提督×天龍、提督×加賀2-597

『ハーレム状態の提督が天龍に怒られてから仲直りするまでに駄目になったり怒られたりして最終的には不知火とエロいことする話』の続き

 

 『クズ提督が天龍と肉体関係を結んだことについて怒っている加賀さんが、しかしエロい事されて仲直りする話』



淫らな水音が司令室に響いていた。壁に背をつけた提督の前に跪き、艶やかな黒髪を耳にかけ、一所懸命に頭を振っている艦娘。
口には提督のそれが咥えられ、こぼれた唾液がつやつやのサイハイソックスを濡らしていた。
「なぁ、もうまずい。また夜にきちんと相手をするから……」
時刻は一四○○。状況的にすぐ横の司令室扉を、何時誰がノックするかも分からなかった。
焦りと不安が思考を乱し、しかし背徳が快楽を増大させる。吐息と唾液の跳ねる音が、嫌に大きく聞こえていた。
「気持ちよくないのか?」
一旦陰茎を口から離し、上目遣いに提督を見る。天龍の隻眼は潤み、頬は赤く上気していた。
気持ちがいいかと聞かれると、答えに窮してしまう提督であった。少なくとも、上手だとは言えない。時折歯があたり、痛みが走ることもある。
だが、シュチュエーションが興奮を促して、射精感が高まっているのも事実であった。
黙っていると、天龍は一人納得顔になった後、意地悪く口角を吊り上げ言った。
「なら、きちんと練習しなくちゃな」
奉仕が再開される。根元を両手で包みしごきながら、亀頭が吸われた。ひんやりとした舌が絡みつき、唾液が塗りたくられていく。
しばらく経って、天龍は一旦動きを止めた。訝しげな提督の視線を感じながら、一息置いて決意すると、肉棒を更に奥までくわえ込んでいく。
「おい、そこまでしなくてもいい!」
制止の声には耳を貸さず、激しく頭を前後させる。息苦しさにえずきそうにもなるが、我慢して行為を続けていった。
「も、もう出そうだから、離せ」
喉の感触に我慢がきかず、提督は慌てて言った。しかし天龍は咥え込んだままそれを離そうとはせず、むしろ頬をしぼませ、より吸い付いていく。
張り付く口腔内の感触についに耐えられなくなった提督は、そのままの状態で精を吐き出してしまった。
「んっ! んうぅ……」
悲鳴が上がり、口から脱力した陰茎がずるりと引き抜かれた。しかし天龍は、出された精液まで吐こうとはせず、むしろ手で口を押さえ喉を動かし始めていた。
「天龍、吐き出せ。無理をするな」
提督は頭を撫でながら、しゃがみこんで言った。表情からして苦しそうなのだが、彼女はかぶりを振って、意地でも嚥下をやめない。そしてついには全てを胃にくだしてしまったのだった。
「フフフ……口で、抜いてやったぜ」
息も絶え絶え、口の端から白濁を垂らしながら、それでも不適に微笑む。提督は天龍を抱きしめて、しばらくの間頭をなで続けていた。



司令室の前、加賀は何もできずに立ち尽くしていた。
壁一枚を隔て漏れ出す音が一体何によるものなのか、それを察してからというもの怒りの感情は際限なく沸いてきて、硬く握った拳はみるみる力を強めていた。
本当は思いっきり、この木製の扉を蹴破りたかった。何故我慢しているのかも分からなかった。ただまるで接着剤によって固定されてしまったかのように、
一ミリもまったく動けないでいる。情けなさに涙腺が緩み、気を抜いたら涙を流してしまう気がして、奥歯をひたすら噛み締めていた。
どれほどか経ち音が聞こえなくなって、加賀は扉のすぐ横の壁に背をつけた。むしろ音が無いと、一体中では何が行われているのか、
むやみやたらと詮索してしまいどんどんと機嫌が悪くなっていく。自分の想像に自分で腹を立て、しかしそのスパイラルは終わらない。
そうしてその状態からしばらく待つと、いよいよついに扉が開け放たれて、意気揚々と一人、女が出てきたのであった。
壁を通すと音はくぐもり、声から人物を特定することはできなかった。だから加賀は、その女が現れるとはまったく予想してなくて、だからこそ瞬間的に、
目の前が真っ赤になるほど頭に血が上ったのだった。
「おや? 秘書艦様か。提督に用事なのか?」
天龍は加賀の怒気には気が付かず、いつもの調子でそう話しかけた。
「あなたこそ、なんで司令室にいたのかしら」
「えっ? いや、別に大した用事は無かったんだけど……」
聞かれ、途端にごまかす様に手をわらわらと動かす。赤面し狼狽したその様子が、加賀に油を注いだ。
「そのぉ、あれだ! 遠征任務で、少し相談をな。そんな気にするなって」
じゃあなと言い、身を翻す。ハイソックスの黒に一部汚れがあったことを、加賀は見逃さなかった。
乱暴に開けられた扉の音に、提督は体を震わせ驚いた。顔を伏せ、つかつかと早足で近づく加賀に声をかけようとして、
しかしそれは彼女が机に書類を叩きつけた為に遮られた。
提督は恐る恐る、髪の隙間から一瞬覗いた彼女の顔を見た。口は固く結ばれ、顔色は真っ赤。目つきは鋭く、しかし涙を湛えていた。
バシンという強烈な打撃音が収まるより前に加賀は身を翻し、司令室を後にした。頭の処理が追いつかず放心する提督ではあったが、
落ち着いてくると彼女の怒りの原因も、あるいは涙の理由にも見当はついた。
そもそも怒りと言うならば、それはあの天龍大破の一件以来、ずっと尾を引いていた。しかしそれでもビジネスの話はきちんとしてくれてたし、
今のようにむき出しの敵意を向けてくることも無かった。
「ああぁぁ、だから昼間っからこういうことはするんじゃなかったよまったく!」
自身の失態を嘆き、しかしそれだけではどうしようもない。とりあえずは今よこされた仕事を完遂する。その後何とか加賀に許してもらう。
心軽やかな天龍とは対極な、そんな心胸を引きずって、提督は万年筆を手に取った。



いつもならすぐに終わらすことのできる量の仕事であった。しかし集中が乱され、気は落ち込み、思考の大部分が違う所に向かっていた状態では、
処理の時間が長大化するのもやむをえない話で、結局秘書艦部屋の前にたどり着けたのは、夜もどっぷりふけ込んでからであった。
提督は扉を前に少しの逡巡の後、意を決してノックをした。
「加賀、今いいか? 昼間のことで……」
そこまで言いかけると、ズガンと言う盛大な音と共に戸が震えた。おそらく外装の一部が投げつけられたのであろう、遅れてごろごろと硬質の何かが転がる音もする。
予想通りの反応に一つため息をし、しかしここで踏みとどまるわけにはいかなかった。警告は無視して、臆せずに扉を開ける。
「入るぞ」
部屋は暗く、加賀は蒲団の上に座る形で背をこちらに向けていた。一歩踏み出すとその体勢のまま、彼女は枕を投げつけた。
それはかなりのスピードを保ったまま見事に提督の顔面にヒットして、ボフンと間抜けな音を発させた。甘い彼女の香りを嗅いだ後、
顔から引っ付いた枕を引き剥がして再び歩を進める。
加賀のすぐ後ろにまで寄ってから、提督はしゃがみこんだ。
「枕でよかったよ。優しいな加賀は」
微笑み話しかけても、当然反応はない。
しばらく無言の時が過ぎた。月光が外から入り込み、加賀のうなじを白く照らしていた。そんな様子を観察しながら、提督はひたすら沈黙を貫きとおす。
「なにか用でしょうか」
先に耐えられなくなったのは、加賀の方であった。酷く冷たい、それでいて疲れきったような声が静かな部屋に響く。
「用がないなら、今すぐ私の部屋から出て行って」
「用ならある。加賀、すまなかった。俺を許してはくれまいか?」
加賀はその言葉を聞くと、猛然と振り返り提督を睨みつけた。目は泣き腫らし赤くなって、しかしその視線の鋭さはまったく衰えない。
手が動いたと認識するより先に、頬への衝撃と破裂音があった。視界が一瞬ぶれ、顔が壁の方に勢いよく向いてしまう。頬の痛みを気にせずに、
なんとか再び正面を向くと、しかし尚加賀は怒りを込めて睨み続けていた。
「お前の怒りは、もっともだ。俺も否定できないよ。だから、いくら叩かれても、文句は言わない。だが、」
言いかけた言葉は、二回目の衝撃で中断させられる。また同じ頬が叩かれた。
提督は腕を伸ばし、加賀の体を抱き寄せようとした。当然、猛烈な反発にあう。まず腕を叩かれ胸を殴られ、しかし怯まなかった。
ついにその腕の中にすっぽり体躯を収められると、加賀は抵抗をやめてしまった。代わりに悔しさと、怒りと、その他諸々の感情の噴出が、
声となり涙となって外へあふれてきた。
提督に頭をなでられて、たかだかその程度のことで不甲斐なく満たされてしまう自身の心を、加賀は恥じた。しかしそんな男に転んだ身ゆえ、
それはどうしようもないことだったのだ。漏れる声を押し殺し、しがみつくように服を掴んでひたすら提督の体温を感じていった。
「すまなかった」
提督からこの言葉を聞いた回数は、おそらく全艦娘の中で加賀が一番多かった。つまりそれだけの回数許し続けているわけで、
今回もその例には漏れないのだろう。加賀にはそれが不甲斐なくもあったし、しかしどこか誇らしくもあったのだ。
そのままの体勢で、随分時間が過ぎ去った。嗚咽はいつの間にか聞こえなくなり、部屋は再び静寂に包まれた。
気恥ずかしさをこらえようやく話せるようになると、加賀は開口一番に言った。
「……私にも、あの娘にしたことをして。今すぐ。そうしたら許してあげます」
伏せ目がちな表情が、暗い部屋の中やたら目立っていた。
提督は背中に回した腕を一旦解くと、加賀の顎に指を置き上を向かせた。加賀は目を閉じ、
そしてそのすぐ後には顔の近くに吐息と唇に感触を感じた。
つまるところ、それを天龍にもしていたと言うことになる。
それが意識されると涙が競りあがるほどの切なさを感じるが、しかし逆にそれが、不謹慎にも満足を与えることにもなるのであった。
少なくとも、その娘と同等には愛されているのだという証明。それが純粋に嬉しく思えた。
蒲団に優しく押し倒す。口の周りは、既にお互いの唾液でべっしょりと濡れていた。袴をずらして豊かな胸に直接指を這わせながら、
首筋を、鎖骨を舐めていった。いやらしい吐息、たまに漏れ出す嬌声と、そして獣のように荒い呼吸音が部屋に充満していった。
愛撫のたび、加賀は体を震わせながら提督をかき抱いた。キスをせがむとすぐ、舌が口を割って入ってくる。望むものが手に入る、
感じられる悦が心地よかった。
「もう、が、我慢できません。……お願い、いれて」
加賀は袴の紐を自分で解くと、そのまま足を使ってずり下げた。太ももが上から露わになっていき、その淫靡さに思わず提督は喉を鳴らした。
しかし、まだ加賀の願いには応えない。
「天龍にしたことを、するんだろう。ならまだおあずけだ」
自分以外の、他の女の名前が出たこと。それがショックでもあり、しかしどこかマゾヒスティックな興奮を、背徳的な刺激を伴っていた。
呆然と目を見開く加賀をよそに、提督はその手を下へと伸ばしていった。
秘所を指で撫で上げる。途端、跳ね上がる加賀の体。逃がさないようにがっちりと覆いかぶさりながら、割れ目への刺激を続けていった。
「くぅ……あ、はっ! あああ! ゆ、許して、許してください……指では、指でイきたくない、の、あっああ!」
言葉とは裏腹に、しかし体は絶頂へと確実に昇っていった。水音が大きくなっていき、それに対する羞恥がむしろ、快楽を増大させる。
指が陰唇を割り中へと入った。肉壷は柔らかくぬめり、くわえ込むように動いている。
愛液をかき出すように中指を動かす。指の腹が壁を撫でるたびに、加賀の手はシーツをぎゅっと握り締めた。
「ふぅっ……っああ! だめぇ! いや、あっあああ!」
加賀の体が大きく仰け反った。普段の落ち着いた声音からは想像できない、大きな嬌声を吐き出しながら、びくびくと身を弾ませる。
足は伸び手は突っ張って、何秒もそのままでいた後に、がくんと力が抜けたようだった。
普段の自慰では到達できないような深い快楽。しかし満足には程遠い。膣は熱く、しかし切なくしっとりと濡れそぼっていた。
「こ、こんな……。だめ、なのに……」
ぐったりと力の抜けた体が、蒲団に沈んでいった。焦点の合わない瞳が、提督をみる。その背徳的艶麗さに、理性の箍が外れた。
猛った陰茎を取り出すと、提督は容赦なくそれを加賀の膣に突き入れた。
「ひっ……いやぁ、待って!」
悲鳴があがる。だがそれは当然聞き入られるわけが無い。刺激から逃れようと加賀はじたばたと腕を動かしたが、
提督の手は抵抗を許さなかった。両腕がつかまれ、頭上に持ち上げられ押さえつけられる。なされるがまま、加賀は強すぎる快楽に、
しかし期待をしていた悦に身を炙られた。
嬌声は一段と高く響いていた。もはや声が外に漏れるだとか、そういったことに意識を向ける事ができない。
許して許してと連呼しながら、頭を横に振る。狂ったように腰を打ちつけ、その度に淫らな、破裂音のような水音が鳴っていた。
ついには加賀は言葉も発せずに、ただただ喉を震わせて声を出すだけになった。
射精感はみるみる高まっていった。欲望のまま我慢もせずにストロークを速めていく。そしてついに提督は、
最奥へと自身の劣情をぶちまけた。



気だるさの極地のような感覚。
提督は加賀を抱き、そして意識は眠りの淵にあった。もう何秒ももたない、そんな希薄な思考の中でふと昼のことを思い出す。
「また夜にきちんと相手をするから……」
そう、たしかに提督はそういうことを口走っていた。もし天龍が司令室を訪れていたのなら。もし今夜の事が彼女にばれたなら。
危機感だけはあったが、それを行動には移せない。提督は心地よい胸の温もりに全てを預け、そして意識を手放してしまった。


 

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天龍 加賀
最終更新:2014年06月11日 23:06