弱い。触ったのか触ってないのか、微妙なラインの力加減。犬はついに我慢できなくなったのか私の手を掴むと犬自身の体に強く押し付けた。自分の指を使って私の指を動かす。その動きに合わせてまた嬉しそうに鳴いた。そして私の顔を舌で舐めてきた。耳、頬、鼻、そして唇を執拗に舐める。私の顔中が唾液まみれだ。私が口を開くと我先にと二つの舌が入り込み私の舌と戯れる。嬉しそうな顔だ。もっと期待している顔だ。私はそろそろいいか、と思いやっと犬を撫で始めた。犬はキャンキャンと高い声で鳴き始めた。私に触られて本当に喜んでいるのだ。私の指の動きに合わせてまるで歌を歌っているかのように鳴いている。あぁ、本当に可愛い。
ついに、一段と高いトーンの鳴き声を発した。その後はぁはぁと息を荒くして私の体に倒れこんだ。私は黒色にお願いをした。黒色は頷くとフラフラと立ち上がり部屋にある簡易冷蔵庫の前へ行った。ドアを開けると中から入れ物を取り出して私の元へ戻った。私はそれを受け取ると蓋をあけた。中身はバターだ。私は服装を少し緩めてバターをそこへ塗りつけた。バターの冷たさが体中に伝わる。二匹はその様子をじっと見ていた。ある程度塗り終わってから私が犬の頭を撫でるとそれを合図に犬がバターを舐め始めた。犬の下が隈なくバターを舐めとろうとしていた。私は犬の頭を撫で続ける。犬がバターを舐めているのが気持ちよかった。犬も気持ち良さそうに舐めていた。そうしているうちに新しいバターが出そうになった。それを察知した犬は口をその場所へ近づけた。二匹が顔を寄せ合ったところでバターが出た。犬は新しいバターをすべて飲みこもうと必死だったが少量は口から零れて頬に垂れていた。それぞれの頬についたバターを犬が互いに舐め取った。
それを見ていると新しいバターがまた出来そうだった。桜色はランランと目が輝いていた。黒色は悔しそうに桜色を見る。何故二匹の表情に違いがあるのかというと、二回目のバターは一番頑張った犬に与えることをルールとして決めていたからだ。今日は桜色が一番敵をやっつけて頑張った。だから黒色はバターはお預けだ。でも一番にはなれなくても体を撫でることにしている。
桜色は私の体に乗っかった。既にバターを食べる準備は万端だった。桜色は口を開けて上下に動きながらバターを待っていた。私は片手で黒色の体を触る。私に撫でられながら黒色は私の唇を必死に舐めていた。黒色の身体が震えている。私はもう片方の手で桜色の膨らみを揉みほぐす。その柔らかい感触にますます私自身が昂る。室内に鳴き声が響く。どれがどちらの鳴き声なのか私には分からなかった。その判断ができない程犬は激しく動き私の体に擦り寄る。もう限界だった。バターが溢れた。桜色は体を仰け反らせてバターを飲み込んだ。はぁはぁ、と犬と私は荒い息遣いになった。私は黒色から手を離すと桜色の脇を両手で掴み、口を離させた。その動きで桜色がまた鳴いた。口からはバターがボタボタと零れた。犬は二匹共しゃがみ込んで床に落ちたバターを舐め始めた。本当に欲張りな犬だ。そこがまた、愛らしいのだが。
床のバターを舐め終わると犬は顔をあげた。私は二匹の頭を優しく撫でた。嬉しそうに私の手に顔を擦り付ける。
「次も期待しているぞ、お前たち」
私の言葉に犬は頷いた。
「次もあたしが一番になるっぽい」
「…いや、次は僕だよ」
「負けないわよ!」
「僕だって」
二人は睨みあったが、すぐに笑顔に変わった。互いにライバル視をしていても、元々仲の良い姉妹だ。桜色――――――夕立も内心は次は時雨に頑張ってもらいたいと思っているだろう。かといって手加減をするつもりも毛頭ない。時雨もそれを望んではいない。今回は夕立が勝ったことにより時雨とイーブンの勝敗になった。さて、次はどちらが勝つのやら。
「それじゃあ風呂に入るか――――――私が洗ってやろう」
そう言うと時雨と夕立はまた顔を赤らめた。その期待に満ちた目に私の興奮はぶり返し、再び股間は熱を持つのだった。

 

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時雨 夕立
最終更新:2013年10月23日 22:55